ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第770話 1日目終了

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 タコ焼き、お好み焼き、焼きそばを食べて少しお腹が膨れた。ちょっと甘い物も食べたかったので、たい焼きを買って歩きながら目的地へ向かって歩く。その目的地は、イカ焼きの屋台だ。醤油の焼ける香ばしいいい香りがあたり一帯をおおいつくしている。暴力的なまでに美味しそうなにおいだ!

 普段、街の食卓ではあまり食べられないイカだが、これだけいい匂いがしていると食べたくなるのが人というものだ! かなりの行列ができていた。買うのに30分も並んでしまったよ。

 それにしても、この街の住人って本当に何でも食べるな。タコだってイカだって食わない地域が地球にだってあったのに……それとも奴隷だったから、食べれるなら何でも食べるのだろうか?

 ちょっと気になったので、近くでむしゃむしゃ食べているちびっ子たちに聞いてみた。そうしたら「この街で食べれない物なんてださないよ? 見た目に文句なんて言ってたら罰が当たるよ?」との事だった。

 確かにこの街は、シルキー監修でブラウニーたちが食の向上を図っているので、ディストピアでは実験食堂以外では、ハズレがないほど食が充実しているのだ。って、他の街では食べられない物を出す所があるのか? それっていろんな意味で大丈夫なのか?

 特に獣人の奴隷だった人たちの食事は残飯のような物で、腐っている物も出ていたらしい。それでも食べれるのは良い方で、1日に1食食べれるか食べれないか、という日もあったらしい。

 雑草やどんぐり等、食べられる物なら何でも拾って食べていたらしい。よく死ななかったな、よし! 子供達よ! 今日はタダだから、好きなだけ食べろ! でも、お腹は壊すなよ!

 イカ焼きを3本買って、1本は俺、1本はハク、1本はニコ……って、ニコが食べてる姿? って不気味なんだよな。体に取り込んで端から溶かしてくこともあれば、体に触れた端から消えていく食べ方をする事もあってビビるぜ。

 後ろにいたスライムは、周りの人達に餌付けをされていた。普段も街の人から色々食べ物をもらっているらしいし、慣れたもんだ。

 俺は住人と、従魔たちのほのぼのした風景をのんびりとながめていた。アメーバタイプのスライムだったら、絶対に近寄らなかったけど。これだけ可愛かったら、みんなもかまいたくなるよな。

 おっと、もうこんな時間か。そろそろ妻たちの所に行かないとな。初めは、エレノア・サーシャ・ソフィーの3人だったな。どこにいるのかなっと、マップ先生でいる場所を探すと、射的のエリアにいるみたいだな。

 到着して探してみると、射的に夢中になって遊んでる姿が目に入ってきたので、こっそりと近付いて驚かしてみた。

「「「あ! ご主人様!」」」

 3人に抱き着かれた。そしてどこに行きたいか聞いてみると、何処でもいいと言われてしまった。射的で楽しんでたみたいなので、ゲーム性の強い物がいいかな? 確か、ストラックアウトとかダーツがあった気がするな。縁日には関係ないゲームだけどな。

 俺はどっちも得意じゃないんだけど、3人と一緒になって遊んでみた。ストラックアウトは、抜いた枚数ではなく、3✕3の9マスでやる一般的なやつで、ビンゴの要領で遊ぶかたちだ。

 本場と違うのは2枚抜きもできず、球数が9個という結構ハードなルールだ。その分、準備されている景品はかなりの物だった。

 マックスの8列そろえると、何処で入手したのか、ディストピアで一番人気の食堂【ブラウニーの家】という、名前の通りブラウニたちが経営している食堂兼弁当販売所の、1ヶ月無料利用権だった。

 俺たちは毎日栄養バランスまで考えられている、シルキーたちが指揮をとって調理している食事を、毎食食べれるから魅力的には感じないけどね。

 ゲームで遊んだ後にお腹が空いたという事で、何を食べるか一緒に悩み、唐揚げ棒を食べる事になった。3人も俺と一緒で、遊ぶ前に食事を食べているが、小腹が空いたのでとの事だ。

 女子ならスイーツじゃないかと思ったが、ガッツリ系が好きなメンバーが多かったので、唐揚げ棒に決まったのだ。さすがに1本食べるとお腹にたまるので、3人の中で一番小食なソフィーから1つもらって食べた。やっぱり美味いな!

 この後も30分位3人と遊んでから、次の場所へ向かう。次の場所で待っているのは、キリエ・ジュリエット・レミーの3人だった。この3人は初期から一緒に魔法を中心に、修行をしてきていたため仲が良いらしい。攻撃魔法と回復魔法で系統は違うんだけどね。

「「「ご主人様!」」」

 3人は笑顔で俺の近くに寄ってきた。何をしていたのか聞くと、3人でのんびりと屋台巡りをしながら街の様子を見ていたらしい。

 年少組はお祭りを楽しんでいる感じはあったが、年中組の2人とレミーは「こういった雰囲気も楽しいけど、家に帰るればゲームやアニメがあるからね~」と言って、雰囲気を楽しんでいるようだ。

 一緒に雰囲気を楽しむために、フランクフルトやアメリカンドック等を買って、3人から見たディストピアの街の印象を聞きながら歩いた。

 3人は口をそろえて「この街は世界で最高!」と言っていた。食べ物は美味しいし、魔物の恐怖におびえる事もなく、兵士たちの練度も高い。何より、私たちが強くなったからみんなを守れる! と無邪気に喜んでいた。

 祭りの開催を宣言した中央広場に戻ってきて、街の人たちの様子を4人でながめていた。特に何をするわけでもなく、キリエとジュリエットを左右に座らせて、膝の上にレミーを座らせていた。贅沢な時間の使い方だな。最近スキンシップ出来てなかった気がするから、3人は喜んでくれたかな?

 俺たちはディストピアでは有名人、というより知らない人がいないからな。こうやってイチャイチャしてても、領主様と奥さんは仲がいいね、次期領主様はいつ生まれるのかしら? みたいな会話が聞こえてくる。ちょっと恥ずかしいけど、イチャイチャするのは嫌いじゃないからな!

 街の様子をゆっくり見てから、1日目のお祭りが終了の時間を迎えたので、自宅へ帰る事にした。

「それにしても、終わり間際の露店は忙しそうだったな」

「そうですね。今回のお祭りはご主人様が代金を支払うって言ってたから、みんな夕食分も買ってたね!」

 確かにその通りで、夕食分をここで買っておかずにするのだろう。特にご飯のおかずになる食べ物が人気だった。唐揚げとかは特に人気だった。俺も唐揚げ好きだからな。みんな存分にお祭りを楽しんでくれ! 後4日もあるけど飽きないかね? それだけが心配だ。
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