ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
512 / 2,518

第512話 一時待機!

しおりを挟む
 エルフたちと別れて、野営の際に作った地下の休憩所に戻る。途中で追いかけてきた奴がいたので、ロックオンを取り出して、ゴム弾で狙撃する。まさか使うとは思っていなかったが、持ってきてよかったと心底思った。

 ゴム弾が頭に当たったエルフはそのまま木の下に落ちて、仲間に回収されるようだ。というかエルフはなんで木の上をピョンピョン飛び回るんだ? 俺にはよくわからんが、森を歩く時の基本だったりするのかな?

「ふ~やっと着いたな。あのエルフたちは何でついてきたんだろうな? レイリーはどう思う?」

「シュウ様が優位に立っているので、何でもいいから弱みでも掴んでおきたかったのではないでしょうか?」

「そんなもんかな? それにしても無駄に疲れたな。自分の身体に戻って、ゆっくり休むか。ん? どうした? すまんすまん。お前たちのくつろげる場所作ってなかったな。今作るから待ってて」

 憑依を解除しようとしたら、馬三匹に服をハムハムされたので何かと思ったら、こいつらのくつろげるスペース作ってなかったのを注意してくれたようだ。DPで操作して競馬場位の広さの草原を休憩所の下に作り出した。ダンジョンの中なのに昼夜が来るシステムを組み込んでいる。

「ドッペルたちは暇なんだから、馬たちの体調管理でもしててもらうか。馬たちのためにスカーレットたちに、特注の配合餌も取り出せるようにしているから任せておくか。レイリー最後に憑依を解除して、ドッペルたちに指示を出しておいてもらっていいか?」

「了解しました。指示を出し次第、私も戻ります」

 憑依を解除して、意識が自分の身体に戻っていくのを確認する。今は慣れたけど、前はかなり違和感だらけだったな。

 俺が体を起こすと、妻たち三人も意識を戻したようだ。この三人は慣れていないようで、若干顔をしかめながら体を起こしている。

「みんなも戻って来たみたいだね。もうすぐお昼になるから一緒に行こうか?」

「もうそんな時間なのね。シュウ、一緒にシャワーを浴びよ? 久々に全身くまなく洗ってあげるわ」

 カエデに右手リンドに左手をつかまれて、ミリーに背中を押されながらシャワーに連行された。みんなに体を洗ってもらう代わりに、みんなの身体を洗うはめになった。三人分も体を洗うと、せっかく洗ってもらったのに汗かいちまうよ! 上がる前にもう一回全身を綺麗に流してから、着替える事にした。

 俺が脱衣室に行くと三人は、着替え終わっていて俺を待っていた。なされるがままに体を拭かれてそのまま服を着せられた。自分で服を選ぶのが苦手だから助かるんだけど、自分で着替えれるって。

 今日のお昼も美味しかったな。

「シュウ、今日の午後は何するの? 二週間ほどすることなくなっちゃったけどさ」

「そうだな~各街に配置したドッペルに憑依して、街の様子でも見に行こうかなって思ってる。メギドやあの近くの街の様子も確認したいしね。それに、エルフたちとの話し合いは、俺がいない方が上手くいきそうだしな」

「私たちはついていけないわね。各街にドッペルをシュウの以外で、三人配置してるから誰かがついてけば何の問題も無いか。見た目はどういうのがあったっけ?」

「だいたいが、憑依できる本人、町娘風、冒険者風の三タイプかな」

「そうだったね、私を含むシュウの奥さんは、シュウが憑依している状態に限り自分の姿が取れるようになってたんだよね? 私たちがいなくても、監視の目があるわけね」

「監視っていうけど、浮気なんてしないから大丈夫なのに」

「別に浮気を心配してるわけじゃないよ。シュウ君、この世界の上流階層って言えばいいのかな? そういう人たちは隙があれば、話しただけで妊娠した! 責任を取って! みたいなことを平気で言う馬鹿がいるんだよ? それを防ぐために監視をする必要があるのよ」

「そもそも、俺のこと知っている人間が少ないのに、俺をターゲットにする人がいないんじゃないか? それにしても話しただけで妊娠するか、妄想妊娠よりある意味凄い言い訳だな」

「色々あるから一人で出歩くのは極力やめてね」

 この世界の闇を見た気がするな。絶対に貴族や金持ちと、その娘には近寄らん! そして俺の妻たちにも近付けさせぬ! 変なばい菌がつくといけないからな!

「大丈夫、妻たちのドッペルが三人もついてくれるんだから大丈夫さ。驚いたことに、召喚したダンジョンマスターの俺より、妻たちの命令の優先順位が高いんだから驚いたよ」

「え? そうなの? なら安心ね!」

 ドッペルの出発する前に色々実験した際判明した事実だ。どうやら、ドッペルゲンガーは姿形と記憶を移した相手に対して、優先順位が高くなる傾向があるようだ。妻たちをコピーしたドッペルは、俺の命令より妻たちの命令を優先するのだ。

「最悪ドッペルだから、死んだところで何の問題もないしな」

「シュウ! それは違うわ」

 カエデが必死の形相で俺に訴えてくる。

「私を含めてだけど、ドッペルであってもシュウが操っているモノが殺されたとなれば、私たちを筆頭にディストピアに住む兵士冒険者たち全員が、害した街や国を滅ぼしてもおかしくないくらい怒り狂うわよ?」

「それはいくら何でも」

「シュウ君、それだけあなたはディストピアの人たちに好かれているってことよ」

 ミリーに言われると、お母さんやお姉ちゃんに言われているような感じなんだよね。俺には兄弟いなったけどな。

「そうなのかな? 俺は俺のためにディストピアを作って、みんなを利用しているもんなのにな」

「ふふふっ、別に悪ぶらなくてもいいんだよ。シュウは自分のためと言ってても、みんなが幸せになっているという事実があるんだから、シュウがどう思おうとディストピアの住人にとっては、シュウが自分たちのために色々してくれている、という事実があるだけだよ」

 何か恥ずかしいな。でも、悪い気分じゃない!

「どっちでもいいや。何と言われても俺は俺のために、住みやすい街を作るだけだしな! 今日はそうだな、グレッグに久々に行ってみようかな? あそこ通り過ぎる事はあったけど、歩き回る事は基本無かったからな」

「了解しました。今日は付き添いは無しですが、ドッペルに様子を聞きますからね? シュウ君がおいたをしてないか、しっかり確認しないとね!」

 ミリーがそういうと、リンドとカエデがうんうんと頷いている。そんなに俺は信用がないのか!?
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...