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イルグリット王国 魔道具編
148話 再会
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コンコン。障子が叩かれる。障子は叩かないでと心で思いながら口にしない。ここは異世界…そんな事を考えていると外から、
「メルフ商会の方にお客様です」
メルフ商会?何の商会?私はコテンと首をかしげて室内を見回したけれどウィル達も知らない様子。すると扉の外からの声掛けに席を立ちながら答えたのはトーさん。
「どうぞ、中に入ってくれ。」
障子を開けて中に入ってきたのは、茶髪の癖の強い髪を肩の辺りで切り揃えた、ふくよかな体型の40前後の女性だった。女性は明らかに高貴なオーラを出しているウィルや紬木ちゃんを見て肩をこわばらせていたが、
「ジェニーおばさん!!どうしたニャ?」
入ってきた人を見てシンさんが声を上げ、シンさんと目の合ったジェニーおばさんと呼ばれた女性は、元気なシンさんを見て、
「シン!!無事だったんだね!!良かった」
そう言ってシンさんに駆け寄り、強く抱きしめた。ふくよかなお胸に抱きこまれたシンさんは、息が出来ないようでジタバタして、おばさんの肩をぺちぺち叩く。それに気づいた叔母さんは、はっとして抱きしめている腕を解いた。そうしてシンさんの両頬を両手で挟み込み、お顔をしっかりチェックして安心したような顔をした。
「元気そうで良かったよ。あいつらに何もされなかったかい?」
「大丈夫ニャ!後ろのクロトが助けてくれたから無事だったニャ!」
親し気に話す二人。シンさんにもこうやって、気にかけてくれる人が居て良かった。 ジェニーおばさんは、後ろを振り返り、入口に立っていたトーさんに頭を下げた。
「シンを助けて頂きありがとうございました。あのまま工房に居たら爺さんを動かすために、シンが捕まるのは目に見えていたから、どうにか逃がしたかったんだよ。でも、シンが逃げたのがすぐにバレてね、職人連中も皆心配してたんだ」
「俺は猫が追い立てられてて、気になって手を出しちまっただけだからな。まあおかげで、いろいろ知れて良かったよ。で、爺さんからの手紙見せてくれ」
「あぁ。きちんと預かってきているよ」
そう言って皺だらけの封筒をトーさんに渡すジェニーおばさん。封筒を受け取りながらトーさんがシンさんに、
「シン、事が落ち着いたら客に出す封筒の管理、きちんとしとけよ。皺だらけなんてこれじゃあ客が逃げるぞ」
そんな軽口を言いながらトーさんは渡された封筒から紙を出して読み始める。読み終わったトーさんは、クククと肩を震わし笑い始める。そしてシンさんに向かって
「お前の爺さんは天才だな!!フリムストの企みなんか端から見抜いて、既に対抗策を作り上げてるってよ。これはあのほのぼの夫婦にも気合い入れてもらわねーとな」
不敵な笑みを浮かべたトーさんは、室内に響くよう手をパンと鳴らし、真剣な顔で皆に宣言する。
「腹ごしらえだ。皆、飯を食ってから動くぞ」
そう言ってメニュー表をお願いして皆で食事をする事になった。メニュー表に何気に日本のソウルフードが混ざっているせいで紬木ちゃんが泣きながらおにぎりを食べ、唐揚げを食べ、
「この世界でお好み焼きが食べれるなんて…嬉しい」
ソースの匂いを堪能しながら泣くという、残念美少女感あふれる姿を見せても、ウィルは嬉しそうな顔をして紬木ちゃんを見ていた。そんなウィルの懐で、抱えた塊がゴソゴソ動き、眠たげな目をした男の子が目を擦りながら顔を出した。
少年はキョロキョロと辺りを見回してから、私たちの食べている食事を見て、ゴクリと喉を鳴らした。もぞもぞと動いたかと思うと、居丈高に言葉を発した。
「我は腹が減っているのだ!すぐに食卓を整えよ!」
もぐもぐご飯を食べながら皆が少年を見る。
もぐもぐもぐもぐ
私も、トーさんも食事を止める気が無い。シンさんとジェニーおばさんは可哀想なものを見る目で少年を見ている。先ほどの嬉しそうな笑顔が鳴りを潜めた紬木ちゃんは無の顔でお好み焼きを食べている。
もぐもぐもぐ
誰も何も言わない事に少年はイラっとしたのかまた声を荒げた。
「我はフリムスト王国の第2王子なのだ!偉いんだぞ!黒の者が何を見ている!!さっさと我のい言う事を聞くのだ!!」
そう言った途端、ゴス!!っと大きな音が少年の頭に落ちた。少年は痛さのあまり頭を抱え涙目になりながら、今自分を殴った人間は何者なのかを把握するために後ろを振り返る。 少年の目に写ったのは、顔に青筋を立ててげんこつを作り上げているフリムスト王国王太子、。自分にいつも優しい兄の、恐ろしい姿を目に入れて絶句した少年は、10分後には皆の前で土下座していた。
「メルフ商会の方にお客様です」
メルフ商会?何の商会?私はコテンと首をかしげて室内を見回したけれどウィル達も知らない様子。すると扉の外からの声掛けに席を立ちながら答えたのはトーさん。
「どうぞ、中に入ってくれ。」
障子を開けて中に入ってきたのは、茶髪の癖の強い髪を肩の辺りで切り揃えた、ふくよかな体型の40前後の女性だった。女性は明らかに高貴なオーラを出しているウィルや紬木ちゃんを見て肩をこわばらせていたが、
「ジェニーおばさん!!どうしたニャ?」
入ってきた人を見てシンさんが声を上げ、シンさんと目の合ったジェニーおばさんと呼ばれた女性は、元気なシンさんを見て、
「シン!!無事だったんだね!!良かった」
そう言ってシンさんに駆け寄り、強く抱きしめた。ふくよかなお胸に抱きこまれたシンさんは、息が出来ないようでジタバタして、おばさんの肩をぺちぺち叩く。それに気づいた叔母さんは、はっとして抱きしめている腕を解いた。そうしてシンさんの両頬を両手で挟み込み、お顔をしっかりチェックして安心したような顔をした。
「元気そうで良かったよ。あいつらに何もされなかったかい?」
「大丈夫ニャ!後ろのクロトが助けてくれたから無事だったニャ!」
親し気に話す二人。シンさんにもこうやって、気にかけてくれる人が居て良かった。 ジェニーおばさんは、後ろを振り返り、入口に立っていたトーさんに頭を下げた。
「シンを助けて頂きありがとうございました。あのまま工房に居たら爺さんを動かすために、シンが捕まるのは目に見えていたから、どうにか逃がしたかったんだよ。でも、シンが逃げたのがすぐにバレてね、職人連中も皆心配してたんだ」
「俺は猫が追い立てられてて、気になって手を出しちまっただけだからな。まあおかげで、いろいろ知れて良かったよ。で、爺さんからの手紙見せてくれ」
「あぁ。きちんと預かってきているよ」
そう言って皺だらけの封筒をトーさんに渡すジェニーおばさん。封筒を受け取りながらトーさんがシンさんに、
「シン、事が落ち着いたら客に出す封筒の管理、きちんとしとけよ。皺だらけなんてこれじゃあ客が逃げるぞ」
そんな軽口を言いながらトーさんは渡された封筒から紙を出して読み始める。読み終わったトーさんは、クククと肩を震わし笑い始める。そしてシンさんに向かって
「お前の爺さんは天才だな!!フリムストの企みなんか端から見抜いて、既に対抗策を作り上げてるってよ。これはあのほのぼの夫婦にも気合い入れてもらわねーとな」
不敵な笑みを浮かべたトーさんは、室内に響くよう手をパンと鳴らし、真剣な顔で皆に宣言する。
「腹ごしらえだ。皆、飯を食ってから動くぞ」
そう言ってメニュー表をお願いして皆で食事をする事になった。メニュー表に何気に日本のソウルフードが混ざっているせいで紬木ちゃんが泣きながらおにぎりを食べ、唐揚げを食べ、
「この世界でお好み焼きが食べれるなんて…嬉しい」
ソースの匂いを堪能しながら泣くという、残念美少女感あふれる姿を見せても、ウィルは嬉しそうな顔をして紬木ちゃんを見ていた。そんなウィルの懐で、抱えた塊がゴソゴソ動き、眠たげな目をした男の子が目を擦りながら顔を出した。
少年はキョロキョロと辺りを見回してから、私たちの食べている食事を見て、ゴクリと喉を鳴らした。もぞもぞと動いたかと思うと、居丈高に言葉を発した。
「我は腹が減っているのだ!すぐに食卓を整えよ!」
もぐもぐご飯を食べながら皆が少年を見る。
もぐもぐもぐもぐ
私も、トーさんも食事を止める気が無い。シンさんとジェニーおばさんは可哀想なものを見る目で少年を見ている。先ほどの嬉しそうな笑顔が鳴りを潜めた紬木ちゃんは無の顔でお好み焼きを食べている。
もぐもぐもぐ
誰も何も言わない事に少年はイラっとしたのかまた声を荒げた。
「我はフリムスト王国の第2王子なのだ!偉いんだぞ!黒の者が何を見ている!!さっさと我のい言う事を聞くのだ!!」
そう言った途端、ゴス!!っと大きな音が少年の頭に落ちた。少年は痛さのあまり頭を抱え涙目になりながら、今自分を殴った人間は何者なのかを把握するために後ろを振り返る。 少年の目に写ったのは、顔に青筋を立ててげんこつを作り上げているフリムスト王国王太子、。自分にいつも優しい兄の、恐ろしい姿を目に入れて絶句した少年は、10分後には皆の前で土下座していた。
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