ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第228話 不本意ながらチビ神を楽しませる

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 ディストピアは聖国からの手紙を受け返信には、

『盗人犯罪国の貴様等には、神の鉄槌を』

 の一文で送り返している。いもしない神の名を騙り好きなように国を操ってきた者たちへの揶揄、本物の神に召喚された俺からの鉄槌。俺にしかわからないが皮肉にとんでいる返信が書けたと思う。

 戦闘になるのでミューズ側の商人受け入れを全面停止した。砦内に残っているミューズ側の人間は全員送り返した。文句を言っているものも多かったが戦争になるため、聖国のスパイがいる可能性を否定できないので問答無用だ。

 スプリガンたちによる監視を怠っていないが、念には念を入れてだ。商品に関してはミューズの近くに聖国の兵士たちが来るまでは、こちらからある程度運ぶことを約束している。

 ディストピアの住人には中央に集まってもらい、聖国から届いた手紙の内容を伝え、街を出ていきたい人は出て行っていい事を伝えるが誰一人として出てこうとするものはいなかった。戦争に耐えうる人間が冒険者などを合わせて一〇〇〇人程だろう。

 もし真正面からぶつかり合えば、おそらく多くの死人が出るだろう。娘たちにも死んでしまうものがいるかもしれない。なので正面からぶつかるのは最終手段としておいておくことになった。

 今回の戦争にはルールがない。正確には戦争ではない。聖国は俺たちを犯罪者として扱っておりそれを退治するという名目になっているようだ。俺たちからすれば略奪軍ってことなので、デカい盗賊だ。

 一応チビ神からも確認がとれている。戦らしい戦にはならないが神たちの見世物として、神たちの好むであろう陰湿な戦いをしてやると言ったら、簡単にゲロってくれた。

 今回の戦闘で何をしても俺たちには犯罪の称号はつかない事を教えてくれた。戦争ではないので、降伏も一切受ける必要がないとの事だ。まぁこれを教えてくれるってことは、それを望んでいるって事だよな。という事で今回ばかりはチビ神の期待にそった戦をしてやろう。

 鬼人たち以外の住人は招集がかかるまでは、普通の生活をしていて問題ない事を伝える。鬼人はいわゆる後方支援の人材として一部付いてきてもらう事としているのだ。
 マップ先生を確認して、魔物の領域を除いた聖国の領土を八割以上掌握した。なぜ全部ではないのかといえば、樹海側ではない僻地の平野まで掌握する意味がないからである。これで聖国側の動きは丸わかりだ。

 盗賊退治という名目とはいえ樹海の都市を狙っているのだ、それなりの兵士が動いている。全部合わせれば二万を超すであろう数が動いていた。全員兵士騎士であり、徴兵された兵士はいないようだ。そもそも王国みたいに都市同士の戦争がない国にこれだけの兵士騎士がいることが不思議なんだけどな。

 どこかに集まってから攻めてくるだろうから、それまでは的確にウィークポイントを潰していきますか。

「みんな、今回の戦は戦争ではありません。聖国は神の名の下の盗賊退治で、俺たちからすれば略奪軍の撃退です。ただ聖国から一方的な宣言により行われる戦ですので、俺たちは賊をあの手この手で退治する予定です。

 相手に慈悲をかける必要はありませんので、徹底的に叩き潰します。では準備を始めましょう、シルキーたちも料理番で参加してもらうから準備させておいてくれ」

 とは言ったものの、すぐに準備が終わり出発する事となる。

 敵の位置は、中央の首都より大体樹海側に来ているが、それでもまだまだ横に広く一番遠いところでおそらく二週間以上かかるだろう。最低でも二週間は戦闘にならないと思うのでそれまでに、嫌がらせをしよう。

「ん~気がはやって出てきたけど、敵軍がどこに位置どるかわからないから、狙いやすいところを片っ端から狙っていこう。一応作戦としては、聖国の首都とミューズを直線でつないで分けた左右の中心の部隊、こことここは徹底的に蹂躙する予定です。

 出来ればここの兵士たちは、恐怖を刻み付けて生かして逃走させたいと思っています。それで逃げた先である事ない事を伝えてもらいましょう。他の部隊に関しては、食料を狙った奇襲や夜襲で精神を疲弊してもらいましょう。

 いつ狙われるかわからない恐怖、食料が底をつく恐怖、疲れと空腹による思考力の低下を狙います。それで限界を超えた人間が近くの街を襲いだせばベスト、神の名の下に食料を取り上げるなら次点、安く買いたたくならそれでもいい」

「ご主人様、悪い顔をしていますよ。住人には罪はないですがいいのですか?」

「しらんよ、樹海側に住んでた事を後悔してもらうしかないんじゃね? あくまでも俺たちが街を襲うわけじゃないんだから、国の中の問題でしょ。俺たちには関係ない! それより、お前たちを殺すって言われたんだ、ただじゃおかないさ。

 俺的には同じ神を信仰している人間同士が殺し合いをしてくれた方が、面白い結果になっていいんだけどな。ディストピアを……違うなお前たちを害すというなら、俺は悪魔にだって魂を売り渡して敵を追い詰めるさ」

 俺のセリフを聞いた娘たちがみんな顔を赤く染めていた。どうやら嬉しかったらしい。そういえば娘たちが俺の事を呼ぶ時の名称が変わってないよな。しばらくはこのままでもいいかな?

「さぁ時間は有限だ。まずは北に向かって行き掛けの駄賃で進路の近くにある部隊の足と食料を狙おう。中心にいる部隊には地獄を見てもらって、後方の部隊には夜襲をかけますよ。今日はずっと移動と戦闘で時間が過ぎると思うから、順々に休憩に入って少しでも休みながら進むぞ!」

 俺の掛け声と共に地下通路を走っていく。有り余るDPを使って部隊の進路に沿うように通路を走らせている。部隊の近くになったらDPで地上に出る通路を作って、出たら消す。

 そして一当てしたら離脱して地下に潜る通路を作って入口を消す。これで追跡も不可能! どこから襲われるかわからないストレスで、胃に穴が開いてしまえばいいんだ!

 一番近い部隊が視認できる位置まで移動した。今回のミソは奇襲にあるので近付くまでは普通の馬車旅の一行を装って、近くなったら攻撃して全力で離脱だ。

「みんな、俺についてこなくてもよかったのにっていうのは野暮だよね。家族を殺すなんて言われれば当然だもんな。今回の目標は食料と足への打撃だよ、無理に突っ込む必要はないからね。アリス、魔石爆弾をみんなに渡しておいて」

 魔石爆弾は簡単に言えば、手榴弾の火薬を魔石に変えた物だ。もちろん被害が増えるように金属片を仕込んである。殺すことより被害を大きくする目的で作られている兵器だから当たり前なんだけどな。

「お前ら、我らはバリス様からの神託を受け移動している最中だ。道を開けよ」

 先行してきた馬に乗っている兵士が俺たちに向かってそう言い放ち引き返していく。不審に思われるのも面白くないので、街道をそれて進んでいく。

「マップ先生の情報によると部隊の中央のやや後方に食料の積んだ馬車があので、そこまで行ったら魔法組が馬車へ火魔法を残りのみんなは馬車の近くや騎兵の近くに魔石爆弾を投げ込んでくれ」

 しばらくすると馬車が見えてきた。数は十台、五〇〇人程に対してこの量は、多いのか少ないのか俺にはよくわからんが別にいいか。

「じゃぁみんな行くよ。3・2・1・ファイヤ!」

 俺の合図とともに魔法が放たれ魔石爆弾が投げ込まれる。

 突然の事に誰も対応ができずに十台あった馬車の内六台が魔法に包まれ、残りの四台も魔石爆弾の被害を受けた。近くにいた兵士たちの多くも負傷してうめき声をあげている。

「馬車を出せ!」

 命令を飛ばすとウォーホースが力強く走り出し一気に敵から離れていく。気付いた騎兵が数機追いかけてきたので追加で魔石爆弾の餌食になってもらった。

 奇襲は成功し離脱も問題なく終わった。魔石爆弾を投げていて気付いたが、これなら迫撃砲でもよかったのではないだろうか? マップ先生はあるので正確な距離はわかるわけで、軽迫撃砲は確か最大射程が三キロメートルを超える物があったはずだ。

 DPで召喚して運用しちまうか? それなら近づく必要ないしな。次の部隊には被害が出なくてもいいから試し打ちでもするかな。弾の種類も豊富で榴弾や焼夷弾もあるようだし、ちょうどいいかもな。外道と言われようが俺は構わん。歯向かうものには神の鉄槌を!
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