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第1話(B)
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スピカは柔らかな表情になってポラリスに顔を向けて話す。
「えぇ、行商人になって旅をして、景色を見ながら各地を巡って、もう叶わないと思っていた夢を今、叶えられていますわ」
ポラリスも柔らかな表情でスピカを見ながら話す。
「夢を叶えられて、本当に良かったですね。私も叶えられるかな……」
すると、スピカがポラリスに語り掛ける。
「そうね、夢は見るだけではなくて向かう姿を見せることも大切だと思いますわ。
あなたを見ていてくれる人達は、頑張っている姿に勇気をもらったり、あなたの笑顔に元気になれたり、ポラリスを応援しながら、
みんなも応援されているんじゃないかしら」
ポラリスは目を大きくさせて、歌手を目指している少女のカペラと、アイドルに憧れる小さな女の子のラナのことを思い浮かべる。
そしてスピカから、ポラリスに優しい声で言葉を伝える。
「高い理想を求め過ぎて足元が見えなくなる
こともあれば、不安で下ばかりを見て、目の
前の困難に辛くぶつかる時もありますわ。
そんな苦しい時は前を向いてみることよ、
自信を持ってごらんなさい、誰かと比べなく
てもいいのですわよ、あなたの良さもあるの
だから」
ポラリスは話しているスピカの顔を見つめて訊いている。
「目指していることに向き合う自分の意志を持って、どんなに迷っても自分なら出来ると信じて、一歩ずつ夢に向かい続けることが、あなたの道標になってくれますわ」
するとポラリスは目を大きくさせて、驚いた表情になると、顔が赤くなってしまう。
「自分の意志……石ってそう言う! 私、
意味を取り違えてしまって恥ずかしい……」
スピカは少し微笑みながら話を続ける。
「その意味もあるかも知れませんけれども、
お父様の言いたかったあなただけの石と言う
のは、おそらく個性のことだと思いますわ。
同じ石にも色んな形や名前があるわ、輝き
方もそれぞれ、人の個性も似ていますわね」
探し求めていたポラリスだけの石、それは彼女らしさと夢を目指す彼女の意志だった。
そのことに気付けたポラリスは、ピンク色の瞳をキラリと光らせると、心のモヤモヤが吹っ切れた様に、嬉しそうな表情で呟く。
「個性……私は私でいても、いいんだ!」
そのポラリスを見たスピカは頬を緩ませて彼女に問い掛ける。
「探しものは見付けられたかしら?」
ポラリスは澄んだ笑顔を見せて、明るい声で元気にスピカに答える。
「はい! 大切なものを見付けられました!
私は私らしく、みんなが好きでいてくれる
私でいようと思います。
そして笑顔を届けられるように、出会えた
一人一人を大切にしていきたいです!」
スピカは優しく見つめるとポラリスに話し掛ける。
「見付けられてなにより。
わたくしもポラリスを応援していますわ」
ポラリスは嬉しそうな表情でスピカにお礼を伝える。
「スピカさん、今日はお話を訊いて頂いて、ありがとうございました」
スピカも優しく見つめてポラリスに返事をする。
「いえいえ、わたくしも楽しめましたわ」
すると、ポラリスがスピカに訊ねる。
「スピカさんはこの後の行商、どこへ向かうんですか?」
スピカは少し考えると行き先を話し、写真を送る成り行きで、連絡先を交換しようかと黒のシマートホンを取り出して。
「そうねぇ、アダラ湖を見に行こうかしら、ポラリスにも湖の写真を送るわ、連絡先交換しましょうか?」
ポラリスは表情をぱぁぁっとさせてとても嬉しそうに即答する。
「えっ、はいっ! お願いしますっ!」
「随分嬉しそうね、もしかして言い出せずにいたとか?」
「ち、違いますっ!!」
青い瞳をジト目にしてポラリスの顔を伺うスピカ。
「ホントにぃ……?」
「ホントにホントですっ!!」
ポラリスはそう答えながら頬を赤く染めて照れながら、慌てて両手のパーを前に出してワタワタさせた。
「ふふっ」と二人で笑い合い、名残惜しいポラリスの気持ちにお別れの風が吹く。
そして砂浜の二人は、ポラリスがピンク色でスピカが黒のシマートホンを向け合って、別れ際の時間を過ごしていたのであった。
「えぇ、行商人になって旅をして、景色を見ながら各地を巡って、もう叶わないと思っていた夢を今、叶えられていますわ」
ポラリスも柔らかな表情でスピカを見ながら話す。
「夢を叶えられて、本当に良かったですね。私も叶えられるかな……」
すると、スピカがポラリスに語り掛ける。
「そうね、夢は見るだけではなくて向かう姿を見せることも大切だと思いますわ。
あなたを見ていてくれる人達は、頑張っている姿に勇気をもらったり、あなたの笑顔に元気になれたり、ポラリスを応援しながら、
みんなも応援されているんじゃないかしら」
ポラリスは目を大きくさせて、歌手を目指している少女のカペラと、アイドルに憧れる小さな女の子のラナのことを思い浮かべる。
そしてスピカから、ポラリスに優しい声で言葉を伝える。
「高い理想を求め過ぎて足元が見えなくなる
こともあれば、不安で下ばかりを見て、目の
前の困難に辛くぶつかる時もありますわ。
そんな苦しい時は前を向いてみることよ、
自信を持ってごらんなさい、誰かと比べなく
てもいいのですわよ、あなたの良さもあるの
だから」
ポラリスは話しているスピカの顔を見つめて訊いている。
「目指していることに向き合う自分の意志を持って、どんなに迷っても自分なら出来ると信じて、一歩ずつ夢に向かい続けることが、あなたの道標になってくれますわ」
するとポラリスは目を大きくさせて、驚いた表情になると、顔が赤くなってしまう。
「自分の意志……石ってそう言う! 私、
意味を取り違えてしまって恥ずかしい……」
スピカは少し微笑みながら話を続ける。
「その意味もあるかも知れませんけれども、
お父様の言いたかったあなただけの石と言う
のは、おそらく個性のことだと思いますわ。
同じ石にも色んな形や名前があるわ、輝き
方もそれぞれ、人の個性も似ていますわね」
探し求めていたポラリスだけの石、それは彼女らしさと夢を目指す彼女の意志だった。
そのことに気付けたポラリスは、ピンク色の瞳をキラリと光らせると、心のモヤモヤが吹っ切れた様に、嬉しそうな表情で呟く。
「個性……私は私でいても、いいんだ!」
そのポラリスを見たスピカは頬を緩ませて彼女に問い掛ける。
「探しものは見付けられたかしら?」
ポラリスは澄んだ笑顔を見せて、明るい声で元気にスピカに答える。
「はい! 大切なものを見付けられました!
私は私らしく、みんなが好きでいてくれる
私でいようと思います。
そして笑顔を届けられるように、出会えた
一人一人を大切にしていきたいです!」
スピカは優しく見つめるとポラリスに話し掛ける。
「見付けられてなにより。
わたくしもポラリスを応援していますわ」
ポラリスは嬉しそうな表情でスピカにお礼を伝える。
「スピカさん、今日はお話を訊いて頂いて、ありがとうございました」
スピカも優しく見つめてポラリスに返事をする。
「いえいえ、わたくしも楽しめましたわ」
すると、ポラリスがスピカに訊ねる。
「スピカさんはこの後の行商、どこへ向かうんですか?」
スピカは少し考えると行き先を話し、写真を送る成り行きで、連絡先を交換しようかと黒のシマートホンを取り出して。
「そうねぇ、アダラ湖を見に行こうかしら、ポラリスにも湖の写真を送るわ、連絡先交換しましょうか?」
ポラリスは表情をぱぁぁっとさせてとても嬉しそうに即答する。
「えっ、はいっ! お願いしますっ!」
「随分嬉しそうね、もしかして言い出せずにいたとか?」
「ち、違いますっ!!」
青い瞳をジト目にしてポラリスの顔を伺うスピカ。
「ホントにぃ……?」
「ホントにホントですっ!!」
ポラリスはそう答えながら頬を赤く染めて照れながら、慌てて両手のパーを前に出してワタワタさせた。
「ふふっ」と二人で笑い合い、名残惜しいポラリスの気持ちにお別れの風が吹く。
そして砂浜の二人は、ポラリスがピンク色でスピカが黒のシマートホンを向け合って、別れ際の時間を過ごしていたのであった。
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