ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第691話 戦闘終了

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 今回は戦争ではないので、口上戦は無い。俺が設置した看板を壊すように、進んできているようだ。何で分かるかというと、マップ先生に看板をマークさせておき、壊れたら色が消えるように設定できたためだ。それにしても頑張って設置したのにな。

「さて、あの看板を壊して進んできてしまったようなので、仕方がないから迎撃をしようか。土木組の子たちが設置した罠で、半数以上が戦線離脱するだろうから、その隙をついて別動隊で後方に控えている、この軍の偉い人たちを捕まえに行こうか。

 土木組はここでピーチの指示に従うように。別動隊は、クロとギンを中心に従魔たちでやろう。一応俺とミリーでついていこうか。バッハとワイバーンは、空にあがって待機。本当に危険だったら介入してくれ」

 問題ないだろうけど、バッハたちを保険として空に待機させる。

 王国軍が侵攻を始めて三十分程経った頃、悲鳴が聞こえた。とうとう罠エリアに入ったか。あれの質が悪いのは、バザールと綾乃のいれ知恵なのか、ある程度進むと罠……魔法が発動すると言う、遅延式を使っているのだ。

 俺も身に着けていない技術を確立させた、バザールと綾乃もすごいのだが、それを覚えたこの子たちの技量にびっくりだぜ。

 マップ先生で確認すると、およそ七割が罠エリアに入っており、逃げ出せなくなっていると思われる。

「みんな、このままこの陣地は任せるよ。ミリー行こうか」

 俺はクロに、ミリーはギンに乗って左右に別れ進んでいく。俺とミリーで挟撃する形だ。

 結果だけ言えば、殺して無いけど瞬殺だった。

 天幕にいた人間は、貴族含めて十五人。その内十人は、武官五人と文官五人だ。一貴族に一武官一文官で合わせたのだろうか? で、その周りを守っていた兵士が、十人で合計二十五人。

 迂回するように王国軍の天幕に接近すると、クロの一鳴きで外にいた兵士十人が無力化された。死んではいないが、重症が出ている。死なれると困るので俺はクロと外に残って、応急処置だけをしておいた。

 応急処置が終わり、縛り上げ始める頃には、天幕の中まで制圧し終えていた。相手の実力から考えてもこんなものだろう。

 例の如く、死者は出ていないが、死にかけているのはいるので応急処置をしておく。正直、ここにいる奴らは殺してもかまわないんだが、戦場で死ぬより処刑される方が屈辱かな? と黒いことを考えて、治療している。

「ミリーも縛り上げるの手伝ってくれ。さすがにこいつらに縛り上げてくれって言っても、爪と牙しかないから出来ないもんな」

 二十五人を縛り上げるのに、そう時間はかからなかった。縛っている間に目を覚ました奴がいて、うるさかったので、もう一度悶絶してもらった。一応運ばないといけない事を思い出して……少し悩んだ結果バッハを呼んで、縛ったワイヤーの先をつかめるように加工して、まとめて二十五人を運んでもらった。

 運んでもらっている最中に、糞尿を垂れ流しながら気絶した奴がいたため、下にいた王国軍の人間は不運だっただろう。さすがに俺の味方にかかるのは勘弁してほしいので、迂回するように命令した。

 臭かったので、ピットフォールで穴を掘り、その中に水をためて、バッハに飛んでもらい水につけたり持ち上げたりして、簡単に洗ってもらった。ビショビショのままだが臭いよりはましだろう。むしろとばっちりを受けて、水に突っ込まれたメンバーの方が可哀想だろう。

 その洗濯の最中に、全員が目を覚ましたのでかなりうるさかった。王国軍は今回の軍のトップが、捕まっていることを知らないので、戦闘は継続していた。土木組の準備した罠と、防衛陣を抜けるのには……まだまだ時間がかかりそうなので、時間の余裕はありそうだ。

「えっと、どういう状況か理解しているか?」

「私たちにこんな事をしていいと思ってるのか? 早くこの拘束をとけ!」

「理解してそういう事を言っているのか、理解しないで言っているのかはよくわからんが、一つだけ言っておく。ここは中立地帯であり、リブロフの街の管理下の土地だ。その土地に武装勢力が攻め込んできたのなら、排除されてもしょうがないだろ? 俺たちの奇襲をくらって、君たちは捕まった。おわかりか?」

「何を言っている。リブロフは我々王国の物だ。その街を不当に占拠している賊を退治しようとして、何故こんな仕打ちをうけねばならん!」

「あくまでもリブロフは賊によって、占拠されているというんだな? 俺はその賊側の人間っていう事か。じゃぁ悪党らしく、攻めてきた正義の王国軍とやらを殲滅しようか」

 と俺が言うと、ちょっと離れた位置でバッハが大きな鳴き声を上げた。お前なかなか空気が読めるな。バッハの鳴き声に驚いた貴族っぽい人間が、何とか声を出した。

「っ! そんなことをして、王国が黙っていると思うのか!」

「どうだろな? 国王の命令を無視して、ここに出兵している貴族たちの事まで、王国は守ってくれると思うか? どうだろうか? 深紅の騎士団の方々の考えはどうですか?」

 俺がそういう風にいうと、深紅の騎士団の面々が天幕の中から出てきた。

「っ! 裏切者! 何でお前らが盗賊側にいるんだ! 王国の恥だ死んで詫びろ!」

「盗賊はあなたたちですよ。ここは中立地帯で、あなたたちは許可のない武装勢力ですからね。戦争を仕掛けるのでもなく、無断でリブロフの土地に踏み込んでいるのですから……こんな事を言わなくても、国王からの勅命を無視して、独断でここに来ているのですから、王国が守る事はありえません。

 シュウ殿は国王に被害をできるだけ少なくしてほしい、とお願いされてわざわざ手加減をしているんですからね。一般兵は従うしかないので罪には問われませんが、隊長クラスと貴族・文官・武官、今回の進軍を止める事の出来た人物は、生死を問わずという形になっていますので、ご愁傷様です」

 絶句してから、ギャーギャー騒ぎ出したがうるさいので、アースウォールで囲って閉じ込めた。

「団長さん。後は全部任せてもいいのかな?」

「そうですね。あっちで四苦八苦している王国軍は、私たちがまとめますね。あ、出来れば罠を解除してもらえますか? ありがとうございます。では、処理へ行ってきます」

 深紅の騎士団を送り出してから、ギャーギャー騒いでいる奴等を、どうしようか頭を悩ますことになった。
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