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第689話 最後はトドが打ち上げられる……
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食料調達組が帰ってきた。問題なく調達できたようだ。どの位いるつもりか分からないが、結構大量に買ってきているようだ。リンドが準備したと思われる荷車を、深紅の騎士団のメンバーが引いていた。
リンドの近くには、ひげもじゃのドワーフがついてきていた。リンドに何かを話しかけ、頭にゲンコツを何度か落とされていた。あのドワーフの頭大丈夫かな?
「お帰り。隣にいるのが竜騎士のリーダーって事でいいのかな?」
「シュウ様! お初にお目にかかります。リンドの姉さんを射止めた豪傑とお聞きしt『ゴンッ』、痛いじゃないっすか姉さん!」
「余計な事は言わないでいいんだよ。シュウ、残念ながら今回の竜騎士のリーダーは、こいつだよ……」
「何が残念かは分からないけど、これからの話をしていいかな?」
問題ないようなので、国王にお願いされた内容を自分でも確認しながら伝えていく。
「ふ~ん、今回はあの子たちの活躍の場は、無いのかな?」
作戦の内容を聞いたミリーが、ワイバーンを見ながら、戦う場がないのかと残念がっている。ワイバーンを出してもいいけど、手加減を間違えれば一〇〇人単位で死者が出る程の火力だからな。今回は諦めてくれ。
「そういう事だね。難しく言ったけど簡単に言い直せば、国王は攻めてきている貴族は、邪魔なのでこっちで処分してほしい。隊長格も同罪なので処分してほしい。一般兵の被害は可能な限り抑えてほしいって感じだ」
「シュウ君、王国の騎士団もいるのに。それは身も蓋もない言い方じゃないかな?」
「気にしなくても大丈夫です。私たちは中立の立場で、物事を判断するように心がけています。国王がシュウ殿に頼んだことは、正に今さっきの説明で正しいです。それに私たちも、今攻めてきている貴族たちには、辟易としていますしちょうどいい罰だと思います」
「まぁそういう事だ。貴族共は捕えて売っても使えないだろうから、後腐れもなく切り捨てた方が楽なんだけど……どう思う?」
「殺すのは簡単だけどそれでいいのかな?」
「一瞬で楽になるのは罰にならないの!」
「奴隷にして元の街に送りつけたら?」
等々、過激な発言が聞こえている……みんな怖いよ!
「深紅の騎士団の団長さん、貴族共は処刑なり奴隷になると思うけど、そいつらの家族はどういった処分になるんだ?」
「そうですね……今回の事を考えると、国家反逆罪にはならないので、家族に連帯責任は負わせられないので何もありませんが、資格や財産は全部没収になりますね。あっと、責任がないだけで平民に落とされますね」
「それって事実上死ねって、言っているようなもんだな。犯罪を犯して奴隷になるか、耐えきれなくて自殺するか、何とか適応して生きてくか……の三つ位しか思いつかないな」
「その想像で間違っていませんね。一番多いのは、初めに言った犯罪を犯すですね。貴族には自殺する度胸のない人間が多いですからね」
「そこらへんは俺には関係ないからな、王国に任せるさ。話はそれたけど、貴族と側近、隊長格はこっちで処分して問題ないってことだから、とりあえず全員捕まえようか」
捕まえられる事が、決定したような流れで話が進んでいく。そして深紅の騎士団のメンバーも、それに疑問を持っていなかった。それをできるだけの実力があるのは、理解しているのだ。
「辛気臭い話はここまで。飯の準備しようか。パンの生地の発酵は済んだか? 焼き始めてくれ」
俺の指示で深紅の騎士団まで料理を始める。今日は、出来合いの物ではなく、パンにあう食事を作るようだ。煮込む時間を考えると、手の込んだものは出来ないと思ったのか、パンにあうカレーを作り始めたようだ。
ナンでも食べれるようにインド・ネパール料理のカレーのようだ。ナンは専用の窯が無いと焼けないので、似たようなものは作れるから、それも準備するようだ。
完成するころには、騎士団の連中は全員どんな食事なのか、気になるようで全員が食べてみたい……といった顔をしている。
なんだかな。確かにスパイシーで、美味しそうなにおいがしているので、食べたくなるのはわかるけどな。メインのカレーは、俺たちから提供して、副菜のサラダなどは騎士団の食材から作っている。
「シュウ殿、本当に申し訳ない。私を含め騎士団のメンバー全員が、そのにおいに我慢できずに……」
「さすがに近くで食べるのに、そんな顔で見られてたら、食事も不味くなってしまいますよ。いくつかの香辛料を混ぜた、カレーと呼んでいるものですが、ちょっと辛くて美味しいですよ」
「香辛料というのは、一・二年前から王国に広がっている、香りや味の強いあれですか?」
「多分そうだと思います。王国からいなくなる前に、フレデリクとリーファスには浸透させておいたから、それが目ざとい商人の目に留まってれば、広がる頃なのかな? レシピ自体は秘密ではないので、後でメモした物をお渡ししますよ。ついでに作り方のレシピもね」
騎士団の面々は立って、カレーに頭がつくんじゃないかと思うくらいのお辞儀をしていた。
「飯が不味くなるからこれまで! 飯は美味しく食べるもんだぞ! 不味くするなんて、食材に対する冒涜だからな! じゃぁ食おう! いただきます!」
妻たちはみんなシンクロして「いただきます」と言ったが、そういう文化のないようで、
「「「「いただきます?」」」」
疑問形で食事を食べ始めた。
「パンのおかわりはないけど、別の物を準備してるから、遠慮せずに食べてくれ。でも食べ過ぎには注意でお願いします」
騎士団のメンバーは、他が見えていないかの如く食べている。
「手が空いた人で、ナンモドキを焼いてくれ」
シュリは全く反応しないで、黙々と食べている。比較的小食なライムが、生地を伸ばして焼き始めた。予想通り騎士団の食事のペースははやかった。大きめのパン二個に、ナンモドキを四つも食べていた。食事後は、女性騎士以外は天幕の中でトドになっていた。
初めて食べる美味しい食事で、食べ過ぎるのはわかるけど、毎回毎回何故トドが打ち上げられるんだろうな? 食べる前に注意したのに……
リンドの近くには、ひげもじゃのドワーフがついてきていた。リンドに何かを話しかけ、頭にゲンコツを何度か落とされていた。あのドワーフの頭大丈夫かな?
「お帰り。隣にいるのが竜騎士のリーダーって事でいいのかな?」
「シュウ様! お初にお目にかかります。リンドの姉さんを射止めた豪傑とお聞きしt『ゴンッ』、痛いじゃないっすか姉さん!」
「余計な事は言わないでいいんだよ。シュウ、残念ながら今回の竜騎士のリーダーは、こいつだよ……」
「何が残念かは分からないけど、これからの話をしていいかな?」
問題ないようなので、国王にお願いされた内容を自分でも確認しながら伝えていく。
「ふ~ん、今回はあの子たちの活躍の場は、無いのかな?」
作戦の内容を聞いたミリーが、ワイバーンを見ながら、戦う場がないのかと残念がっている。ワイバーンを出してもいいけど、手加減を間違えれば一〇〇人単位で死者が出る程の火力だからな。今回は諦めてくれ。
「そういう事だね。難しく言ったけど簡単に言い直せば、国王は攻めてきている貴族は、邪魔なのでこっちで処分してほしい。隊長格も同罪なので処分してほしい。一般兵の被害は可能な限り抑えてほしいって感じだ」
「シュウ君、王国の騎士団もいるのに。それは身も蓋もない言い方じゃないかな?」
「気にしなくても大丈夫です。私たちは中立の立場で、物事を判断するように心がけています。国王がシュウ殿に頼んだことは、正に今さっきの説明で正しいです。それに私たちも、今攻めてきている貴族たちには、辟易としていますしちょうどいい罰だと思います」
「まぁそういう事だ。貴族共は捕えて売っても使えないだろうから、後腐れもなく切り捨てた方が楽なんだけど……どう思う?」
「殺すのは簡単だけどそれでいいのかな?」
「一瞬で楽になるのは罰にならないの!」
「奴隷にして元の街に送りつけたら?」
等々、過激な発言が聞こえている……みんな怖いよ!
「深紅の騎士団の団長さん、貴族共は処刑なり奴隷になると思うけど、そいつらの家族はどういった処分になるんだ?」
「そうですね……今回の事を考えると、国家反逆罪にはならないので、家族に連帯責任は負わせられないので何もありませんが、資格や財産は全部没収になりますね。あっと、責任がないだけで平民に落とされますね」
「それって事実上死ねって、言っているようなもんだな。犯罪を犯して奴隷になるか、耐えきれなくて自殺するか、何とか適応して生きてくか……の三つ位しか思いつかないな」
「その想像で間違っていませんね。一番多いのは、初めに言った犯罪を犯すですね。貴族には自殺する度胸のない人間が多いですからね」
「そこらへんは俺には関係ないからな、王国に任せるさ。話はそれたけど、貴族と側近、隊長格はこっちで処分して問題ないってことだから、とりあえず全員捕まえようか」
捕まえられる事が、決定したような流れで話が進んでいく。そして深紅の騎士団のメンバーも、それに疑問を持っていなかった。それをできるだけの実力があるのは、理解しているのだ。
「辛気臭い話はここまで。飯の準備しようか。パンの生地の発酵は済んだか? 焼き始めてくれ」
俺の指示で深紅の騎士団まで料理を始める。今日は、出来合いの物ではなく、パンにあう食事を作るようだ。煮込む時間を考えると、手の込んだものは出来ないと思ったのか、パンにあうカレーを作り始めたようだ。
ナンでも食べれるようにインド・ネパール料理のカレーのようだ。ナンは専用の窯が無いと焼けないので、似たようなものは作れるから、それも準備するようだ。
完成するころには、騎士団の連中は全員どんな食事なのか、気になるようで全員が食べてみたい……といった顔をしている。
なんだかな。確かにスパイシーで、美味しそうなにおいがしているので、食べたくなるのはわかるけどな。メインのカレーは、俺たちから提供して、副菜のサラダなどは騎士団の食材から作っている。
「シュウ殿、本当に申し訳ない。私を含め騎士団のメンバー全員が、そのにおいに我慢できずに……」
「さすがに近くで食べるのに、そんな顔で見られてたら、食事も不味くなってしまいますよ。いくつかの香辛料を混ぜた、カレーと呼んでいるものですが、ちょっと辛くて美味しいですよ」
「香辛料というのは、一・二年前から王国に広がっている、香りや味の強いあれですか?」
「多分そうだと思います。王国からいなくなる前に、フレデリクとリーファスには浸透させておいたから、それが目ざとい商人の目に留まってれば、広がる頃なのかな? レシピ自体は秘密ではないので、後でメモした物をお渡ししますよ。ついでに作り方のレシピもね」
騎士団の面々は立って、カレーに頭がつくんじゃないかと思うくらいのお辞儀をしていた。
「飯が不味くなるからこれまで! 飯は美味しく食べるもんだぞ! 不味くするなんて、食材に対する冒涜だからな! じゃぁ食おう! いただきます!」
妻たちはみんなシンクロして「いただきます」と言ったが、そういう文化のないようで、
「「「「いただきます?」」」」
疑問形で食事を食べ始めた。
「パンのおかわりはないけど、別の物を準備してるから、遠慮せずに食べてくれ。でも食べ過ぎには注意でお願いします」
騎士団のメンバーは、他が見えていないかの如く食べている。
「手が空いた人で、ナンモドキを焼いてくれ」
シュリは全く反応しないで、黙々と食べている。比較的小食なライムが、生地を伸ばして焼き始めた。予想通り騎士団の食事のペースははやかった。大きめのパン二個に、ナンモドキを四つも食べていた。食事後は、女性騎士以外は天幕の中でトドになっていた。
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