509 / 2,518
第509話 決裂?
しおりを挟む
朝になり準備を始める。といっても、起きて作った拠点をいつでも使えるように、色々と手入れして出て行くだけだけどな。
「準備できたかな。今日はエルフと遭遇するけど、絶対にこっちから攻撃を仕掛けるなよ。攻撃を仕掛けられたら全力で相手していいけど、絶対に殺すな。どうにもならない時は、スタングレネードを使って無力化するからその間に捕えよう。
スタングレネードを使えば、街の方からも人が来るだろうけど、そこから話し合いをするしかないかな。できる限りそうならないように、知り合いのいる可能性の高いリンド、頼むぞ!」
「頼まれても、向こうの出方次第じゃないかな」
それもそうか……長生きしているから、それなりにレベルも高いしリンドと違って、魔法とか弓の遠距離攻撃のスキルも高いんだよな? 遠距離攻撃はそれだけで十分脅威になる。何より数が多いんだよな。
「じゃぁ、そろそろ出発しようか」
五人と三頭は森の中を進んでいく。一応マップ先生を確認しながら進んでいるが、今の所近くに来る様子はなさそうだ。ヴローツマイン側だからちょっと警戒が強いかと思っていたら、全方位が満遍なく警戒されていた。
のんびりと……とは言えない速度で、森の中を進んでいる。お昼になるまでに街まで十五キロメートル程になったので、そこで食事をする。
いつものように火を使った手の込んだ料理は出来ないので、ブラウニーたちが準備してくれた、シチューと白パンを取り出して食事を始める。飲み物は、冷たい水を水筒からコップに注いで飲んでいる。
シチューもアツアツの状態で収納のカバンから取り出されているので、あたり一帯に濃厚ないい匂いがしているのは間違いない。これで森の魔獣に気付かれるかな? 来たら切り捨てればいいんだから関係ないか。問題はエルフたちか?
「みんな、エルフたちが俺たちの存在に、気付いたっぽいぞ。こっちは索敵範囲内に反応があるまでは動くなよ。反応があったら、皿を置いて警戒態勢に入ろう。警戒の言葉をあげるのは、レイリーがしてくれ」
エルフの反応があるまでは、のんびりと食事をしていた。
「周りに敵有! 全周囲警戒!」
レイリーの厳しい声に反応して俺たちは、それぞれ違う方向を警戒している。しばらくすると、
「ドラゴニュート……獣人……ドワーフ……ハーフドワーフ?……それに人間か」
よくわからないが、魔法が発動している気配があり風が吹いているので、風に声を乗せて俺たちに届かせているのだろう。
「何者だ、なんていうつもりはない。エルフだろ? 敵意は無い。ヴローツマインで技能集団の長をやってたリンドが、主を連れてエルフに会いに来た。話がしたい」
「ドワーフのリンドか? やっていた、過去形という事は、そこの人間のせいか!!」
おっと、よくわからないが殺気が膨れ上がったな。しかも五人いるのに俺だけに集中している。これはヤバいか? 結界魔法は今はまだ見せたくないからな。少しオーバー気味に魔力を込めて、俺たちの周囲に、
【ダウンバースト】
俺たちの周りに下降気流の嵐が発生した。魔力で作られているため、圧縮された空気の壁が下降気流のように、下に向かって吹き荒れる。次の瞬間に俺に向かって、魔法や矢が飛んできたが、ダウンバーストに阻まれて、地面に吸い込まれて威力が無くなる。
やばいな。普段温厚なレイリーがキレた。それに合わせたようにカエデ、ミリー、リンドもキレたな。ドッペルとはいえ、何も聞かないまま俺に攻撃を加えたための反応だろう。ただレイリーのキレ具合がヤバい、合わせたように怒り出した三人が、若干冷静になるくらいのキレ具合だ。
「貴様ら、いきなり攻撃を仕掛けるとは何事か! 死なない程度に、根性を叩きなおしてやるからな!」
「二〇〇年も生きていない若造がよく吠える。そこの人間に肩入れする理由が分からんな。その人間を殺して、お前たちを開放すればすべてわかるだろう」
これダメだわ。温厚な種族だと思ってたけど、予想以上に脳筋種族みたいだな。近接も遠距離も魔法も満遍なくこなせてしまう程に、戦闘漬けになってるなら人の話聞かないかもな。スタングレネード使うか?
「レイリー」
「大丈夫です。私にお任せください。お三方、シュウ様の事をよろしくお願いしますぞ」
うん、全然大丈夫じゃないな。無表情で目が暗殺者みたいに、獲物は殺すだけみたいな目で、相手に何の興味も示していない。ただ相手をどう料理してくれようか? そんな目だ。
【ホスティリティハウル】【アンカー】
レイリーがスキルを発動していた。
ホスティリティハウルとは、使用者本人が敵とみなした者の心に、使用者への敵愾心をもたせてヘイトを集める叫び声だ。チェインは物理的にヘイトを稼ぐのに対して、ホスティリティハウルは精神的な部分からヘイトを稼ぐスキルだ。
アンカーは、使用者に敵意を持っているモノが、ある一定の範囲外に逃げる事を阻止するスキルだ。
「さて、蹂躙を始めるぞ……」
気付いたらレイリーの装備が変わっていた。俺がドワーフたちとネタで作った、執事服に似せた黒鋼の鎧を着ていた。
黒鋼は鋼が黒いだけかと思ったが、老ドワーフ曰く、鋼にドラゴンの鱗の粉末を混ぜると鋼と反応して黒くなるらしい。魔法防御力はドラゴンの鱗程に高くないが、物理防御力はドラゴンの鱗の上をいくらしい。その黒鋼で作った、燕尾服を模した鎧は優れた防具であることは一目瞭然だった。
剣は片刃の幅広い物で盾はカイトシールドである。もちろん両方とも黒鋼で作った特注品だ。執事に見えなくもないがフル装備をすると、暗黒騎士と呼んだ方がいいビジュアルだった。
「準備できたかな。今日はエルフと遭遇するけど、絶対にこっちから攻撃を仕掛けるなよ。攻撃を仕掛けられたら全力で相手していいけど、絶対に殺すな。どうにもならない時は、スタングレネードを使って無力化するからその間に捕えよう。
スタングレネードを使えば、街の方からも人が来るだろうけど、そこから話し合いをするしかないかな。できる限りそうならないように、知り合いのいる可能性の高いリンド、頼むぞ!」
「頼まれても、向こうの出方次第じゃないかな」
それもそうか……長生きしているから、それなりにレベルも高いしリンドと違って、魔法とか弓の遠距離攻撃のスキルも高いんだよな? 遠距離攻撃はそれだけで十分脅威になる。何より数が多いんだよな。
「じゃぁ、そろそろ出発しようか」
五人と三頭は森の中を進んでいく。一応マップ先生を確認しながら進んでいるが、今の所近くに来る様子はなさそうだ。ヴローツマイン側だからちょっと警戒が強いかと思っていたら、全方位が満遍なく警戒されていた。
のんびりと……とは言えない速度で、森の中を進んでいる。お昼になるまでに街まで十五キロメートル程になったので、そこで食事をする。
いつものように火を使った手の込んだ料理は出来ないので、ブラウニーたちが準備してくれた、シチューと白パンを取り出して食事を始める。飲み物は、冷たい水を水筒からコップに注いで飲んでいる。
シチューもアツアツの状態で収納のカバンから取り出されているので、あたり一帯に濃厚ないい匂いがしているのは間違いない。これで森の魔獣に気付かれるかな? 来たら切り捨てればいいんだから関係ないか。問題はエルフたちか?
「みんな、エルフたちが俺たちの存在に、気付いたっぽいぞ。こっちは索敵範囲内に反応があるまでは動くなよ。反応があったら、皿を置いて警戒態勢に入ろう。警戒の言葉をあげるのは、レイリーがしてくれ」
エルフの反応があるまでは、のんびりと食事をしていた。
「周りに敵有! 全周囲警戒!」
レイリーの厳しい声に反応して俺たちは、それぞれ違う方向を警戒している。しばらくすると、
「ドラゴニュート……獣人……ドワーフ……ハーフドワーフ?……それに人間か」
よくわからないが、魔法が発動している気配があり風が吹いているので、風に声を乗せて俺たちに届かせているのだろう。
「何者だ、なんていうつもりはない。エルフだろ? 敵意は無い。ヴローツマインで技能集団の長をやってたリンドが、主を連れてエルフに会いに来た。話がしたい」
「ドワーフのリンドか? やっていた、過去形という事は、そこの人間のせいか!!」
おっと、よくわからないが殺気が膨れ上がったな。しかも五人いるのに俺だけに集中している。これはヤバいか? 結界魔法は今はまだ見せたくないからな。少しオーバー気味に魔力を込めて、俺たちの周囲に、
【ダウンバースト】
俺たちの周りに下降気流の嵐が発生した。魔力で作られているため、圧縮された空気の壁が下降気流のように、下に向かって吹き荒れる。次の瞬間に俺に向かって、魔法や矢が飛んできたが、ダウンバーストに阻まれて、地面に吸い込まれて威力が無くなる。
やばいな。普段温厚なレイリーがキレた。それに合わせたようにカエデ、ミリー、リンドもキレたな。ドッペルとはいえ、何も聞かないまま俺に攻撃を加えたための反応だろう。ただレイリーのキレ具合がヤバい、合わせたように怒り出した三人が、若干冷静になるくらいのキレ具合だ。
「貴様ら、いきなり攻撃を仕掛けるとは何事か! 死なない程度に、根性を叩きなおしてやるからな!」
「二〇〇年も生きていない若造がよく吠える。そこの人間に肩入れする理由が分からんな。その人間を殺して、お前たちを開放すればすべてわかるだろう」
これダメだわ。温厚な種族だと思ってたけど、予想以上に脳筋種族みたいだな。近接も遠距離も魔法も満遍なくこなせてしまう程に、戦闘漬けになってるなら人の話聞かないかもな。スタングレネード使うか?
「レイリー」
「大丈夫です。私にお任せください。お三方、シュウ様の事をよろしくお願いしますぞ」
うん、全然大丈夫じゃないな。無表情で目が暗殺者みたいに、獲物は殺すだけみたいな目で、相手に何の興味も示していない。ただ相手をどう料理してくれようか? そんな目だ。
【ホスティリティハウル】【アンカー】
レイリーがスキルを発動していた。
ホスティリティハウルとは、使用者本人が敵とみなした者の心に、使用者への敵愾心をもたせてヘイトを集める叫び声だ。チェインは物理的にヘイトを稼ぐのに対して、ホスティリティハウルは精神的な部分からヘイトを稼ぐスキルだ。
アンカーは、使用者に敵意を持っているモノが、ある一定の範囲外に逃げる事を阻止するスキルだ。
「さて、蹂躙を始めるぞ……」
気付いたらレイリーの装備が変わっていた。俺がドワーフたちとネタで作った、執事服に似せた黒鋼の鎧を着ていた。
黒鋼は鋼が黒いだけかと思ったが、老ドワーフ曰く、鋼にドラゴンの鱗の粉末を混ぜると鋼と反応して黒くなるらしい。魔法防御力はドラゴンの鱗程に高くないが、物理防御力はドラゴンの鱗の上をいくらしい。その黒鋼で作った、燕尾服を模した鎧は優れた防具であることは一目瞭然だった。
剣は片刃の幅広い物で盾はカイトシールドである。もちろん両方とも黒鋼で作った特注品だ。執事に見えなくもないがフル装備をすると、暗黒騎士と呼んだ方がいいビジュアルだった。
4
あなたにおすすめの小説
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる