ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第500話 アンデッドジョーク

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 ダンジョンの研究が始まって、四日が経過した。今日はディストピアでは土曜日なので、農家さんや塩を作っている人たち、自己責任の冒険者たちは仕事をしている人が多い。ディストピアでは、何処かに勤めているという感覚ではなく、自営業に近い形なので毎日働いている人も結構いる。

 娯楽が少なく、お金が貴重なこの世界では、稼げる時に稼ぐというのが普通なようだ。だが、ディストピアみたいに娯楽が多い場所では、しっかりと休むようになっている。

 お金に関しては、給金としてディストピアから出ているので、今の所問題は出ていない。その給金も他の街の住人の平均所得からすれば、二倍以上髙く、売られている物の値段は安いので、お金がしっかり貯めれているようだ。

 高い給金を支払っていても、ディストピアがかなりの黒字なのである。大きな理由としては、ディストピアの特産品が、どこの街でも高額で売り買いされていることが大きい。需要を満たせていないので、値段が上がっているのだ。

 全部グリエルとガリアに任せている。さすがだな! 俺にはよくわからない苦労をしているようだ、頑張ってくれ!

 今日はダンジョンの研究ができないので、ダンジョンバトルを見に来た。始まって一週間ほど経過しているので、様子を見ているのだ。平日は研究が忙しかった事と、特に報告が上がってきていなかったので、放置してしまっていた。

 姉御組以外の妻たちは、朝食後からオンラインゲームを楽しむようだ。みんなで同じゲームを始めるらしい。土木組のみんなと一緒との事だ。年少組は、土木組の子たちの家にノートパソコンを持って行って、遊ぶんじゃないかな?

 そういうルールだし何の問題もない。みんなで始めたいとの事で、新しく設置したオンラインゲームは、まだ誰も遊んでいないとの事だ。何をするのかと思ったが、夜とかにゲームの話をせがまれて調子に乗って、おススメと言ってしまった、大航〇時代を楽しむあのゲームだ。

 ストーリーも楽しんでもらいたいので、みんなには頑張ってもらいたいところだ。特典でついてきたサンタ・マリアをみんなにプレゼントしている。過保護かなと思ったけど、これくらいはいいかな。

 どうしても造船の問題が出てくるので、造船だけはスキルがなくても使えるようにしてある。ただ投資や船舶に必要な素材などは、しっかりと集めてもらわないと、造船できないようにしてある。

 そこまで甘くないぞ! なので、何をするにしても貿易が、お金が大切だろう。しっかりとお金を稼いでくれ! 俺もダンジョンバトルの様子を見終わったら参戦するからな!

 姉御組のカエデ・ミリー・リンドを連れて、DBS部屋に向かう。

「バザール! 生きてるか?」

「アンデッドなので死んでいるでござる!」

「そういうことじゃな~~~い!」

 ちょっと面白かったので、聖拳をまとって平手で頭に突っ込んだ。

「痛いでござる! アンデッドジョークが通じないでござるか?」

「いや、面白かったから突っ込んだだけなんだが? もし面白くなかったらスルーするわ」

「スルーする……プクククッ」

「お前の笑いのツボってどこにあるんだ? まぁいい、あれから調子はどうだ?」

「そうでござるな。特に面白い事は無いでござる。相変わらず主殿がダゴンと名付けた、あの魔物がダンジョンを水没させて、階層にいる魔物たちが溺死しているでござる。

 攻めの方は、スケルトンキングたちの消耗は少なくなったでござるが、指揮の取れるスケルトンキングが水に適応できていないので、進軍がすこぶる遅いでござる」

「消耗は少なくなってるなら、いいのかな? 追加で呼んでおく魔物は必要か?」

「今の所必要ないでござるな。主殿が呼んでくれた、ボーンフィッシュとアンデッドタートルには、損害はないでござるからな。おそらく今の進行速度なら、明後日頃に中層のボス部屋に到着するはずでござる。主殿の用意してくれた、アリゲーターの初陣でござる」

「もうついててもおかしくないと思ってたけど、相手の進行速度も速くないようだな」

「そうでござるな、今日は特にすることもなさそうでござるが、この後どうするでござる?」

「今日明日は、みんな大航〇時代を楽しむ予定だぞ。バザールもやるか?」

「もちろんでござる! 主殿があのゲームを知っているとは! 自分はあのシリーズが好きでござる!」

「あ、そうなの? PC版のゲームもインストールできるようにしておくわ。造船に関しては、素材と投資さえあれば、問題ないようにしてあるぞ。それ以外はいじってないから、Lv上げとか大変だろうけど頑張ってくれ。

 俺も同じ条件でやってるから楽しもうぜ。ゲームのできる時間は、平日が十八時から二十四時、土日は二十四時間できるようになってるからよろしく。寝ないバザールには、ちょっと厳しい条件かもしれないけどな」

「ん? 寝なくても平気なだけで、寝れるでござるよ? あいた~~っ! 何で叩くでござるか?」

「いや、何となく叩きたくなった。文句は受け付けない!」

「理不尽でござる。自分もこの世界にきて知ったでござるが、睡眠は状態であって地球の睡眠とは違うようでござる。アンデッド系は睡眠を必要としないでござるが、寝る事は出来るのでござる。睡眠無効の魔物でも、自分の意志で寝る事は可能なのでござる! 自分でオンオフができるってことなのである」

「そうなのか。体がキレイになるように、スライムベッド(粘液)を準備してやるか。息しなくても死なないんだから十分やろ? 隙間に挟まった汚れとか、きっと綺麗にしてくれるぞ?」

「なんと! ベッドは嫌でござるが、粘液スライム風呂は検討したいでござるな。今は大きい歯ブラシみたいなので、時間をかけて洗っているでござるから、体洗う時間が短縮されるでござる」

 スライムって粘液も便利に使えそうだな……見た目はきもいけど。

「今日は進展なさそうだから、ゲームして遊ぶか。念のためボイスチャットができるようにもしてあるから、何かあったらよろしくな」

 スプリガンのみんなにもノートパソコンを配布して、ゲームしながらの監視でもいいと伝えておく。DBS部屋を後にして、どうやってレベルをあげようかな? 多分みんなはチュートリアルをやって、一生懸命覚えている頃だろうか?

 昨日寝る前にあのゲームにおけるスキルについて、みんなに話はしておいたけど、どこまで理解できてるかな? そのうち嫌でもわかるし、得意な子から教えてもらったりとか、いろいろあるだろうな。

 さて、みなさん良い航海を!
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