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コルドナ辺境拍領
184話 食事と癒しとで気合いが入る
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青空食堂に第一陣討伐隊として出ていた人たちがぽつぽつと入ってきた。その中に疲れた顔をしながら騎士装備の男の人たちがいて、調理隊に三角巾とエプロンを付けた小さい子供を見つけぎょっとしていた。その横にさらに小さな幼児がぴったり側に居る。冒険者ギルドを使用している冒険者たちにとっては見慣れた光景だが、騎士達は初めて見る光景に戸惑い、心配をし始めた。
「なんでスタンピードのさなか、子供が街外に居るんだ?」
「親の手伝いか?」
「危なくないか?」
口々に少女達を心配する声が上がるが、その少女はニコニコして食堂に入ってきた皆に声掛けをしてトレーを渡す係をしている。
「お疲れ様です。水分補給しっかりしてくださいね」
「お兄さんお野菜も取りましょうね」
「お酒はスタンピードが終わるまではお預けですよ」
次々に来る疲れた討伐隊の参加者をニコニコ笑顔で、労い、出迎えてくれる。騎士たちがその子供の前に来ると、
「騎士様お疲れ様です。いつもと違う森での戦闘で疲れたと思うので、しっかりお肉食べてくださいね」
そう言ってトレーを騎士に渡してくる。その横に居た子供と女性にコップに入ったドリンクを渡される。
「疲れが取れやすくなる水分補給ドリンクです。残さず飲んでください」
「ああ…」
受け取ったドリンクをトレーに置いて次々に人が来るので前に動いていく。一人の騎士の後ろに居た同僚らしい騎士が少女に
「君は子供だろう。なぜこんな所に居るんだ?」
皆が不思議に思っているだろうと、騎士は理由を聞いた。すると少女がニッコリ笑って
「私もまだ駆け出しですが冒険者です。皆のお役に立てる様頑張ってます」
そう可愛い事を言う。「そっか。その幼さで冒険者か…」騎士達は沈痛な顔をする。きっと家庭に事情があるのだろうと考えたのであろう。そんな顔をしている騎士達にニコニコ笑顔で、
「それに養父も参加しておりますので、一番にここでおかえりなさいを言いたいんです」
「トーは、寂しがり屋だからな。我たちが出迎えてやるのだ」
横に居た幼児もうんうんうなずきながら騎士達にいう。そんな幼児と少女は目を合わせ「ねー」っと笑い合う。なんだろう、さっきまで疲れ切っていた身体が若干癒された感じが…
騎士達だけではなく、周りに居た冒険者も、こんな娘が欲しいと思ってしまった。そんな受付で立ち止まっている騎士たちを、パンの給仕の担当者から、こちらに取りに来てくれと声掛けがあり、騎士たちはあわただしく進んでいった。
次々とくる第一討伐隊の面々、食事をして仮設のテントで仮眠をとって夜の6時に再度討伐に出る。収まるまでは6時間交代での戦闘。
皆、初日のまだまだ前半なので、早々にテントに入って行った。
***
辺りにすごく香ばしいニンニクの匂いが充満してくる。仮眠をとっていた騎士達も鼻を引くつかせテントから出ると、討伐に行く前に晩御飯として、おにぎりと唐揚げ串を討伐に向かう冒険者たちに渡している。騎士達も良いにおいに我慢できなくなり、少し早いがいそいそと討伐に出る準備をして、食事を渡してくれている列に並ぶ。
「良いにおいだな」
そう同僚騎士に話しかけると、同僚騎士は調理をしている所を見てびっくりしていた。
「…なぁあの子…昼の時にトレー渡してくれた子じゃないか?」
その言葉に俺も調理をしている所に視線を向けると、あの少女が、大鍋の前に陣取って、次々に肉を鍋に入れて行っている。
「凄い。調理班の子だったんだ」
5分もたたないうちに肉を鍋から取り出し油切りのバットに入れていく。それを見て早くないか?中迄火が通ってるのか?と不安に思いながら見ていると、食事を出してくれるところのすぐ後ろでも強火で肉を揚げていた。
そこでは先ほどと同様に1度揚げた肉を再度揚げ直しをしていてびっくりした。手間じゃないか?そう思いながら、食事を受け取る番になったので渡してくれる人に聞くと、
「食べてみたらわかるよ。2度揚げするととてもジューシーになるんだって、嬢ちゃんが言ってたんだ。現場に向かいながら食べられるこの食事もその嬢ちゃんのアイデアだよ」
そう言って、俺のこぶしぐらいの大きな握り飯と、唐揚げが5個付いた串を2本と保水ポーションを紙袋に入れて渡された。渡してきた恰幅の良いおかみさんが
「騎士様たちも討伐頼むよ!!」
そう言いながら背中を叩かれ元気に送り出してくれた。俺たちは簡易拠点を出て目的地に向かう街道に出てすぐに、皆で渡された唐揚げ串を頬張った。カリッと音が出た衣の中から、肉汁がジュワっと出てきて全員で目を見開いて口をもぐもぐと動かしながらアイコンタクトと頷きだけで旨いを表現。
あっという間に唐揚げ串を完食してしまった。
袋の中に入った串を見て…もう無くなった事にしょげてしまったが、仲間の一人が
「討伐から帰ったら、まずはこの唐揚げ串がどこで買えるか聞かなきゃダメだな」
「次もこれ喰いたい。腹いっぱいになるまで喰いたい」
俺たちの心はその言葉に同意していた。
「次の休みはこの唐揚げが食えるお店でみんなで飲もうな」
お互い拳を当て合い気合いを入れて次の休みを楽しみに森に向かって進んでいた。
「なんでスタンピードのさなか、子供が街外に居るんだ?」
「親の手伝いか?」
「危なくないか?」
口々に少女達を心配する声が上がるが、その少女はニコニコして食堂に入ってきた皆に声掛けをしてトレーを渡す係をしている。
「お疲れ様です。水分補給しっかりしてくださいね」
「お兄さんお野菜も取りましょうね」
「お酒はスタンピードが終わるまではお預けですよ」
次々に来る疲れた討伐隊の参加者をニコニコ笑顔で、労い、出迎えてくれる。騎士たちがその子供の前に来ると、
「騎士様お疲れ様です。いつもと違う森での戦闘で疲れたと思うので、しっかりお肉食べてくださいね」
そう言ってトレーを騎士に渡してくる。その横に居た子供と女性にコップに入ったドリンクを渡される。
「疲れが取れやすくなる水分補給ドリンクです。残さず飲んでください」
「ああ…」
受け取ったドリンクをトレーに置いて次々に人が来るので前に動いていく。一人の騎士の後ろに居た同僚らしい騎士が少女に
「君は子供だろう。なぜこんな所に居るんだ?」
皆が不思議に思っているだろうと、騎士は理由を聞いた。すると少女がニッコリ笑って
「私もまだ駆け出しですが冒険者です。皆のお役に立てる様頑張ってます」
そう可愛い事を言う。「そっか。その幼さで冒険者か…」騎士達は沈痛な顔をする。きっと家庭に事情があるのだろうと考えたのであろう。そんな顔をしている騎士達にニコニコ笑顔で、
「それに養父も参加しておりますので、一番にここでおかえりなさいを言いたいんです」
「トーは、寂しがり屋だからな。我たちが出迎えてやるのだ」
横に居た幼児もうんうんうなずきながら騎士達にいう。そんな幼児と少女は目を合わせ「ねー」っと笑い合う。なんだろう、さっきまで疲れ切っていた身体が若干癒された感じが…
騎士達だけではなく、周りに居た冒険者も、こんな娘が欲しいと思ってしまった。そんな受付で立ち止まっている騎士たちを、パンの給仕の担当者から、こちらに取りに来てくれと声掛けがあり、騎士たちはあわただしく進んでいった。
次々とくる第一討伐隊の面々、食事をして仮設のテントで仮眠をとって夜の6時に再度討伐に出る。収まるまでは6時間交代での戦闘。
皆、初日のまだまだ前半なので、早々にテントに入って行った。
***
辺りにすごく香ばしいニンニクの匂いが充満してくる。仮眠をとっていた騎士達も鼻を引くつかせテントから出ると、討伐に行く前に晩御飯として、おにぎりと唐揚げ串を討伐に向かう冒険者たちに渡している。騎士達も良いにおいに我慢できなくなり、少し早いがいそいそと討伐に出る準備をして、食事を渡してくれている列に並ぶ。
「良いにおいだな」
そう同僚騎士に話しかけると、同僚騎士は調理をしている所を見てびっくりしていた。
「…なぁあの子…昼の時にトレー渡してくれた子じゃないか?」
その言葉に俺も調理をしている所に視線を向けると、あの少女が、大鍋の前に陣取って、次々に肉を鍋に入れて行っている。
「凄い。調理班の子だったんだ」
5分もたたないうちに肉を鍋から取り出し油切りのバットに入れていく。それを見て早くないか?中迄火が通ってるのか?と不安に思いながら見ていると、食事を出してくれるところのすぐ後ろでも強火で肉を揚げていた。
そこでは先ほどと同様に1度揚げた肉を再度揚げ直しをしていてびっくりした。手間じゃないか?そう思いながら、食事を受け取る番になったので渡してくれる人に聞くと、
「食べてみたらわかるよ。2度揚げするととてもジューシーになるんだって、嬢ちゃんが言ってたんだ。現場に向かいながら食べられるこの食事もその嬢ちゃんのアイデアだよ」
そう言って、俺のこぶしぐらいの大きな握り飯と、唐揚げが5個付いた串を2本と保水ポーションを紙袋に入れて渡された。渡してきた恰幅の良いおかみさんが
「騎士様たちも討伐頼むよ!!」
そう言いながら背中を叩かれ元気に送り出してくれた。俺たちは簡易拠点を出て目的地に向かう街道に出てすぐに、皆で渡された唐揚げ串を頬張った。カリッと音が出た衣の中から、肉汁がジュワっと出てきて全員で目を見開いて口をもぐもぐと動かしながらアイコンタクトと頷きだけで旨いを表現。
あっという間に唐揚げ串を完食してしまった。
袋の中に入った串を見て…もう無くなった事にしょげてしまったが、仲間の一人が
「討伐から帰ったら、まずはこの唐揚げ串がどこで買えるか聞かなきゃダメだな」
「次もこれ喰いたい。腹いっぱいになるまで喰いたい」
俺たちの心はその言葉に同意していた。
「次の休みはこの唐揚げが食えるお店でみんなで飲もうな」
お互い拳を当て合い気合いを入れて次の休みを楽しみに森に向かって進んでいた。
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