236 / 2,518
第236話 聖国の特殊部隊
しおりを挟む
ふ~チビ神に脅されたとはいえ、まさかあいつを様付けで呼ぶことになろうとは、からかいがいのあるやつかと思ってたら、実はとんでもない爆弾をもってやがったぜ。
バリス聖国が攻めると予想した二週間はすでに一週間前に過ぎている。俺が行っている遅滞作戦が功を奏して、現在前線に集まっている部隊は四部隊約二〇〇〇人当初の一割に満たない数しか集まることができていなかった。
しかも遠い場所から来ようとしてた部隊は、金もつきそうとの事で自分の領地に帰って行ってしまったらしい。これから集まれたとして約一万人というところだろう。既に半数近くの部隊が領地へと引き返してしまっているのだ。
俺としては残念な事に、初めのバカ部隊以来徴発した部隊がいなかった事だろう。予想以上に聖国の兵士たちは統率がとれ自制心があるようだが、異様に現実主義者なのかもしれない。
聖国でどんなやり取りがあるかは知らないが、おそらく現時点での補填はないのだろう。お金がないから行軍はできない、だから帰るという事なのだろう。
中には暴走する兵士たちがいたようだが、その者たちは犯罪奴隷になったりその場で打ち首になったりしている。そのせいで
『ちょっとあんた! こんな結果はつまらないわよ!』
と、チビ神に言われる始末だ。俺だってここまで統率がとれた部隊ばかりだとは思わなかったさ! それだけに腐敗している上層部が苛立たしい。物資を持って行ってあげた街で少し聞き取りをした。
神バリスに加護を受けたものしか神聖魔法が使えないから、その魔法を行使するには正当な費用がかかる。金が払えないのなら治療はできないし、バリス教への信仰が無ければ治るものもなおらないと言って金を巻き上げているそうだ。
中には金が払えなくて娘を連れていかれたという人も多いらしい。領主館に侵入して帳簿をのぞかせてもらったが、治療費としてもらった金は、全部中央にいる教皇に集められているようだった。国として税をとった上にバカ高い治療費を要求しているのだから、バリス教を信じる者が少ないのではと思わなくもない。
それはさておき、おそらく教皇に送られている金は、自分たちのために使われているだろう。その証拠に中央から一切の配当が無いのだ。馬鹿でもわかるだろう。
まぁ何に使われていたとしても俺には関係ないのだが、末端が自制のきいている部隊だけにもったいないと思う。だけどそういった部隊でも、やはり殺人や強姦があるので救いようのない国だと思う俺もいる。
マップ先生の検索で称号表示はできないが、検索で表示させることができるので、称号を持っている前提で検索を掛ければ調べることは問題なくできる。
まぁ本来の半分ほどしか兵士が集まらなかったためか、中央の神殿騎士と呼ばれる精鋭を二〇〇〇人程派遣する様だ。これはモニターしていたスプリガンの功績で発見されたものだ。この神殿騎士たちは装備もレベルも他の部隊とは比べ平均すると一〇〇程高いのだ。
収納の鞄もいくつもあり、基本的には騎馬であるため移動速度が速いようだ。これでは足を壊すにしても馬を直接殺す以外に方法が無いだろう。
ただこれとは別に、王国で言う王直属の奴隷兵と同質の部隊が五十人程動いているのも確認できた。さすがにこの兵士たちは、戦闘訓練を受けたディストピアの兵士たちでも荷が重いだろう。
「さて、スプリガンのみんなからの情報によると、どうやら王国の奴隷兵みたいな奴らが出てきたみたいなので、先制して潰そうと思うんだけどいいかな?」
「問題ないです。スプリガンのみなさんから連絡を受けてから準備はしてありますので、いつでも出発することができます。後はご主人様の号令次第です」
「毎回ごめんね。本当は傷付いても欲しくないけど、君たちなら死なないと確信している。傷付いても俺が何とかしてやる。だから絶対に死ぬな。矛盾してることはわかってるけど、みんなお願いね」
全員が声を揃えて「了解しました」と返事をしてくれた。
そういえば、DPでエリクサーが召喚できることは確認している。品質を最高級で召喚すれば四肢欠損も眼球の復元も思いのままだが、一つだけ問題があった。
心が折れた人には効果が無い事だ。特に奴隷で自分の境遇を受け入れしまって諦めた人たちには、効果が無かったのだ。治せるとは言っても娘たち……妻たちが腕や足を切り落とされたりでもすれば、滅ぼすまで魔物を召喚する自信がある。
今回魔物で攻めないのは、召喚した魔物では奴隷兵を倒すのに物量作戦をしなきゃいけなくなるためだ。
足の速い魔物を大量に投入すれば、逃がさずに倒せるだろう。俺が重宝しているリビングアーマーは防衛には向いているが、足が遅いのでこういった場面では使えないのだ。それに、こいつらには聞きたい事があるから、この中のリーダー格は出来れば捕まえたいと思っている。
奴隷兵もどきは人目につかない所を移動しているので、襲撃するには俺たちにはうってつけだな。自分たちの国の人間にもばれないように部隊を動かしているのだろうか? そんなんじゃ俺たちの思うつぼなんだけどな。
奴らが夜休んでいる時に、ダンマスの力で一気に地形を変えてダンジョンに閉じ込めて倒せば何とかなるか? でも、ダンジョン内に人を入れたままだとダンジョンをいじれないから、足元に穴をあけてダンジョンの中に落として自力で出れなくしてやれば問題ないかな?
って待てよ。ダンジョンは入口があれば問題なかったはず。ただの落とし穴でもダンジョンに認定されるのであれば、一〇〇メートル位の穴掘って上から大量の岩でも魔法で作って落とせば倒せるんじゃね?
「みんな! ちょっと待ってくれ」
「ご主人様、どうしましたか?」
「奴隷兵もどきを簡単に倒せるかもしれない方法を思いついた。深い穴のダンジョンを相手の足元に作って、強制的にダンジョンに放り込む。そこに岩や土を大量に落として生き埋めにすれば倒せるんじゃないかなって。念のため岩や土を落とした後に水も流し込めば、問題ないかなって思ってる」
「えーっと、それは落とし穴であってダンジョンではないのでしょうか?」
「みんなはダンジョンの定義を知らないのか。城や塔タイプも洞窟タイプもすべてのダンジョンに共通するのはなんだい?」
背伸びをしながら三幼女が揃って手をあげる。
「「「はーい、魔物がいる事!!」」」
「ん~残念。俺が作った地下通路型ダンジョンや農園ダンジョンには魔物いないよね。どんなダンジョンでも入口が無いといけないんだよ。後は掌握している範囲内にダンジョンコアがあれば、この世界のルールではダンジョンになるんだよ。
ちなみに俺のダンジョンはマップ先生で見れる範囲全部だよ、掌握してるだけの場所はダンジョンと呼べるかはわからないけどね。それはさておき、落とし穴でもなんでも奴隷兵もどきを倒せるんだからいいんじゃないかな?」
「そうですね」
「という事でさくっと準備しよう。スライムたちの荷物をどっかにまとめて出してもらって、詰め込めるだけ石や岩を詰め込もう。詰め込む石や岩は、DPで安く大量に出せるからそれを入れて行こう」
しこたま石や岩を詰め込んだスライムたちを抱きかかえて、娘たちが準備終了を遂げてくれた。
ちなみにリーダー格をとらえる方法は、タンクのチェインを使う予定だ。レベルは確認しているので上から五人を捕らえる予定だ。穴を掘ると同時にチェインで強引に引き寄せるのだ。スキルLvが十なら視認さえできれば、五十メートル程を引き寄せられるらしい。
地下通路を通って奴隷兵もどきたちの元へ向かう。
バリス聖国が攻めると予想した二週間はすでに一週間前に過ぎている。俺が行っている遅滞作戦が功を奏して、現在前線に集まっている部隊は四部隊約二〇〇〇人当初の一割に満たない数しか集まることができていなかった。
しかも遠い場所から来ようとしてた部隊は、金もつきそうとの事で自分の領地に帰って行ってしまったらしい。これから集まれたとして約一万人というところだろう。既に半数近くの部隊が領地へと引き返してしまっているのだ。
俺としては残念な事に、初めのバカ部隊以来徴発した部隊がいなかった事だろう。予想以上に聖国の兵士たちは統率がとれ自制心があるようだが、異様に現実主義者なのかもしれない。
聖国でどんなやり取りがあるかは知らないが、おそらく現時点での補填はないのだろう。お金がないから行軍はできない、だから帰るという事なのだろう。
中には暴走する兵士たちがいたようだが、その者たちは犯罪奴隷になったりその場で打ち首になったりしている。そのせいで
『ちょっとあんた! こんな結果はつまらないわよ!』
と、チビ神に言われる始末だ。俺だってここまで統率がとれた部隊ばかりだとは思わなかったさ! それだけに腐敗している上層部が苛立たしい。物資を持って行ってあげた街で少し聞き取りをした。
神バリスに加護を受けたものしか神聖魔法が使えないから、その魔法を行使するには正当な費用がかかる。金が払えないのなら治療はできないし、バリス教への信仰が無ければ治るものもなおらないと言って金を巻き上げているそうだ。
中には金が払えなくて娘を連れていかれたという人も多いらしい。領主館に侵入して帳簿をのぞかせてもらったが、治療費としてもらった金は、全部中央にいる教皇に集められているようだった。国として税をとった上にバカ高い治療費を要求しているのだから、バリス教を信じる者が少ないのではと思わなくもない。
それはさておき、おそらく教皇に送られている金は、自分たちのために使われているだろう。その証拠に中央から一切の配当が無いのだ。馬鹿でもわかるだろう。
まぁ何に使われていたとしても俺には関係ないのだが、末端が自制のきいている部隊だけにもったいないと思う。だけどそういった部隊でも、やはり殺人や強姦があるので救いようのない国だと思う俺もいる。
マップ先生の検索で称号表示はできないが、検索で表示させることができるので、称号を持っている前提で検索を掛ければ調べることは問題なくできる。
まぁ本来の半分ほどしか兵士が集まらなかったためか、中央の神殿騎士と呼ばれる精鋭を二〇〇〇人程派遣する様だ。これはモニターしていたスプリガンの功績で発見されたものだ。この神殿騎士たちは装備もレベルも他の部隊とは比べ平均すると一〇〇程高いのだ。
収納の鞄もいくつもあり、基本的には騎馬であるため移動速度が速いようだ。これでは足を壊すにしても馬を直接殺す以外に方法が無いだろう。
ただこれとは別に、王国で言う王直属の奴隷兵と同質の部隊が五十人程動いているのも確認できた。さすがにこの兵士たちは、戦闘訓練を受けたディストピアの兵士たちでも荷が重いだろう。
「さて、スプリガンのみんなからの情報によると、どうやら王国の奴隷兵みたいな奴らが出てきたみたいなので、先制して潰そうと思うんだけどいいかな?」
「問題ないです。スプリガンのみなさんから連絡を受けてから準備はしてありますので、いつでも出発することができます。後はご主人様の号令次第です」
「毎回ごめんね。本当は傷付いても欲しくないけど、君たちなら死なないと確信している。傷付いても俺が何とかしてやる。だから絶対に死ぬな。矛盾してることはわかってるけど、みんなお願いね」
全員が声を揃えて「了解しました」と返事をしてくれた。
そういえば、DPでエリクサーが召喚できることは確認している。品質を最高級で召喚すれば四肢欠損も眼球の復元も思いのままだが、一つだけ問題があった。
心が折れた人には効果が無い事だ。特に奴隷で自分の境遇を受け入れしまって諦めた人たちには、効果が無かったのだ。治せるとは言っても娘たち……妻たちが腕や足を切り落とされたりでもすれば、滅ぼすまで魔物を召喚する自信がある。
今回魔物で攻めないのは、召喚した魔物では奴隷兵を倒すのに物量作戦をしなきゃいけなくなるためだ。
足の速い魔物を大量に投入すれば、逃がさずに倒せるだろう。俺が重宝しているリビングアーマーは防衛には向いているが、足が遅いのでこういった場面では使えないのだ。それに、こいつらには聞きたい事があるから、この中のリーダー格は出来れば捕まえたいと思っている。
奴隷兵もどきは人目につかない所を移動しているので、襲撃するには俺たちにはうってつけだな。自分たちの国の人間にもばれないように部隊を動かしているのだろうか? そんなんじゃ俺たちの思うつぼなんだけどな。
奴らが夜休んでいる時に、ダンマスの力で一気に地形を変えてダンジョンに閉じ込めて倒せば何とかなるか? でも、ダンジョン内に人を入れたままだとダンジョンをいじれないから、足元に穴をあけてダンジョンの中に落として自力で出れなくしてやれば問題ないかな?
って待てよ。ダンジョンは入口があれば問題なかったはず。ただの落とし穴でもダンジョンに認定されるのであれば、一〇〇メートル位の穴掘って上から大量の岩でも魔法で作って落とせば倒せるんじゃね?
「みんな! ちょっと待ってくれ」
「ご主人様、どうしましたか?」
「奴隷兵もどきを簡単に倒せるかもしれない方法を思いついた。深い穴のダンジョンを相手の足元に作って、強制的にダンジョンに放り込む。そこに岩や土を大量に落として生き埋めにすれば倒せるんじゃないかなって。念のため岩や土を落とした後に水も流し込めば、問題ないかなって思ってる」
「えーっと、それは落とし穴であってダンジョンではないのでしょうか?」
「みんなはダンジョンの定義を知らないのか。城や塔タイプも洞窟タイプもすべてのダンジョンに共通するのはなんだい?」
背伸びをしながら三幼女が揃って手をあげる。
「「「はーい、魔物がいる事!!」」」
「ん~残念。俺が作った地下通路型ダンジョンや農園ダンジョンには魔物いないよね。どんなダンジョンでも入口が無いといけないんだよ。後は掌握している範囲内にダンジョンコアがあれば、この世界のルールではダンジョンになるんだよ。
ちなみに俺のダンジョンはマップ先生で見れる範囲全部だよ、掌握してるだけの場所はダンジョンと呼べるかはわからないけどね。それはさておき、落とし穴でもなんでも奴隷兵もどきを倒せるんだからいいんじゃないかな?」
「そうですね」
「という事でさくっと準備しよう。スライムたちの荷物をどっかにまとめて出してもらって、詰め込めるだけ石や岩を詰め込もう。詰め込む石や岩は、DPで安く大量に出せるからそれを入れて行こう」
しこたま石や岩を詰め込んだスライムたちを抱きかかえて、娘たちが準備終了を遂げてくれた。
ちなみにリーダー格をとらえる方法は、タンクのチェインを使う予定だ。レベルは確認しているので上から五人を捕らえる予定だ。穴を掘ると同時にチェインで強引に引き寄せるのだ。スキルLvが十なら視認さえできれば、五十メートル程を引き寄せられるらしい。
地下通路を通って奴隷兵もどきたちの元へ向かう。
3
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる