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第366話 チビ神、緊急介入
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目が覚めると心配そうに妻たちが、俺の顔を覗き込んでいた。どうやら助かったらしいな。まだぼやけている頭を振りかぶりながら、何が起きたのかの報告を聞く。
俺が子供に刺されたナイフの刃に、毒が塗ってあったとの事だ。俺を刺した後子供は意識を失いそのまま倒れてしまい、未だに目が覚めていないらしい。ちなみに今は刺されてから四時間ほど経っているようだ。
両親も子供もディストピアの住人で、子供はいつもみんなと一緒に遊んでおり、こんなことが起きるとは想定されていなかった。
これで謎に思ったのは、俺が刺した子を見た時明らかに、自分の意志で何かをできる状況ではなかったのに、どうやって行動を起こさせたんだ? 俺が寝ている間にグリエルやガリアも調べてみたらしいが、よくわかっていなかった。すこし沈んだ空気の中に明るい声のツィード君が現れた。
「みんな辛気臭い顔してんな、俺みたいに明るく行こうぜ! せっかくいい情報もって来たんだからさ!」
明るく行こうぜ! といった時には近くにいた四大精霊が怒気を発していたが、いい情報というフレーズを聞いて怒気が抑えられていた。
「ご主人様を刺した子供から、俺の使う闇系統の魔法の残滓を発見したよ。奴隷の首輪より優先順位が上になるという事はそう多くないんだけど、多分洗脳系でも潜伏するタイプの闇魔法だと思うよ。でも、この魔法って普通の人間が使えるはずはないんだ。
ご主人様みたいなイレギュラーな存在か勇者、それに準ずる特殊能力の持ち主、最後に俺たちの様な闇精霊位なはずなんだ。ご主人様だって宝珠があって色々勉強しても、使えない可能性があることを考えると、闇精霊が関わってる可能性が高くなるよ」
「ん~それもそうか、俺だけが召喚できるわけじゃないし、精霊だって普通に人間界にいる奴らもいるんだから、当然こういったことが起こるよな。問題なのは闇精霊が関わってたことじゃなくて、その闇精霊にこういった指示を出している人物がいるってことだよな」
おれの言葉でまた空気が重くなってしまった。そんな中で三幼女が近寄ってきて、
「ご主人様、大丈夫? 痛くない? 防御力の低い普段着だったけど、ナイフがあんなに深く刺さる位、力いっぱいやられたんだよね? 大丈夫?」
泣きそうな声で、三幼女が俺の事を心配してくれてい……たっ!
「そういえば、なんで普通の子供が持ってたナイフがあんなに深く刺さったんだ?」
ナイフを調べていたリンドやカエデも首をひねっている。鋭い事は鋭いが、それだけでレベル差のある俺に、そこまでナイフを突き立てられるのだろうか? という結論に至ったそうだ。特殊能力もあるようには思えないが、何かしらかの能力があるとみていいかな?
『ふっふっふ、あなたにもわからない事があるのね! 私がおしえ『そういうのいいんで帰ってください』……ぐふっ、最後まで言わせないあたり、あんたの性格全く変わってないわね! 面白い事になってるからせっかく来てあげたのに! 罰が当たるわよ!』
罰っていうなら、いきなりこっちに呼び出されたことだろうに! 俺なんもしてないから、罰っていうのも変だけどな!
『今これだけ楽しんでるくせに、呼び出したことを罰って言うなんてね! まぁいいわ、戯言はここまでにしておきましょ。今回はさすがに見過ごせない、神の違反があったから私も介入することにしたのよ。
簡単に説明するわね。今回のあんたの暗殺事件の首謀者に、神が干渉してこの事件を起こしたのよ。私の召喚したあんたが活躍するのが気に入らなかった、女神連中が私に嫌がらせをしたのよ!』
チビ神にしては簡潔に説明してくれたが、嫌がらせをされたのはお前じゃなくて俺だろ!
『何言ってるの? 私が召喚したあんたが狙われたんだから、私が狙われたも同然じゃない!』
なんだろうな、このジャイアニズムみたいな感じ。気にするだけ無駄だったか。とりあえず、どう対応するか教えてくれ。
『まぁ簡単ね、そのまま放置すれば面倒なことが増えるだけだから、殺すなりするのがいいわ。今回関わってるのは帝国の首都にいる勇者たち三人よ。珍しく複数召喚された勇者たちに、召喚した女神たちがあることない事吹き込んで、今回の暗殺未遂事件を起こさせたのよ。
それだけならよかったんだけど、事件を起こすために女神たちが闇魔法のスキル覚えさせたうえに、勇者たちの能力を底上げしたのよ! そのせいで今回のような事になったのよ!』
ん~要は、勇者を複数召喚した女神たちが能力を底上げした上に、イレギュラーな存在でもない限り使えないスキルを使えるようにして、俺の暗殺を目論んだってことでいいのか?
『そんなところね。その考えで問題ないわ』
俺には何かお前からの恩恵はないのか? 向こうの勇者たちは女神たちに色々してもらったんだろ? 俺を召喚した女神様は何かしてくれないのか?
『こんな時だけ「様」をつけるなんて! 私があんたに干渉したら本来はいけないんだけど、さすがに今回の件は問題があったから、私から神具を一つ授けてあげましょう。
本当はあんたの能力の底上げや、他のユニークスキルを覚えられるようにしようとしたんだけど、さすがに待ったが入って誰が使っても効果が変わらない、神具を授ける所で手を打ったのよ! 私頑張ったんだからね!』
そっかそっか、チビ神様ありがたやありがたや。
『ムキー! 様をつければいいってもんじゃないわよ! それに棒読み! はぁはぁ、あなたのペースに持ってかれてるわね。落ち着け私、落ち着け私、大丈夫大丈夫! それで、私から渡すことができるのが神具の中でも人気があんまりない、拘束するための攻撃力の全くない【グレイプニル】を何とか勝ち取ったわ!
あなたなら何とか活用してくれると思って、攻撃系の神具は件の女神たちに妨害されてどうしようもなかったから、支援系か援護系、回復系しか選べなかったのよ。
回復は神具でも死者を生き返せないから、エリクサーの回数無制限版なんていらないでしょ? 支援系も一人にしか使用できないタイプのものだから、それよりは援護系がいいかなと思ってね』
わるくないか? ちなみにグレイプニルって、使用中の制限って何かあるのか?
『そうね、使用者の能力次第で複数の対象を完全拘束できるわ。ただね、使用者はそれ以外の行動が不可能になっちゃうのよね。だから人気がなかったんだよ』
使用者と拘束対象者が行動不能か、ダンマスだったら支配下の魔物とかいるから人気ありそうなんだけどな。ほかにきつい制限がある?
『それはね、神具って基本的に勇者側にしか授けられないからよ! あなたならいくらでも使い道あるでしょ』
そうだな、チビ神にしてはよくやったな! ほめてつかわす!
俺が子供に刺されたナイフの刃に、毒が塗ってあったとの事だ。俺を刺した後子供は意識を失いそのまま倒れてしまい、未だに目が覚めていないらしい。ちなみに今は刺されてから四時間ほど経っているようだ。
両親も子供もディストピアの住人で、子供はいつもみんなと一緒に遊んでおり、こんなことが起きるとは想定されていなかった。
これで謎に思ったのは、俺が刺した子を見た時明らかに、自分の意志で何かをできる状況ではなかったのに、どうやって行動を起こさせたんだ? 俺が寝ている間にグリエルやガリアも調べてみたらしいが、よくわかっていなかった。すこし沈んだ空気の中に明るい声のツィード君が現れた。
「みんな辛気臭い顔してんな、俺みたいに明るく行こうぜ! せっかくいい情報もって来たんだからさ!」
明るく行こうぜ! といった時には近くにいた四大精霊が怒気を発していたが、いい情報というフレーズを聞いて怒気が抑えられていた。
「ご主人様を刺した子供から、俺の使う闇系統の魔法の残滓を発見したよ。奴隷の首輪より優先順位が上になるという事はそう多くないんだけど、多分洗脳系でも潜伏するタイプの闇魔法だと思うよ。でも、この魔法って普通の人間が使えるはずはないんだ。
ご主人様みたいなイレギュラーな存在か勇者、それに準ずる特殊能力の持ち主、最後に俺たちの様な闇精霊位なはずなんだ。ご主人様だって宝珠があって色々勉強しても、使えない可能性があることを考えると、闇精霊が関わってる可能性が高くなるよ」
「ん~それもそうか、俺だけが召喚できるわけじゃないし、精霊だって普通に人間界にいる奴らもいるんだから、当然こういったことが起こるよな。問題なのは闇精霊が関わってたことじゃなくて、その闇精霊にこういった指示を出している人物がいるってことだよな」
おれの言葉でまた空気が重くなってしまった。そんな中で三幼女が近寄ってきて、
「ご主人様、大丈夫? 痛くない? 防御力の低い普段着だったけど、ナイフがあんなに深く刺さる位、力いっぱいやられたんだよね? 大丈夫?」
泣きそうな声で、三幼女が俺の事を心配してくれてい……たっ!
「そういえば、なんで普通の子供が持ってたナイフがあんなに深く刺さったんだ?」
ナイフを調べていたリンドやカエデも首をひねっている。鋭い事は鋭いが、それだけでレベル差のある俺に、そこまでナイフを突き立てられるのだろうか? という結論に至ったそうだ。特殊能力もあるようには思えないが、何かしらかの能力があるとみていいかな?
『ふっふっふ、あなたにもわからない事があるのね! 私がおしえ『そういうのいいんで帰ってください』……ぐふっ、最後まで言わせないあたり、あんたの性格全く変わってないわね! 面白い事になってるからせっかく来てあげたのに! 罰が当たるわよ!』
罰っていうなら、いきなりこっちに呼び出されたことだろうに! 俺なんもしてないから、罰っていうのも変だけどな!
『今これだけ楽しんでるくせに、呼び出したことを罰って言うなんてね! まぁいいわ、戯言はここまでにしておきましょ。今回はさすがに見過ごせない、神の違反があったから私も介入することにしたのよ。
簡単に説明するわね。今回のあんたの暗殺事件の首謀者に、神が干渉してこの事件を起こしたのよ。私の召喚したあんたが活躍するのが気に入らなかった、女神連中が私に嫌がらせをしたのよ!』
チビ神にしては簡潔に説明してくれたが、嫌がらせをされたのはお前じゃなくて俺だろ!
『何言ってるの? 私が召喚したあんたが狙われたんだから、私が狙われたも同然じゃない!』
なんだろうな、このジャイアニズムみたいな感じ。気にするだけ無駄だったか。とりあえず、どう対応するか教えてくれ。
『まぁ簡単ね、そのまま放置すれば面倒なことが増えるだけだから、殺すなりするのがいいわ。今回関わってるのは帝国の首都にいる勇者たち三人よ。珍しく複数召喚された勇者たちに、召喚した女神たちがあることない事吹き込んで、今回の暗殺未遂事件を起こさせたのよ。
それだけならよかったんだけど、事件を起こすために女神たちが闇魔法のスキル覚えさせたうえに、勇者たちの能力を底上げしたのよ! そのせいで今回のような事になったのよ!』
ん~要は、勇者を複数召喚した女神たちが能力を底上げした上に、イレギュラーな存在でもない限り使えないスキルを使えるようにして、俺の暗殺を目論んだってことでいいのか?
『そんなところね。その考えで問題ないわ』
俺には何かお前からの恩恵はないのか? 向こうの勇者たちは女神たちに色々してもらったんだろ? 俺を召喚した女神様は何かしてくれないのか?
『こんな時だけ「様」をつけるなんて! 私があんたに干渉したら本来はいけないんだけど、さすがに今回の件は問題があったから、私から神具を一つ授けてあげましょう。
本当はあんたの能力の底上げや、他のユニークスキルを覚えられるようにしようとしたんだけど、さすがに待ったが入って誰が使っても効果が変わらない、神具を授ける所で手を打ったのよ! 私頑張ったんだからね!』
そっかそっか、チビ神様ありがたやありがたや。
『ムキー! 様をつければいいってもんじゃないわよ! それに棒読み! はぁはぁ、あなたのペースに持ってかれてるわね。落ち着け私、落ち着け私、大丈夫大丈夫! それで、私から渡すことができるのが神具の中でも人気があんまりない、拘束するための攻撃力の全くない【グレイプニル】を何とか勝ち取ったわ!
あなたなら何とか活用してくれると思って、攻撃系の神具は件の女神たちに妨害されてどうしようもなかったから、支援系か援護系、回復系しか選べなかったのよ。
回復は神具でも死者を生き返せないから、エリクサーの回数無制限版なんていらないでしょ? 支援系も一人にしか使用できないタイプのものだから、それよりは援護系がいいかなと思ってね』
わるくないか? ちなみにグレイプニルって、使用中の制限って何かあるのか?
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