いつか死ぬのだから

夏休みの黒いアルバイト

高額アルバイト

　大学生活において、アルバイト選びというものは千差万別、十人十色。保守的な学生はオーソドックスな職種を選ぶ傾向にある。例えばファミレスなどの飲食店・外食産業。あるいは小売とかアミューズメント系、工場や倉庫業務とか。
　オーソドックスな職種を選ぶよりとにかく生活のため、高給にこだわる人間であれば男ではガテン系が多く、女性はホテルの配膳などを選ぶ。私もこの辺のアルバイトを色々やってみた。引越し業務やテントを建てたりコンサートの準備や片付けをするイベント系の仕事。
　中には一風変わった仕事を見つけてくる学生もいる。例えば測量技師の手伝いとか、交通量調査、アンケート調査員とか、中には治験とか死体洗いとか、実しやかに語られる仕事を実際にする人間もいる。
　他には事務系の仕事。出版社や編集の手伝い、営業のアルバイトだってある。私が1か月だけやった営業の仕事は、あるレンタルのトイレ芳香剤のサンプルを各企業回って置いて貰って、実際にサンプルを置いてもらった企業がレンタル契約を結びたい、と申し出たところで時給以外のマージンが入る仕事があった。この仕事ははっきり言って苦痛だった。営業成績が一か月でノルマを突破したので引き留められたが、契約を取れたところで何も嬉しくなかった。
　何はともあれ一回生の夏前まで、ありとあらゆる仕事をやってみた。いろいろやってみてわかったことは、目の前にぶら下がった日給に飛びついても、それは詰まるところいつまでも続けられる仕事ではない。息の長い手堅い仕事を選んだやつの方がトータルで稼いでいるのではないか、と思う。