ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
13 / 2,518

第13話 方針が決まった

しおりを挟む
 カエデの部屋をとるためにおばちゃんに声をかける。

「おばちゃん、この子を宿に泊めてやりたいんだけど部屋空いてる?」

「あらあら、美人さんを連れ込んじゃって、おませさんね。二人部屋が空いてるわよ」

「そうじゃなくて、一人部屋が空いてないかってことだよ。今日たまたま助けてしばらくパーティーを組むことになったんですよ」

「そうだったの、えっと、隣の部屋が空いてるわね。そこでいい?」

「部屋が違うから問題ないね。カエデはお金もってるか? 落としたりしてない?」

「問題ない、腕輪に入ってるから大丈夫。シュウと同じだけ泊る予定ですけど、いくらかかります?」

「シュウ君は、後五泊だから朝食と夕食込みで15000フランになります」

「思ったより安いね。15000フランね、今日からよろしく」

「助けた後に食ったサンドイッチは、ここの宿特製だったんだぞ」

「っ!! あれは確かに美味しかった。また食べたいと思ったくらいね」

 横を見ると涎を垂らさないか心配になるくらい緩い顔になっていた。

「そういってもらえると、丹精込めて作ったかいがあるってもんだね」

「しばらく泊ってれば、また食べられるから期待しとけ。他の料理も美味いんだぞ。部屋で今後の方針を決めようか。おばちゃん、また飯の時によろしく」

「他のご飯も美味いのね、楽しみにさせてもらおう」

 今後の話し合いをする為に俺の部屋で話をすることにする。

 部屋に入るとカエデの第一声が

「シュウもなんだかんだ言って男の子なのね、いきなり部屋に連れ込むなんて……」

 少し照れながら含み笑いをしているカエデの頭をはたき椅子へ座らせる。

「痛いな~、話に乗ってくれてもいいのに、もちろん押し倒してもOKよ?」

 再度、頭をはたき話を進める。

「今後の方針としては、お金を貯めながら経験値を稼いでいく予定だな」

「お金? コロニーでもそんなこと言ってたわね。いくらくらい貯めたいの?」

「そだな~、400万は最低でも必要だけど、色々考えると500万は貯めておかないと後々大変になるかなって考えてる」

「ふ~ん、そんなものなのね。助けてもらった礼もしていないし、そのくらいなら私がだそう」

「は?」

「だから、500万位なら何とかなるよ」

「Bランクってそんな大金ポンと出せるもんなのか?」

「それは無いだろうね、私は冒険者の稼ぎはほとんどないからね。刀匠と呼ばれているのは聞いたよね、特注武器を作った代金で生活しているわね」

「そういうものか、でも俺が勝手に助けただけだからそれは受け取れないな」

「そんなこと言わずに受け取ればいいのに~」

「強要するならパーティーを解散しよう」

「わかったわ。お金稼げる依頼受ければいいよね」

「見事な変わり身だな。俺のペースでやっていきたいからあまりせかさないでほしいな。ここの街を中心に活動していく予定だからよろしく。後、依頼の報酬やアイテムの買取のお金の配分どうするか? 半々にするにしても実力が釣り合ってないしな、どうしたもんだかな」

「ん? 全部シュウのものでいいんじゃない? 私お金に困ってないし武器や防具も自分で手入れできるし、シュウのも見てあげれるよ?」

「さすがに全部俺に入るのは、悪い気がするんだ」

「う~ん、じゃぁこうしようか。シュウは明らかにドロップ運がいい気がするから、武器や防具に使えそうなアイテムが出たら譲ってほしい。私のカンが、お金で得られないような貴重なアイテムが出るってささやいているのよ」

「しばらくはその方針でいこう。ただ、一つだけ条件を飲んでもらう。基本的に生活する上での必要経費は俺が払う」

「宿代や食事代? それでいいなら私はかまわないよ」

「お金が貯まるまでは依頼を受けてこなすか、森やダンジョンに入ってドロップ狙いで稼ぐ!」

 強引に方向を示しこの計画で進んで行く事とした。

 カエデの事を聞いたり俺の過去(作り話)を話したりして過ごした。

 カエデの特技は、ドワーフらしく鍛冶がかなりの高ランクだそうだ。他にも極東の血が流れているため、物作り全般が得意であるとのこと。自分の武器防具は自分で作り、使いながら調整をしていき自分が一番使いやすい状態に持っていくらしい。

 その一つの完成系として俺が取り返した刀の『迷刀・霞』だったようだ。戻ってきたことを本当に喜んでおり、思い出したカエデがすごい勢いで俺に抱き着き頬にキスをしようとしたので、全力で頭を押しのける。

 好みの子にそういうことをしてもらうのは嬉しいんだけど、今のタイミングではちょっと受け取れない好意である。

 俺の過去(作り話)の話は、名前もない村から出てきて冒険者に登録したのがここ最近であることを話した。村にいた時に憧れていた、自分の家を持つという夢に全力で向かっていることを話した。

 聞いていたカエデは「私たちの愛の巣をもうほしがるなんて、大胆なんだから!」と口をはさんでくるのでスルーしておいた。今日知り合ったばかりの好みの女の子を、1日に何回たたいているのだろう……

 地球だったら絶対あり得なかっただろうな。こんなに話しやすい女の子が近くにいなかったしな、それに好みのタイプなのに緊張せずに話せるんだから貴重だ。

 本当に信用できる子だったらダンマスであることを教えて俺の手伝いをしてもらってもいいかな? 今はいいかもしれないけど、ダンジョンにこもるわけじゃないならずっと一人でいるわけにもいかないだろう。後は、ペットポジションのもふもふもほしいよな~。

 いろんな話をしていると、

「みなさんご飯の時間ですよ~」

 と、おばちゃんの声が聞こえる。

「よし、飯食いに行くか。今日は何かな、お昼軽くしか食べてないから、お代わりもらえるといいな」

「うぅ……すいません。私が食べてしまったばっかりに、申し訳ない」

「ごめん、そういう意味じゃないんだ。気にしないでくれ」

「おばちゃん! 食べにきたよ。今日はお腹空いてるから大盛にしてほしい。いくら払えばいいかな?」

「シュウ君早いわね、この前の新作の件もあるから気にしないでいいわよ」

「ほんとですか? 今日もいっぱい食べさせてもらいます」

 今日は、ここの宿に泊まって初めての食べた物が出てきた。出てきたのはシチューだった。料理の名前を聞いてもシチューと言っていたので、過去に呼び出された地球人がもたらしたものじゃないかと考えている。

 日本で食べていたシチューとは違うが、これはこれでとても美味かった。何を使ったらこんなに美味くなるのだろう?

「おばちゃん、今日のシチューってミルクか何か使ってる?」

「物知りね、今日のシチューにはビッグホーンのミルクを使っているよ。気性の荒いモンスターの牛だけど、そいつからとれるミルクでシチューを作ると濃厚な味になっておいしいんだよ。パンにも合うだろ、たんと食べな」

 カエデも口にあったらしく、お代わりもして俺と同じくらい食べていた。

「カエデは、料理作れるのか?」

 ふと思い聞いてみると、顔をそらしながら

「作れることは作れるけど、食べれるか保証はできない」

 ダークマターを作ってしまうタイプの人らしい。物作りが得意でも、料理は駄目なようだった。お腹を空かして倒れるくらいだから期待はしていなかったが。

 自分の家を持っても自分で料理作るしかないのかな? 料理の得意な魔物とかいるかな?
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...