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第582話 課外授業
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クリエイトアンデッドのスキルの検証も終わり、またのんびりとした日を過ごしていた。
今日は、土木組の子たちと孤児院の子たちと年少組と一緒に、課外授業を体験していた。今回体験しているのは、最近ディストピアで根付いてきたかつお節についてだ。
ブラウニーたちの指導で、やっと出汁という概念が理解され始めて、食の質が高くなってきている。だが、ブラウニーたちが大々的に活動していない、メギドやフレデリク、リーファスでは出汁より、香辛料や調味料が好まれている。
ドーンボーンのダンジョンに行く前は、まだかつお節はディストピアで作られていなかったのにな。伝授しようかと思ってた時に、作り方の本を渡しておいたら、いつの間にか作れるようになっていた。
確かにきちんと調味料を使って味付けをすれば美味しいのだが、出汁を使う事によって一味も二味も変わってくるのだ。
それはさておき、ディストピアの人間は出汁があって当たり前、という感覚になっている。それは、孤児院の子たちも土木組の子たちも当たり前になっている。それに使われているかつお節が、どうつくられているかの実地体験である。
「シュウ様、生臭いです」
孤児院の子たちは、最近俺の事をシュウ様と呼ぶようになった。孤児院の先生や担当している人たちに聞いても、勝手にそう呼びだしたので、実際俺の立場を考えれば様と呼ばれてもおかしくないので、強制するのも良くないと思いそのままにしているとの事だ。
何か壁ができたような感じがして寂しい。でも慕ってくれている感じは、変わっていないので良しとしよう。近所のお兄ちゃん的な立場でいようと思ったが、さすがに無理だったようだ。
「確かに生臭いけど、この段階でしっかり処理しておかないといけないみたいだから、しっかり見ておくようにね」
ここで作られているかつお節は、まだ生きているカツオをそのまま捌いている。かつお節を作るにあたってまずしなければいけない事は、
生切りという作業らしい。
頭剥がしという作業から始まる。この作業には力がいるようで、対策が無いかという事で、ドワーフ達に切れ味のいい頭落とし包丁を準備してもらったそうだ。
次に行う作業は、身卸しと呼ばれている。カツオの腹の部分にある内臓・精巣・卵巣を取り除く作業だ。最後が三枚卸である。最後の工程は担当者によってやり方が異なるが、どんなやり方でもきっちりと処理されているので、特に問題視されていない。
次の作業は、卸したカツオを煮蒸していく。卸されたカツオの身は、半身になった時、上側の背中側を男節男節と言い、下側の腹側を女節と言うそうだ。
半身になった身を煮籠に並べて、身の頭を外側にして、身崩れが起きないように並べていく。
煮蒸は魚を煮る作業との事だ。四角い箱にお水をはって、お湯を八十度くらいにして、そして先ほどの煮籠をその中に入れていき、九十八度くらいまで、ゆっくりと時間をかけながら上げていくそうだ。
時間にして、およそ六十分から九十分くらい煮こむ。この時間はカツオのサイズなどによって、かわってくるそうだ。
その次の工程は、骨を水中で抜いていく作業だ。骨を抜く理由は、後の工程で焙乾という燻製にしていく工程があり、そこで身が縮んでいく時に、骨が残って身が割れないようにする為との事。
身は煮た後なので、もろく大変崩れやすい。そのため、水の浮力を利用してカツオを水の中で浮かせながら、骨を抜いていくとの事。ちなみにこの辺はDPで取り出した【かつお節のつくり方教本】とかいう、よくわからない教材に書かれている。
次の工程は、修繕という作業になるそうだ。
骨抜きの後に、手で触れた部分などの殺菌と水分を飛ばす目的で、蒸機の中に入れてカツオを蒸す。その後に放冷をしまして、少し堅くなった所で修繕していく。
生切りで身を卸した時の、身の余りなどを含めた中落ちの部分ですり身を作り、すり身をお湯で茹で、その後に生肉をニから三割ほど混ぜて、混ぜ込んでいくようだ。
次にすり身を鰹節の傷や骨を抜いたところに、すり込んで行きながら型を整えていく。特に骨を抜いた所は、もろい為に竹のへらの先で、擦り込むようにしてすり身を入れていくようだ。
次に、焙乾の工程、一番火。
修繕を行った後に、焙乾の工程を行う。イメージとしては「燻製」に近いようだ。かつお節は、火を起こして熱風を下から当て、鰹の中の水分を時間をかけて抜いていく。その時に煙も一緒に立ち上がり、煙が表面についてかつお節が黒くなっていく。
ほど良い火加減を作る為に、最初に薪を燃やして「オキ」と呼ばれるものを作り、結果的にオキの温度で少しずつ水分を飛ばし、同時に煙を起こしてタールを、かつお節の表面につけていく形だそうだ。
オキが出来上がった所で、修繕が終わったカツオを「せいろ」と呼ばれる籠に載せて、手火山の上に積んでいく。籠は八から十枚ほど積み、三十分くらいしたら、上の物と下の物と交換して、満遍なく煙と温度がいきわたるようにするそうだ。
焙乾の工程で一番火の後が終わったら、放冷をするそうだ。この時、かつお節の内部には水分が溜まっているらしく、外層表面に近い部分は、表皮が熱によって温められているので、水分が飛んでいる。
放冷を行う事によって、中心部付近の水分が外層部の方に寄っていくそうだ。
一日かニ日経過した後、今度は二番火を六から八時間ほど行う。二番火を行う事によって、外層表面の水分がまた飛んでいき、放冷をしてかつお節を休ませ、内部の水分を外層表面に持ってこさせる。そして次に三番火、というように、繰り返し作業を行うそうだ。
完成したかつお節は、真っ黒黒だった。
途中の工程を飛ばすように、見させてもらっている。全員、完成したかつお節を興味深そうに見ている。色々言葉をかわしているが、自分たちの知っている物とは違うので、触る事はしていない。
「シュウ様!」
突然、グリエルが俺の事を呼んだ。
「帝国で反乱がおきました!」
なん……だ……と?
今日は、土木組の子たちと孤児院の子たちと年少組と一緒に、課外授業を体験していた。今回体験しているのは、最近ディストピアで根付いてきたかつお節についてだ。
ブラウニーたちの指導で、やっと出汁という概念が理解され始めて、食の質が高くなってきている。だが、ブラウニーたちが大々的に活動していない、メギドやフレデリク、リーファスでは出汁より、香辛料や調味料が好まれている。
ドーンボーンのダンジョンに行く前は、まだかつお節はディストピアで作られていなかったのにな。伝授しようかと思ってた時に、作り方の本を渡しておいたら、いつの間にか作れるようになっていた。
確かにきちんと調味料を使って味付けをすれば美味しいのだが、出汁を使う事によって一味も二味も変わってくるのだ。
それはさておき、ディストピアの人間は出汁があって当たり前、という感覚になっている。それは、孤児院の子たちも土木組の子たちも当たり前になっている。それに使われているかつお節が、どうつくられているかの実地体験である。
「シュウ様、生臭いです」
孤児院の子たちは、最近俺の事をシュウ様と呼ぶようになった。孤児院の先生や担当している人たちに聞いても、勝手にそう呼びだしたので、実際俺の立場を考えれば様と呼ばれてもおかしくないので、強制するのも良くないと思いそのままにしているとの事だ。
何か壁ができたような感じがして寂しい。でも慕ってくれている感じは、変わっていないので良しとしよう。近所のお兄ちゃん的な立場でいようと思ったが、さすがに無理だったようだ。
「確かに生臭いけど、この段階でしっかり処理しておかないといけないみたいだから、しっかり見ておくようにね」
ここで作られているかつお節は、まだ生きているカツオをそのまま捌いている。かつお節を作るにあたってまずしなければいけない事は、
生切りという作業らしい。
頭剥がしという作業から始まる。この作業には力がいるようで、対策が無いかという事で、ドワーフ達に切れ味のいい頭落とし包丁を準備してもらったそうだ。
次に行う作業は、身卸しと呼ばれている。カツオの腹の部分にある内臓・精巣・卵巣を取り除く作業だ。最後が三枚卸である。最後の工程は担当者によってやり方が異なるが、どんなやり方でもきっちりと処理されているので、特に問題視されていない。
次の作業は、卸したカツオを煮蒸していく。卸されたカツオの身は、半身になった時、上側の背中側を男節男節と言い、下側の腹側を女節と言うそうだ。
半身になった身を煮籠に並べて、身の頭を外側にして、身崩れが起きないように並べていく。
煮蒸は魚を煮る作業との事だ。四角い箱にお水をはって、お湯を八十度くらいにして、そして先ほどの煮籠をその中に入れていき、九十八度くらいまで、ゆっくりと時間をかけながら上げていくそうだ。
時間にして、およそ六十分から九十分くらい煮こむ。この時間はカツオのサイズなどによって、かわってくるそうだ。
その次の工程は、骨を水中で抜いていく作業だ。骨を抜く理由は、後の工程で焙乾という燻製にしていく工程があり、そこで身が縮んでいく時に、骨が残って身が割れないようにする為との事。
身は煮た後なので、もろく大変崩れやすい。そのため、水の浮力を利用してカツオを水の中で浮かせながら、骨を抜いていくとの事。ちなみにこの辺はDPで取り出した【かつお節のつくり方教本】とかいう、よくわからない教材に書かれている。
次の工程は、修繕という作業になるそうだ。
骨抜きの後に、手で触れた部分などの殺菌と水分を飛ばす目的で、蒸機の中に入れてカツオを蒸す。その後に放冷をしまして、少し堅くなった所で修繕していく。
生切りで身を卸した時の、身の余りなどを含めた中落ちの部分ですり身を作り、すり身をお湯で茹で、その後に生肉をニから三割ほど混ぜて、混ぜ込んでいくようだ。
次にすり身を鰹節の傷や骨を抜いたところに、すり込んで行きながら型を整えていく。特に骨を抜いた所は、もろい為に竹のへらの先で、擦り込むようにしてすり身を入れていくようだ。
次に、焙乾の工程、一番火。
修繕を行った後に、焙乾の工程を行う。イメージとしては「燻製」に近いようだ。かつお節は、火を起こして熱風を下から当て、鰹の中の水分を時間をかけて抜いていく。その時に煙も一緒に立ち上がり、煙が表面についてかつお節が黒くなっていく。
ほど良い火加減を作る為に、最初に薪を燃やして「オキ」と呼ばれるものを作り、結果的にオキの温度で少しずつ水分を飛ばし、同時に煙を起こしてタールを、かつお節の表面につけていく形だそうだ。
オキが出来上がった所で、修繕が終わったカツオを「せいろ」と呼ばれる籠に載せて、手火山の上に積んでいく。籠は八から十枚ほど積み、三十分くらいしたら、上の物と下の物と交換して、満遍なく煙と温度がいきわたるようにするそうだ。
焙乾の工程で一番火の後が終わったら、放冷をするそうだ。この時、かつお節の内部には水分が溜まっているらしく、外層表面に近い部分は、表皮が熱によって温められているので、水分が飛んでいる。
放冷を行う事によって、中心部付近の水分が外層部の方に寄っていくそうだ。
一日かニ日経過した後、今度は二番火を六から八時間ほど行う。二番火を行う事によって、外層表面の水分がまた飛んでいき、放冷をしてかつお節を休ませ、内部の水分を外層表面に持ってこさせる。そして次に三番火、というように、繰り返し作業を行うそうだ。
完成したかつお節は、真っ黒黒だった。
途中の工程を飛ばすように、見させてもらっている。全員、完成したかつお節を興味深そうに見ている。色々言葉をかわしているが、自分たちの知っている物とは違うので、触る事はしていない。
「シュウ様!」
突然、グリエルが俺の事を呼んだ。
「帝国で反乱がおきました!」
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