ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第434話 領主館襲撃直前

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 夜になるとスカルズたちが起きてきて、食事を始める。好物が出てきたことに喜んでいたので、俺のチョイスは間違っていなかったかな?

 ご飯を食べてすぐにストレッチを始めだした。食べた後にすぐストレッチか? 効果があるのか?

 俺たちが風呂に入って寝る時間になっても、入念に体を伸ばしていた。だいたい二時間位か? そんなにストレッチして意味あるのだろうか? スカルズたちの邪魔をするわけにもいかないし、頑張るように伝える。

 皇帝あての手紙は、召喚した鳥型の魔物に伝書バトみたいなことをさせている。

 することが無くなったので、ベッドに入ってブッ君で小説を読み始める。今読んでいるのは、リッチ系のダークヒーローが活躍するものだ。そのうち眠くなるので身を任せよう。年少組はもうほとんどが寝ている。年中組は俺と同じで、寝る前の時間を楽しんでいるようだ。

 スカルズたちの事も気になるので、マップ先生で動きは確認している。誰にも見つかった様子もなく、潜入していくあたりさすがだな。

 今度遊びで、侵入ミッションを体験できるダンジョンでも作るか? リアルメタ〇ギアソ〇ッドだ。ゲームの中をダンジョンで再現する……これって面白いんじゃないか? ステータスを下げて出来る事を減らせば面白いかもな。

 なんて考えていると、眠気が襲ってきたのでそのまま眠りにつくことにした。

 朝目を覚ますと、少し家の中が騒がしい気がする。よくわからないので騒がしい方に進んでいくと、予想通り食堂だった。ここ以外で人が集まれる場所ってあんまりないからね。

「おはよ~、騒がしいけど何かあったの?」

「あ、シュウ様。侵入作戦無事終わりました。あそこの領主ですが、相当あくどい事をしていました。その報告をしていたら……その、シュウ様の奥方様たちが憤慨してしまいまして……」

「ふ~~ん、そんなにヤバいことしてたのか。すまないけど、初めから報告頼めるかな?」

 スカルズのリーダーにそうやって頼むと、状況から細かく説明してくれた。

 状況を簡単に説明すると、

 一、迷賊の捕えていた冒険者は、奴隷に落とされて街の外の奴隷商に売り払われていた。

 二、冒険者の中でも見た目の良かった者は、領主館に残され、壊れるまで領主やその息子、兵士に犯され続け壊れたら、街の娼館に売り払われるか、暗殺者として洗脳されるかしていた。

 三、捕えた冒険者の代わりに奴隷商からは、見た目のいい女の奴隷と交換していた。

 四、交換した女の奴隷は、二番にあげたような用途に使われていた。

 五、少数だが残された男の冒険者は、兵士の訓練相手をして、むごい死を遂げていたそうだ。

 他にも、街を訪れた商隊に冤罪を押し付けて資産を没収した上、仕事についてきた商人の家族なども奴隷に落としていたらしい。ここまでひどい事をしているのに、何で帝国は動いていなかったんだ? さすがに不自然すぎるだろ?

 元々犯罪をおかすことを前提に、作られた街といっても過言でないこの街は、トップに立つ人間は元から腐っていたのだろう。そんな人間の支配している街でも、不思議な事に街の人間には手を出していないとの事だった。

 そういった命令でも出されていたのだろう。街の人間が消えるのは不自然だけど、冒険者や行商人がいなくなっても街の人間は判らないからな。

 ただ、最近は行商人たちの来る数が減った、との報告書も発見していたようで、街の外の物を仕入れるために、自分たちで商隊を組んで仕入れに行っていたようだ。

 それもそうだよな、街の外の人間からしたらこの街に行くと行方不明になるっていう噂……事実だから噂じゃないか。そんなところに、誰も行きたがらないよな。

 黒ということが確定した。

 マップ先生を確認していると、昨日作った通路を高速で移動している人物がいる。ガリアとアンソニという名前の男と、その家族らしい女性と子供が三人。グリエルの言っていた人材かな? ガリアがついてきたのは、アンソニが俺と初対面だから繋ぎの役割かな?

 家族で来ているのか、領主館の安全を確保してやらないとな。占領したら魔改造して、安全に配慮した作りにしておこう。

 後は、この子たちにもディストピアに友達はいるだろうから、地下通路を改造していつでも帰れるようにしといてやるか。年齢を見ると、十四歳、十二歳、十歳と一番上の子は、もうすぐ成人か。

 ディストピアなら勉強をしている歳なので、特別室を作ってみんなとここで授業を受けれるようにしよう。戦闘訓練は、後で考えよう。

 ディストピアでは、子どもたちの戦闘訓練は、必須科目としている。安全を確保しているとはいっても、高ランクの魔物の跋扈する樹海の中なので、最低限身を守れるだけの訓練を積んでもらっている。

 もちろん大人たちも戦闘訓練を受けている。レベルが上がれば、筋力も体力も魔力も上がるので、自分の生産活動にも、いい影響を与えるので喜ばれている。

 学校に通う年齢に達していない幼子以外は、フレデリク基準でいえば、部隊隊長クラスほどの戦闘能力がある。それでも十分なレベルではないので、もう少しレベル上げをしたいところである。

 さてさて、そんなことを考えている場合じゃなかった。

「領主の代わりになる人材が今こっちに向かっているから、サクッと領主館を落とそうか。今回はスカルズと獣人の三人に全面的に、お願いする予定だったけど……この様子を見ると、俺の妻たちを参加させないわけにはいかないと思うんだけど、どうしたもんだか」

「シュウ様、私たちの事を考えてくださるのは嬉しいですが、さすがに今の奥方様たちの様子を見て、私たちだけで! とはいえないです。今度グランドリザードにでも挑ませて頂けたら嬉しいのですが」

「地竜じゃなくて、レッドドラゴンでもいいけど?」

「さすがに、シュウ様ではないので、私たちには勝てるはずないです。だからグランドリザードと」

「ポップするまで時間あるから、しばらくは戦えないけどもちろん許可するよ。それ以外にも活躍できそうなことがあれば、呼ぶからそれで許してくれ」

「いえ、私たちのわがままを聞いてくださり、ありがとうございます」

 スカルズのみんなは控えめだな。この子たちにドラゴンキラーの付いた武器もたせたら、レッドドラゴンも狩れるんじゃないか? ステータス的にはまだまだだけど、パワードスーツを着ているので、妻たちよりは総合的な防御力は上だろう。

 作戦を考えようかと思ったけど、妻たちの様子を見る限り……真正面から叩き潰す形になるだろうな。話すだけ話してみるか。
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