ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第768話 しっかりしないとな!

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 今日は休みなのだが、お祭りの事が気になったので、グリエルとガリアの所に来ている。

「シュウ様もお祭りが気になるのですか? 準備に関しては何の問題もないですよ。お祭りと言っても、シュウ様の世界の縁日の様な事を、1日中する感じですよ。それを5日間続ける予定です。屋台に関しては、数を増やして色々楽しめるようにしています。

 やる事が毎日同じだと、住人も飽きると思うので、祭りの目玉は毎日変えようかと思っています。そこでお願いがあるのですが、5日目にビンゴ大会をしようと思うのですが、収納の腕輪を1つでいいので、出していただけませんかね?」

「ビンゴか! 懐かしいな! 1等賞の商品にする感じか?」

「1等賞と言うよりは、順番で選んでいけるようにしようかと思っています。その中に入れさせていただければと思います。冒険者の人にも来ていただきたいので、収納の腕輪や武器防具も商品に入れています。

 他にもゼニスにも協力してもらって準備しています。もちろん、ディストピアの経費で集めていますので、シュウ様のお金には手を付けていません!」

「いやまて! いつも言ってるけど、俺の金が無駄に増えていくからそこから使ってくれ。しかも街のためにやる事なんだから気にせずに……いやこの言い方じゃダメだな。命令だ! 商品を購入するのに使ったお金は、俺の資産から出せ! 収納の腕輪ももちろん準備するぞ!」

「シュウ様! それはズルいですよっ! 命令だなんて……ディストピアだって、お金が余っているんですから」

「そんなのは知らん! 自分を買い戻すだけのお金はいつでも準備できるのに、俺の奴隷をやめていなかった事を後悔するんだな! 奴隷をやめていても、領主命令で強制するから一緒か?」

「分かりました。当日までに、収納の腕輪の準備をお願いします」

「収納の腕輪ならすぐに準備できるぞ。ほれ。ちなみに一番最初に身に着けた人の魔力を記憶して、使用者固定をするから気をつけろよ。その説明もしっかりとしてくれよな」

 そこらへんは分かっているのか、そのままグリエルの持っている収納の腕輪にしまわれた。問題はなさそうなので、グリエルの執務室から出て扉を閉める前に……

「シュウ様、祭りの開催はシュウ様の宣言で始まるので、挨拶の言葉を考えて置いてください」

 最後の最後で爆弾が投下された。俺に挨拶を考えろだと? 思考をフル回転させて、逃げ出す方法を考え始めた。階段を下りている時にさらに、

「カエデさんやミリーさん、ピーチさんにも伝えてあるので、よろしくお願いしますね」

 すでに逃げ道を塞がれていた。諦めて挨拶を考えよう。肩を落としながら家路を歩いていると、公園で遊んでいた子供たちが俺に気付いたようで、走って俺の下まで駆け寄って来た。

「「「シュウ様だっ! こんにちわ!!」」」

 みんなが元気よく挨拶してくれたので、俺も挨拶を返す。

「シュウ様、元気ないの? お腹でも痛いの? なでてあげようか?」

 っ! 子どもたちに心配されるくらい肩を落としてたのかな? こんな小さい子に心配されるなんて大人失格だな。もっとしっかりしないとな!

「そんな事ないよ。ちょっと難しい頼み事をされたから、どうしようかと考えてたところだよ」

「一緒に考えようか?」

 周りの子供たちも、ウンウンと頷いている。

「気持ちはありがたいけど、これは俺が何とかしないといけない事だから、自分で考えるよ。心配かけてごめんね。心配してくれた君たちのためにご褒美をあげよう!

 スカーレットが作ったクッキーをみんなにあげよう! そろそろお昼の時間だから、たくさんはあげられないけどね。しっかり手を洗って食べるんだぞ!」

「「「シュウ様! ありがと~」」」

 しっかりとお礼を言える素直な子たちだ。俺からお菓子をもらうと、走って水道の所まで移動してみんなで順番に手を洗っている。近くにいる子たちにも分けているようだ。優しい子たちだな。現実逃避しないで、俺も真剣に挨拶を考えないとな。

 家に帰ったらリンドにでも相談してみよう。ヴローツマインで技術集団の長をやってたみたいだしな。何か知恵を貸してくれるだろう。

 色々悩みながら家に戻り、リンドの姿を探す。そうすると、カエデの工房に2人でいる事を聞いたので、足を運んでみると、鍛冶談議に花を咲かせていた。

 話に混ざるにもよくわからない内容で話していたので、落ち着くまで様子を見ていた。20分くらい経った時に談議が終わって、入口に立っていた俺に気付いて声をかけてくれた。

「シュウ、入口で何してるの?」

「リンドに用があってきたんだけど、2人が楽しそうに話してたから、様子を見てただけだぞ」

「あら、私に用なの? なに?」

「カエデは知ってると思うけど、お祭りの開催の挨拶をグリエルに頼まれてさ、リンドならヴローツマインで、お偉いさんやってたからなんかアドバイスをって思ってな」

「その事ね。確かに私じゃアドバイスできないからね。リンドの方が適任ね」

「そんな事を相談したかったの? カエデも誤解しているみたいだから言うけど、お祭りの開始の挨拶なんて堅苦しい事なんて言わないわよ。みんなも楽しみにしてるのに、長ったらしく挨拶なんてしてたらみんなから非難の嵐よ。少しだけお話をして、その後に盛大に開催の宣言をすればいいのよ」

「確かに、長ったらしい挨拶なんて聞いてたら暴動を起こしたくなるかもな。開催の宣言の前のちょっとした話を考えればいいんだな。何か気が楽になったよ。リンド助かった!」

 ハグをしてお礼を言うと、乙女みたいに照れて顔を赤くしたリンドがそこにいた。ハグに恥ずかしがる要素があったか? 夜にはにゃんにゃんすることだってあるのに、今更ハグで照れるのか?

 そう考えると、リンドが尚更可愛く見えてきた。カエデが羨ましそうにしていたので、ハグするとリンドと同じく顔を赤くしていた。夜のにゃんにゃんとは、何か違うって事かな?

 さて、大した事を言わなくてもいいとわかると、プレッシャーも無くなり気楽に考えれるようになった。
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