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第163話 リンド混乱中
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「は! なんか悪い夢を見た! シュウが四大精霊を顎で使っている上に、光と闇の精霊にまで毒牙の餌食にしているなんて! うん、良かった幻だった」
気絶して起きて失礼なことを言っているリンドを冷ややかな目でみる。
「混乱して気絶するまでは、まぁしょうがないとしても起きてからの発言は失礼ですね。もう少し現実を見つめましょうよ。俺は四大精霊と光と闇精霊を含めた六人の精霊と協力関係にあるんですよ」
「うぅっ! やはり現実だったのか。という事は、この街は四大精霊に加護された繁栄を約束された幻の土地という事か。シュウ、君はまだ隠している事があるよね? 今までの話はおそらく半分以上は本当の事だと思う。でも肝心なところは濁している感じがする。精霊の眷属であるドワーフのカンは欺けないぞ」
「まぁ確かに全部は話してないさ。昨日初めて会った人にペラペラと全部しゃべるバカがどこにいる? 俺には守るべき人たちがいる。それを守るために、幸せにするためにあなたに協力を仰いでいるが、危険が明らかになるのであれば何もためらう事は無いよ」
「ふんふん、やはり隠し事はあるか。カンや常識から考えて分かっていけど、どういった内容か気になるけど今は話してもらえるわけは無いよね。信頼を勝ち取ればいいだけだし、私たちに求められている物は建物の設計と建築って事でいいのかな?」
「一応ハーフドワーフのカエデが家を建てれるが一人だけで、負担をかけるわけにはいかないし、俺達の装備のメンテナンスをしてくれているのも彼女だ。だから一番の望みとして家を建てられるドワーフを派遣してほしい。
可能ならこの街に移住してくれる人がいてくれると助かる。こんな辺境の地にくる人はいないし、かといってどこかの街で募集していらん人間がこの街に入ってくるのは望ましくない。しばらくは良さそうな奴隷を買い集めてこの街で暮らしてもらおうと考えている」
「この街にどこかの国がスパイを送り込んでもどうにもできないと思うけどね。反乱を起こさせたとしても私が来た通路を塞がれちゃえば、自力で自分の国に帰るのはまず不可能だし。どんなに利益が出る可能性のあるかわからないけど、この街を物理的に攻める事はまず無理ね。
もし樹海を超えてまでこの街にこれたとしても、ここを落とすことはできないでしょう。暗くて全貌は解りませんでしたが、おそらく城壁もただの城壁ではないよね? 水も塩もあって、ダンジョンも肉・植物・鉱石が採取できるのは確定。この街だけですべてが回るんだからそれはもう一つの国だね」
リンドがこの街について評価している。過剰評価とは思っていない。もし貿易ができなくても、この街ですべて完結できるように設計しているつもりだ。純粋なドワーフであれば召喚できるらしいが、それはしたくなかった。
この街を作っている時にチビ神がドワーフやエルフは召喚できると言っていたのを思い出したが、やっぱり俺に縛られない人材も必要だと思うんだ。協力が得られなければ最悪あり得るだろうが。
この街の全貌は明日に回すとして、今日は食事をだしてノンビリしよう。気になることがあったら誰かに聞いてもらえばいいだろうし。
「ちょっとなにこれ!!!!」
屋敷の中を案内してもらっていたリンドがまた叫び声をあげていた。この屋敷の地下に行くには俺の部屋を通らなければいけないし、ダンジョンに行くためには中庭の世界樹の根元に隠された入口から入らなきゃいけないからな。
メイの居場所である世界樹をリンドがホイホイと近づくとは思えないから大丈夫だろう。それにしてもどこで声をあげてるんだ? マップ先生で確認すると、カエデの工房だった。何かやらかしてないよな? 慌ててカエデの工房へ駆けつける。
「何があった?」
家を案内していたキリエが説明してくれる。
「リンドさんをカエデ様の工房の見学しにつれてきたら、こんな風に固まってしまいました。一応ここの見学へ連れてくる前にカエデ様の工房ですので見学の許可をもらっています」
許可は大切だよね。でもね、何でこんなに固まるようなことがあるのかが分からない。俺がヴローツマインで見た工房の設備と大差ないと思うがどうしたんだ? 少し特殊な素材が素材置き場にあるだろうが、あくまで少し特殊なだけで絶対に手に入らないという物ではないはずだ。
お? リンドが再起動し始めたようだ。
「ねえ、シュウ、教えて。この炉ってカエデっていう娘の手作り?」
「素材は俺が集めたけど、作ったのは一応カエデだけどどうかしたのか?」
「だってこの炉って普通じゃありえないわよ? なんて説明すればいいのかしら? もとになった素材が変質しているのよ。見た感じ火の精霊石と呼ばれるものになっているのよ? どう作ってどう使えばこういった変化になるのかしら?」
「火の精霊石ね~ガルド、なんか言うことあるか?」
「このリンドとか言うドワーフの目利きは鋭いな。この炉の変質は我がこの炉に住み着いてるから起こったもので、普通に使っていたらこういった変化は起こらない。火の下級精霊でも長年住みつけばこういった変化は起こるだろうけどな」
「という事で納得してもらえたかな?」
「カエデは火の上級精霊のイフリートの住む炉で鍛冶をしているのか……ギリィッ」
リンドの歯を食いしばる音が聞こえた。同じ鍛冶をする者としてこの環境が羨ましいのだろう。むしろ嫉妬の感情だろう。膨れ上がる何かを感じる。
「精霊に愛された土地」
「そろそろ現実に戻ってきてくれ、あまり混乱してる時に見回ってもいいことないだろうから、お風呂にでも入ってもらおう。
キリエ、案内してあげて。確か冷酒があったはずだからスカーレットに頼んで出してもらって。それに合いそうなおつまみも準備してもらってくれ。リンドもゆっくりしてくれ、寝床も準備させておくから」
頭が沸騰しているリンドをキリエに任せて、酒を入れてリラックスしてもらう事にした。
お風呂での冷酒も楽しんだようで、ほろ酔い状態で就寝に着いたとキリエから報告を受けた。明日はどんだけ驚くんだろうか? というかどういうところを見ると驚くのだろうか? 話が進まないような混乱が無い事を祈ろう。
気絶して起きて失礼なことを言っているリンドを冷ややかな目でみる。
「混乱して気絶するまでは、まぁしょうがないとしても起きてからの発言は失礼ですね。もう少し現実を見つめましょうよ。俺は四大精霊と光と闇精霊を含めた六人の精霊と協力関係にあるんですよ」
「うぅっ! やはり現実だったのか。という事は、この街は四大精霊に加護された繁栄を約束された幻の土地という事か。シュウ、君はまだ隠している事があるよね? 今までの話はおそらく半分以上は本当の事だと思う。でも肝心なところは濁している感じがする。精霊の眷属であるドワーフのカンは欺けないぞ」
「まぁ確かに全部は話してないさ。昨日初めて会った人にペラペラと全部しゃべるバカがどこにいる? 俺には守るべき人たちがいる。それを守るために、幸せにするためにあなたに協力を仰いでいるが、危険が明らかになるのであれば何もためらう事は無いよ」
「ふんふん、やはり隠し事はあるか。カンや常識から考えて分かっていけど、どういった内容か気になるけど今は話してもらえるわけは無いよね。信頼を勝ち取ればいいだけだし、私たちに求められている物は建物の設計と建築って事でいいのかな?」
「一応ハーフドワーフのカエデが家を建てれるが一人だけで、負担をかけるわけにはいかないし、俺達の装備のメンテナンスをしてくれているのも彼女だ。だから一番の望みとして家を建てられるドワーフを派遣してほしい。
可能ならこの街に移住してくれる人がいてくれると助かる。こんな辺境の地にくる人はいないし、かといってどこかの街で募集していらん人間がこの街に入ってくるのは望ましくない。しばらくは良さそうな奴隷を買い集めてこの街で暮らしてもらおうと考えている」
「この街にどこかの国がスパイを送り込んでもどうにもできないと思うけどね。反乱を起こさせたとしても私が来た通路を塞がれちゃえば、自力で自分の国に帰るのはまず不可能だし。どんなに利益が出る可能性のあるかわからないけど、この街を物理的に攻める事はまず無理ね。
もし樹海を超えてまでこの街にこれたとしても、ここを落とすことはできないでしょう。暗くて全貌は解りませんでしたが、おそらく城壁もただの城壁ではないよね? 水も塩もあって、ダンジョンも肉・植物・鉱石が採取できるのは確定。この街だけですべてが回るんだからそれはもう一つの国だね」
リンドがこの街について評価している。過剰評価とは思っていない。もし貿易ができなくても、この街ですべて完結できるように設計しているつもりだ。純粋なドワーフであれば召喚できるらしいが、それはしたくなかった。
この街を作っている時にチビ神がドワーフやエルフは召喚できると言っていたのを思い出したが、やっぱり俺に縛られない人材も必要だと思うんだ。協力が得られなければ最悪あり得るだろうが。
この街の全貌は明日に回すとして、今日は食事をだしてノンビリしよう。気になることがあったら誰かに聞いてもらえばいいだろうし。
「ちょっとなにこれ!!!!」
屋敷の中を案内してもらっていたリンドがまた叫び声をあげていた。この屋敷の地下に行くには俺の部屋を通らなければいけないし、ダンジョンに行くためには中庭の世界樹の根元に隠された入口から入らなきゃいけないからな。
メイの居場所である世界樹をリンドがホイホイと近づくとは思えないから大丈夫だろう。それにしてもどこで声をあげてるんだ? マップ先生で確認すると、カエデの工房だった。何かやらかしてないよな? 慌ててカエデの工房へ駆けつける。
「何があった?」
家を案内していたキリエが説明してくれる。
「リンドさんをカエデ様の工房の見学しにつれてきたら、こんな風に固まってしまいました。一応ここの見学へ連れてくる前にカエデ様の工房ですので見学の許可をもらっています」
許可は大切だよね。でもね、何でこんなに固まるようなことがあるのかが分からない。俺がヴローツマインで見た工房の設備と大差ないと思うがどうしたんだ? 少し特殊な素材が素材置き場にあるだろうが、あくまで少し特殊なだけで絶対に手に入らないという物ではないはずだ。
お? リンドが再起動し始めたようだ。
「ねえ、シュウ、教えて。この炉ってカエデっていう娘の手作り?」
「素材は俺が集めたけど、作ったのは一応カエデだけどどうかしたのか?」
「だってこの炉って普通じゃありえないわよ? なんて説明すればいいのかしら? もとになった素材が変質しているのよ。見た感じ火の精霊石と呼ばれるものになっているのよ? どう作ってどう使えばこういった変化になるのかしら?」
「火の精霊石ね~ガルド、なんか言うことあるか?」
「このリンドとか言うドワーフの目利きは鋭いな。この炉の変質は我がこの炉に住み着いてるから起こったもので、普通に使っていたらこういった変化は起こらない。火の下級精霊でも長年住みつけばこういった変化は起こるだろうけどな」
「という事で納得してもらえたかな?」
「カエデは火の上級精霊のイフリートの住む炉で鍛冶をしているのか……ギリィッ」
リンドの歯を食いしばる音が聞こえた。同じ鍛冶をする者としてこの環境が羨ましいのだろう。むしろ嫉妬の感情だろう。膨れ上がる何かを感じる。
「精霊に愛された土地」
「そろそろ現実に戻ってきてくれ、あまり混乱してる時に見回ってもいいことないだろうから、お風呂にでも入ってもらおう。
キリエ、案内してあげて。確か冷酒があったはずだからスカーレットに頼んで出してもらって。それに合いそうなおつまみも準備してもらってくれ。リンドもゆっくりしてくれ、寝床も準備させておくから」
頭が沸騰しているリンドをキリエに任せて、酒を入れてリラックスしてもらう事にした。
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