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第1076話 トントン拍子?
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とりあえず、完成したミキサーは少し改良した。押さえる人がいれば使える事が分かったので、量産が始まった。売れるか分からないのに作り始めたのは、ブラウニーたちの無言の圧力によるものだ。
他の工房ではまだ燃料、魔石炭の件が解決していないので、ミキサーに使う器は全部俺たちの工房で作るしかない。なので、みじん切り器に関しては全部外部の工房に任せる事にした。
大型炉の熱を逃がさない魔導具は、炉に使うには優秀なんだろうな。1度温度を上げると起動している限りなかなか温度が下がらずに、次々にクリアメタルを溶かしてくれる。金がかかってるだけあるな。
ってか、目指す所が分かってて動力も何とかなれば、1日でミキサーって作れる物なのか? 紙加工技術を持っているドワーフと、ファンタジー世界の魔法とスキルの力のおかげか? そのほとんどが手作業だっていうのに驚愕するけどな。
最近は慣れてきたつもりだけど、改めて考えると明らかにおかしいもんな。手作業で1日で型なんて作れるわけがない。
そんな事を考えて現実逃避しながらミキサーを作っている。確かにこれなら、あの2人が裏切り者呼ばわりした気分が分かるな。ドワーフだけだったらこの仕事は全部任せるんだけど、たまにチラチラ見に来るブラウニーの事を考えると、ここから逃げられない。
2日目は、1日中ミキサーを作る事になり、夜にはグッタリしている。今は、娘たちの部屋で癒されている。娘たちはちょうど元気な時間なようで、抱っこするとキャッキャと声を出して俺の顔や胸をぺちぺち叩いてくれる。
カエデやミリー、リンドも一緒にいて、抱いていない2人を近くで抱いて、俺たちの様子を見せていた。そうすると、母親に抱かれている2人が俺に手を伸ばす仕草をするので、お父さん的にはとても嬉しい。と言っても2人は抱けても、3人は無理なので、困ってしまう。
娘たちを母親へ返し、おっさん臭い声をだして寝っ転がると、母親たちが俺の近くへ座り娘たちを支えながら俺の近くに座らせていた。大丈夫かと思ったが、問題ないようで娘たち3人が俺の上に乗っかるような形をさせていた。
娘たちの重さを胸やお腹に感じながら撫でていると、急に大人しくなってきた。何事かと思ったら、俺がくる前に授乳してもらい、俺が来てはしゃいだので、電池が切れるように眠ってしまったようだ。
3人はベッドに戻され、俺は昼間の娘たちの様子を聞いていた。子どもの成長って早いんだなって感じながら聞いていた。ハイハイとかってどの位の時期から始めるんだろうな?
ハイハイを始めたら、俺の事を追ってきたりしてくれるのかな?
娘達の部屋でゆっくりするのはやめて、風呂へ入ろうとすると、風呂の前で従魔たちが通せんぼをして待ち構えていた。
「俺たちもかまえってことな。分かったよ。みんなの事洗ってやるから……」
せっかく癒されてゆっくりしたのに、また疲れる事をしなければならなくなった。ただ、今日は全員をゴシゴシ洗うのはさすがにきついので、水圧の少し強めのシャワーで洗い流すような感じで綺麗にしている。
と言うか、こいつら毎日風呂に入っているので綺麗だから、無理にシャンプーをする必要はない。まぁ魔物なので、肌が荒れたり、毛がボロボロになる事は無いのだが、俺が大変なので今日はお湯シャワーで我慢してもらう。
綺麗にした後はみんなで湯船につかりまったりとする。ただ数が多いのでちょっとキツイ。そろそろ湯船の拡張した方がいいかもしれないな。
肉体も精神も疲れて、ベッドに寝転ぶ。いつ寝たかも分からないくらいすぐに寝てしまったようで、気付いたら朝になっていた。
今日はミキサー作りはしたくねえな……と言っても、工房に行かないわけにはいかないので、出勤するこの感じって、嫌な事があった日の次の日のサラリーマンの心境だろうか?
工房に着くと、あれ? ゼニスが待っていた。それでそのまま商会の方に呼ばれたので、工房のドワーフたちには、申し訳ないがミキサー作りを続けてもらい、俺は移動した。
内心、やった! と思ってしまった俺は、心が歪んでしまっているのだろうか? バザールと綾乃の2人は良く1週間も耐えたな。
「シュウ様、移動してもらってすいませんが、実は……」
ゼニスが話し出したのは、昨日俺がカエデたちに愚痴っていた内容の話だった。どうも、俺の疲弊具合が目に余る物だったらしく、妻たちがゼニスにお願いをして連れ出してほしいという事だったらしい。
ゼニスも工房で俺の事を見た時に、大丈夫か? と思ったくらい危ない表情をしていたようだ。いけねえな。顔に出しすぎるのも問題がある。家ならともかく、街でそんな顔をするのはマジで良くないな。一応これでも領主なんだからな、領主なのか?
ゼニスはそう言ってくれたが、こういった抜け方は良くないよな。工房で頑張ってくれてるドワーフや先週頑張ってくれたバザールや、綾乃たちの事もあるしな。少し話をしたら工房に戻ろう。
30分位商会について色々聞いて、工房へ戻る事にした。
延々と同じ作業は辛いが、ドワーフの皆も……あれ? 楽しそうにやってるな。俺だけがつらいのか?
昼食までとにかく作りまくった。俺は細かい作業はできないので、削ったり磨いたりするだけだけどな。ブラウニーたちが運んでくれた食事をとりながら、話をしていると、
魔石炭、他の工房でも作業できるように燃料をどうにかしてほしい。との事だった。確かに燃料の問題が何とかなれば、ミキサーも他の工房で作れるんだったよな。
なので、午後はそれをどうにかしてほしいという事で、別の仕事を割り振られた。と言う事で、ゼニスの所へ戻った?
「燃料問題ですか、錬成できる人がいれば問題ないって事ですかね?」
「魔石炭に使う石炭は、ダンジョンでドロップするし、魔石は腐る程あるからな。錬成できる人間だけがいれば何とかなると思うんだけど、無理かな?」
「ちょっとお待ちください」
事前に準備していたのか、机の上の書類をペラペラめくり始めた。
「あ~いますね。魔石炭のあまり需要が高くない場所で錬成をしていた人が、領主に嫌われていたみたいで、奥さんを連れ去られそうになって領主を半殺しにし、奥さんと子どもも一緒に奴隷に落とされた一家がいますね」
領主を半殺しにしたのに、良く処刑されなかったな。
「半殺しした時に、領主の寄親が来ていたようで、事情を聴いて寄親が奴隷として引き取ったらしいですね」
俺の考えてる事が分かるのか?
「では、その一家をゴーストタウンに呼んでもいいですか?」
「呼んでいいって事は、もう買い取ってるって事か? 仕事が早いな。もちろん呼んでくれ。しばらくはそれにかかりっきりになると思うけど、他にも錬成できる人間を育ててもらえたら助かるから、希望者がいたら、一緒にゴーストタウンに呼んでもらっていいか?」
「了解しました。商会に通達を出して、いないか探してみます」
ゼニスは、分かってて俺が言いだすのを待っていたんだろうな。そうしないと、あそこまで準備できてないもんな。本当に助かる。
工房に帰って錬成については目途が立ったことを伝える。そうすると、ブラウニーが
「ミキサーについては、みじん切り機が浸透してからなのでまだ先になります」
俺たちは全員で顔を見合わせてしまった。無言の圧力は俺達が勝手に感じていただけらしい。
他の工房ではまだ燃料、魔石炭の件が解決していないので、ミキサーに使う器は全部俺たちの工房で作るしかない。なので、みじん切り器に関しては全部外部の工房に任せる事にした。
大型炉の熱を逃がさない魔導具は、炉に使うには優秀なんだろうな。1度温度を上げると起動している限りなかなか温度が下がらずに、次々にクリアメタルを溶かしてくれる。金がかかってるだけあるな。
ってか、目指す所が分かってて動力も何とかなれば、1日でミキサーって作れる物なのか? 紙加工技術を持っているドワーフと、ファンタジー世界の魔法とスキルの力のおかげか? そのほとんどが手作業だっていうのに驚愕するけどな。
最近は慣れてきたつもりだけど、改めて考えると明らかにおかしいもんな。手作業で1日で型なんて作れるわけがない。
そんな事を考えて現実逃避しながらミキサーを作っている。確かにこれなら、あの2人が裏切り者呼ばわりした気分が分かるな。ドワーフだけだったらこの仕事は全部任せるんだけど、たまにチラチラ見に来るブラウニーの事を考えると、ここから逃げられない。
2日目は、1日中ミキサーを作る事になり、夜にはグッタリしている。今は、娘たちの部屋で癒されている。娘たちはちょうど元気な時間なようで、抱っこするとキャッキャと声を出して俺の顔や胸をぺちぺち叩いてくれる。
カエデやミリー、リンドも一緒にいて、抱いていない2人を近くで抱いて、俺たちの様子を見せていた。そうすると、母親に抱かれている2人が俺に手を伸ばす仕草をするので、お父さん的にはとても嬉しい。と言っても2人は抱けても、3人は無理なので、困ってしまう。
娘たちを母親へ返し、おっさん臭い声をだして寝っ転がると、母親たちが俺の近くへ座り娘たちを支えながら俺の近くに座らせていた。大丈夫かと思ったが、問題ないようで娘たち3人が俺の上に乗っかるような形をさせていた。
娘たちの重さを胸やお腹に感じながら撫でていると、急に大人しくなってきた。何事かと思ったら、俺がくる前に授乳してもらい、俺が来てはしゃいだので、電池が切れるように眠ってしまったようだ。
3人はベッドに戻され、俺は昼間の娘たちの様子を聞いていた。子どもの成長って早いんだなって感じながら聞いていた。ハイハイとかってどの位の時期から始めるんだろうな?
ハイハイを始めたら、俺の事を追ってきたりしてくれるのかな?
娘達の部屋でゆっくりするのはやめて、風呂へ入ろうとすると、風呂の前で従魔たちが通せんぼをして待ち構えていた。
「俺たちもかまえってことな。分かったよ。みんなの事洗ってやるから……」
せっかく癒されてゆっくりしたのに、また疲れる事をしなければならなくなった。ただ、今日は全員をゴシゴシ洗うのはさすがにきついので、水圧の少し強めのシャワーで洗い流すような感じで綺麗にしている。
と言うか、こいつら毎日風呂に入っているので綺麗だから、無理にシャンプーをする必要はない。まぁ魔物なので、肌が荒れたり、毛がボロボロになる事は無いのだが、俺が大変なので今日はお湯シャワーで我慢してもらう。
綺麗にした後はみんなで湯船につかりまったりとする。ただ数が多いのでちょっとキツイ。そろそろ湯船の拡張した方がいいかもしれないな。
肉体も精神も疲れて、ベッドに寝転ぶ。いつ寝たかも分からないくらいすぐに寝てしまったようで、気付いたら朝になっていた。
今日はミキサー作りはしたくねえな……と言っても、工房に行かないわけにはいかないので、出勤するこの感じって、嫌な事があった日の次の日のサラリーマンの心境だろうか?
工房に着くと、あれ? ゼニスが待っていた。それでそのまま商会の方に呼ばれたので、工房のドワーフたちには、申し訳ないがミキサー作りを続けてもらい、俺は移動した。
内心、やった! と思ってしまった俺は、心が歪んでしまっているのだろうか? バザールと綾乃の2人は良く1週間も耐えたな。
「シュウ様、移動してもらってすいませんが、実は……」
ゼニスが話し出したのは、昨日俺がカエデたちに愚痴っていた内容の話だった。どうも、俺の疲弊具合が目に余る物だったらしく、妻たちがゼニスにお願いをして連れ出してほしいという事だったらしい。
ゼニスも工房で俺の事を見た時に、大丈夫か? と思ったくらい危ない表情をしていたようだ。いけねえな。顔に出しすぎるのも問題がある。家ならともかく、街でそんな顔をするのはマジで良くないな。一応これでも領主なんだからな、領主なのか?
ゼニスはそう言ってくれたが、こういった抜け方は良くないよな。工房で頑張ってくれてるドワーフや先週頑張ってくれたバザールや、綾乃たちの事もあるしな。少し話をしたら工房に戻ろう。
30分位商会について色々聞いて、工房へ戻る事にした。
延々と同じ作業は辛いが、ドワーフの皆も……あれ? 楽しそうにやってるな。俺だけがつらいのか?
昼食までとにかく作りまくった。俺は細かい作業はできないので、削ったり磨いたりするだけだけどな。ブラウニーたちが運んでくれた食事をとりながら、話をしていると、
魔石炭、他の工房でも作業できるように燃料をどうにかしてほしい。との事だった。確かに燃料の問題が何とかなれば、ミキサーも他の工房で作れるんだったよな。
なので、午後はそれをどうにかしてほしいという事で、別の仕事を割り振られた。と言う事で、ゼニスの所へ戻った?
「燃料問題ですか、錬成できる人がいれば問題ないって事ですかね?」
「魔石炭に使う石炭は、ダンジョンでドロップするし、魔石は腐る程あるからな。錬成できる人間だけがいれば何とかなると思うんだけど、無理かな?」
「ちょっとお待ちください」
事前に準備していたのか、机の上の書類をペラペラめくり始めた。
「あ~いますね。魔石炭のあまり需要が高くない場所で錬成をしていた人が、領主に嫌われていたみたいで、奥さんを連れ去られそうになって領主を半殺しにし、奥さんと子どもも一緒に奴隷に落とされた一家がいますね」
領主を半殺しにしたのに、良く処刑されなかったな。
「半殺しした時に、領主の寄親が来ていたようで、事情を聴いて寄親が奴隷として引き取ったらしいですね」
俺の考えてる事が分かるのか?
「では、その一家をゴーストタウンに呼んでもいいですか?」
「呼んでいいって事は、もう買い取ってるって事か? 仕事が早いな。もちろん呼んでくれ。しばらくはそれにかかりっきりになると思うけど、他にも錬成できる人間を育ててもらえたら助かるから、希望者がいたら、一緒にゴーストタウンに呼んでもらっていいか?」
「了解しました。商会に通達を出して、いないか探してみます」
ゼニスは、分かってて俺が言いだすのを待っていたんだろうな。そうしないと、あそこまで準備できてないもんな。本当に助かる。
工房に帰って錬成については目途が立ったことを伝える。そうすると、ブラウニーが
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