ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第401話 思ったより大事になった

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 三幼女が俺の事を、お兄ちゃんと呼んでいた意外な事実を知って、どうしようか迷っていると、

「「「んっ~~」」」

 三幼女がこりゃまた仲良く、同時に起きたようだ。

「おはよ、みんなよく寝てたね。疲れてたのかな?」

「だって、何言っても反応してくれなかったから、暇だったんだもん!!」

 シェリルがそういうと、三人そろってほっぺたを膨らまして抗議をしてくる。こういう時は、言い訳をしちゃいけないんだったな。三幼女なら、

「みんなごめんね、お詫びとしてこれから散歩に行こうか」

「「「そんなことじゃ、誤魔化されないのです!!」」」

 そんなことを言う三幼女をさっくり無視して、イリアを肩車して、ネルを右腕、シェリルを左腕に抱きかかえながら外に向かう。さすがにこの格好で街中を歩くのは微妙なので、ダンジョン農園の中を散歩することにした。

 三幼女は抱きかかえられた段階で機嫌を直していたが、三十分位の散歩でみんなが笑顔になっていた。家に戻るとラーメンのスープの匂いが漂っている。

「あ! この匂い、ラーメンだね! 今日は、何を食べようかな? イリアちゃんとネルちゃんはどうする? 私は今日は豚骨ラーメンが食べたい!」

「私は、野菜たっぷり味噌ラーメン」

「私はね、魚介系の塩ラーメンを食べる!」

 イリアは野菜をたくさん食べたいってことか、最近食べる量がみんな増えてきたな。成長期なのだろうか? ネルは、魚介系でせめるみたいだな。好みが分かれるのにしっかりと全部に対応してくれる、シルキーたちがすごいと思うんだよな。

 変わり種のチャンポン等にも対応してくれるんだからすごいよな。トッピングもびっくりするくらい、多くの種類が準備されてるんだから本当に凄い。

 夕食の時間が来て、綾乃がオーダーしたラーメン祭りが始まった。綾乃は、今日も食べ過ぎで寝込むだろうな。後で消化促進ポーションを渡しておこう。

 夕食が始まってから一時間ほど経過すると、ソファーの上で『苦しい……もう食べれない……』とトドのように横になっている綾乃の姿がある。

 ディストピアにきてから、こいつ毎食食いすぎな気がするんだが、無駄に太るんじゃないぞ。太った原因が、ごはんが美味しすぎて歯止めがきかないから、食べ過ぎて太ったとかシャレにならん!

 この世界って痩せてガリガリの人たちは多いけど、太っている人って少なかったな。太ってるのなんて、金持ちか貴族くらいしか思い浮かばん。貴族でも長男は、太る傾向が高い気がする。次男以降はイケメン率高かったかな?

 家を継げない貴族の子供は平民になりたくないために、頑張ってレベルを上げる。一応お金はあるので、装備も駆け出しに比べればいい物を揃えられるし、冒険者に依頼してパワーレベリングのようなこともできる。騎士になりやすいってところか?

 平民出身の騎士と貴族の子供の騎士たちの、確執とかもあるみたいだしな。

 騎士になるためには、デブで動きが悪いわけにはいかない。気を付けている可能性が高いってところかな? まぁ、貴族の事なんてどうでもいいわ。

 比較的お金を稼げている冒険者たちにも、太っている人間は少ないんだよな。やっぱり運動量が多いから、冒険者は太らないのかな? そうなると綾乃は大丈夫だろうか? そこらへんはシルキーたちに任せれば、コントロールしてくれるかな? 後で伝えておこう。

 明日は綾乃に講義するのか、妻たちもクリエイトゴーレムについては熟練度は高くないから、この講義に参加してもらおうかな? みんなの熟練度が上がれば俺の負担も減るしな。

 他にも老ドワーフたちにも参加してもらうか? あいつらにもできればクリエイトゴーレム覚えておいてほしいんだよな。生産活動をする際に使用することができるのか、研究をしてもらいたいんだよな。

 魔導通信機を起動して、明日の予定をグリエルたちに確認する。ドワーフたちに聞くと生産系が絡む話題だと、重要な事があってもすっぽかして来てしまうから、特に注意が必要なのだ。生産狂い共め!

 明日は重要な案件もなく、老ドワーフたちもすることがないとの事で、生産活動に勤しむとの事らしいのでちょうどいいな。移動が簡単にできる、メイに伝言を頼む。

「メイ~! 聞こえてたらちょっと姿現してくれ」

「は~い。ご主人様から呼ぶなんて珍しいですね、どうかなさいましたか?」

「ちょっと、老ドワーフたちに伝言を頼みたいんだ、迷惑だったか?」

「ご主人様のためなら、何の問題もないわ」

「老ドワーフたちに明日は朝食後、俺の家の新しい方に来るように言ってくれ。酒は抜いてくるように、あわせて伝えて。酒抜いてこなかったら、今回の生産活動に参加資格が無くなるって、一緒に話しておいて。かなり重要なことだって言い含めておいて」

「かしこまりました。他には何かありますか?」

「そうだな、最近はどんな感じだ?」

「漠然とした質問をしてきますね。ディストピア内部はいたって平和です。以前あった魚人たちのように、力に溺れる輩はいますが、早い段階で潰されているので問題にはなっていません。

 ディストピアの外でいうならついこの前ですが、樹海を自力で抜けてディストピアに到着した冒険者がいましたね。話を聞いた所、通路ではなく自分たちの足で、たどり着きたかったとの事でした。途中で三人の仲間が亡くなったそうですが、総勢二十四人でディストピアの門をたたきましたね」

「へ~自力で到着できた奴らがいるんだ。それなら行政府から何で、情報が上がってこなかったんだ?」

「別におかしな話ではないですよ。だって地下通路を通ってこないで、ディストピアに着いただけですから、いちいち報告する必要もないのでは?」

 ん? そういうもんなのか? まぁいいか。

「その冒険者達たちですが、初めて自力で到着した人だったので簡単な歓迎会を開いて、どういった理由で来たのかを探った所、本当に自分たちの足で、たどり着きたかっただけみたいでした。

 料理の美味しさにやられて移住希望をだされたので、簡単なチェックをしてからディストピアの住人になってもらいました。

 全員がBランク以上の冒険者で、中核になっていた五人はAランクだそうです。その中でリーダーはシングル間近と言われている人物だそうです。情報は、ジャルジャンのフェピーに流してもらいました」

 フェピーは俺がいないところでも、こき使われてるんだな。強く生きろ!

「グリエルたちが問題ないと、判断したならいいのかな? シングル間近の冒険者が、この街に移住ね。そこまで魅力的なのかな? ディストピアの中の人間は、基本的に外に出ないからな。

 この冒険者たちは、この街を中心にいろんなところに行くって事だろうか? 今度会って話をしてみるかな。他に報告するようなことが無ければ、老ドワーフの所に伝言お願い」

「了解しました。では行ってきます」

 メイの姿が一瞬で消えた。風の大精霊って意外にすごいんだな。最近はお菓子をポリポリ食べてるイメージしかなかった。アクアも水の傍なら任せろって感じだしな。

 それに対して男性型って言えばいいのか? ガルドとノーマンは、力を押し出してくる感じだよな。性別で何か変わるのかな? そもそも精霊に性別なんてあるのか?

「ご主人様、伝えてまいりました!」

 急に戻ってきたメイに声をかけられて、ビックリしてしまった。

「あ、ありがと。また何かあったら、お願いするわ」

「了解です。最近はスプリガンのいる監視室にいる事が多いので、声が届かない事があるかもしれないですが」

 風の精霊だから、ダンジョンの中とかは苦手なのかな?

「わかったよ、何かあればそっちにも連絡してみるよ。今回はありがとな」

「この程度は、どうと言う事はないですよ。では」

 まぁ、姿が掻き消えてどこかへいってしまった。
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