ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1139話 やりたい放題

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 娘達は、芝生を結構気に入ったようだ。

 何と言っても庭の芝生は、ドリアードが品種改良して手入れしている特別製なのだ!

 前に芝生に転がった時に、ちょっと硬くてチクチクするな~と言った事があり、それを聞いていたドリアードがそんなに硬くなくて、あまりチクチクしない芝生を作ってくれたのだ。

 この前は気分でエアーマットを敷いて過ごしたが、今日は何も敷かないで過ごしている。

 そして娘たちは、この芝生を気に入って転がる姿まで見せてくれた。赤ちゃんが転がると、転がるというより、懸命に寝返りをうっているように見えるんだけどな。

 そんなゆったりとした時間を過ごした次の日、

「よし! 頑張るぞ!」

 俺は気合を入れてクルーザーの改装を始めた。

 グリエルたちに貸していたクルーザーは、実は1台目で今回使うのは、2台目のクルーザーである。

 何で2台あるかといえば、簡単な話である。

 バザールと綾乃が、自分たちもクルーザーが欲しい! と俺と同じくらいの大きさのクルーザーを要求してきたのだ。色々と助けてもらっているし、DPの問題もないし、断る理由も無かったので提供したのだ。

 2ヶ月後に「もういらない」と、返却されたのだ。

 バザールのいらない理由は、クルーザーで遊んでいたら、ダンジョンで待っている家畜や野菜の世話ができない! なぜ休みの日に外に行かねばならぬのだ! 休みの日こそみんなを可愛がってやらねば! みたいな事を言っていたのだ。

 バザールにとって、酪農が仕事ではなく趣味や生活の一部みたいになっているようだ。それでも、ダンジョンバトルとかあれば、しっかりと手伝ってくれるのだから、休みの日に何をしてようと問題はないな。

 綾乃の理由は、酔った……気持ち悪い……もう乗らない。との事。

 湖で、あまり波も余りたっていないのに、クルーザーの動きだけで酔ってしまったらしい。馬車が平気なのにクルーザーはダメだったようだ。

 この2台目は、手入れだけされていて使われていなかったので、今回利用するために使ってみる事にしたのだ。

 1台目は、全員で移動するために使ったが、今回は人数で言えば3分の1の人数になるので、同じキャパの船を違う特徴で作ろうという事だ。

 そのために昨日の夜のうちに、取り入れてほしいと思う事をアンケートしている。

 第1位 寝室は1つ

 これは、みんなで一緒に寝たいから! という理由からだ。うんうん、愛されているという事だろう。嬉しいね! 夫婦でも一緒に寝る人と寝ない人がいるけど、あれの違いって何だろな?

 第2位 お風呂とサウナ

 シャワーではなく、お風呂とサウナを取り付けてほしいとの事だ。スペースもあるし何の問題も無い! 特に俺は3週間は過ごす事になるので、シャワーだけは絶対にノーサンキューなのだ!

 第3位 みんなで料理ができるキッチン

 シルキーたちは、娘の世話で着いてこないのでブラウニーが中心になる予定だったが、たまにはみんなで料理を作りたいとの事だ。いや、妻たちも全員、ブラウニーと一緒に料理をしているので、いつも通りな気もするが……

 それにしても、俺がヘタに料理しようとすると「仕事をとらないでください!」と言われるのに、妻たちは何で何も言われないんだろうな? 何か基準があるのだろうか?

 同率第4位 ルームシアター(音響設備も高品質)

 映画やアニメが好きな妻たちが、猛プッシュして作成する事となった。夜なんかは、空を見て食事した後する事も無いからな、みんなで一緒に観賞するのも悪くない。

 同率第4位 ゲームをみんなで楽しむ部屋

 映画やアニメと同じで好きな妻たちの、猛プッシュにて作成する事になった。夜もそうだけど、1週間もあるので色々な時間の潰し方があっていいだろう。

 普通に考えて地球の豪華客船じゃあるまいし、ダンスパーティーなんてものもないし、カジノ……ギャンブルなんてものもないし、好きな物を配置したって何の問題も無い!

 番外編1 トレーニングルーム

 船の上では、運動不足になるかもと考えて、室内に運動できる部屋を強権で確保した。ルームランナーやバイク、筋トレ系各種準備した。他にも組手ができるようなスペースも確保している。一番広い部屋になっている。

 番外編2 プール

 何となく豪華客船と言えばこれ! という思い付きで甲板に設置した。普通のプールにその周りに流れるプールも設置しているため、甲板がほぼそれだけで埋まってしまった。

 なので、使わない時は閉じておけるように設計している。あっ、設計と言っても簡単でクリエイトゴーレムを使った開閉機能をつけただけだ。

 一番高い位置になるブリッジの上にも上がれるようになっている。かなり広いスペースを準備しており、外で食事をする際にはここも使えるように、ブリッジの後ろにキッチンがついている。

「う~ん、やり過ぎた感はあるけど、クリエイトゴーレムで何でもできちゃうんだからしょうがないよな。まだスペースがあるけど……お前たちは何か作ってほしい部屋とかあるか?」

『私は、何処でもいいので、砂と水がセットされている場所が欲しいです!』

 亀のシエルは、一緒に子亀のシールドも連れて行きたいようで、シールドのためのスペースが欲しいそうだ。

 1つ目は、甲板のプールの近くに簡単な砂浜を作った。2つ目は、みんながくつろぐ中心にあるリビングの様なスペースの隣に、10畳くらいの砂と水の部屋を準備してやった。特製のライトで甲羅干しもできるぞ!

 ダマとグレンは、特に必要な空間はいらないとの事だった。だが、特製の睡眠スペースが欲しいと……なので、ダマには巨大ビーズクッションを使ったベッドを準備して、グレンには高級毛布を使ったすっぽりと入れる、鳥の巣のような物を作ってやった。

 ダマの巨大ビーズクッションベッドは、巨大なビーズクッションにベッドの枠をつけただけと言うシンプルな物。

 グレンの物に関しては、毛布にクリエイトゴーレムで一応耐火耐熱機能をつけて、小さいサイズのグレンが寝れるような窪みを作ったものだ。ダマのベッドと同じで、きちんと枠を作っている。

「よっし、これで完成だな! 後は乗り込んでほしいと思った部屋を、随時作っていけばいいよな。普通なら不可能だけど、DPで召喚できるんだから何の問題も無い! 帰るぞ!」

 5日かけてクルーザーの改装が終了した。出発の日が近付いている。
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