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第955話 まさかの展開
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周囲の観察をしながら、温度を下げる魔法の効果を解除した。
俺の魔法が解除されると同時に、ライムからアイスランス、氷の槍が顔を出したヴォルカ……じゃないな。あれだ、溶岩ナマズとでも呼んでおこう。溶岩ナマズAに向かって飛んでいく。
避ける事が出来ずに、溶岩ナマズAにアイスランスが刺さったと思ったのだが、溶岩ナマズの皮膚の上にまとわりついていたマグマが、アイスランスの攻撃を防いでいた。
「みんな、見ましたね。あの魔物の表面に付いたマグマが魔法の効果を下げています。矢で一点突破もできるかもしれませんが弱点が分からないので、あのサイズの魔物には有効打にならない可能性があります。あれ以外の魔物が攻撃を仕掛けてきた時に備えてください」
ピーチからの指示が飛び、みんなが攻撃方法を模索し始めた。俺も弓による攻撃は意味がないと判断して、普段使う事のない杖を取り出した。Sランクの魔石が手に入るようになってから魔改造した杖だ。魔石を魔核に変え、魔法効果を増幅する機能を備えている。
ただ魔法を使う際、杖に魔力を通して魔法を行使しなければいけないため、放出系の魔法にしか使えないのだ。回復魔法も放出に近いのだが、自分の体から出す時にすでに魔法になっているため、杖を使って魔法を強化する事ができない。
なので、ヒーラーが持っている杖は、魔法を直接強化するものではなく、杖に魔力を流す事で魔力を増幅して使用者に魔力を返す仕組みになっている。同じ様で全く違う機能を有しているのが、ヒーラーと魔法使いのもっている杖の違いだ。
ちなみに俺の杖に関しては、両方の杖の機能を有しているが杖の上と下が、別々の機能を持っていて使い分ける形になる。杖が無いと魔法を行使できないわけでは無いのであまり重視する必要は無いが、魔力の消費を抑える意味ではかなり有用なので、今回は使用する事にした。
「魔法撃つよ!」
おれは声をかけて魔法を使おうとした。選んだ魔法は質量で攻めるため、直径1メートルを超える石を作り出し高速でぶつける。
溶岩ナマズにクリーンヒットをする。溶岩ナマズの表面に付いていた固まったマグマがはがれ、よろけたように見えた。そのままマグマの中に倒れる。有効打になったのだろうか?
他のメンバーも色々試していた。ライムは雷魔法による攻撃だったが、表面の固まったマグマにはじかれている様だった。イリアは、風魔法を使って圧縮した空気をぶつけて打撃を与える方法をとったが、やはり固まったマグマがはがれる程度だった。
周囲の様子を見た後に自分の攻撃した溶岩ナマズに視線を戻すと、効いてないよ? みたいな感じで俺の方を見ていた。ムカッ! 妙に苛立ちをあおってくるような仕草がイラつく……
俺、ライム、イリアが使った魔法は打撃系の魔法を重視して撃っていたが、あまり効いた様子がなかった。もしかすると、打撃系の攻撃に強い耐性があるのかもしれないな。貫通系でダメージを与えるか?
俺は魔法の属性はそのままに、戦車の砲弾を模した岩を作りねじ込むように回転させて撃ち出す。固まったマグマの鎧を貫通して、ダメージを与えてたようだ。
表面の固まったマグマさえ何とかなるなら、貫通系や斬撃系の攻撃が有効かもしれないな。俺と同じことを思ったのか、ピーチが指示を出し始めた。魔法は貫通力の高い魔法に切り替えられた。シュリは剣の代わりに槍の中でも、ランス……突撃槍と呼ばれる大型の騎乗しながら使う武器を取り出していた。
前に普通の槍だと投げるのには軽すぎると言われて、投げるためだけに量産品のランスを渡した所気に入ったようで、ドワーフの弟子たちの修行に今持っているランスを大量に作らせたとか……投げるんだよな?
シュリが振りかぶって投げたランスは、重量のある大型の槍とは思えない直線の軌道を描き、溶岩ナマズに突き刺さった。俺が使った戦車の砲弾型の魔法より激しい声をあげていた。
左右に怒った溶岩ナマズ2匹、前後に比較的穏やかというか、俺たちをバカにしている溶岩ナマズが2匹。しかも、俺たちをバカにしていた溶岩ナマズは、俺らにダメージを受けて怒っている溶岩ナマズもバカにしている様子だ。そのせいで更に怒っている気がする。
それにしても、空を飛んでいたって近接戦をしようと思えばできるが、こいつらに限っては近接戦が全くできないんだよな。釣り上げてこの上に来てくれれば別なんだけど……
「あ~そっか、マグマから出てこないなら、こっちから引きずり上げればいいじゃん」
俺は名案だと思い、釣り上げる事が可能だと思われる物を収納の腕輪から取り出した。取り出したのは前に作って使う出番があまりなかったアダマンタイト繊維を使ったワイヤーを取り出した。
釣り上げるためには、返しの付いた針を作って……あれ? どの位のサイズの針がいいんだ? あいつが10メートル位あるから、まぁ腕の太さ位あればいけるか?
大きさなんてよくわからなかったので、アダマンタイトの塊を腕位の太さで召喚して、人が力こぶを作った時のような針の形を作り、返しを準備して……おっしゃー完成だ!
釣るよ言うよりは、引っ掛けて引きずり上げるといった方が用途は正しいのかもしれない。後で、針じゃなく、槍やアンカーみたいな形でも良かったのでは? と言われて照れ笑いをしてしまった。
作った釣り針にアダマンタイト製の繊維で作ったワイヤーを繋げて、獲物を視界に収める。定期的に顔を出しては潜ってマグマを飛ばしてくる、溶岩ナマズの行動のタイミングを見計らって、溶岩ナマズの向こう側に放り投げる。
出てきた所で、一気にワイヤーを引っ張り背中あたりに針が突き刺さった!
「フィーーーッシュ!!!」
思わず声をあげてしまった。釣り針が刺さっている溶岩ナマズは状況が分からずに、肉体活性に魔力を注ぎ込んだ俺のバカ力で、強引に地面の上に引きずり上げられた。
地面の上では体をゆする以外の行動がとれなかった溶岩ナマズは、俺をバカにしていた雰囲気が妻たちにも伝わっており、ジュリエットに固まったマグマの温度を下げられ、近接のメンバーが近付けるようにして、三枚に下ろされた。
やっかいな性質の溶岩ナマズだが、倒す方法が分かってしまえばただの獲物だ。釣り上げて、温度を下げて、三枚におろす。後は作業になってしまった。
この階も切り抜けて、36階に突入する。
35階にいるボスだと思っていたあの4匹は、ボスではなくただの雑魚モンスターだった……
俺の魔法が解除されると同時に、ライムからアイスランス、氷の槍が顔を出したヴォルカ……じゃないな。あれだ、溶岩ナマズとでも呼んでおこう。溶岩ナマズAに向かって飛んでいく。
避ける事が出来ずに、溶岩ナマズAにアイスランスが刺さったと思ったのだが、溶岩ナマズの皮膚の上にまとわりついていたマグマが、アイスランスの攻撃を防いでいた。
「みんな、見ましたね。あの魔物の表面に付いたマグマが魔法の効果を下げています。矢で一点突破もできるかもしれませんが弱点が分からないので、あのサイズの魔物には有効打にならない可能性があります。あれ以外の魔物が攻撃を仕掛けてきた時に備えてください」
ピーチからの指示が飛び、みんなが攻撃方法を模索し始めた。俺も弓による攻撃は意味がないと判断して、普段使う事のない杖を取り出した。Sランクの魔石が手に入るようになってから魔改造した杖だ。魔石を魔核に変え、魔法効果を増幅する機能を備えている。
ただ魔法を使う際、杖に魔力を通して魔法を行使しなければいけないため、放出系の魔法にしか使えないのだ。回復魔法も放出に近いのだが、自分の体から出す時にすでに魔法になっているため、杖を使って魔法を強化する事ができない。
なので、ヒーラーが持っている杖は、魔法を直接強化するものではなく、杖に魔力を流す事で魔力を増幅して使用者に魔力を返す仕組みになっている。同じ様で全く違う機能を有しているのが、ヒーラーと魔法使いのもっている杖の違いだ。
ちなみに俺の杖に関しては、両方の杖の機能を有しているが杖の上と下が、別々の機能を持っていて使い分ける形になる。杖が無いと魔法を行使できないわけでは無いのであまり重視する必要は無いが、魔力の消費を抑える意味ではかなり有用なので、今回は使用する事にした。
「魔法撃つよ!」
おれは声をかけて魔法を使おうとした。選んだ魔法は質量で攻めるため、直径1メートルを超える石を作り出し高速でぶつける。
溶岩ナマズにクリーンヒットをする。溶岩ナマズの表面に付いていた固まったマグマがはがれ、よろけたように見えた。そのままマグマの中に倒れる。有効打になったのだろうか?
他のメンバーも色々試していた。ライムは雷魔法による攻撃だったが、表面の固まったマグマにはじかれている様だった。イリアは、風魔法を使って圧縮した空気をぶつけて打撃を与える方法をとったが、やはり固まったマグマがはがれる程度だった。
周囲の様子を見た後に自分の攻撃した溶岩ナマズに視線を戻すと、効いてないよ? みたいな感じで俺の方を見ていた。ムカッ! 妙に苛立ちをあおってくるような仕草がイラつく……
俺、ライム、イリアが使った魔法は打撃系の魔法を重視して撃っていたが、あまり効いた様子がなかった。もしかすると、打撃系の攻撃に強い耐性があるのかもしれないな。貫通系でダメージを与えるか?
俺は魔法の属性はそのままに、戦車の砲弾を模した岩を作りねじ込むように回転させて撃ち出す。固まったマグマの鎧を貫通して、ダメージを与えてたようだ。
表面の固まったマグマさえ何とかなるなら、貫通系や斬撃系の攻撃が有効かもしれないな。俺と同じことを思ったのか、ピーチが指示を出し始めた。魔法は貫通力の高い魔法に切り替えられた。シュリは剣の代わりに槍の中でも、ランス……突撃槍と呼ばれる大型の騎乗しながら使う武器を取り出していた。
前に普通の槍だと投げるのには軽すぎると言われて、投げるためだけに量産品のランスを渡した所気に入ったようで、ドワーフの弟子たちの修行に今持っているランスを大量に作らせたとか……投げるんだよな?
シュリが振りかぶって投げたランスは、重量のある大型の槍とは思えない直線の軌道を描き、溶岩ナマズに突き刺さった。俺が使った戦車の砲弾型の魔法より激しい声をあげていた。
左右に怒った溶岩ナマズ2匹、前後に比較的穏やかというか、俺たちをバカにしている溶岩ナマズが2匹。しかも、俺たちをバカにしていた溶岩ナマズは、俺らにダメージを受けて怒っている溶岩ナマズもバカにしている様子だ。そのせいで更に怒っている気がする。
それにしても、空を飛んでいたって近接戦をしようと思えばできるが、こいつらに限っては近接戦が全くできないんだよな。釣り上げてこの上に来てくれれば別なんだけど……
「あ~そっか、マグマから出てこないなら、こっちから引きずり上げればいいじゃん」
俺は名案だと思い、釣り上げる事が可能だと思われる物を収納の腕輪から取り出した。取り出したのは前に作って使う出番があまりなかったアダマンタイト繊維を使ったワイヤーを取り出した。
釣り上げるためには、返しの付いた針を作って……あれ? どの位のサイズの針がいいんだ? あいつが10メートル位あるから、まぁ腕の太さ位あればいけるか?
大きさなんてよくわからなかったので、アダマンタイトの塊を腕位の太さで召喚して、人が力こぶを作った時のような針の形を作り、返しを準備して……おっしゃー完成だ!
釣るよ言うよりは、引っ掛けて引きずり上げるといった方が用途は正しいのかもしれない。後で、針じゃなく、槍やアンカーみたいな形でも良かったのでは? と言われて照れ笑いをしてしまった。
作った釣り針にアダマンタイト製の繊維で作ったワイヤーを繋げて、獲物を視界に収める。定期的に顔を出しては潜ってマグマを飛ばしてくる、溶岩ナマズの行動のタイミングを見計らって、溶岩ナマズの向こう側に放り投げる。
出てきた所で、一気にワイヤーを引っ張り背中あたりに針が突き刺さった!
「フィーーーッシュ!!!」
思わず声をあげてしまった。釣り針が刺さっている溶岩ナマズは状況が分からずに、肉体活性に魔力を注ぎ込んだ俺のバカ力で、強引に地面の上に引きずり上げられた。
地面の上では体をゆする以外の行動がとれなかった溶岩ナマズは、俺をバカにしていた雰囲気が妻たちにも伝わっており、ジュリエットに固まったマグマの温度を下げられ、近接のメンバーが近付けるようにして、三枚に下ろされた。
やっかいな性質の溶岩ナマズだが、倒す方法が分かってしまえばただの獲物だ。釣り上げて、温度を下げて、三枚におろす。後は作業になってしまった。
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