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第154話 死海都市ディストピア
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俺たちは今、ジャルジャンの家の地下に作った会議室に集合している。お題は!
「今日はみんなに聞いてもらいたいことがあります! そろそろ、作っている街の名前を決めたいと思います! 新しく住人が入ってきますので名前を決めようと考えています。みんなに意見を聞きたいと思います!」
「シェリルはご主人様が決めればいいと思うの! だってご主人様が作ったようなものだし、私に聞いても街の名前なんて思いつかないの!」
シェリルは早くも戦線離脱してしまった。8歳になったシェリルには早かったか。でもイリアを一緒に連れてクロとギンのとこに行くのは止めて、イリアも人にするとシェリルと、たいして変わらないって話だったな。
エルフは40歳と人間の10歳が同じくらいの精神年齢と肉体年齢だが、40~50歳までは人と同じ成長を遂げる種族らしい。なので、シェリルと同じ成長速度で成長してくれるようでよかった。
でもそこから四五〇年位は肉体はほとんど成長しないようだ。五〇〇歳から一〇〇〇歳までゆっくり歳をとっていくらしい。まぁらしいというのは、寿命でなくなるエルフがほとんどいないからである。
エルフの死因第一位は自殺、第二位は戦死や狩りの最中の死との事。初めは長生きしすぎて心が死んだりして自殺するのかと思ったが、そういう人たちも多いが三割ほどらしい。残りの七割は、エルフとして綺麗でいられる時期が長いため、性奴隷としての価値が高くそういう用途で使い続けられ死んでしまうらしい。
奴隷の首輪では自殺することはできないはずなのに、性奴隷には自殺する者が多いという。初めは何でろうと思っていたが、ツィード君がいうには性奴隷として扱われたことがある奴隷は、自殺することができるようになる術式で組まれているとの事だった。
多分この首輪作った人たちの中に、女性がいたんだと思うって言っていた。なる程と思った。
いけない、話がそれた。
「シェリルとイリアは自由にさせておこう、あの娘たちは自由に育ってほしいからね。でも悪いことしたら叱ってあげてくれよみんな。さて、話を戻してどういった名前にしようか?」
「私たちというか、街の名前を新しく決める事なんて、貴族でもほとんどない経験だと思います。なのでいきなり言われても」
ピーチの発言にみんなうんうんと頷いている。俺も納得せざるを得ないな。
「それもそうか、子供とかの名前ならともかく街の名前なんて、決めたことある人の方が少ないよな。じゃぁ、あそこをどういう風にしたいとか、そういうの聞いてみようか。
こういうのは俺からだよな。といっても、何かを思ってあの街を作ってるわけじゃないんだよな。ただ、俺が自由で過ごせる場所がほしかっただけなんだよね、街一つ作っておきながら動機がこれっていうのもおかしいかな?」
娘たちからは「ご主人様は私たちのために」とか「私たちがいなければもっと自由に」とかマイナス思考におちいってる娘たちも出てきている。
「みんな、俺はみんなの事を迷惑に思ったことは無いよ。君たちがいてくれるから、俺は頑張れるんだ。俺の素性を知ってもなお付いてきてくれる君たちを、大切に思ってても迷惑に思ったことは無いから安心してほしい」
「私からも一ついいでしょうか? 私は、シュウ様に買っていただき幸せです。新たに仕える事の出来る人に巡り合えた上に、孫娘と一緒に買っていただけたんです。リリーも返しきれないほどの恩を感じています。いえ、リリーだけではないでしょう。
ここにいる娘たちだけではなく、あなたに付いてきた全員が恩を感じていると思います。だから迷惑に思っていないか、足かせになっていないか心配なのです。シュウ様にそういうことを言いたいわけではない、という事だけは解ってください……上手く言葉にできなくてすいません」
「何となく言いたいことは解ったよ。他に何か言いたいことある人いるかな?」
マリーから、世界で一番死に近い世界で一番幸せな場所と言った後に、死の世界にある理想郷? とソフィーが首をかしげて発言する。理想郷と聞くとみんなが首をうんうんと振っている。
「理想郷か……でもユートピアとはかなり違うしな……かといてディストピアも意味が違うな。でも暗黒の中の理想郷って意味ではディストピアも悪くないか?」
クロとギンをモフモフしていたシェリルとイリアが「ユートピア?」「ディストピア?」と首をかしげて俺に質問してきた。
「そうだな、きちんとした意味は俺も解らないけど、みんなが自分らしく幸せに生きられる場所って意味で理想郷ユートピアかなってね。でも街のまわりは死の森の樹海って呼ばれている所でしょ? だからユートピアとは反対の意味でディストピアって使ってみたんだ。だから深い意味は無いんだけどね」
「シェリルは、ディストピアっていい響きだと思うの! 意味はよくわからないけど、私たちにはユートピアでも、他の人たちにとっては魔境に近い場所なんだよね? そのディストピアってのもいいんじゃないかなって思うの」
娘たちは次々に頷いていく。ユートピアも悪くないけど、ディストピアは何というか悪くないよねと口々に話しているのが聞こえる。
俺の発言というのもあるかもしれないが、みんな聞いた響きでそれを称賛しているような傾向があるので、嫌ということはないだろう。とりあえず俺たちは今作っている街をディストピアと呼ぶ事にした。
死の樹海にできた理想都市ということで死海都市ディストピアと名付ける事になった。
ようやく俺たちの街の名前が決まったな。後はどれだけの人が集まってくるかな?
「今日はみんなに聞いてもらいたいことがあります! そろそろ、作っている街の名前を決めたいと思います! 新しく住人が入ってきますので名前を決めようと考えています。みんなに意見を聞きたいと思います!」
「シェリルはご主人様が決めればいいと思うの! だってご主人様が作ったようなものだし、私に聞いても街の名前なんて思いつかないの!」
シェリルは早くも戦線離脱してしまった。8歳になったシェリルには早かったか。でもイリアを一緒に連れてクロとギンのとこに行くのは止めて、イリアも人にするとシェリルと、たいして変わらないって話だったな。
エルフは40歳と人間の10歳が同じくらいの精神年齢と肉体年齢だが、40~50歳までは人と同じ成長を遂げる種族らしい。なので、シェリルと同じ成長速度で成長してくれるようでよかった。
でもそこから四五〇年位は肉体はほとんど成長しないようだ。五〇〇歳から一〇〇〇歳までゆっくり歳をとっていくらしい。まぁらしいというのは、寿命でなくなるエルフがほとんどいないからである。
エルフの死因第一位は自殺、第二位は戦死や狩りの最中の死との事。初めは長生きしすぎて心が死んだりして自殺するのかと思ったが、そういう人たちも多いが三割ほどらしい。残りの七割は、エルフとして綺麗でいられる時期が長いため、性奴隷としての価値が高くそういう用途で使い続けられ死んでしまうらしい。
奴隷の首輪では自殺することはできないはずなのに、性奴隷には自殺する者が多いという。初めは何でろうと思っていたが、ツィード君がいうには性奴隷として扱われたことがある奴隷は、自殺することができるようになる術式で組まれているとの事だった。
多分この首輪作った人たちの中に、女性がいたんだと思うって言っていた。なる程と思った。
いけない、話がそれた。
「シェリルとイリアは自由にさせておこう、あの娘たちは自由に育ってほしいからね。でも悪いことしたら叱ってあげてくれよみんな。さて、話を戻してどういった名前にしようか?」
「私たちというか、街の名前を新しく決める事なんて、貴族でもほとんどない経験だと思います。なのでいきなり言われても」
ピーチの発言にみんなうんうんと頷いている。俺も納得せざるを得ないな。
「それもそうか、子供とかの名前ならともかく街の名前なんて、決めたことある人の方が少ないよな。じゃぁ、あそこをどういう風にしたいとか、そういうの聞いてみようか。
こういうのは俺からだよな。といっても、何かを思ってあの街を作ってるわけじゃないんだよな。ただ、俺が自由で過ごせる場所がほしかっただけなんだよね、街一つ作っておきながら動機がこれっていうのもおかしいかな?」
娘たちからは「ご主人様は私たちのために」とか「私たちがいなければもっと自由に」とかマイナス思考におちいってる娘たちも出てきている。
「みんな、俺はみんなの事を迷惑に思ったことは無いよ。君たちがいてくれるから、俺は頑張れるんだ。俺の素性を知ってもなお付いてきてくれる君たちを、大切に思ってても迷惑に思ったことは無いから安心してほしい」
「私からも一ついいでしょうか? 私は、シュウ様に買っていただき幸せです。新たに仕える事の出来る人に巡り合えた上に、孫娘と一緒に買っていただけたんです。リリーも返しきれないほどの恩を感じています。いえ、リリーだけではないでしょう。
ここにいる娘たちだけではなく、あなたに付いてきた全員が恩を感じていると思います。だから迷惑に思っていないか、足かせになっていないか心配なのです。シュウ様にそういうことを言いたいわけではない、という事だけは解ってください……上手く言葉にできなくてすいません」
「何となく言いたいことは解ったよ。他に何か言いたいことある人いるかな?」
マリーから、世界で一番死に近い世界で一番幸せな場所と言った後に、死の世界にある理想郷? とソフィーが首をかしげて発言する。理想郷と聞くとみんなが首をうんうんと振っている。
「理想郷か……でもユートピアとはかなり違うしな……かといてディストピアも意味が違うな。でも暗黒の中の理想郷って意味ではディストピアも悪くないか?」
クロとギンをモフモフしていたシェリルとイリアが「ユートピア?」「ディストピア?」と首をかしげて俺に質問してきた。
「そうだな、きちんとした意味は俺も解らないけど、みんなが自分らしく幸せに生きられる場所って意味で理想郷ユートピアかなってね。でも街のまわりは死の森の樹海って呼ばれている所でしょ? だからユートピアとは反対の意味でディストピアって使ってみたんだ。だから深い意味は無いんだけどね」
「シェリルは、ディストピアっていい響きだと思うの! 意味はよくわからないけど、私たちにはユートピアでも、他の人たちにとっては魔境に近い場所なんだよね? そのディストピアってのもいいんじゃないかなって思うの」
娘たちは次々に頷いていく。ユートピアも悪くないけど、ディストピアは何というか悪くないよねと口々に話しているのが聞こえる。
俺の発言というのもあるかもしれないが、みんな聞いた響きでそれを称賛しているような傾向があるので、嫌ということはないだろう。とりあえず俺たちは今作っている街をディストピアと呼ぶ事にした。
死の樹海にできた理想都市ということで死海都市ディストピアと名付ける事になった。
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