ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第78話 討伐方法の検討

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 さて、原因は分かったがどうしたものやら……場所がメルビン男爵の屋敷じゃなければ、問題ないんだけどな。バクっていうスピリチュアル系の魔物がいるって言っても、まず誰にも信じてもらえないだろうしな。

 そもそも、敵対関係にあるであろう屋敷に行っても門前払いだろう。かといって、放置してこの街の被害が増えるのも嫌だしな、強行突破して倒しても面倒が増えるだけか?

 せっかく原因が見つかったのに、どうにもならないもどかしさが何とも言えない。ん~悩んでもらちが明かないので、今は何も考えないでおこう。夕食の時にでも娘たちに何か無いか聞いてみよう。んむ、それがいい。

 どうにかしたいがどうにもできないので、問題を先延ばしにした。

 攻撃は、相性のいい鈍器系の武器に付与してぶったたくのがいいかな? メイス修練のスキルも実はLv十まで取っていて使う分には問題ないだろう。

 バクのステータスは、力や体力や器用は二十台、素早さは五四二で精神や魔力は二〇〇〇を超えているのだ。ここまで偏ったステータスは初めて見たので、突っ込みどころが多かったのだ。

 素早さだけを見れば問題なく倒せる敵なので、攻撃が当たるのかだけが心配なのである。

 とりあえず、討伐に行くメンバーはシュリとキリエに、メアリーとライムあたりにしよう。本当はピーチを連れて行きたいのだが、俺がいない間のまとめ役として家に残ってもらう予定なのだ。

 メンバーは決めたし後は、いつどうやって屋敷に行くかが問題だな。何か疲れたから少し横になろう。食堂に置いてあったソファーに横になった。



 ん? 良い匂いがしてきたな、そろそろ夕食の時間か目を覚ますか。

 目をあけて目の前の光景に驚いた。娘たちが全員で俺の顔を覗き込んでいて、よくわからないがウットリとした表情をしていたのだ。危ない薬でも使ってるのかと思うほどにシンクロした表情だった。

「な、なぁみんな。何で集まってるんだ?」

 声をかけられると我に返った様子で、バツの悪そうな顔をしてその場を離れて、食器の準備をしはじめた。俺の質問に答えてくれたのは、スカーレットだった。

「ご主人様。ご主人様が珍しく食堂で寝られていたので、娘たちが興味をもって、寝ている姿を眺めてました。時間にして十分程ですね。食事の準備が終わってからなのでその位だと思います」

「十分もみんなに寝顔を見られていたのか……自分の部屋以外でうかつに横にならない方がいいな。休んだことですっきりしたからよしとするかな。飯を食おう!」

 今日の夕食は、すき焼きだ!お肉は奮発してDPで和牛のいいところを取り寄せてもらったのだ。奮発しても勝手に溜まっていくDPなのでただ同然で和牛のいい肉を食べれるんだけどね!

 いただきます。と食事の声をかけてから、みんな食事を食べ始めた。俺は、お米と一緒に食べる時は生卵をつけないが、お肉だけで食べる時は生卵をつけたいわがまま派なのだ! ということで、夕食を堪能して片付けが終わった頃に娘たち全員を集めた。

「みんなに考えてもらいたいことがあります。今回のこの街の騒動の原因がわかりました。バクというスピリチュアル系の魔物の仕業なんだけど、スピリチュアル系っていってみんなにはわかるのかな?」

 娘たちは全員首をかしげていた。レイリーやカエデすら首をかしげていたので、これは一般的に認識されていない魔物なのだろう。説明が難しいということが分かったのだ。そういう時は、他人に任せるのが一番!

 他力本願最高! ということで、四大精霊を招集する。スピリチュアル系の説明ができなかったことを伝えると、ノーマンに笑われた。知らない人に説明できる程詳しくないんだよ!

 ガッハッハと笑いながらスピリチュアル系の魔物について説明をしてくれた。

「娘っ子たち、スピリチュアル系というのはな、ゾンビみたいなアンデッド系の魔物がいるじゃろ? その中に、ゴーストやレイスといった実体のない魔物の話は聞いたことあるじゃろ? その実体のない魔物を総称してスピリチュアル系と呼んでおるのじゃ」

 ノーマンの説明を聞くとみんな理解してくれたようだ。最年少のシェリルにもしっかり理解できていることを考えると、一〇〇点満点の説明なのではないだろうか。土いじりと農作業しかできない精霊と思いきや、意外な才能を見せてくれた。

「ノーマン助かったよ。で、そのスピリチュアル系の魔物であるバクってやつの状態異常攻撃によって引き起こされてることが分かったんだけど、その魔物が居座っているのがメルビン男爵の屋敷付近、敷地内なんだよね。何か妙案があったらと思ってみんなに考えてほしいんだ」

 娘たちは、俺の言葉を聞いて近くで話し合いを始めていた。

 カエデやレイリーも苦い表情をしながら、目で『めんどくさい事になった』と言ったように同情してきた。

 そうなんです! 今までの俺とあいつらの関係を考えれば、バクっていうスピリチュアル系の魔物がいる、と言ったところで信じてもらえないだろうな。

 でも、放置すれば被害が広がる。居座っているのが貴族の家の敷地内だということが、面倒な状況に拍車をかけているのだ。年長組や年中組も何となくその事は察しているようで話し合いが進んでいない様子だ。

 そんな中、年少組のメンバーは何が問題になっているかよくわからない状況で話っている様だ。そんな中、イリアが爆弾発言をする。

「ご主人様、悪い魔物がいるんだから色々考えないで倒せばいいと思うの。この街に敵に回って勝てない人っていないよね? だから深く考えないで正面突破でいいと思うの」

 確かに敵に回って勝てない相手はいない。シングル冒険者たちは既に王都に帰っているし、Aランクのパーティーでは俺たちに勝てないのは明白だ。確かに深く考えないで正面突破しても問題なさそうだ。

 ピーチが攫われた時には、怒ってこの街の最高権力者を殺そうとしていたのに、冷静な時は変なことで悩んでいるあたりシュウは変な人なのであろう。この世界の人間からすれば、ダンマスという時点で普通ではないのだが。

「よし、イリアの案を採用する! 今から正面突破でさくっとバクを倒してしまおう。シュリ、キリエ、メアリー、ライムに一緒に来てもらう。他のメンバーは、街に出て騒いでいる人がいたら無力化するように! でも、殺しは駄目だからね」

 一緒に行くメンバー以外がブーブー言っていたが、伝家の宝刀『聞き分けのない娘は嫌いですよ?』と言うと、ブーブー言っていた全員が、手のひらを反すように準備をしに部屋に戻っていった。

 みんな素直でよろしい、俺は奴隷扱いしていないが、娘たちは俺の奴隷であることに誇りを持っている、と色んなところで言ってくるのだ。だからなのか絶対に嫌われることはしないのである。たまにある崇拝するような眼差しはやめてほしいものだが。

 バクって土属性に弱いんだったよな。ノーマンも保険で連れてくか? あいつは純粋な精霊だから体の大きさをある程度かえれるんだよな。手のひらサイズになった四大精霊は可愛い人形のようだった。

 俺も最近知ったのだが、精霊種と精霊は全く別物だという事だ。あんまり深くは考えていなかったが、精霊はスピリチュアル系で精霊種は精霊の加護を受けて生まれた種族とのことだ。

 だからと言って、精霊が精霊種の上位存在という事ではないらしい。この話を聞いた時は小一時間位悩んだが、この世界ではそういう事になっているのだから、俺が悩んで何かが分かるわけでもないのでその時点で考えることを放棄した。

 準備もできたようだし、さぁ夜の狩りの時間だ! 決していかがわしい意味ではない!
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