彼女の世界は

藍華

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ハンナ

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 あれから、五年の月日が流れハンナは、五歳に。

 金色のふわふわの髪は、腰まで長く、太陽に照らされるとキラキラ光る。

 トラヴィスの精霊みんなから愛され、護られている。

 今日は、ハンナの誕生日で精霊から大事なお話しがあると言う。
 精霊は、以前からこの日が来たら、ハンナに自分たち( 精霊。)と人間の違いを話そうと決めていました。

 まだ、幼いハンナは、全てを理解出来ないかもしれません。

 今は、精霊から教えてもらう事も、好奇心がまさり何にでも、挑戦する性格です。

 既に精霊からは、小さな魔法をたくさん操る事も教わっています。

 物覚えの良いハンナは、どんどん吸収して精霊たちからでも、このまま行くと少し危ないとされ始めました。
 それほどの力を付けてきたからです。

 この国では、加護持ちは、幼い頃からあると魔力が高く、暴発するおそれがあり、抑える術は、魔法を身に付けていく事とされています。

 だから、二つも加護を持つハンナには、初めから精霊たちからみても、この世界で貴重な存在です。

 普通は、人間から教えてもらう魔法もハンナは、精霊からで魔力量も多い、危険な事が起こらないように大切な事を話す事に決めました。



 「 ハンナ~~~!  ハ~ンナ~!! 」

    「 どこにいるんだ~! 」

 たくさんの精霊たちがハンナを探しています。

 「 ハンナは、朝、ここの丘にいたよ。」

 「 ハンナは、直ぐにふらふらいなくなるからなぁ。」

   さわさわ。
   さわ。

 緑の葉っぱが、風に揺れる音がする。

 「 くす。くすくすっ。」

 「 ハンナを探してるみたいだよ。心配みたい。」

 「 今日は、お誕生日だから。早く戻ろうよ。」

 「 え~! しょうがないなぁ。」

 ハンナは、少し不機嫌にしながらも、みんなのいる所に向かって、精霊と歩き出した。

 この時は、まだハンナ自身、いつものお誕生日会だと思っていたのだった。

 大切な話しを聞くまでは...。

 「 ただいま。みんな。」

 ハンナが、精霊のみんなが集まる家に帰ってきた。

 集まる精霊は、様々でトラヴィスに住んでいるおおまかには、『 精霊。木々、葉、 花、等 』何か違う雰囲気。

 「 え!」

 今年は、族長ばかりからのお祝い?

 「 ? 」 

 ハンナは、かなり不思議がっています。

 「 ハンナ。お誕生日おめでとう!」

 「 今日は、とても大事な話しがあってみんなを呼んだのだよ。」

 実は、名付け親の精霊が、ハンナに大切な話しを告げるに必要な為、呼んだ精霊たちでした。





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