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コルドナ辺境拍領
193話 少年は理由に思い至る
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静かな室内で床に崩れるアルマ君に、トテトテとコーくんが近寄って声を掛けた。
「童よ、緊張して居ったな。もう大丈夫だぞ」
そう言って小さな手で一生懸命アルマ君の背中を撫でてあげている。心配したハワワも「ハワワ?」と小さくつぶやき、ウハハも「大、丈夫?」と小さく声を出す。私もふーと大きく息を吐き、アルマ君の前にかがんで何があったのか聞いた。
「あの人たちは知り合い?」
私の言葉にアルマ君は力なく首を振って
「初めて会った奴らだよ」
そう言った。私はうーんと考えながら首をひねった。
「大人のトラブルならいざ知らず、連れていかれそうな、あの状態でギルドのスタッフが何も声を出さないのって変じゃない?」
私が言葉を漏らしたその瞬間、扉が開き、二人の人物がすぐさま入ってきた。 入ってきたのは待ち人のナギ師匠と、先ほど受付対応してくれた受付のテリアお姉さん。
「カナメちゃん無事だった?ごめんね遅くなって。アルマ君も怖い思いをさせてしまって申し訳ない。今ちょうどギルド長が別室に連れて行き対応に入ってるから、今のうちにギルドを出よう」
アルマ君はこわごわとナギ師匠に尋ねた。
「あの人たちなんなんですか?綺麗な格好してて、どう見ても貴族って分かるのに僕を連れて行こうとしていました…」
ナギ師匠は、困った顔をして言いよどむ。そんな師匠に私も気になることを聞いた。
「そうだよ、どう考えても未成年のアルマ君が引っ張られてるのにギルドの人何も言わなかったのはなんで?」
テリアお姉さんと、ナギ師匠は顔を見合わせて困ったように口を開いた。
「僕たちも詳しい事はまだわからないんだけど、あの子達新しく辺境騎士隊長になったミケーレ団長の娘さんと騎士たちの子供達らしんだよ。全員貴族の子供達だから平民からは声がかけられなくて、ごめんね。もうすぐに騎士団には使いの者を出しているから安心して」
やっぱり貴族か…でもどうして貴族がアルマ君を…困惑しているアルマ君に尋ねた。
「ねーアルマ君、今日ギルドで何していたの?」
「え?あ…えっと、何したっけ…?えっとクエスト受注しようとギルドに来て…」
困ったように眉を下げて考え込むアルマ君に横から助け船が入った。テリアお姉さんだ。
「アルマ君は確か、従魔が欲しいってよく話している、見習い冒険者のミトちゃんと掲示板を見ながら話をしていたよ。どこだっけ…」
テリアお姉さんの言葉を聞いていて思い出したのか、アルマ君が言葉をはさんだ。
「そう。ピッコモンキーをジャルの森とは方向の違うえっと、アズル森林の方で見かけたって話していた。んで、ミトはピッコモンキー可愛いけど悪戯好き過ぎて従魔には向かないって。きちんと調教できないとトラブルの元だって話してたな」
ピッコモンキー、猿型魔獣で特徴は確か、思い出しながら特徴を述べる。
「ピッコモンキーって確か悪戯好きで有名な魔獣。大したことが出来るわけじゃないし、食用にもできないけど、幻影魔法が使えるものがたまに現れるって、教えてもらった。」
「僕もそう教えてもらった。でも確か…あれ、もしか…して…」
アルマ君が話しながらどんどん声が小さくなって最後無言になった。これはもしかして、ナギ師匠と目線を合わせてうなずいてアルマ君に問いかけた。
「思い当たった事があった?」
アルマ君は、俯いた顔を上げ私の目を見ながら思い出すように話はじめた。
「僕が見かけたピッコモンキー、何か金色に光る何かを持って駆けて行っていたなって話してすぐにあいつらに絡まれて…」
それを聞いた途端、立てた人差し指をアルマ君に向けた。私以外の声も一斉にハモった。
「「「それだ」」」
私と、ナギ師匠、テリアお姉さんの大声にビクッと身じろぎしたアルマ君を冷静に見ていたコーくんが声を出した。
「ふーむそれならば我でその猿を探すか。」
探す?え?なんで???そう思っているのが顔に出ていたのか、コーくんは可愛らしいお口の片方を上げて悪い笑顔を作って言った。
「童に非道を働こうとしているものを我は許すつもりが無いのでな。
必要であれば偉そうなやつらの目の前に掲げ、これが欲しければ謝るがいいと宣言してやるのだ。」
フンス!とばかりに胸を張り言い切る見た目ただの3歳児(中身ドラゴン)。可愛い。癒される――とほのぼの見ていたら、コーくんが首を傾げた。
「なんだ?我がしようとしていることは犯罪か?」
その言葉にナギ師匠とテリアさんを見る。二人は首をフルフルと横に振り、コーくんに笑顔で返事をした。
「討伐した魔物が持っているものは討伐者のものになるから問題ないよ」
その言葉にやはりニヤリと悪い笑顔を作り(出来てない。可愛いだけ)、言い放った
「今日の冒険は決まったの。カナメ。我がついているのだ!大船に乗ったつもりでいるがいい!ワハハハハハ!!」
見た目三歳児のコーくんの高笑いは、部屋に居る皆の癒しになった。とだけ言っておこう。
「童よ、緊張して居ったな。もう大丈夫だぞ」
そう言って小さな手で一生懸命アルマ君の背中を撫でてあげている。心配したハワワも「ハワワ?」と小さくつぶやき、ウハハも「大、丈夫?」と小さく声を出す。私もふーと大きく息を吐き、アルマ君の前にかがんで何があったのか聞いた。
「あの人たちは知り合い?」
私の言葉にアルマ君は力なく首を振って
「初めて会った奴らだよ」
そう言った。私はうーんと考えながら首をひねった。
「大人のトラブルならいざ知らず、連れていかれそうな、あの状態でギルドのスタッフが何も声を出さないのって変じゃない?」
私が言葉を漏らしたその瞬間、扉が開き、二人の人物がすぐさま入ってきた。 入ってきたのは待ち人のナギ師匠と、先ほど受付対応してくれた受付のテリアお姉さん。
「カナメちゃん無事だった?ごめんね遅くなって。アルマ君も怖い思いをさせてしまって申し訳ない。今ちょうどギルド長が別室に連れて行き対応に入ってるから、今のうちにギルドを出よう」
アルマ君はこわごわとナギ師匠に尋ねた。
「あの人たちなんなんですか?綺麗な格好してて、どう見ても貴族って分かるのに僕を連れて行こうとしていました…」
ナギ師匠は、困った顔をして言いよどむ。そんな師匠に私も気になることを聞いた。
「そうだよ、どう考えても未成年のアルマ君が引っ張られてるのにギルドの人何も言わなかったのはなんで?」
テリアお姉さんと、ナギ師匠は顔を見合わせて困ったように口を開いた。
「僕たちも詳しい事はまだわからないんだけど、あの子達新しく辺境騎士隊長になったミケーレ団長の娘さんと騎士たちの子供達らしんだよ。全員貴族の子供達だから平民からは声がかけられなくて、ごめんね。もうすぐに騎士団には使いの者を出しているから安心して」
やっぱり貴族か…でもどうして貴族がアルマ君を…困惑しているアルマ君に尋ねた。
「ねーアルマ君、今日ギルドで何していたの?」
「え?あ…えっと、何したっけ…?えっとクエスト受注しようとギルドに来て…」
困ったように眉を下げて考え込むアルマ君に横から助け船が入った。テリアお姉さんだ。
「アルマ君は確か、従魔が欲しいってよく話している、見習い冒険者のミトちゃんと掲示板を見ながら話をしていたよ。どこだっけ…」
テリアお姉さんの言葉を聞いていて思い出したのか、アルマ君が言葉をはさんだ。
「そう。ピッコモンキーをジャルの森とは方向の違うえっと、アズル森林の方で見かけたって話していた。んで、ミトはピッコモンキー可愛いけど悪戯好き過ぎて従魔には向かないって。きちんと調教できないとトラブルの元だって話してたな」
ピッコモンキー、猿型魔獣で特徴は確か、思い出しながら特徴を述べる。
「ピッコモンキーって確か悪戯好きで有名な魔獣。大したことが出来るわけじゃないし、食用にもできないけど、幻影魔法が使えるものがたまに現れるって、教えてもらった。」
「僕もそう教えてもらった。でも確か…あれ、もしか…して…」
アルマ君が話しながらどんどん声が小さくなって最後無言になった。これはもしかして、ナギ師匠と目線を合わせてうなずいてアルマ君に問いかけた。
「思い当たった事があった?」
アルマ君は、俯いた顔を上げ私の目を見ながら思い出すように話はじめた。
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それを聞いた途端、立てた人差し指をアルマ君に向けた。私以外の声も一斉にハモった。
「「「それだ」」」
私と、ナギ師匠、テリアお姉さんの大声にビクッと身じろぎしたアルマ君を冷静に見ていたコーくんが声を出した。
「ふーむそれならば我でその猿を探すか。」
探す?え?なんで???そう思っているのが顔に出ていたのか、コーくんは可愛らしいお口の片方を上げて悪い笑顔を作って言った。
「童に非道を働こうとしているものを我は許すつもりが無いのでな。
必要であれば偉そうなやつらの目の前に掲げ、これが欲しければ謝るがいいと宣言してやるのだ。」
フンス!とばかりに胸を張り言い切る見た目ただの3歳児(中身ドラゴン)。可愛い。癒される――とほのぼの見ていたら、コーくんが首を傾げた。
「なんだ?我がしようとしていることは犯罪か?」
その言葉にナギ師匠とテリアさんを見る。二人は首をフルフルと横に振り、コーくんに笑顔で返事をした。
「討伐した魔物が持っているものは討伐者のものになるから問題ないよ」
その言葉にやはりニヤリと悪い笑顔を作り(出来てない。可愛いだけ)、言い放った
「今日の冒険は決まったの。カナメ。我がついているのだ!大船に乗ったつもりでいるがいい!ワハハハハハ!!」
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