ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
149 / 2,518

第149話 救世主が現れる

しおりを挟む
 現在の時刻、二十三時。ピーチの指揮のもと準備が進んでいた。リブロフの街から約五〇〇メートル程離れた場所に天幕を張って、その中の一番上座に座らされている。俺を置いてどんどん話が進んでいるのだ。


 あっ、今日の照り焼きチキンバーガー美味いな。ポテトもいい感じだし最高だ。それと今日の唐揚げ、ネギ塩だれがかかってたり、甘酢あんかけがかかってたりしてて飽きないわ。

 シルキーたち、日に日に俺の好みが埋められていく感じがするな。それにしても、今日使ってる鳥ってなんだろ? いつもと違う感じがするんだ。後で聞いてみよ。

 今何してるって? 決まってるじゃん、作戦会議だよ! 本当に今回俺のいる意味ないんだよ! 口出そうにも、娘たちが一致団結しているせいで怖いの。この状況で色々言える勇気は俺にはない!

 ちなみに話の流れはこんな感じ。

 どう攻めようか

 ⇒正面から突破でいいんじゃない?(脳筋発想、ちなみにこれ現場の近くにいてイラついてるシュリの発言)

 ⇒あの臭い人の親ならボコボコにしよう!(これシェリル)

 ⇒ボコボコにするのは決定事項です、どこからどこまでをボコボコにするか考えてるんですよ(これはピーチ)

 ⇒色々考えるのめんどくさいから襲って来た人と、ヒキガエルの関係者をボコボコでいこうよ~(イリア)

 ⇒それわかりやすくていいですね、みんな他に良い案ありますか?(ピーチ)

 ⇒無いようなのでこの案で行きましょう(ピーチ)

 えっと、これが作戦会議って言えるのだろうか? 言いたいことを言いあって、一番楽な方法を決めた感じだ。これは俺の作戦会議よりひどい。俺も色々考えるのはめんどくさくて嫌いだが、これはひどいと思わざるを得ない。

 でも怖くて意見できない俺は、シルキーたちが用意してくれた最高の食事に逃避してたのだ。いつもは俺を立ててくれる、綺麗だったり可愛かったりする娘たちなんだけどな……どうしてこうなった?

「ご主人様、私たちから攻めますが、攻勢防御方法で行こうと思います。基本は私達からは手を出しません。敵対行動をとらない投降は無条件で受け入れ、攻撃が認められた個人・集団は全力で排除します。攻撃行動をとった際は、その後投降は認めず一切遠慮することは無い方針で行きます」

 ふむ、それは当然か。もとより人数はこちらの方が少ないんだ、危険を承知で捕虜をとる必要はないな。集団っていうのはどういう意味だろ?

「攻撃を開始する前に風魔法を使って街全体に、戦争を始める旨を伝えます。その際に、戦闘行動をとったものには一切容赦するつもりはない。一度投降した後の戦闘行為は、近くにいる人間を巻き込んで粛清対象となる旨を伝えようと思います」

 なる程、そういう事か。投降する前は個人を対象にするが、投降後の戦闘行為は周りを巻き込むっていうのは、互いが互いを監視する意味合いだろう。

 人数の少ない俺たちには有効な方法だと思う。戦闘能力に関しては何の問題もないから、排除するのは簡単なんだよな。でも見分けるとなると一気に難易度が上がるからの方法なんだろう。

「何か問題はありますか?」

「ん~問題というより疑問だね。報告を受けた内容は理にかなっているとは思うんだけど、先ほどの作戦会議でどう解釈したら、今の様な報告になるか疑問でしょうがないんだが」

「ご主人様? きちんと話し合った結果があの内容ですよ? 何聞いてたんですか? 寝てませんでしたよね? そういえば食事に夢中になってましたね、そのせいじゃないですか?」

「あ……そうですか……ごめんなさい」

 絶対におかしいだろ! 確かに食事に夢中になってたけど、絶対に内容の話なんてしてなかったぞ! ボコボコにするとかしか出てなかったのは覚えてるぞ!

「ご主人様、何かお疲れのようですね。今日は私が指揮をとりますのでゆっくりしててください。カエデ様、レイリーさん、ニコ、ハク、ギン、クロ、ソウ、コウ、皆さんにご主人様の護衛は任せます。

 私たちは不届き者たちを殲滅してまいりますので、よろしくお願いします。ミリーさんは、門からこの天幕の間に待機して近付く物は全部排除でお願いします」

「え? 全部ですか?」

「えぇ、例外はありません。ご主人様に危険が及ぶ可能性は、可能な限り減らします。なので、近付くものすべてです」

「了解しました」

 ピーチの迫力に負けたミリーは、頷くしかできなかった。

「という事で、すべて決まりましたので早速しかけますね。ご主人様はマップ先生で見守りください。では、行ってまいります」

 俺が置いてきぼりだよ、戦場でも意見でも。

「絶対に無理はしないようにね。こんな事で怪我するとか絶対だめだからね!」

 現在の時刻〇時、日が変わってますね。

 ピーチが魔法組に何か指示をしていた。

「え~リブロフの街の皆さん、あなた方の国の王に冤罪で国家反逆罪にされた私たちが今から攻め入ります。目標はこの街の領主、敵対行動をとった者には容赦いたしません。戦闘の意志が無いのでしたら、投降してください。近くの広場に集まっていただきます。

 なお、投降後の敵対行動は、その広場に集まっている人たち全員が排除対象となりますので、周りの人間の行動をしっかり見張っておきましょう。

 最後にお伝えしておきます、リブロフの領主関係者の投降は認めません、全力で抵抗してみてください。すべてを蹴散らしてさしあげます。私たちの八つ当たりに付き合ってください。恨むならライチェル王国国王と領主の息子を恨んでください。繰り返します……」

 あ~馬鹿正直に俺たちの事を説明する必要もないもんな。国王にはめられてイラついています。八つ当たりしますけど恨むなら国王とヒキガエルをってことか、上手く考えたな。

 あ、宣言が終わったようだ。マップ先生を拡大してみると全体が把握しにくいので、全体を見渡せる二〇〇型の巨大液晶を設置して、マップ先生と連動させている。電源はダンマスのスキルを使って準備している。

 他にも五十型の液晶も複数用意しており、娘たちのタブレットと直結させて拡大して見れるようにしている。といっても、マップ先生の映像でダンジョンの中なので、光点で娘たちの位置を確認できるようにしているだけだ。そのうちダンジョンの中じゃなくて、見れるようにならないかな~チラッチラ

 ドゴーン!

 あ、これは城門が吹き飛んだ音だな。シュリがちょうどその位置にいる間違いないな。城門の中には敵がわらわら沸いていた。兵士だろうか? 城門を一撃で吹っ飛ばせる相手に向かってくとか、怖いもの知らずなのか? 数がいれば勝てるとでも思ってるのだろうか?

 あ~あ、言わんこっちゃない。すごい勢いで吹っ飛ばされた敵を見て、おそらく逃げ出そうとしたんだよな。散らばりそうになったところで、急激にシュリに引き寄せられてるな。多分これは、チェインバーストでも使ったんだろう。力に任せて引き寄せている感じだ。見る感じ全員動かなくなったな。

 オォーーー!!

 街の方から何人もの人間が叫んでる声が聞こえてきた! まさかリブロフの街って愛国者が多かったりするのか?

「ピーチ、何か大きな声が聞こえてきたけど大丈夫か?」

「はい、大丈夫ですが、少し問題が。どうやら兵士たちを倒した私たちを見て、歓声を上げている様です。中には救世主様だ、と言っている子供もいますね。いきなり外に出てきてしまっているのですが、如何すればいいかと、敵対行動でないだけいいと思いますが」

「そうなのか? とりあえず、敵と間違えるといけないから城壁の近くに行くように誘導したらどうかな? もし離れても近くに来るようだったら、敵対行動とみなして排除することを念を押しておけばいいんじゃないか?」

「では、そうさせていただきます」

 ヒキガエル親子は相当の悪政をしていたのか……もし問題なさそうならジャルジャンに移住できるように手配できればな。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

処理中です...