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新しい月
しおりを挟むそこは、、、ちょうど夜の月が姿を隠す新月の日です。
いつもより静かで、それでも夜の空は、負けずにたくさんの星が瞬いていた時でした。
お城では、女王様の赤ちゃんが産まれ、大きな光りと共に包まれ、泣き声が止む事ありません。
「おぎゃあ。おぎゃあ。、、、おぎあ。、、、。」
女王様も安堵しかけた頃に、たくさんの人達が叫び騒ぐ声が聴こえ、産まれたばかりの赤ちゃんの声と姿は、大きな光りと共にどこかに消え失せるという事件が起きました。
この国には、魔術師はいない。
何の仕業なのか解らない。
緊急に、魔術師がいる隣国に連絡をいれた。
すぐに隣国の魔術師がテレポートできてくれた。
状況の説明も隣国と、この国は、協定して魔術師の依頼も直ぐにできる。
王宮に入った魔術師は、待女が女王宮まで案内をするために待っていた。
(事情もわかっているので直ぐに見つけてあげたいが、、、。難しいかもしれない、、、。)
この魔術師は、妖精と仲が良く使役する水の鏡を召還した。
探し物、探し人を見つける事ができる。
おそらく場所は、トラヴィスとでた。
「お子は、人間のいない精霊の住むと言われる山奥トラヴィスへと何者かに連れていかれたようです。」
魔術師の水鏡をじっとみつめると、王様にはさっきまで泣いていた我が子がいる。
(本当にあそこにいるのか、、、。息をのむ王様。今すぐにいってやりたい!)
「加護持ちで二つもあり、木と金で相剋関係だ。かなり、珍しい資質。
今は、精霊と一緒のようです。」
相剋関係とは、力を消したり、攻撃したりする関係で、一つだと相生関係を生み出しやすく、お互いの力を助けやすくなる。
王族の人間や騎士達も大抵は、一つだけ。
王様の力は、最高の金。
魔法も上級。
金は、最上位。
そんな王様でも、トラヴィスは、精霊の森でもあり、簡単には近づけない。
入れない場所。
捜索も先に進まず、王都では、なくなってしまったという事に。
光りは、消えたと。。。
真実を民衆に知らせるすべがなかった。
女王様は、子どもの事を忘れられず部屋に籠りきりに。
王様は、まわりに側室も必要ではと諭され傾きそうになりながらも、女王との子どもを何とか探してやれないかと考える毎日だった。
温かな光りに包まれていた赤ちゃんは、地面の布団で休んでいた葉っぱの精霊の近くに下りてきました。
「おや? どうしたのかな?」
(だれ?ここは?どこ?)
「小さなかわいい声がする?どこかな?」
( ここだよ。)
赤ちゃんがほほえんでこっちをみている。
「あなたかな?心のお話ができるのね。」
( ね。)
葉っぱの精霊は、少しの間だけでもいいかな?
この子がおっきくなるまで。
そんな軽い気持ちで見守ろうと考えました。
精霊の方が、一緒に生活して行く中でも、子どもの毎日の発見には、驚かされていきます。
いつまででも、名前がないとかわいそうかな?、、、と考えていた所でした。
名前は、その日の精霊の名前で「ハンナ」と名付けました。
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