ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
469 / 2,518

第469話 ダンジョンバトルは暇が多い

しおりを挟む
 ゆっくりと食事をしてから、また自分の持ち場へ戻っていった。

 それからはダンジョンバトルを見て、色々な情報をゲットしていく。召喚できる魔物は、ダンジョンマスターのタイプとレベルで決まると思っていたが、それだけでなくダンジョンマスターや眷属、仲間にあたる者が倒した、野生の魔物の種族が経験値として溜まっていき、召喚できる魔物が増えて行くようだ。

 初めの頃に倒したのって、亜人の森でたくさんの亜人の魔物を殺して、鬼人族とかが召喚できるようになった気がするな。オーガも初めは召喚できなかったはずだしな。それを言えば強化種や上位種なんて、召喚は出来なかったよな?

 その日から俺の動きは、ダンジョンバトルをながめてバザールの様子を確認して、ダンジョンの中をカスタマイズしての繰り返しだった。十日程経って、これ以上はバトルをしてみないとわからない、という結論になりダンジョンバトルを行う方向になった。

 ダンジョンバトルは、すぐに何か起きるかけじゃないが、自分から意識的に攻めるのは、初めてになるのでみんなを集めて、ちょっと話し合いをしてみた。

「ダンジョンバトルの攻めの大将は、阿修羅スケルトンと金剛スケルトンなんだけど、四体ずつ召喚しておいた。で物量は、スケルトン系各種で攻めてみようと思う。一応ノーマルじゃ弱すぎるから、強化種が物量の中心で、ジェネラルやジェネラルの強化種、指揮ようにキングも配置してる。

 チビ神に確認をとったけど、攻め手の魔物は専用のダンジョンに召喚できるみたいだから、途中でもどんどん召喚できるみたいだから気楽にやろう!」

 ちょっと緩い感じはするが、説明が終わったので、マッチングを開始する。

「お!? 思ったよりすぐにマッチングされるんだな。相手の評価は、可もなく不可もなく? だってさ。なんだこれ? こんな評価だったっけ? 初戦は普通ってことだな!」

【ダンジョンバトル開始!】

「おぃ! いきなり始まるんかい!」

 マッチングが決まって、一分も経たないうちにバトルが開始されてしまった。

「ダンジョンに攻め込んできている魔物は、どういったタイプの魔物が来たか分かるか?」

 今回ダンジョンを監視するスプリガンではなく、ダンジョンバトル用に監視部屋を新たに作成して、そこで報告を受けている。

「獣系の魔物だと思います。先頭を狼っぽい魔物が走っていますね。初めの部屋に到着しました! 戦闘になったようですが、ゴブリンじゃどうにもなりませんね」

 やっぱりそうだよね。ゴブリンなんて壁にすらならんわな。

「中層までは普通に抜けられる前提だから、しょうがないね。こっちの攻め手はどんな感じ?」

「そうですね。初めの部屋に到着して、二体ほどやられてますね。物量で攻めて倒してる感じだと思います」

「ん~どう評価していいのかよくわからんな。スケルトンキングにいける所まで頑張ってもらおうか。もうどうにもならない様なら、阿修羅スケルトンと金剛スケルトンを出せばいいよな。

 念の為リビングアーマーも準備しておくか、前衛中衛後衛を四体ずつ召喚しておくか。あんまり強い奴だとあれだから、鎧の入れ替えはやめて、DPで強化するくらいにとどめておこう」

 特に見どころもなく一週間が経過した。その期間、DBS部屋には妻たちが二・三人で交代し、監視を続けている。俺もその中に入って監視を続けていたが……本当に暇だった。

 守りの誤算としては、ダンジョンが広すぎて相手の進行速度が緩かったことだろうか? 中層のボスくらいまでは、サクサク進んでいくかと思ったが、一週間で十五層までしか踏破されなかったのだ。相変わらず魔物たちは、サクサク倒されているので強い個体が複数いるようだ。

 それに対して攻めは、一度相手のダンジョン八階で全滅してしまっていた。

 攻めるのに使っていた魔物が、だいたい五〇〇程だったので、かなりの損耗率だ。そのうちの一五〇体は八階の強敵に打ち取られている。見たことないタイプの獣系の魔物だろうが、その姿はムササビを大きくしたようなフォルムだった。

「さて、全滅しちゃったけどどうしようか? 同じレベルの魔物を派遣してもしょうがないから、強めのを配置しないといけないと思うけどどうかな?」

「シュウ君の言うとおりかな? 数を増やしても、次の階にもっと強いのがいると仮定したら、無意味になるでしょうね。攻め手のメインとして使う予定だった、スケルトンとリビングアーマーを出すべきじゃないかな?」

 ミリーがそう発言すると半数以上のメンバーが頷いている。この場にはスプリガンの皆さんも参加している。スプリガンの皆さんも頷いているので、攻め用のスケルトンたちを送り出すことが決まった。この一週間で再召喚された、下位スケルトンたちを連れての侵攻だ。

「八階までの道順は、判っているから二日もあれば到着できるかな?」

 そういって集まりは解散となる。今日の監視役を残して俺は、土木組の教師役としての仕事をすることになった。

 土木組の成長が、教師たちの予想より早いらしく、確認してほしいとの事で、どのくらいの事が出来るようになったかを、確認しに行くこととなったのだ。

 結果、土木組の成長は、穴を掘る事や、壁を作るといった点は問題なく行えるようになっていた。ちょっと前まで均一に穴を掘ることも、一定の厚みで壁を作ることもできなかったみんなが、問題なく行えるようになってたのだ。

 クリエイトゴーレムについては、目の前に物がなくても一度作った事のある物であれば、かなりのクオリティーで再現ができるようになっていた。でも、魔核を作ることはできないようだ。

 何が原因なんだろうな? ドワーフたちも妻たちも誰も成功していないんだよな……唯一俺以外にできる人物といえば、綾乃だけだな。

 そういえば、その綾乃が、面白半分に土木組の教師をしてから、メンバーの成長が早くなったらしい。その時は、教師も他の仕事に追われていて自習の時間だったようで、綾乃が何をしたのかわかっていないようだ。後で聞いたようだけど、教えただけと言っているため、それ以上突っ込めなかったようだ。

 それから自習になるとことあるごとに、どこで嗅ぎつけたのか綾乃がきて勉強を教えていたそうだ。

 綾乃の勉強というのがとても心配ではあるが、さすがに綾乃も何もわからない子どもたちに、変な事を教える事は無いだろう。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...