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第17話 拠点を妄想
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目覚めてカエデを起こし、朝食を食べに向かう。
カエデを起こしにいくかというと、こいつは放っておくと昼過ぎまで眠っているのだ。助けた次の日に自分で起きてくるだろうと放置していたら、昼過ぎても起きてこなかったためドアを叩いて起こしたのだ。
起こされてドアを開け言った一言は「夜這いしに来たの?」だった。無言でアイアンクローを決めてから着替えるように促して昼を食べに行った。
朝食を取りながら、見に行く拠点の話をしていた。
鍛冶場も作る予定なのでどのくらいの規模になるのか、どういった設備が必要なのかといったところを確認していく。
他にも、この世界に来て手に入れたいと考えていた、俺の俺による俺だけのために作る快適空間の作成もカエデに話をしている。
工房の話をしていたら、カエデが気になることを言っていた。
「専用の鍛冶場があるのは夢だったのよね。そのうち、革やその他の素材を加工できる場所も作れるといいな~」
と。その時は特に気にしていなかったが、拠点にする場所の広さの話が終わった後に気が付いたのだ。鍛冶だけじゃなく他の生産もできる可能性に!
「なぁカエデ、お前って鍛冶以外にも何か作れたりするのか?」
「あれ、言ってなかったっけ? ドワーフの血が流れているから得意なのは鍛冶なんだけど、極東と呼ばれる人種は手先が器用で物作りに優れているんだよね。勘違いされがちなんだけど、本来ドワーフは鍛冶が得意ってわけじゃないんだよ」
「そういうのが得意なのは、種族や人種の特性が強く出てるのかな? ドワーフって鍛冶が得意なイメージで、頑丈な肉体と力で大物の武器を振り回すイメージなんだよね。なのに鍛冶が得意じゃないって違和感しかない」
「あ~ごめんね、言い方が悪かった。鍛冶だけが得意じゃないんだよ。精霊種として神から与えられたドワーフの特性は、一般的に知られている頑丈な肉体と力、精霊全般に付与されている魔法スキル、生産系スキル全般に補正です」
「ってことは、ドワーフに限らず精霊はどの種族も生産が得意ってことなのか。でも、数いる精霊の中でドワーフが鍛冶が得意って言われるのはなんでだ?」
「色々理由はありますが、鍛冶仕事は力が必要ですからどうしても小柄な精霊は鍛冶をしないんです。ドワーフが鍛冶以外得意という話を聞かないのは、男も女も樽のような体型で指が太いため、細かい作業が苦手なんです。裁縫や調合は基本的に触れないって聞いているわ」
今、カエデがドワーフの特徴をさらっと言ってのけた……この世界には、ロリババアなドワーフはいないようだ。
最近の小説で多く見られる幼女系のドワーフではなく、古典的な昔のドワーフ像がこの世界のドワーフのようだ。合法ロリはちょっと気になっていたので残念だった。
「普通のドワーフなら鍛冶以外は苦手だけど、ドワーフの血と器用な極東の血が合わさって生産の申し子的なカエデが生まれたってことか? あれ? ってドワーフの血が流れてるってことは、やっぱり人族より体が頑丈で力もあるってこと?」
「女の子としてはあまり知られたくないんだけど、その通りよ」
若干モジモジしながら頬を赤くして答えてきた。
「なぁ、体が頑丈とか力が強い事が知られるのは恥ずかしいのに、性に対してオープンに話したり俺に迫ったりするのは恥ずかしくないのか?」
素朴な疑問を投げかけてみた。
「え? 人族の女の子って多くがか弱くて、男は守りたくなるんでしょ? だから頑丈で力強かったら……ねぇ。性に対してオープンになっても対象がシュウだけなんだから恥ずかしがる必要はなくない?」
何でそんなこと聞くの? っていうような目で俺の事を見ながら答えてくる。
「ねぇって言われてもな、コメントに困るわ!」
「鍛冶だけじゃなくて、他の事も得意なら色んな生産をできる工房にするか。精霊系が生産が得意なら、召喚することもできるし大きい工房があれば便利だよな」
「えっ!? 私専用の鍛冶場は?」
カエデは、目に涙を浮かべ今にも泣きそうな顔をしている。
「ごめんごめん、カエデ専用の鍛冶場と複合工房を作るってことでいいかな? 鍛冶場が2つできることになるけど、専用は専用で用意するからそんな顔しないでくれ」
「シュウってば大好き!!」
「わかったわかった、だから勢いに任せて抱き着くな。DPの関係もあるからカエデ用の鍛冶場を先に作って複合工房はもっとDPに余裕ができてからになるけどな。
こう考えると、建物はともかく敷地が広めの場所を拠点にしたいな。空き地だけなら安く手に入ると思うけど、DPで建物立てると周りの人たちに不審がられるか?」
「私が、ごまかすために天幕みたいなの張ろうか? 3~4部屋分が入りそうなサイズでよければ、そんなに時間かからないよ。しばらく隠しておいて頃合いを見て天幕取り除けばいいんじゃないかな?」
「なるほど、初めに自分たちが住めるところを作って段々大きくしていけばいいのか。DPで建物作るなら修正は簡単にできるし問題なさそうだ。快適空間は地下に作る予定だし、がっつりやっちゃっても外から見えないから大丈夫だろう」
「建物のない空き地なら、予定しているお金があればかなり広めの場所が確保できると思う。場所にもよるだろうけど、余りある敷地が手に入るかもね」
「場所的には貴族街から離れてて、貧民街からも離れてるあたりかな」
「一番住民が密集してる場所だからちょっと空き地が無いかもしれないわね。貴族街に気持ち近い位置なら、そこそこ広い敷地が空いている場所があるかな」
「前回見たのは、建物付きの物件だったからさっき言っていたような場所だったんだよな。今回は立地条件の他にも空き地の広さもある程度大きいところを選びたいからな、見て回るのに時間がかかりそうだな」
「1日かけてもいいから候補地は全部みたいね。お金は私も出すから鍛冶仕事しても問題なさそうな立地条件も付け加えたい! 鍛冶仕事って音がすごいからね、周りから苦情が来ない様に考えると工業区の近くになっちゃうだよね。だから候補地が減っちゃうんだ。時間かけて候補地を回りましょう?」
「そっか、鍛冶仕事っていったらかなりの騒音になるのか。DPで工房全体にエアコンとか入れられるけど、火を使う現場だから空気循環させるのにどっちにしても風通しよくしないといけないのか。色々悩むことがあるんだな」
「ねぇシュウ、エアコンってなに?」
「エアコンっていうのは……簡単に言って、部屋を暖めたり涼しくしたりする俺のいた世界の魔導具みたいなものだよ」
「便利そうね、溶鉱炉もちょっと手を加えれば密室にしても問題ないから私専用の鍛冶場には、そのエアコン入れてほしいかな」
カエデを起こしにいくかというと、こいつは放っておくと昼過ぎまで眠っているのだ。助けた次の日に自分で起きてくるだろうと放置していたら、昼過ぎても起きてこなかったためドアを叩いて起こしたのだ。
起こされてドアを開け言った一言は「夜這いしに来たの?」だった。無言でアイアンクローを決めてから着替えるように促して昼を食べに行った。
朝食を取りながら、見に行く拠点の話をしていた。
鍛冶場も作る予定なのでどのくらいの規模になるのか、どういった設備が必要なのかといったところを確認していく。
他にも、この世界に来て手に入れたいと考えていた、俺の俺による俺だけのために作る快適空間の作成もカエデに話をしている。
工房の話をしていたら、カエデが気になることを言っていた。
「専用の鍛冶場があるのは夢だったのよね。そのうち、革やその他の素材を加工できる場所も作れるといいな~」
と。その時は特に気にしていなかったが、拠点にする場所の広さの話が終わった後に気が付いたのだ。鍛冶だけじゃなく他の生産もできる可能性に!
「なぁカエデ、お前って鍛冶以外にも何か作れたりするのか?」
「あれ、言ってなかったっけ? ドワーフの血が流れているから得意なのは鍛冶なんだけど、極東と呼ばれる人種は手先が器用で物作りに優れているんだよね。勘違いされがちなんだけど、本来ドワーフは鍛冶が得意ってわけじゃないんだよ」
「そういうのが得意なのは、種族や人種の特性が強く出てるのかな? ドワーフって鍛冶が得意なイメージで、頑丈な肉体と力で大物の武器を振り回すイメージなんだよね。なのに鍛冶が得意じゃないって違和感しかない」
「あ~ごめんね、言い方が悪かった。鍛冶だけが得意じゃないんだよ。精霊種として神から与えられたドワーフの特性は、一般的に知られている頑丈な肉体と力、精霊全般に付与されている魔法スキル、生産系スキル全般に補正です」
「ってことは、ドワーフに限らず精霊はどの種族も生産が得意ってことなのか。でも、数いる精霊の中でドワーフが鍛冶が得意って言われるのはなんでだ?」
「色々理由はありますが、鍛冶仕事は力が必要ですからどうしても小柄な精霊は鍛冶をしないんです。ドワーフが鍛冶以外得意という話を聞かないのは、男も女も樽のような体型で指が太いため、細かい作業が苦手なんです。裁縫や調合は基本的に触れないって聞いているわ」
今、カエデがドワーフの特徴をさらっと言ってのけた……この世界には、ロリババアなドワーフはいないようだ。
最近の小説で多く見られる幼女系のドワーフではなく、古典的な昔のドワーフ像がこの世界のドワーフのようだ。合法ロリはちょっと気になっていたので残念だった。
「普通のドワーフなら鍛冶以外は苦手だけど、ドワーフの血と器用な極東の血が合わさって生産の申し子的なカエデが生まれたってことか? あれ? ってドワーフの血が流れてるってことは、やっぱり人族より体が頑丈で力もあるってこと?」
「女の子としてはあまり知られたくないんだけど、その通りよ」
若干モジモジしながら頬を赤くして答えてきた。
「なぁ、体が頑丈とか力が強い事が知られるのは恥ずかしいのに、性に対してオープンに話したり俺に迫ったりするのは恥ずかしくないのか?」
素朴な疑問を投げかけてみた。
「え? 人族の女の子って多くがか弱くて、男は守りたくなるんでしょ? だから頑丈で力強かったら……ねぇ。性に対してオープンになっても対象がシュウだけなんだから恥ずかしがる必要はなくない?」
何でそんなこと聞くの? っていうような目で俺の事を見ながら答えてくる。
「ねぇって言われてもな、コメントに困るわ!」
「鍛冶だけじゃなくて、他の事も得意なら色んな生産をできる工房にするか。精霊系が生産が得意なら、召喚することもできるし大きい工房があれば便利だよな」
「えっ!? 私専用の鍛冶場は?」
カエデは、目に涙を浮かべ今にも泣きそうな顔をしている。
「ごめんごめん、カエデ専用の鍛冶場と複合工房を作るってことでいいかな? 鍛冶場が2つできることになるけど、専用は専用で用意するからそんな顔しないでくれ」
「シュウってば大好き!!」
「わかったわかった、だから勢いに任せて抱き着くな。DPの関係もあるからカエデ用の鍛冶場を先に作って複合工房はもっとDPに余裕ができてからになるけどな。
こう考えると、建物はともかく敷地が広めの場所を拠点にしたいな。空き地だけなら安く手に入ると思うけど、DPで建物立てると周りの人たちに不審がられるか?」
「私が、ごまかすために天幕みたいなの張ろうか? 3~4部屋分が入りそうなサイズでよければ、そんなに時間かからないよ。しばらく隠しておいて頃合いを見て天幕取り除けばいいんじゃないかな?」
「なるほど、初めに自分たちが住めるところを作って段々大きくしていけばいいのか。DPで建物作るなら修正は簡単にできるし問題なさそうだ。快適空間は地下に作る予定だし、がっつりやっちゃっても外から見えないから大丈夫だろう」
「建物のない空き地なら、予定しているお金があればかなり広めの場所が確保できると思う。場所にもよるだろうけど、余りある敷地が手に入るかもね」
「場所的には貴族街から離れてて、貧民街からも離れてるあたりかな」
「一番住民が密集してる場所だからちょっと空き地が無いかもしれないわね。貴族街に気持ち近い位置なら、そこそこ広い敷地が空いている場所があるかな」
「前回見たのは、建物付きの物件だったからさっき言っていたような場所だったんだよな。今回は立地条件の他にも空き地の広さもある程度大きいところを選びたいからな、見て回るのに時間がかかりそうだな」
「1日かけてもいいから候補地は全部みたいね。お金は私も出すから鍛冶仕事しても問題なさそうな立地条件も付け加えたい! 鍛冶仕事って音がすごいからね、周りから苦情が来ない様に考えると工業区の近くになっちゃうだよね。だから候補地が減っちゃうんだ。時間かけて候補地を回りましょう?」
「そっか、鍛冶仕事っていったらかなりの騒音になるのか。DPで工房全体にエアコンとか入れられるけど、火を使う現場だから空気循環させるのにどっちにしても風通しよくしないといけないのか。色々悩むことがあるんだな」
「ねぇシュウ、エアコンってなに?」
「エアコンっていうのは……簡単に言って、部屋を暖めたり涼しくしたりする俺のいた世界の魔導具みたいなものだよ」
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