ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第583話 対応開始

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「帝国で反乱がおきました」

 なん……だ……と?

「マジか? で、慌ててるって事は何かあるのか?」

「そうですね。反乱の発端となったのが、シュウ様が手に入れたメギドとその周辺の土地ですね。帝国領内なのに別の国という状況もそうなのですが、短期間で壁を作った技術、バレルの街で使われている技術を奪おうと、周りの街が協力して攻めようとしているそうです」

「そういえば、帝国の街の商会ってどうなってる?」

「そちらに関しては、グレッグに仕入れに行っている形にしているので、今の所ディストピアと関係のある商会だという事はばれていません。

 シュウ様が準備してくださったリビングアーマーが複数いますし、綾乃様が作ってくださった人造ゴーレムも、一体ずつ配置されていますので戦力的には何の問題もございません」

「いつの間に手をうってたんだ。それにしても綾乃が人造ゴーレムを作ってくれてたのか、あれがいてリビングアーマーもいるなら特に問題はないか。これから、どうしたらいいと思う?」

「そうですね、メギドにはいま、スカルズと元シングル冒険者だった三人獣娘がいますから、総力戦でもされない限り問題ないでしょう。

 なので初めにした方がいい事は、皇帝と連絡を取る事ですかね。シュウ様はこれ以上街はいらないと話されていましたが、このまま帝国の街が攻めてくると……そのですね、七・八個の街が支配下に入る可能性があるので、一つの国が出来上がります」

「そういう事か、だったら出来るだけ早めに連絡を取って、落としどころを引き出しておかないと、めんどくさい事になるってことか。ワイバーンを飛ばして、魔導無線で連絡をとるか」

「あ、街が支配下にはいっても、特に問題なく運営する事が出来ますよ。人員的にはもう育っていますし、映像で会話のできるシステムもありますし、パソコンでもやり取りできますからね」

 俺が知らない間に、人員が育っているようだ。いや待て! 人員が育っていても、街なんてこれ以上いらねえからな!

 早く対応しないと、そのまま周囲の街を取り込んで、さらに周囲の街が敵意をみせて……負のスパイラルだ。グリエルに帝都にワイバーンを飛ばすように……違うな、俺らの街の竜騎士を出動させよう。何かあった時でも、逃げてこれるようにしないとな。

「グリエル、王都に前派遣した竜騎士のメンバーに、魔導通信機を持たせて、帝都に飛ぶように言ってくれ」

「了解しました。一応自壊装置付きで電力でしか動かない通信機を準備してもらっていいですか?」

「もし置いてくることになって、分解されても技術が盗まれないようにってところか。分かった。今からちょっと作っておくから、竜騎士の方は準備お願い。十騎程いれば大丈夫だろ? よろしく」

 グリエルに指示を出して俺も通信機を召喚し、クリエイトゴーレムでゴーレム化してから、自壊装置の魔核を埋め込み……ここはやっぱり爆発するようにしておこうか。

 門も封鎖しておくべきかな? 出てくのは問題ないけど、入ってくる人間たちはシャットアウトしたいとこだな。ってことで、アンソニ連絡でも取るか。

「アンソニ、帝国の状況は理解してるか?」

『はい、メギドの周辺の街は、ここを占領しようと考えているそうです。今から対策をとろうと思っていましたので、シュウ様から連絡があるのはとても嬉しいです』

「そうか。一応俺が考えた対応策は、門から入ってくる人間の制限だな。スパイがいても問題ないとは思うが、対策をとっている時に情報を持ち帰られるのは、面白くないからな」

『入ってくる人間ってことは、出て行く人たちは制限なしですか? 今も商人たちがメギドを目指して、商品を運んでくれている品は、門の中で買い取りとかでも大丈夫ですか?』

「行商人の事考えてなかったな。門の中で買い付けれるなら、移動用の魔導列車で商品を運べるか? それなら、街の他の商人も買い付けや商品を売りたいよな? なら希望する商会は、カザマ商会に仲介してもらって、門でしばらく商売させるか?」

『それなら不平不満も、減らすことができそうですね。領主からの指示として、街に通達しておきます。

 バレルの方は、魔物の領域に出る冒険者がいると思うのですが、その人たちにはドッグタグみたいなものを持たせて、対応をとろうと思いますがどうでしょうか?』

「ドワーフたちの作業だけで、間に合いそうなら問題ないぞ。それを持っていない人間や、盗んだと思われる人間は、牢屋に突っ込むか追い返す方向でいいかな。

 念のためドッグタグには日本語を使用しよう、宝珠を準備しておく……いや、こっちで人員的に育っているって言ってた文官を派遣して対応しようか。ドワーフたちには日本語覚えさせているし、情報は名前を日本語で掘る形にしようか」

『日本語なら問題なさそうですね。名前を掘るのは、ドワーフの方にまかせていいんですか?』

「そうだな、美味い酒でも準備しておくから、作業が終わったら渡すとでも言っておいてくれ。奴らが好きそうな酒を準備しておくわ」

 簡単に対応策が話し合われ、アンソニが対応に走る。任せっきりになるわけにもいかないから、俺もグリエルの事務室のある、ディストピアの中心にある建物へ向かう。

 妻たちもついて来ようとしているが、ディストピアで騒ぐ必要は無いので、いつも通りに行動してほしい事を伝えている。

 ただ、姉御組のメンバーはついていく事をお願いされているので、一緒にグリエルの事務室へ向かう。中央広場でワイバーンが寝転がっており、子どもたちの突撃を受けていた。怪我をさせるようなことも無く、適当にかまってくれているようだ。

「シュウ様。一通り手配は終わりました。後は通信機を持たせるだけです」

 広場にいたグリエルにそういわれたので、リーダーの竜騎士に通信機を渡しておく。

「いざとなったら、自分たちの身を最優先に考えてくれ。最悪、相手にならいくら損害を与えてもかまわないから、絶対に戻ってきてくれ。通信機はそのまま放置して来ても大丈夫なように、作ってあるからわざわざ持ち帰らなくてもいいぞ」

 了解とばかりに敬礼をして、ワイバーンにまたがり飛び立っていった。

「グリエル、この後の事を話し合おうと思うけど、まだすることあるか?」

「大丈夫です。話す所はシュウ様の家にある、指令室と呼んでた覚えのある場所でいいですか?」

「ん? グリエルの事務室じゃなくていいのか?」

「あそこだと、シュウ様に長時間いてもらうには向かないですし、ここにいるより、あそこの方が便利ですからね。通信はあの部屋に行くようにしておけば、問題ないでしょう」

「それもそうか。あの部屋を使おう」
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