ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第281話 することを探す

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 予定していたアンデッド系の魔物のいる場所に行こうとしていたものが、対策がとれていないとの事で出発することができなかったのですることが無くなってしまっていた。

 かといってダラダラとする気もおきず、目が覚めてしまった自分になんでお前は空気を読んでくれないのか? と愚痴をこぼしながら、まだ覚醒しきっていない体を動かしながらベッドから起きようとした。

 そういえば昨日は、年少組が寝る前に俺の寝室に突撃してきてみんなで寝たんだったな。

 みんな気持ちよさそうに寝ているので、近くにいる娘から抱き上げたり、鼻をつまんだり、ほっぺたをむにむにしたりして起こすと、全員が「止めて~」と俺に抱き着いて俺の悪行を止めようとしていたが、本音は俺とくっつきたかっただけのようだ。

 着替えて食堂へ向かう事にした。結婚してからみんなの着替えも俺の部屋に一部運び込んでいるため、自分の部屋に帰らなくても着替えができるようになっている。

 半分寝ぼけ眼のシェリル・イリア・ネルの着替えを手伝って髪の毛をすいてあげると、他の娘たちが羨ましいと騒ぎ出したので、みんなの髪をすいてあげる事にした。完全に目が覚めると甘える様子は無くなり、服装にも一部の隙も無くなっていた。

 余談だが、カエデ・ミリー・リンド以外の妻たちはメイドである事が誇りであるようで家や屋敷の中、俺の空間である場所では、常にメイド服でいる。外出する際に着替えて俺の服装に合わせるようになっている。こういった事情もあり、家や屋敷の玄関付近には着替える部屋が用意されている。

 年少組の案内を受けて食堂へ向かうと、途中で猫たちが待ち受けていた。食堂へ行く通路を塞ぐ形で俺の事を待っていたようだ。俺を発見すると駆け寄ってきて飛びついてきたり、足下にすり寄ってきたりしてきた。

 露骨なこの甘えは、食事を強請っているのだと感じた。たまに元の世界の猫缶を召喚して食べさせていたのを覚えて、こういう風に甘えると餌をもらえると理解してしまい、時々こうやって襲撃を受けるようになっていたのだ。

 ブラウニーに餌をあげていないか確認をとった所、まだだったので猫たちの圧力に負ける形で、猫缶を召喚してご飯を与えていく。ブラウニーたちが準備してくれていた餌は、ダンジョン農園で放し飼いにされている猫たちの食事になった。

 いつもと同じ朝食のビュッフェを食べながら何をしようか予定を考えていく。といっても俺がしなきゃいけない事って今ないんだよな。

 全部人任せで何とかなっているのは前からわかっていたことだけど、商売に関してもヴローツマインの商人やグレッグでもらったカザマ商会のおかげで、俺が何もしなくても問題なく軌道に乗っているのだ。

 そもそもの話、商品を作るという意味では役に立てるが、物流や商売に関してはプロに勝てないのだからできる事も多くないんだよな。

 一人で考える意味もないのでどっか行ってみたい所や、してみたい事がないか聞いてみる事にした。

 年長組とカエデ・リンドは行かなくても問題ないとの事で、グリエルたちと決めた自分達の役割をこなしに行くようだ。

 カエデとアリス・ライム・リンドの四人は、魔道具作成のために工房へ行くとの事だった。

 俺たちの屋敷の南側にある鍛冶エリアの一角に、DPにものを言わせて作った俺たち専用の工房だ。地上からもいけるが、ダンジョン農園からも行くことが可能である。というかダンジョン農園にある部分がこの工房の本体なんだけどね。

 この四人はアンデッド対策の魔道具を開発するために奮闘してくれるらしい。ユニークスキルの結界を使った実験をしたり、四大精霊と協力して魔法を使った結界の研究をしてくれるようだ。

 ピーチとミリーは冒険者ギルドに行って、訓練の相手や治療を請け負っているようだ。それは表の顔で実は、才能や素質のある者を探してはギルドに報告しているらしい。何でそんなことをしているかよく分からないが、グリエルたちと決めた事なのだから街のためになる事なのだろう。

 シュリはシルキーやブラウニーたちと一緒に俺の好きな味を追及する、ご主人様に食べさせる料理研究会なるものを作って、日々改良を行っているとの事だ。今まで出してきた食事でどれが美味しいと言っていたのか、味付けで一番好みだと思われるものの統計を勝手にとって色々と試行錯誤をしているようだ。

 その食事の評価をシュリが行っているようだ。食事をたくさん食べるがしっかりと味を把握して、評価できるのだからすごい才能だと思う。体質的にもちょうどいい役割だろう。最近携帯食料の減りが少ないと思ったらこういう理由があったのか。

 マリー、ライラ、メアリーの三人は、畑、製塩所や燻製や干物等々を作る海の近くの施設、魚人たちが作っている和紙といった、生産物の監督をしているそうだ。量産品の一番安い和紙がどうやら作れるものが増えてきたから、高級品の和紙を増やすか悩ましいと言っていた。

 畑は特にドリアードと水精霊がいるので、作る方では特にすることはないそうだ。だが、できた後の食材としての検品では色々活躍していて、商品をランク分けして一般家庭に出回るのは少し傷物の食材を早く食べてもらう形をとっている。

 傷の無い日本で言う商品になる物は、食事提供する食事処や宿に卸すか他の町に売りに行く形である。ディストピアの住人の懐には優しいな!

 年中組は色々考えていたようだが、今日はみんなで仲良くなった冒険者に先輩として色々教えに行く約束を優先した。

 いつの間に仲良くなったか知らないけど、交友関係が広がることはいいことだよね。ただ気になったのは、この街の冒険者って大半が年中組より上なんだよな。年上に色々教えてる可能性があるのか? その現場を見たらシュールな気がするな。

 結局、たいしてすることのない年少組と遊ぶことになった。本当にすることが思いつかなかったのでピクニックに行くことにしたのだ。みんなでお弁当を作って、少し山を登った所にある綺麗な花の咲くとこに行くことを決めた。

 何故か逃げようとしていた従魔たち、クロとギンをネルが捕まえて、ニコはイリスに捕まり、スライムたちは残りの年少組に取り押さえられていた。どういう状況なんだろな? 今日はいい陽気だから昼寝でもするつもりだったのかな?
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