彼女の世界は

藍華

文字の大きさ
1 / 3

新しい月

しおりを挟む
 


 そこは、、、ちょうど夜の月が姿を隠す新月の日です。

 いつもより静かで、それでも夜の空は、負けずにたくさんの星が瞬いていた時でした。


 お城では、女王様の赤ちゃんが産まれ、大きな光りと共に包まれ、泣き声が止む事ありません。

 「おぎゃあ。おぎゃあ。、、、おぎあ。、、、。」

 女王様も安堵しかけた頃に、たくさんの人達が叫び騒ぐ声が聴こえ、産まれたばかりの赤ちゃんの声と姿は、大きな光りと共にどこかに消え失せるという事件が起きました。


 この国には、魔術師はいない。
何の仕業なのか解らない。


 緊急に、魔術師がいる隣国に連絡をいれた。
 すぐに隣国の魔術師がテレポートできてくれた。
 状況の説明も隣国と、この国は、協定して魔術師の依頼も直ぐにできる。

 王宮に入った魔術師は、待女が女王宮まで案内をするために待っていた。

 (事情もわかっているので直ぐに見つけてあげたいが、、、。難しいかもしれない、、、。)

 この魔術師は、妖精と仲が良く使役する水の鏡を召還した。

 探し物、探し人を見つける事ができる。

 おそらく場所は、トラヴィスとでた。

 「お子は、人間のいない精霊の住むと言われる山奥トラヴィスへと何者かに連れていかれたようです。」
 
 魔術師の水鏡をじっとみつめると、王様にはさっきまで泣いていた我が子がいる。
 (本当にあそこにいるのか、、、。息をのむ王様。今すぐにいってやりたい!)


 

 「加護持ちで二つもあり、木と金で相剋関係だ。かなり、珍しい資質。
 今は、精霊と一緒のようです。」

 相剋関係とは、力を消したり、攻撃したりする関係で、一つだと相生関係を生み出しやすく、お互いの力を助けやすくなる。
 王族の人間や騎士達も大抵は、一つだけ。

 王様の力は、最高の金。
      魔法も上級。


 金は、最上位。

 そんな王様でも、トラヴィスは、精霊の森でもあり、簡単には近づけない。

 入れない場所。


 捜索も先に進まず、王都では、なくなってしまったという事に。

 光りは、消えたと。。。

 真実を民衆に知らせるすべがなかった。


 女王様は、子どもの事を忘れられず部屋に籠りきりに。

 王様は、まわりに側室も必要ではと諭され傾きそうになりながらも、女王との子どもを何とか探してやれないかと考える毎日だった。
 



 
 温かな光りに包まれていた赤ちゃんは、地面の布団で休んでいた葉っぱの精霊の近くに下りてきました。

 「おや? どうしたのかな?」

       (だれ?ここは?どこ?)

   「小さなかわいい声がする?どこかな?」

   ( ここだよ。)

  赤ちゃんがほほえんでこっちをみている。

  「あなたかな?心のお話ができるのね。」

   (  ね。)


 葉っぱの精霊は、少しの間だけでもいいかな?
 この子がおっきくなるまで。              
そんな軽い気持ちで見守ろうと考えました。 

 精霊の方が、一緒に生活して行く中でも、子どもの毎日の発見には、驚かされていきます。

 いつまででも、名前がないとかわいそうかな?、、、と考えていた所でした。

 名前は、その日の精霊の名前で「ハンナ」と名付けました。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

処理中です...