ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1085話 ディストピアで

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「それにしても、これだけ大量に物を召喚したのって初めてかもしれないな。ディストピアを作る時は、DPで地形をいじったからな~予想以上に大変だった」

 2日目のおやつ位の時間に土を召喚し終えた。俺とノーマンで召喚し続けて1日半以上かかっている。

 土木組のメンバーは、俺たちより先に溝を掘り続けて開通させている。そういえば、土木組の野営地にあった見覚えのある光景は、昨日の夜に何だったのかが判明した。

 見覚えがあったのは、俺がこの世界に来る前によく見ていた光景だったからだ。見た目は全然違うのだが、学校の教室の風景に似ていたのだ。

 夕食の前まで溝堀りをして、従魔たちに乗って帰ってきて食事を食べた後に勉強を始めたのだ。馬車の幌にかけた白い布は、土木組が外で活動し始めた時に、早い段階でほしがったプロジェクターのスクリーンだった。

 魔導具化して魔導無線やゲーム等と直結繋げられるようにしてあり、そのプロジェクターを使ってディストピアと繋げて、勉強を始めたのだ。夕食後はのんびりして寝るものだと思ってたのだが、土木組は時間があるから勉強をしよう! と言う考えらしい。

 昼間は仕事で勉強ができなかったので、教師にも事前に連絡をしてこの時間から授業をしてほしいと、お願いしていたようだ。頑張りすぎじゃないか?

 土木組が勉強しているのに俺だけ遊ぶわけにもいかなかったので、俺も自分の馬車で仕事をする事にしたくらいだ。グリエルたちはいつ家族の団欒をとっているのか分からないが、連絡をしたらいつもの執務室で仕事をしていた。

 それから、俺が処理しなければならない内容の物を片付けるために、ディストピアに置いてきたドッペルに憑依してゴーストタウンに行き処理した。

 どうやらゴーストタウンというか、ディストピアの上層部がバタバタしているのに気付いたどこかの国の貴族の子弟が、騎士たちを冒険者として送り込んでいた者を集めて、領主館に奇襲を仕掛けてきたそうだ。

 何ともタイミングがいいなと思っていたら、ゴーストタウンができて少し経った頃から、今回のような事態を狙っていたらしい。気の長い話だ。

 どうやら、乗っ取りを考えてチャンスをうかがっていたらしい。ちなみに王国の貴族の家系のようだった。ダンジョンができてから連絡が入ったにしては動きが早すぎるから、たまたま何かを察知したんだろうな。

 まぁ、ゴーストタウンは掌握エリアの中で、しかもダンジョンなのだ。高レベルの人間にはマーカーをつけているので、動きがすぐわかるようになっている。

 だけど、この貴族と騎士らしい奴らは、誰一人としてマーカーが付いていない。まったく脅威と思われていない人間の集まりだったのだ。

 そんな集まりが、ゴーストタウンの中心である領主館に攻め入った所で、門番の兵士と置物に扮していたリビングアーマーの活躍で、物の数分で100人近い襲撃者が捕らわれた。

 リビングアーマーって本当に優秀だよな。どれだけ放置されても狂う事がなく、与えられた命令を忠実にこなすんだからな。ゴーレムも同じなんだけど、人造ゴーレムでもないと動きが遅いからな。

 で、その貴族の子弟と一緒に捕らえた冒険者の対処をするために、ゴーストタウンに行ったのだ。

 その時に罵声を浴びさせられたが、一緒に来ていたゴーストタウンの領主代行のドワーフの鉄拳をくらって、10人程が瀕死になった所で声をあげるのをやめて、よくあるパターンの今解放すれば許してやる的な事を言ってきた。

 それを無視して話を始めたら、今度は命乞いをしてきた。ドワーフにどうするか聞いたら、別に直接被害を受けていないから処刑はしなくてもいいんじゃないか? という言葉に喜んだ襲撃者たちだが、続けて言われた言葉で絶望に叩き落されていた。

「最近ホモークのお世話になる人間が減ってきたから半分ほどをそっちにやって、残りの半分はヴローツマインの鉱山送りでいいんじゃないかね?」

 絶望したくなるのはわかるよ。鉱山は入ったら出てこれない……死刑と並んで厳しいとされる刑罰。そしてホモークの檻の中に入るのは、俺だったら死んだほうがましだな。どっちも救いがないという意味では一緒だけど、ホモークだけは絶対に嫌だ。

 しかもこのドワーフ、質が悪い事に自分たちでどっちに行くか決めろと言い出したのだ。100人もいれば、2~3人はホモークの檻でもいいという奴がいた事にビビったが、残りは醜く言い争い最終的には多数決で決まった。

 ホモークの檻に行ったのは、分かりやすかった。上司とか、先輩にあたるような人間だった。今まで理不尽な事でもしてきたんだろうな。ドンマイと言っておこう。貴族の子弟はもちろんホモークの檻だった。新しい世界でも開拓してくれ。

 そんなこんなで、精神が疲弊する仕事を終えて意識を体に戻したら、土木組の授業は終わっていて、お風呂をどうしようか? と言う話をしていたので、コンテナ野営地のお風呂の部分を出して使ってもらった。後で欲しがられたのは言うまでも無かった。

「シュウ様! これからどうするんですか?」

 昨日の事を思い出していたら、土木組のリーダーの子に声をかけられた。

「あ~わるいわるい。とりあえず今度は、整地をするよ」

「こんな広い土地を整地なんてした事ないけど、どうするんですか?」

「今考えてるのは2つの方法かな?圧縮した空気の塊を盛った土に打ち込むか、魔法で干渉できるからアースクエイクを改良して、プレスだけする魔法を使う感じかな?」

「プレス……プレス……前にみんなで試したことあったよね? 敷地を整えるのに使ったあれ、皆覚えてる?」

 何人かは言われても思い出せなかったようだが、思い出した子たちに教えてもらって何とか思い出していた。

 自分たちがやってみたいと言って、10分位話し合ってイメージを固めていた。

 魔法名は無かったが全員が同時に持った土に手を叩きつけた。大人数でやるだけあって、さすがにすごい魔力を使っている。俺1人では到底無理な規模で魔法を行使した。

 そうすると、10メートル位盛っていた土が圧縮されたように、6メートル位の高さまで下がっていた。それと同時に悲鳴が聞こえて、その後に「痛い!」という声が聞こえた。

 立っている場所を一気に圧縮して地面を均せば落っこちるよな。俺も昨日同じような失敗をしてるから分かるぞ。

 それにしても1回でそれなりの範囲の土を圧縮したな、俺の出番無くなるやん! でも、俺も負けないぞ。

 おそらく土木組の土魔法みたいに効率は良くないけど、先程の土木組は、俺が言っていたプレスの様な魔法の使い方だった。じゃぁ、俺がやるのは前者の方法だな。

「バッハ、飛んでくれ」

 バッハに空に連れて行ってもらう。

 バッハの背中の上で俺は集中する。丸い空気の塊だと凹凸ができてしまうので、空気のハンマーをイメージして物理で叩く! みたいな感じで土を整地していく。

 土木組みたい広い範囲は無理だったが、まぁそれなりに整地は出来た。けど、やっぱりプレス方法に比べて50センチメートル位高い。

「ふ~やっぱりこの方法は効率が悪かったな。みんなの方法の方が効率良さそうだね」

 やり方を統一して、魔力の続く限り土を圧縮し続けた。
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