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7話 美波が異世界召喚されて56日目
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***美波が異世界召喚されて56日目***
『ママァァァ―――好きって言え―――!』
今日も元気に娘の声が頭に響く。
「はいはい、好きよ美波」
『ママ、聞いてよ聞いて!』
「はいはい。なーに?」
『最近ママのおにぎりこっちで食べてたら声が聞こえるんだよ』
「う…ん…?」
『おいし~って食べてたら、”こんにちはヒメヒカリです。よかったです。”とか言われちゃって。びっくりしながら食べたよね』
(……米、自己紹介した?)
「いやいや、最後までそのまま食べたんかい!」
『うん。美味しかった』
「そこは一旦止まって、確認するでしょ」
『いや~日本の食材はよく神様がいるよね。特に米の作り手の神様が嬉しそうに話すんだよ~』
「は?神?」
『そうそうママの料理再現してくれる妖精さんが我が家に来てくれて~』
「いやいや話が飛びすぎでしょって…ん?我が家?」
『あーそうだよね。言ってなかった。
私おうち買ったんだよ』
「あ…安心して過ごせる場所が出来たのね。良かった。」
『海と山が近い広い土地があったから、マッテちゃんに言って交渉してもらって私の土地になったんだ。』
「頼れるお友達なのね、マッテちゃん。ママ安心したわ。
家はどんな家?美波、掃除出来ないから心配だわ」
『大丈夫。妖精さんがめっちゃ働き者だから』
「いや、そこは自分で頑張ろうよ美波…」
『美波、これでも家を持ってから忙しいの――』
「何忙しくしてるの?」
『庭にミカンの木植えて、ブドウの苗も植えて育ててるんだよ。甘い実がなるよ』
「いやいや植えてからそんなに経っていないでしょ?」
『私の土地になった時点でマッテちゃんが祝福してくれたから、毎日実がなってるよ。収穫するだけで大変なんだよ。
ママ、イチゴ好きだよね。今度イチゴも育てるね』
「いやいやいやいや……待って、待って!!」
『あれイチゴ嫌いだった?』
「イチゴは大好きよ。そこじゃないの!そこじゃないのよぉー!」
『何々?どこなのママ?』
「マッテちゃんて………人ではないの?」
『マッテちゃん?神様だよ』
「!!!」
『ママ?』
「……待って」
『ママ?どうしたの?身体しんどいの?』
「……ホント待って。パパが帰って来てから続き話そう。
ママ、受け止めきれないわ……」
『ママ、冷蔵庫にポーション入れておいたから、いつでも飲んで』
「……ありがとう………でもね美波、その前にポーションの名前を教えて?」
『エリクサー』
「それは異世界にないない!絶対こっちに持ってきちゃダメ!」
『わーママが元気になった!』
「元気になったんじゃなくて……も――――!!」
『ママだーい好き』
「ママも美波の事好きよ……」
(やらかしが恐ろしいけど…ホント恐ろしいけど……)
***
パパが仕事から帰って来た。
「ただいまー今年は年末年始の休みが土日挟むから10日もあるぞ~嬉しいな~」
とても嬉しそうに休みが長いと言っているパパを見て私は大きなため息をつくしかなかった。
『パパ―――お帰り~。お休み長いの嬉しいな~
こっちでのんびり過ごせるね~~』
パパが美波の声を聞いて、私の姿をみてようやくやっちまったと思ったらしく顔を若干青くしていた。しかし私のショールを肩にかけてパジャマ姿をみて心配顔をする。
「ママ?どうしたんだい?とてもしんどそうだけど…風邪かい?」
「ちょっと頭痛が…」
『だからママ!ポーション飲んでよ!』
「ないないって言ったでしょ!」
『え―――――』
「それよりも今日はきつねうどん。カンタンに晩御飯食べてお話しましょう」
「パパがやるよ。ママは寝てていいよ」
「ありがとうパパ」
『わーーーー相変わらずラブラブだね~良いね!良いね!』
「美波…パパにもマッテちゃんの事言うのよ」
『?うん?』
「マッテちゃんってこの前言っていた友達だね。どうしたんだい?喧嘩したのかい?
地球のお菓子プレゼントしたら喜ぶんじゃないかい?
今日は文旦飴買ってきたんだよ。美波好きだろー」
『文旦飴好き―――。喧嘩じゃないよ~仲良しだよ。
ママにマッテちゃんが神様って話したら元気なくなったんだよ』
嬉しそうに手に持っていた文旦飴を落とすパパ。
辺りをきょろきょろと見回し、私の顔に視線を向けたパパの眉毛は綺麗な八の字眉になっていた…
(そうなるわよね…そうよね…)
「マッテちゃんは何の神様なんだい?」
『マッテちゃん?えっと一番偉い神様だったっけ?』
「「は?」」
『パパもママも名前知ってるでしょ~』
「「?」」
「まって…まって…マッテちゃんって日本の…神様なの?」
『そうだよ。アマテラ――』
「待って待って!! ストップ! 流石に待って!」
『えーなに?どうしたのママ』
「美波異世界に居るんだよね。」
『世界が異なるから異世界だね』
「なぜ日本の神様が居るのそっちに?」
『こっちの世界の人間があまりにも日本人を召喚するから怒って怒鳴り込みに来たところに居合わせて、仲良くなったんだよ』
「怒鳴り込み…」
「最高神が…」
(……待って。今の説明、世界観がやばすぎる)
『ちょうど私がこの世界で信仰されて、神格を得た時にね―』
「神格?」
「信仰?」
『マッテちゃんが殴り込みに来て、日本人と言う事もあって意気投合して、友達になったの』
私たちは夫婦そろって頭を抱えることになった。美波曰く
『ほら、ポーションあげた貴族の人に神!って言われ出して、なんか神殿が建っちゃって、祭り上げられるの嫌だからダンジョンに逃げたら踏破して、まあ実質的に逃げられたんだけど…国外追放万歳だったよ』
「「………」」
『でもー、あの貴族の人が公爵って一番偉い貴族だったからねー』
昨日新聞で私を追放した王様、公爵様に怒られて王様じゃなくなったんだって』
(もう…もう…何が何だか…わからない事になっている…)
『あれ?パパ?ママ?おぉ―――い!!大丈夫?』
(美波が異世界召喚されて約2カ月……
なんで!
なんで!!
なんでたった2カ月で神様になってるのよぉぉぉぉ!!
==========
読んで頂きありがとうございます✿次回更新はクリスマス25日00時更新です。
『ママァァァ―――好きって言え―――!』
今日も元気に娘の声が頭に響く。
「はいはい、好きよ美波」
『ママ、聞いてよ聞いて!』
「はいはい。なーに?」
『最近ママのおにぎりこっちで食べてたら声が聞こえるんだよ』
「う…ん…?」
『おいし~って食べてたら、”こんにちはヒメヒカリです。よかったです。”とか言われちゃって。びっくりしながら食べたよね』
(……米、自己紹介した?)
「いやいや、最後までそのまま食べたんかい!」
『うん。美味しかった』
「そこは一旦止まって、確認するでしょ」
『いや~日本の食材はよく神様がいるよね。特に米の作り手の神様が嬉しそうに話すんだよ~』
「は?神?」
『そうそうママの料理再現してくれる妖精さんが我が家に来てくれて~』
「いやいや話が飛びすぎでしょって…ん?我が家?」
『あーそうだよね。言ってなかった。
私おうち買ったんだよ』
「あ…安心して過ごせる場所が出来たのね。良かった。」
『海と山が近い広い土地があったから、マッテちゃんに言って交渉してもらって私の土地になったんだ。』
「頼れるお友達なのね、マッテちゃん。ママ安心したわ。
家はどんな家?美波、掃除出来ないから心配だわ」
『大丈夫。妖精さんがめっちゃ働き者だから』
「いや、そこは自分で頑張ろうよ美波…」
『美波、これでも家を持ってから忙しいの――』
「何忙しくしてるの?」
『庭にミカンの木植えて、ブドウの苗も植えて育ててるんだよ。甘い実がなるよ』
「いやいや植えてからそんなに経っていないでしょ?」
『私の土地になった時点でマッテちゃんが祝福してくれたから、毎日実がなってるよ。収穫するだけで大変なんだよ。
ママ、イチゴ好きだよね。今度イチゴも育てるね』
「いやいやいやいや……待って、待って!!」
『あれイチゴ嫌いだった?』
「イチゴは大好きよ。そこじゃないの!そこじゃないのよぉー!」
『何々?どこなのママ?』
「マッテちゃんて………人ではないの?」
『マッテちゃん?神様だよ』
「!!!」
『ママ?』
「……待って」
『ママ?どうしたの?身体しんどいの?』
「……ホント待って。パパが帰って来てから続き話そう。
ママ、受け止めきれないわ……」
『ママ、冷蔵庫にポーション入れておいたから、いつでも飲んで』
「……ありがとう………でもね美波、その前にポーションの名前を教えて?」
『エリクサー』
「それは異世界にないない!絶対こっちに持ってきちゃダメ!」
『わーママが元気になった!』
「元気になったんじゃなくて……も――――!!」
『ママだーい好き』
「ママも美波の事好きよ……」
(やらかしが恐ろしいけど…ホント恐ろしいけど……)
***
パパが仕事から帰って来た。
「ただいまー今年は年末年始の休みが土日挟むから10日もあるぞ~嬉しいな~」
とても嬉しそうに休みが長いと言っているパパを見て私は大きなため息をつくしかなかった。
『パパ―――お帰り~。お休み長いの嬉しいな~
こっちでのんびり過ごせるね~~』
パパが美波の声を聞いて、私の姿をみてようやくやっちまったと思ったらしく顔を若干青くしていた。しかし私のショールを肩にかけてパジャマ姿をみて心配顔をする。
「ママ?どうしたんだい?とてもしんどそうだけど…風邪かい?」
「ちょっと頭痛が…」
『だからママ!ポーション飲んでよ!』
「ないないって言ったでしょ!」
『え―――――』
「それよりも今日はきつねうどん。カンタンに晩御飯食べてお話しましょう」
「パパがやるよ。ママは寝てていいよ」
「ありがとうパパ」
『わーーーー相変わらずラブラブだね~良いね!良いね!』
「美波…パパにもマッテちゃんの事言うのよ」
『?うん?』
「マッテちゃんってこの前言っていた友達だね。どうしたんだい?喧嘩したのかい?
地球のお菓子プレゼントしたら喜ぶんじゃないかい?
今日は文旦飴買ってきたんだよ。美波好きだろー」
『文旦飴好き―――。喧嘩じゃないよ~仲良しだよ。
ママにマッテちゃんが神様って話したら元気なくなったんだよ』
嬉しそうに手に持っていた文旦飴を落とすパパ。
辺りをきょろきょろと見回し、私の顔に視線を向けたパパの眉毛は綺麗な八の字眉になっていた…
(そうなるわよね…そうよね…)
「マッテちゃんは何の神様なんだい?」
『マッテちゃん?えっと一番偉い神様だったっけ?』
「「は?」」
『パパもママも名前知ってるでしょ~』
「「?」」
「まって…まって…マッテちゃんって日本の…神様なの?」
『そうだよ。アマテラ――』
「待って待って!! ストップ! 流石に待って!」
『えーなに?どうしたのママ』
「美波異世界に居るんだよね。」
『世界が異なるから異世界だね』
「なぜ日本の神様が居るのそっちに?」
『こっちの世界の人間があまりにも日本人を召喚するから怒って怒鳴り込みに来たところに居合わせて、仲良くなったんだよ』
「怒鳴り込み…」
「最高神が…」
(……待って。今の説明、世界観がやばすぎる)
『ちょうど私がこの世界で信仰されて、神格を得た時にね―』
「神格?」
「信仰?」
『マッテちゃんが殴り込みに来て、日本人と言う事もあって意気投合して、友達になったの』
私たちは夫婦そろって頭を抱えることになった。美波曰く
『ほら、ポーションあげた貴族の人に神!って言われ出して、なんか神殿が建っちゃって、祭り上げられるの嫌だからダンジョンに逃げたら踏破して、まあ実質的に逃げられたんだけど…国外追放万歳だったよ』
「「………」」
『でもー、あの貴族の人が公爵って一番偉い貴族だったからねー』
昨日新聞で私を追放した王様、公爵様に怒られて王様じゃなくなったんだって』
(もう…もう…何が何だか…わからない事になっている…)
『あれ?パパ?ママ?おぉ―――い!!大丈夫?』
(美波が異世界召喚されて約2カ月……
なんで!
なんで!!
なんでたった2カ月で神様になってるのよぉぉぉぉ!!
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読んで頂きありがとうございます✿次回更新はクリスマス25日00時更新です。
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