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第870話 ホモークの実力
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ホモークインペリアルガードのジャックがリングに残り、変態Bガチムチタンクを指さして上がって来いと挑発している。
この試合が始まるにあたって、元トリプル冒険者たちの装備はそのまま返している。特に変な小細工もしていない。真正面から叩き潰したいとホモークが主張したので、それを受け入れる形にしたのだ。
進化を遂げたホモークは、本当に強いのだ。ステータスを見る限り、動きはそこまで早くないがシュリクラスの力と、シュリ以上の打たれ強さを持っていて、生半可な攻撃では倒すことができない怪物になっているのだ。
それなのに、ジャックとオスカー、オリバーのホモークをビビらせる従魔ってどれだけ怖れられてるんだろうか?
負ければ悲惨な事になるのを分かっている変態Bは、気合を入れてリングに上がってきた。
「さぁ、皆様! 待ちに待った、正義の断罪者~~、ジャックの試合が始まるぞぉ~! 対戦相手は、変態Bこと、元トリプル冒険者パーティーの壁役だった男だぁ~~!」
何に対する歓声なのか分からないが、会場のボルテージは最高潮と言ってもおかしくない所まで上がっている気がする。朝一番なのに、みなさん元気がいい事で。
「おっと~ジャックは何も装備してないぞ! いくら打たれ強さに自信があると言っても、それで大丈夫なのか~! 審判は問題ないと判断したようだ! それでは、ジャックVS変態Bの試合開始だ!!!」
変態Bの装備は壁というだけあって、重装備で盾と鈍器のガッチガチに身を固めていた。変態側の唯一の長所にあたるスピードを殺す装備だ。タンクとしては誇るべき装備も、今回に限っては相手が悪いと言えるだろう。
「それにしても、俺が知っているホモークと体つきが違う気がするんだけど、誰か何か知ってるか?」
今、食堂を少し改装して作った観戦室で、妻たちと土木組と一緒に試合を観戦している。シルキーたちは、キッチンで俺たちが観戦する時のおともを作ってくれている。
今日はこれがあるので、朝食は控えめにしている。まぁシュリは普通に食事をして、更に観戦中もがつがつ食べているけどね。さすがというべきだろう。
俺は、久しぶりに食べたかったクレープを希望している。チョコバナナクレープだ。でも、シルキーに先に野菜たっぷりのロコモコ丼を、食べてからじゃないと作らないと言われたため、ちょこちょことロコモコ丼を頬張っている時に、先ほどの言葉が出たのだ。
「シュウ様、ホモークたちはシュウ様の支配下に入ってから、徐々に脂肪が減って筋肉が増えたんですよ。でも体型が変わっていないから、体重は結構増えているって言って体重を気にしてたよ」
土木組の子からそんな話がでた。
「え? ホモークたちの近くに行ったのか? 危ないじゃないか!」
俺が怒るも、妻たちからも土木組からも笑いが起きた。
「ご主人様、ホモークの方々は、女性に対しては本当に紳士なんですよ? だから、ゴーストタウンでも女性たちに大人気なんです。普段の仕事は持ち回りなので、暇な日はゴーストタウンやダンジョンの見回りをしているんですよ。
『女性のために! 悪漢をのさばらせないために!』を口癖にしてね。だから女性を中心に、正義の断罪者という名で呼ばれるようになったんです」
意外なところでホモークの別名についての由来を知る事となった。ホモークがゴーストタウンの治安をよくしているのであるなら、何の問題もないか。
そんな事を話している間にも、ジャックと変態Bの試合は進んでいる。
動きの遅いホモークなのに、変態Bの攻撃を避けて盾を殴りつけている。そして俺は、盾をわざと殴りつけているジャックに疑問を覚えた・・・倒すのが目的なら、盾じゃなくて頭なり体なりを殴れば盾よりダメージを与えられるのに・・・
10分経った頃に、変態Bの攻撃がジャックを捉えた・・・
「えっ?」
思わず声が出てしまったが、ジャックの様子を見て納得した。顔面に攻撃が当たったのに、全く堪えていないのだ。盾を叩き続けた攻撃の所為で、変態Bの全身にダメージが溜まりすぎて、まともな攻撃すらできていないのだ。
そこからの試合は一方的だった。
何度も何度も殴られても、何の問題なく距離を詰めている。
無謀な攻撃を強いられている変態Bは、なけなしの体力を消耗する。攻撃の威力がだんだん弱くなり、最後には武器を振るう力すらなくなった。
「おっと~~! 重装備ははぎとられ、お持ち帰り……コホン、試合終了です!」
続いてリングに上がったのが、オスカーが変態Eの細マッチョの近接アタッカーに、上がって来いとジェスチャーする。
変態Eは、先の試合をみて……いや、俺には分かる。試合の最後、ジャックが変態Bをお持ち帰りした光景を見て、リングの上に足を運べなくなっているのだ。
俺もあの光景を見たら、あのリングには上がりたくねえな。
だが、変態Eは上がらなければならない。自分の刑を軽減させるための試合なのだ。あいつらからすれば、何で王国ではなく俺たちに裁かれなければならないのか、訳が分からないだろうが、これも決まった事なのでしょうがない。
司会者に何度も促され、やっとリングに上がった。そうすると歓声が大きくなる。
「さぁ、今度はオスカーと変態Eの試合が始まるぞぉ~~! ジャックと違いオスカーは装備を着けているが、これはどういう事だ~~!? 装備をしているが、装備をしているのが両手にカイトシールドだぞぉ~~! おっと、審判がかまわず試合開始の合図を出した!」
司会者の話の間に審判がそのまま試合を開始した。
オスカーと変態Eは、同時に距離を詰めた。
変態Eは両手剣での攻撃を仕掛けている。重さよりスピードを意識した一撃にみえる。だがその攻撃もオスカーの盾に簡単にはじかれる。
オスカーは左手の盾ではじき、右手の盾で殴りつける。リングの外に落ちるが今回の試合に、リングアウトによる負けはない。オスカーが後を追いかけリングを降り、変態Eを掴みリングの上に放り投げる。
立ち上がるのを待ち、再度攻撃をさばき殴りつけリングの外へ、リングの上にあげる。
1時間程続いた。変態Eは何度リングの外に落とされたのだろうか? それでもオスカーに向かって行くのは意地か? 変態Bみたいになりたくないからか?
それよりオスカーは何故こんな戦い方をする? 更に30分後に答えが出た。
オスカーは、心を折るためにこのような試合をしていたらしい。負けを認めた変態Eをオスカーが持ち帰り……じゃない、試合が終了したらしい。
次はオリバーの試合か、相手は3人いるが1人ずつ戦うのかな?
この試合が始まるにあたって、元トリプル冒険者たちの装備はそのまま返している。特に変な小細工もしていない。真正面から叩き潰したいとホモークが主張したので、それを受け入れる形にしたのだ。
進化を遂げたホモークは、本当に強いのだ。ステータスを見る限り、動きはそこまで早くないがシュリクラスの力と、シュリ以上の打たれ強さを持っていて、生半可な攻撃では倒すことができない怪物になっているのだ。
それなのに、ジャックとオスカー、オリバーのホモークをビビらせる従魔ってどれだけ怖れられてるんだろうか?
負ければ悲惨な事になるのを分かっている変態Bは、気合を入れてリングに上がってきた。
「さぁ、皆様! 待ちに待った、正義の断罪者~~、ジャックの試合が始まるぞぉ~! 対戦相手は、変態Bこと、元トリプル冒険者パーティーの壁役だった男だぁ~~!」
何に対する歓声なのか分からないが、会場のボルテージは最高潮と言ってもおかしくない所まで上がっている気がする。朝一番なのに、みなさん元気がいい事で。
「おっと~ジャックは何も装備してないぞ! いくら打たれ強さに自信があると言っても、それで大丈夫なのか~! 審判は問題ないと判断したようだ! それでは、ジャックVS変態Bの試合開始だ!!!」
変態Bの装備は壁というだけあって、重装備で盾と鈍器のガッチガチに身を固めていた。変態側の唯一の長所にあたるスピードを殺す装備だ。タンクとしては誇るべき装備も、今回に限っては相手が悪いと言えるだろう。
「それにしても、俺が知っているホモークと体つきが違う気がするんだけど、誰か何か知ってるか?」
今、食堂を少し改装して作った観戦室で、妻たちと土木組と一緒に試合を観戦している。シルキーたちは、キッチンで俺たちが観戦する時のおともを作ってくれている。
今日はこれがあるので、朝食は控えめにしている。まぁシュリは普通に食事をして、更に観戦中もがつがつ食べているけどね。さすがというべきだろう。
俺は、久しぶりに食べたかったクレープを希望している。チョコバナナクレープだ。でも、シルキーに先に野菜たっぷりのロコモコ丼を、食べてからじゃないと作らないと言われたため、ちょこちょことロコモコ丼を頬張っている時に、先ほどの言葉が出たのだ。
「シュウ様、ホモークたちはシュウ様の支配下に入ってから、徐々に脂肪が減って筋肉が増えたんですよ。でも体型が変わっていないから、体重は結構増えているって言って体重を気にしてたよ」
土木組の子からそんな話がでた。
「え? ホモークたちの近くに行ったのか? 危ないじゃないか!」
俺が怒るも、妻たちからも土木組からも笑いが起きた。
「ご主人様、ホモークの方々は、女性に対しては本当に紳士なんですよ? だから、ゴーストタウンでも女性たちに大人気なんです。普段の仕事は持ち回りなので、暇な日はゴーストタウンやダンジョンの見回りをしているんですよ。
『女性のために! 悪漢をのさばらせないために!』を口癖にしてね。だから女性を中心に、正義の断罪者という名で呼ばれるようになったんです」
意外なところでホモークの別名についての由来を知る事となった。ホモークがゴーストタウンの治安をよくしているのであるなら、何の問題もないか。
そんな事を話している間にも、ジャックと変態Bの試合は進んでいる。
動きの遅いホモークなのに、変態Bの攻撃を避けて盾を殴りつけている。そして俺は、盾をわざと殴りつけているジャックに疑問を覚えた・・・倒すのが目的なら、盾じゃなくて頭なり体なりを殴れば盾よりダメージを与えられるのに・・・
10分経った頃に、変態Bの攻撃がジャックを捉えた・・・
「えっ?」
思わず声が出てしまったが、ジャックの様子を見て納得した。顔面に攻撃が当たったのに、全く堪えていないのだ。盾を叩き続けた攻撃の所為で、変態Bの全身にダメージが溜まりすぎて、まともな攻撃すらできていないのだ。
そこからの試合は一方的だった。
何度も何度も殴られても、何の問題なく距離を詰めている。
無謀な攻撃を強いられている変態Bは、なけなしの体力を消耗する。攻撃の威力がだんだん弱くなり、最後には武器を振るう力すらなくなった。
「おっと~~! 重装備ははぎとられ、お持ち帰り……コホン、試合終了です!」
続いてリングに上がったのが、オスカーが変態Eの細マッチョの近接アタッカーに、上がって来いとジェスチャーする。
変態Eは、先の試合をみて……いや、俺には分かる。試合の最後、ジャックが変態Bをお持ち帰りした光景を見て、リングの上に足を運べなくなっているのだ。
俺もあの光景を見たら、あのリングには上がりたくねえな。
だが、変態Eは上がらなければならない。自分の刑を軽減させるための試合なのだ。あいつらからすれば、何で王国ではなく俺たちに裁かれなければならないのか、訳が分からないだろうが、これも決まった事なのでしょうがない。
司会者に何度も促され、やっとリングに上がった。そうすると歓声が大きくなる。
「さぁ、今度はオスカーと変態Eの試合が始まるぞぉ~~! ジャックと違いオスカーは装備を着けているが、これはどういう事だ~~!? 装備をしているが、装備をしているのが両手にカイトシールドだぞぉ~~! おっと、審判がかまわず試合開始の合図を出した!」
司会者の話の間に審判がそのまま試合を開始した。
オスカーと変態Eは、同時に距離を詰めた。
変態Eは両手剣での攻撃を仕掛けている。重さよりスピードを意識した一撃にみえる。だがその攻撃もオスカーの盾に簡単にはじかれる。
オスカーは左手の盾ではじき、右手の盾で殴りつける。リングの外に落ちるが今回の試合に、リングアウトによる負けはない。オスカーが後を追いかけリングを降り、変態Eを掴みリングの上に放り投げる。
立ち上がるのを待ち、再度攻撃をさばき殴りつけリングの外へ、リングの上にあげる。
1時間程続いた。変態Eは何度リングの外に落とされたのだろうか? それでもオスカーに向かって行くのは意地か? 変態Bみたいになりたくないからか?
それよりオスカーは何故こんな戦い方をする? 更に30分後に答えが出た。
オスカーは、心を折るためにこのような試合をしていたらしい。負けを認めた変態Eをオスカーが持ち帰り……じゃない、試合が終了したらしい。
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