ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
329 / 2,518

第329話 新たなる力

しおりを挟む
 昨日は、年長組とキャッキャウフフと夜の稽古に励んだ? 励まされた? のに、なかなか眠れなかった。眠れない理由なんてわかりきっているよね。明日は銃の中でも設置型ではない銃で最大に近い物を撃つのだ!

 初めに召還した組み立ての練習をしたOSV-96の試射をして、この世界の物質で試作したOSVカスタムの試射をするつもりなのだ! これでたぎらない男は少なくないと思う!

 眠れない理由はアンチマテリアルライフルを撃てるだけでなく、P90にピースと名付けたように、仮名として名付けていたOSVカスタムに正式に名前を付けようと考えだしたら眠らなくなってしまったのだ。

 今回の銃には遠くの物でも狙い撃つという思いを込めて、ガ〇ダム00の狙撃の機体を操縦していた人の名前をもらって、ロックオンと名付けた。それにしても妻たちはみんな気持ちよさそうに寝ているな。ニ人ほど俺を抱き枕にして寝ているので身動きが取れないけどな!

 気付いたら寝ていたけど、確か寝る前に時計見た時は、三時三十分位だったっけな? 今が八時なので四時間くらいは眠れたということだろう。まわりにはもちろん妻たちは誰もいないが、代わりにネコにゃんたちが団子になっていた。そういえば鼻が若干ヒリヒリして、ネコ臭いのはお前らのせいか?

 俺が起きたのに気付くと服の袖や背中に回って「早く食堂にいくぞ!」と言わんばかりの行動をとり始めたので、近くにいるネコから部屋の出入り口に近いベッド側に投げてやる。面白かったようで何度か投げてくれとせがむ猫がいた。デジャビュ! もしかしてスライムたちにこれ教えたのお前か?

 やり取りが面倒になったのでモフモフの猫を一匹だけ、抱きかかえてモフモフしながら食堂に向かった。

 食堂に入って一番最初気になったのが、キャットピープルのニ人だ。ニ人は俺の方を見て、正確には猫を見て『ぐぬぬぬ・・・』とか言ってるんだが、実際に『ぐぬぬぬ』とかいう人いたんだ。

 それよりお前さんたち! 猫人族のキャットピープルが、愛玩動物の我が家の猫に対抗心燃やしてどうすんだよ!前にも似たようなことがあったのだ。

 その時はクロとギンを可愛がってモフモフしていたら、狼人族、ライカンスロープの三人がハンカチでも引きちぎりそうな感じでこっちを見ていたのだ。その時に愛玩動物に対抗心燃やすなって言ったら、『愛玩動物になったらもっと可愛がってくれますか?』って言われたもんだから、このセリフは言わないことにしている。

 抱いていた猫が餌が食べれると分かったとたんに俺の腕から脱出した。本当に現金な奴だ。どこからか視線を感じたので感じた先を見ると、先ほどぐぬってたキャットピープルのニ人が、勝ち誇った顔をしていた。何に対して勝ち誇ってるんだ?

 ちょっとした事はあったが、朝食もいつも通りおいしかった。毎朝見るようになった光景が目の前で繰り広げられている。スライム型ゴーレムたちによる朝食の残り争奪戦だ! どうやら毎日大好評らしく毎日全部放出して帰ってくるようだ。

 そのおかげか、ダンジョン探索を隅々まで行うパーティーが増えたようで、見つけにくい所に育つ薬草等の納品数が増えて助かっているらしい。

 ミリーも言っていたがディストピアには、回復魔法を使える冒険者が多いので、今さら薬草が必要になるのか疑問に思って聞いてみたところ、やはり個人である程度品質の高いポーションを準備しているそうだ。

 理由は簡単、回復役と離れた時や回復魔法を待っていられない時に使用するためだ。他にも解毒が苦手なヒーラーが多い、解毒ポーションやマナポーション等にも薬草は使われているのだ。

 最近ではドーピングポーション等も出回ってきていて、そこにも薬草が使われているようだ。ここら辺は老ドワーフたちの工房や妻たちがスキルレベルを上げるためにコツコツ作っている魔法薬が関係している。全員身内でした!

「さて、本日最大のイベント、朝食食べたばかりなのに! とかいう突っ込みは受け付けません!」

「ご主人様、誰に言っているんですか?」

 冷たい目で嫁の半分ほどが俺の事を見ている、そんな目をされても俺は喜ばないよ?

「まぁ気を取り直して進めよう。みんなも知っている通り前回作ったけどあまり出番のないピースの射程距離は約五キロメートル、で今回モデルになったOSV-96の有効射程距離は約ニキロメートル。たいしたことないと思うかもしれないけど、ピースはまっすぐ飛ぶだけで照準が合わせにくいからな。

 狙って撃って確実に当たる距離はたぶん良くて四〇〇メートル行けばいい方じゃないかな? 見えなきゃ狙えないからな。それに対してOSV-96は弾丸が放物線を描くとはいえ一八〇〇メートル先の戦車、シュリの使っている大楯の鋼鉄製より分厚い車なら、簡単に貫通するくらいの威力があるそうだ!」

 魔改造ノートパソコンにDPで入れた元の世界のウィキペディア情報を見ながら説明する。

「まぁ試しに撃ってみた方が早いな。ただ、初めて撃つから1発では当たらないからがっかりするなよ?」

 まずはシュリの使っている大楯と同じ大きさで品質の高い物を準備して、五十メートル程先に設置する。それをめがけてピースをうち尽くすが一発も貫通しなかった。使った弾丸は鋼鉄製のAP弾だ。

 次にアダマンタイト製のAP弾を撃ち込むが、1発も貫通する弾はなかった。ただ大楯に当たった弾丸は全部半分ほど突き刺さっていた。いくら速くて硬くても質量の小さいピースの弾丸ではここら辺が限界の様だ。対人でも奴隷兵達に避けられたし、未だに先読みして避けていたことに気付いていない。

 魔物戦でもAランク上位のタフネスがあったら弾き返しそうだな。金属のゴーレムはどれだけ弾が必要になるのやら。それにしても武器を持って殴った方がダメージがでかいっていうのはどうなんだろうか?

「まぁこれがピースの威力だね。次が本命のOSV-96だ。よく見ておいて、同じ的を今から撃つからね」

 ドゴンッ

 体に響く大きな音が銃から発生する。弾丸は見事に大楯にぶつかり貫通した。

「これがアンチマテリアルライフルの威力だね。思ったより反動が強かった。でもそこがよかった!じゃぁ、次に一五〇〇メートル先に置いたあの大楯を撃ってみるね。何発で当たるかな?」

 ドゴンッ

 思ってた以上に銃弾が落ちたため地面をえぐったのがスコープ越しに見えた。

 ドゴンッ……ドゴンッ

 ニ発目三発目は、大楯の上を通過してはるか後方の地面に刺さったようだ。さて次だ。

 ドゴンッドゴンッドゴンッ

 撃つたびに銃がずれるためかなかなか思ったところに飛んでいかない、ニ十発を撃ったところでやっと大楯に当たった。見事に貫通していた。

「本当に撃ち抜けるもんだね。じゃぁ次は俺が作った、OSVのカスタムのロックオンです。ということで、試射しようか」

 ロックオンはピースと同じ風付与をして弾丸を打ち出すため、おそらくその付与が消えるまでは物理法則を無視して直線で進んでいくはずなので、DP魔改造レーザーポインタをカスタムでつけてあるし、反動もほとんどないので命中させるのには問題ないはずだ。

 緊張の一瞬、ドゴンッ

「おー、ほとんど狙った場所にあたった。まじで直進してるんだな~」

 一発で命中した事に拍手が上がってる。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...