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第726話 チェックメイト一歩手前!
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デカい堕天使のユニゾンマジックを掻い潜りながら、小さい方の堕天使たちを攻撃していく。1人が盾を殴っている隙に、足元や背中、手の届くあらゆる場所に攻撃を叩きこんでいく。
武器を持っている距離に比べて、更に内側に入らないといけないため、必然的に被弾……攻撃をくらってしまっている。後ろで待機しているヒーラーのおかげで、戦闘の継続ができている状態だ。
今までの戦闘で、ここまでピンチになったのは、数えるほどしかなかった。ぱっと思い出せる範囲で、フェンリルとの戦闘、フレデリクの街を脱出する際の奴隷兵との戦闘位だろう。他の戦闘は、大変だったけど、ピンチを感じる程では無かった気がする。
明らかに小さい堕天使の動きが悪くなってきている。それはダメージが蓄積されて、体力が低下してる事による、行動能力が低下しているはずだ。
「みんな、小さい堕天使たちの動きが悪くなってる。ダメージが蓄積されてる証拠だ! もうちょっとで倒せる。気を抜かずに倒すぞ!」
みんなが気を入れなおして攻撃の度合を強めていく。現在、戦闘開始から1時間30分以上が経過している。
こちらの体力的にも、かなり厳しい時間になってきている。休憩をはさみながら攻撃を仕掛けているが、現状を例えるなら、200メートルダッシュをインターバルを入れながら、1時間30分続けているようなものだ。
こんな状況でも何とか戦闘が継続できているのは、回復魔法による傷だけではなく体力の回復もできているからだ。この際の体力とは、持久力みたいなものだ。
向こうの魔力に関しては、何処に底があるか分からないから考えない事にしているが、俺たちの魔力は刻一刻と枯渇に近付いている。マナポーションが無ければすでに撤退しているか、全滅していたであろう。
シェリルとカエデが、小さい堕天使の左側面から同時に攻撃を仕掛けた。高い位置と低い位置の同時攻撃だ。2ヵ所同時攻撃で左右から攻撃されるのも嫌なのだが、俺はそれ以上に上下への攻撃の方が嫌いである。
左右であれば片手ずつで、相手をおさえれば問題ないのだ。それに対して上下への攻撃は、片手ずつで正直対処し辛く感じている。人によって対処のし難さは変わるだろうけどな。
ただ俺はこの隙を見逃すはずもなく、神歩を使って小さい堕天使の右側面に回り込み、ちょうど腰辺りに渾身の【浸透勁】をくらわすことに成功した。
少し強引過ぎた事もあり、攻撃後に隙を見せてしまい、大きい堕天使の魔法によって吹き飛ばされてしまった。受け身をとれたので、そこまでのダメージはくらっていない感じだ。自分自身に回復魔法をかけ、前線に戻っていく。
戻っている最中に違和感を感じた。目の前に大小合わせて4体いた堕天使が、3体になっていたのだ。どうやら、俺の腰への一撃が止めとなってドロップ品に変わったようだ。
「よっしゃ~! きたきたきた! 1体討伐完了!」
他のメンバーに倒したことを大きな声で伝えた。俺たちの隣で戦っているのが年長組だったので、手助けに入ろうと考えている。小さい堕天使が3匹の時は、大きい堕天使まであれだけ遠く感じたのに、今では道があるかのようにたどり着く事が容易だと感じられる。
俺たちがそのまま突っ込むよりは、年長組の1体を俺たちが引き受けて、道を開けた方がいい気がするのだが、どうするべきだろうか? 迷っても意味はない! 総合力の高い年長組を、大きい堕天使に当てる方がいいに決まってる!
「ピーチ! 俺たちがそいつを引き受けるから、でかいやつに集中してくれ。デカい奴に行く前にしっかり、回復だけしてから行くように。すぐに駆け付けるから無理するな」
「了解しました。みんないったん引いて!」
ピーチの指示に従って年長組が、一気に戦闘圏から退避した。俺たちは年長組が戦っていた堕天使の前に立ち、戦闘を開始する。後ろでは、年長組が回復しているのが魔力の動きでわかる。
「さて、この位置取りで戦う意味はないから、強引に戦場を移すか。1体減るだけでこんなに感じ方が変わってくるなんてな。キリエ、そっちの堕天使を壁際に追い込んでから、大きい堕天使と距離を離すように攻撃を仕掛けろ!」
前衛に3体いた時は、取れなかった戦法をとる事ができる。真ん中に1体いると、後ろからの不意打ちが気になって、壁際に追い込む事が出来なかったのだ。
いくら3メートル程と大きいとはいえ、数の力で壁際に追い込む事が可能だ。俺の言葉を理解して、年中組も年少組も壁際に堕天使を追いやっている。
ちょうど大きな堕天使への道が開けるかのように見えた。
壁際に堕天使を追い込むと、状況が一気に変わった。後ろに壁がある事で、回避能力がさらに低下したのだろう。面白いように攻撃が当たるようになり、ほどなくして2体の小さな堕天使がドロップ品に変わった。
最後の1体になった大きい堕天使は、戦闘スタイルが変わっていた。右手に鈍器を持ち左手に杖を持っていた。鈍器と杖の二刀流じゃなくて、なんていうんだこういうの?
それはいい、鈍器も杖もただ振り回しているだけではなく、スキルを使ったり魔法を使ったりと、今まで戦ってきた敵の中で、一番技巧派の戦闘をしている気がする。ああいった戦い方があるんだな……魔法戦士というよりは、物理攻撃のできる魔法使いっていう感じだろうか?
何言ってるんだと思うかもしれないが、魔法の方に重点を置いているかんじで、戦闘の様子を見ているとそういう風に見えてしまうのだ……
「それにしても戦い方が、上手いと言えばいいのだろうか? 一対多数を前提とした動きに見えなくもないな。人造ゴーレムもしっかり見てるみたいだし、後で情報引き出して戦闘技術向上に使うか?」
「ご主人様! そんなこと考えてる場合じゃないですよ。最後の1体になったとはいえ、ほぼ無傷なんですよ!」
おっと、怒られてしまった。度々それてしまう思考は、どうにからならないものだろうか? いけないな。また思考がそれるところだった。
大きいとはいえ、部屋の隅に陣取られてしまうと、攻撃がし難いな……シュリが何度か【チェイン】を試しているが、引き込む前に解除されてしまっている。
そもそも、何で【チェイン】が解除できるんだろうか? 俺ですら1度捕まれば抜け出すことができないのにな……小さいのに比べて攻撃できる範囲が広い事は幸いだろう。懐に入りやすく感じる。
武器を持っている距離に比べて、更に内側に入らないといけないため、必然的に被弾……攻撃をくらってしまっている。後ろで待機しているヒーラーのおかげで、戦闘の継続ができている状態だ。
今までの戦闘で、ここまでピンチになったのは、数えるほどしかなかった。ぱっと思い出せる範囲で、フェンリルとの戦闘、フレデリクの街を脱出する際の奴隷兵との戦闘位だろう。他の戦闘は、大変だったけど、ピンチを感じる程では無かった気がする。
明らかに小さい堕天使の動きが悪くなってきている。それはダメージが蓄積されて、体力が低下してる事による、行動能力が低下しているはずだ。
「みんな、小さい堕天使たちの動きが悪くなってる。ダメージが蓄積されてる証拠だ! もうちょっとで倒せる。気を抜かずに倒すぞ!」
みんなが気を入れなおして攻撃の度合を強めていく。現在、戦闘開始から1時間30分以上が経過している。
こちらの体力的にも、かなり厳しい時間になってきている。休憩をはさみながら攻撃を仕掛けているが、現状を例えるなら、200メートルダッシュをインターバルを入れながら、1時間30分続けているようなものだ。
こんな状況でも何とか戦闘が継続できているのは、回復魔法による傷だけではなく体力の回復もできているからだ。この際の体力とは、持久力みたいなものだ。
向こうの魔力に関しては、何処に底があるか分からないから考えない事にしているが、俺たちの魔力は刻一刻と枯渇に近付いている。マナポーションが無ければすでに撤退しているか、全滅していたであろう。
シェリルとカエデが、小さい堕天使の左側面から同時に攻撃を仕掛けた。高い位置と低い位置の同時攻撃だ。2ヵ所同時攻撃で左右から攻撃されるのも嫌なのだが、俺はそれ以上に上下への攻撃の方が嫌いである。
左右であれば片手ずつで、相手をおさえれば問題ないのだ。それに対して上下への攻撃は、片手ずつで正直対処し辛く感じている。人によって対処のし難さは変わるだろうけどな。
ただ俺はこの隙を見逃すはずもなく、神歩を使って小さい堕天使の右側面に回り込み、ちょうど腰辺りに渾身の【浸透勁】をくらわすことに成功した。
少し強引過ぎた事もあり、攻撃後に隙を見せてしまい、大きい堕天使の魔法によって吹き飛ばされてしまった。受け身をとれたので、そこまでのダメージはくらっていない感じだ。自分自身に回復魔法をかけ、前線に戻っていく。
戻っている最中に違和感を感じた。目の前に大小合わせて4体いた堕天使が、3体になっていたのだ。どうやら、俺の腰への一撃が止めとなってドロップ品に変わったようだ。
「よっしゃ~! きたきたきた! 1体討伐完了!」
他のメンバーに倒したことを大きな声で伝えた。俺たちの隣で戦っているのが年長組だったので、手助けに入ろうと考えている。小さい堕天使が3匹の時は、大きい堕天使まであれだけ遠く感じたのに、今では道があるかのようにたどり着く事が容易だと感じられる。
俺たちがそのまま突っ込むよりは、年長組の1体を俺たちが引き受けて、道を開けた方がいい気がするのだが、どうするべきだろうか? 迷っても意味はない! 総合力の高い年長組を、大きい堕天使に当てる方がいいに決まってる!
「ピーチ! 俺たちがそいつを引き受けるから、でかいやつに集中してくれ。デカい奴に行く前にしっかり、回復だけしてから行くように。すぐに駆け付けるから無理するな」
「了解しました。みんないったん引いて!」
ピーチの指示に従って年長組が、一気に戦闘圏から退避した。俺たちは年長組が戦っていた堕天使の前に立ち、戦闘を開始する。後ろでは、年長組が回復しているのが魔力の動きでわかる。
「さて、この位置取りで戦う意味はないから、強引に戦場を移すか。1体減るだけでこんなに感じ方が変わってくるなんてな。キリエ、そっちの堕天使を壁際に追い込んでから、大きい堕天使と距離を離すように攻撃を仕掛けろ!」
前衛に3体いた時は、取れなかった戦法をとる事ができる。真ん中に1体いると、後ろからの不意打ちが気になって、壁際に追い込む事が出来なかったのだ。
いくら3メートル程と大きいとはいえ、数の力で壁際に追い込む事が可能だ。俺の言葉を理解して、年中組も年少組も壁際に堕天使を追いやっている。
ちょうど大きな堕天使への道が開けるかのように見えた。
壁際に堕天使を追い込むと、状況が一気に変わった。後ろに壁がある事で、回避能力がさらに低下したのだろう。面白いように攻撃が当たるようになり、ほどなくして2体の小さな堕天使がドロップ品に変わった。
最後の1体になった大きい堕天使は、戦闘スタイルが変わっていた。右手に鈍器を持ち左手に杖を持っていた。鈍器と杖の二刀流じゃなくて、なんていうんだこういうの?
それはいい、鈍器も杖もただ振り回しているだけではなく、スキルを使ったり魔法を使ったりと、今まで戦ってきた敵の中で、一番技巧派の戦闘をしている気がする。ああいった戦い方があるんだな……魔法戦士というよりは、物理攻撃のできる魔法使いっていう感じだろうか?
何言ってるんだと思うかもしれないが、魔法の方に重点を置いているかんじで、戦闘の様子を見ているとそういう風に見えてしまうのだ……
「それにしても戦い方が、上手いと言えばいいのだろうか? 一対多数を前提とした動きに見えなくもないな。人造ゴーレムもしっかり見てるみたいだし、後で情報引き出して戦闘技術向上に使うか?」
「ご主人様! そんなこと考えてる場合じゃないですよ。最後の1体になったとはいえ、ほぼ無傷なんですよ!」
おっと、怒られてしまった。度々それてしまう思考は、どうにからならないものだろうか? いけないな。また思考がそれるところだった。
大きいとはいえ、部屋の隅に陣取られてしまうと、攻撃がし難いな……シュリが何度か【チェイン】を試しているが、引き込む前に解除されてしまっている。
そもそも、何で【チェイン】が解除できるんだろうか? 俺ですら1度捕まれば抜け出すことができないのにな……小さいのに比べて攻撃できる範囲が広い事は幸いだろう。懐に入りやすく感じる。
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