黒蛇男

zubro909

文字の大きさ
22 / 95
3. 龍太を殺す

3. 龍太を殺す (3)

しおりを挟む
剛は幼馴染の葵を土曜日に呼び出して、隅田川の花火を観に行くことにした。

「今日この女で童貞を捨ててやる」

剛は昨晩眠れなかった。

挿入してすぐにイカないように、オナニーで5回射精した。昨晩から胸の動悸がおさまらなかった。

待ち合わせをした時、葵は浴衣にVUITTONの鞄で来た。いつになく張り切っているところがバレバレで、剛は一瞬センチメンタルな気持ちになった。また、剛は葵の服のセンスのなさ、ヤンキー感にいじらしさを感じた。

だが、洋介を植物人間にするアップセットを実現し、街のヤクザや不良と喧嘩を重ねる剛は。
セックスにおいては、か弱い童貞だった。

「腕を組んじゃおー」

葵は生き急いだギャルらしく、夢みるような顔で腕を組んだ。

葵はもう10人とセックスしていたが、剛との時間では完全に舞い上がった感覚を感じていた。葵は昔から剛に憧れ続けて来たし、オナニーする時に妄想していたは剛だった。他の男とセックスしている時も、途中からはいつも剛を想像していたのだ。

剛と葵は蒸し暑い中で二人で藤川市から東京まで出て、花火を観た。今までに感じたことのない人混み。二人で冒険しているような感覚だった。

花火が終わり、藤川市に戻り、地元の神社で話していた。剛はいつ肩に手を回すか、悩んでいた。葵が他の男達とセックスしていることはわかっている。童貞だとはバレたくない。

だが、葵はとっくに剛が童貞だということはわかっていた。デートに誘って来た時から、今日の剛の目的も察していた。

(剛君は私で童貞を捨てようとしているな)

会った時から、剛がやたらと虚勢を張っていること。

短パンの下ではち切れる程に勃起していること。行きの電車で座っている時には、うっすらと短パンにシミが出来ていたこと。それが、剛の我慢汁で、パンツを通り越して短パンにまでついていることまでわかっていた。

(こういう時に、薄い色の短パン履いて来たら、バレる位わからないのかな?)
(やっぱり剛君は真面目なんだな。頭が良くても、全くこういうことには頭が回らないんだな)

ただ、憧れている剛が自分に興奮していること、今鼻息を荒くして困っている姿がたまらなくかわいらしく感じた。

(早く来ないかなー。身体中可愛がって、トロトロにしてやりたい)

剛は意を決した。

(絶対に童貞だと悟られないように。こいつのヤンキーの男達より荒々しく抱くんだ!)

剛は不必要に乱暴に葵を押し倒して、キスをしようとした。葵はさっと身体を離した。剛は、葵は自分を好きだと思っていたから意外だった。

「葵、嫌なのか?」

葵は何も言わずに、微笑みながら剛を見上げた。

微笑みの中に悪戯っぽい悪魔を感じて、剛はゾッとした。ただただ長く冷たく見つめられた。剛には、耐えられなく長い時間に感じられた。

葵はふっと剛の唇に、白い手の指を触れて、唇にそってなぞった。

「ああっ、ああああ…」

剛は小さく声を出してしまった。

今まで全てに剛に従順だった葵の眼は見たことがない程に挑戦的、いや攻撃的だった。

葵のなすがままだった。時折、胸を触る。尻を掴む。だが、先をとられるように、葵に手を取られ、元の場所に戻された。

(剛君は、思ったよりも全然ウブなんだな)
(私達みたいに今すぐ子供を産もうとしてない。高校や大学に行ってから、徐々にセックスを覚えていくんだろうなあ。まだまだ、本気でセックスするのが怖いんだろうなあ)

(やっぱり、これは労働者階級と知識階級の違いってやつなのかなあ)

葵は普段考えない、どこで聞いたかも忘れたような事を思い出すほど、余裕があった。
剛にとっては、葵は全く別人のように大人の女性に感じた。

葵は圧倒的な余裕や経験値の差を利用し、憧れていた男の童貞を貪ることに興奮していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...