ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
571 / 2,518

第571話 知らない所で騒動が……

しおりを挟む
 扉を抜けた先は、コアルームと呼べばいいのだろうか? ファイ〇ルファンタ〇ーのクリスタルルームのような所で、クリスタルのあった場所にダンジョンコアがあった。

「みんな離れてて、俺が行ってダンジョンを奪取してくるよ。ここのダンジョンを作った同郷の人間の頼みと、俺の目的が一緒だから叶えてやろう。

 チビ神に踊らされてこのダンジョンに来た事を、若干後悔しているけど、全体的に見てこのニヶ月くらいは、みんなとも過ごせたし楽しかったな」

『チビじゃないわよ!』

 おっと、聞かれていたのか。チビ神様の希望通り制覇してやったぞ。今からダンジョンを奪取するからな。

『だ~か~ら~、チビじゃないってば! でもよくやったわ! そこのダンジョンが出来て、かなり長い時間が経ってるけど誰も攻略できないか、行こうともしなかった半ばあきらめてたダンジョンを攻略したんだから、召喚した私はさらに鼻が高いわ!』

 胸が低くて鼻が高いのはわかったけど、また俺に悪ささせるようなことは無いように頼むぞ。

『誰がペチャパイよ! あなたと話していると調子が狂うわね。前回の馬鹿女神たちのようなことは、おそらくないと思うわ。召喚するにも多少制限がかかったからね。私頑張ったのよ!』

 誰もペチャパイとは言ってないだろ? 胸が低いって言っただけだ! つるペタだと思ってるけどな。

『どっちも意味は一緒じゃない! あなたのペースのまま行くと疲れるから、この辺でやめましょう。さっさと奪取しちゃいなさい!』

 む? せっかくからかってたのに、中断されちまったな。じゃぁ制御を奪いますか、どれだけDPを持っていかれるんだろうな?

 コアに振れて制御を奪っていく、まぁまぁDPを消費したけど、総DPの内の一割程で制御を奪う事に成功した。奪取した際にダンジョンコアにたまっていたDPが、俺のDPと統合される……あれ?

 つかったDPより大分増えているんだが、どれだけ放置されていたか分からないけど、それだけ長い時間放置されてたまったDPってことか。

 それと各階にLvの違う魔物が出てくる理由が分かった。各階層毎にLvがあるようだ。階のLvを上げると、その階で生み出される魔物のLvが、そのレベルに固定されるようだ。

 でも俺のダンジョンではそれが出来ないので、ここのダンジョンマスターのオリジナルなのか、まだダンジョンマスターとしてのLvが足りないのか、分からないから放置だな。

「何事も無く終わったな。面白い事もわかったから、後でみんなに教えるね」

『ギャ~~~~!!!!!』

 ん? 何かチビ神が俺に声を送ってきやがったな、何なんだ?

『な、な、何よあのフロア! 黒くてカサカサしたのが大量にいるんですけど! あれってゴ「シャラップ! それ以上は言ってはいけない! 呪いの言葉だ!」ハァハァ、あんなものを見る羽目になるとはね……あなた、あのフロアは消しなさい』

 それは出来ない相談だな。このダンジョンはよっぽどな事がない限り、作り替えるつもりはないしな。俺だって苦労して攻略したんだから(妻たちが焼き払って)残しておくに決まってるだろ!

 それにしてもいきなりダンジョンの中の見学とな、時間かかったし、この世界の理の外のダンジョンを奪取したんだから、それなりにダンジョンマスターの経験値稼げてるよな?

『ん~どうかしら? 私たちが干渉できなかった点を考えると、理から外れているっていうのは間違いじゃないけど、理の外にあるダンジョンって、踏破したダンマスがいないのよね。

 過去に勇者のパーティーが辺境にあったダンジョンを踏破したけど、あっちは壊して遺跡っぽくなってたかな?』

 まじか! 結構大きいダンジョンだったのに、ダンマスのレベルには影響しないのか……とりあえず、自主的に攻略に来たけど、お願いされたからきてるんだし、何かあってもいいと思うんだけどな~

 チラッチラッ

『最後のそれ鬱陶しいわね。攻略してほしいってお願いしたのは私だし、何か問題ない範囲で、あげられるボーナス的な物を検討しておくわ。ダンジョン攻略お疲れ様。これからちょっと仕事があるからまた今度ね~』

 お? 何かチビ神がほめてくれた。って仕事なんてあったんだな。一日中食っちゃ寝食っちゃ寝してるもんだと思ってたわ。起きてる時に娯楽と称して、ダンジョンマスターと勇者を操ってるだけの奴だろと思ってたのに、でも仕事って何してんだろうな?

「さて、地上に戻ろうか。商会の様子をニ・三日見たら、俺たちの家があるディストピアに帰ろうか。明日はみんなでゆっくり過ごそう」

 みんなの返事を聞いて、一一六階のエレベーターがある部屋に戻って来た。そのままファーブニルを倒してゲットしたカードを使って、そのまま五階まで戻っていく。

 一一六階直通のエレベーターから出て、四階に上る階段へ向かうと、八十階あたりのエレベーターがある付近が騒がしかった。何かあったのだろうか?

 近くに見知った門番がいたので、聞いてみることにした。

「お前さんたちか。ちょっとな、寝ぼけてた冒険者が間違って、八十階のエレベーターだと思われる所に行ったら、使われた形跡があったから、慌てて確認に来たところだよ。

 どのパーティーが踏破したか知らないけど、誰も報告に来ていない事を考えると、よくわからないというのが現状なんだよ。お前さんたちは、何か知らないか?」

 内心ドキッとしたが、そんなことは顔に出さずに済みすっとぼけて答える。

「そうだよな、ニヶ月前くらいに来たお前さんたちがいくら強いとはいえ、さすがに八十階までは行けてないよな。ちなみに今どこを潜っているんだ?」

 どうしようかな? 溶岩階層を攻略中とでもいうか?

「今は、溶岩階層? とでもいうのか、あの無駄に暑い階を攻略中だけど、大分稼いだしそろそろ国に戻る予定だな」

「あの階層攻略に乗り出てたのか、シングルの冒険者集団が強引に突破した以外に、話を聞かないからな、もうちょっと頑張ってほしかったけど、しょうがないよな。また来てくれよ。これからちょっと調査しなきゃいけないから行ってくるわ」

「情報ありがとさん。これで同僚と美味い物でも食ってくれ」

 情報料を渡してその場を後にする。ドーンボーンのダンジョンの情報を出してみたが、使用前に戻す方法がなく放置することに決めた。

 後日全部のエレベーターが使われた形跡があり、大問題になったのは別の話。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...