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第1229話 決裂
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『……慎重に答えられよ。答えによっては、我が軍の矛があなたの街に突き刺さる所まで来ている。もちろん、嘘などつかぬ方がよろしいですぞ』
レイリーは畳み込むように、オーク領主に向かって言い放つ。
選択肢としては、自ら隣街の領主を差し出さない限りは、この街で戦闘が起こる事を意味している。領主に住人を守る意思があるのであれば、隣街の領主を差し出すだろう。
だけど、謝礼の部分に反応したオーク領主は、損得勘定を抜きにしてすべてを手中に収めようと考えている可能性が高い。それがどんな意味を持っているのか分かっているはずなのに、本当に隠し通せると思っているのだろうか?
『分かりました。本当に隣街の領主がいるのであれば差し出したい所ですが、本当にいる場所を知らないのです。探させていただきますので、しばし待たれよ』
『却下だ。お前は、いる場所を知っているのにいる場所を知らないという嘘を付いた。信用に値しない。我々はすでに、隣街の領主がいる場所を把握している。すぐ解決する事に時間をかける意味が見いだせない。今すぐ隣街の領主を差し出す以外の選択肢は、我々との敵対行動とみなす』
『野蛮人め。領主として戦闘もしていないのに、街の中に敵の軍を入れるわけにはいかない』
おぉ~言っている事は領主っぽい! けど、その心の中は金の事で頭がいっぱいなんだろうな。
『そうですか。では、交渉決裂ですな。どれだけの兵士があなたの側について、命を懸けて戦ってくれるでしょうかね?』
『さっきから言わせておけば、交渉のテーブルに着くと言ったのに攻めて来るわ、交渉のはずなのにこちらの条件を飲もうともしない! これでは交渉ではないではないか。領主たる私がわざわざ足を運んでいるのに、無礼だろうが!』
オーク領主が何か逆ギレを起こした。
『そもそも、交渉というのであれば、そちらは何を譲歩してくれているのですか? 話をまとめると、嘘付き、野蛮人、自分たちで探すから時間をくれ。それしか言ってません。こちらは一応、いなかった場合の損害賠償について言及しています。そちらは何をしてくれるのですかな?』
『話にならぬ。お主は交渉の意味を知らぬようだな。こちらは現状、被害を受け続けているのだ。だが、その被害については一切文句を言っていない。すでに譲歩をしている状態なのだよ。敵の軍を街に入れるわけにはいかないから、こちらで探すと言っているのだ。だから大人しく待っていろ』
『お前らは理解しているのか? 理不尽な戦争を仕掛けてきたのは聖国だ。それを返り討ちにして勝者の権利を行使している。そして、交渉のテーブルに着くとは言ったが、お前らの条件を飲む理由がこちらにはない。負けた国らしく、隣街の領主を差し出せばよかったのだ』
レイリーの口調が明らかに変わった。そのあまりにも傍若無人な言い草に、オーク領主は絶句していた。
こちらと向こうの前提条件が間違ってるんだから、話がまとまるわけが無いよな。だって、こっちは戦争に勝ったから勝者として振る舞っているのに対して、オーク領主はイーブンの状態……違うな、被害に対して何も言っていない、だから自分が有利になるように話を進めているのだ。
噛みあうわけないよな。しかも、隣街の領主がいる場所を把握しているはずなのに嘘を付くしな。オーク領主が何やら言っているが、レイリーはすでに聞く耳を持たなくなっていた。
『交渉は決裂した。ここの領主は何やら勘違いをしていたようだ。我々の要求を軽んじている。隣街の領主を差し出すように、という命令を聞き入れるつもりがないらしい。戦闘は忌むべき行為ではあるが、命令を聞き入れないのであれば致し方あるまい。全軍! 戦闘準備!』
目の前にオーク領主と近衛兵がいる状態で、戦闘を開始しようとしていた。
そして、土下座をさせられていたライガは、目を輝かせて早くしろと言わんばかりの状態で、スカルズのメンバーに頭を押さえられている。
交渉の余地がない事をやっと悟ったオーク領主は、慌てて馬車へ駆け込もうとしている。近衛兵は武器をかまえ、戦闘距離まで近付こうとしていた。
それに対しレイリーは、未だに椅子から立つ事もせず、どっしりと座ってその様子を観察していた。
残ったスカルズは既に戦闘態勢に入っている。
一触即発の状況だ。
急に何かが壊れるような爆発音が聞こえて来た。レイリーの前にあった机が粉々になっており、レイリーがゆっくりと立ち上がる。
『全軍、進撃開始!』
穏便に済ませるために兵糧攻めを行う方針だったが、状況が変わりすぎて穏便に済ませられなくなっていた。どうしてこうなったのやら? 一番初めにケチが付いたのは、1人目の使者のせいだろうな。初めから2人目だったら話は違ったかもしれないのにな。
あ~でも、対応が多少穏便になったかもしれないが、最終的にオーク領主が隣街の領主達を差し出さないのであれば、結果は一緒だったか?
そうこう考えている内にもライガは、解き放たれた矢の如く城門へ向かって走っていた。走ってくぐると思われたライガは、城門前で急に跳躍をして城壁に張り付いた。
10メートル程ある城壁をもう少しで飛び越える勢いだった。良く見ると、手とつま先が城壁にめり込んでおり、強引の城壁の上に登っていった。
『武器を持っている奴は敵とみなす。戦う意思が無い者は今すぐ武器を置いて下がれ!』
ライガに与えられた役目は、城壁の上の敵を無力化する事だろうか? こちらの攻撃が届きにくい城壁の上から攻撃されるのは面倒だからな。
ライガの言葉を聞いて8割程の兵士が武器を置き下がった。残った兵士はおよそ40人程だろう。
一番初めに戦いの火蓋が落されたのは城壁の上だと思っていたが、城門にいた近衛兵が既に壊滅していた。
見ていなかったが、50人程いた近衛兵が全員地面に倒れていたのだ。金属でできた鎧を着ていた近衛兵だったが、半数位は鎧の一部または大半が壊れていた。凹んだりするのではなく砕けていたのだ。相当強い力で攻撃されなければ、ああはなるまい。
鎧がほぼ壊れた数名は、半死半生の状態だった。辛うじて死んでいないというべきかな? レイリーの近くにいたスカルズの1人が、死なないように回復魔法をかけている。これで今すぐ死ぬ事は無いだろう。
っと、城門の様子を見ていたら、今度は城壁の上の戦闘が終わっていた。
こちらの様子は、弓や魔法を使う兵士がここにいたためか、城門の近衛兵と比べると防御力が低かったため、手加減した跡が見られる。近衛兵がほとんど気絶しているのに対して、城壁の上は痛みにうめく者の声が聞こえている。
この場合、どっちの方が良かったのだろう?
レイリーは近衛兵を無視して、命令を出しながら街の中へ入っていく。
城門に併設されるように詰所はあったが、軍事施設のような場所はこの門の近くには無かった。拠点として使える場所が無いので、慎重にって! レイリー! 何してんの!?
レイリーは畳み込むように、オーク領主に向かって言い放つ。
選択肢としては、自ら隣街の領主を差し出さない限りは、この街で戦闘が起こる事を意味している。領主に住人を守る意思があるのであれば、隣街の領主を差し出すだろう。
だけど、謝礼の部分に反応したオーク領主は、損得勘定を抜きにしてすべてを手中に収めようと考えている可能性が高い。それがどんな意味を持っているのか分かっているはずなのに、本当に隠し通せると思っているのだろうか?
『分かりました。本当に隣街の領主がいるのであれば差し出したい所ですが、本当にいる場所を知らないのです。探させていただきますので、しばし待たれよ』
『却下だ。お前は、いる場所を知っているのにいる場所を知らないという嘘を付いた。信用に値しない。我々はすでに、隣街の領主がいる場所を把握している。すぐ解決する事に時間をかける意味が見いだせない。今すぐ隣街の領主を差し出す以外の選択肢は、我々との敵対行動とみなす』
『野蛮人め。領主として戦闘もしていないのに、街の中に敵の軍を入れるわけにはいかない』
おぉ~言っている事は領主っぽい! けど、その心の中は金の事で頭がいっぱいなんだろうな。
『そうですか。では、交渉決裂ですな。どれだけの兵士があなたの側について、命を懸けて戦ってくれるでしょうかね?』
『さっきから言わせておけば、交渉のテーブルに着くと言ったのに攻めて来るわ、交渉のはずなのにこちらの条件を飲もうともしない! これでは交渉ではないではないか。領主たる私がわざわざ足を運んでいるのに、無礼だろうが!』
オーク領主が何か逆ギレを起こした。
『そもそも、交渉というのであれば、そちらは何を譲歩してくれているのですか? 話をまとめると、嘘付き、野蛮人、自分たちで探すから時間をくれ。それしか言ってません。こちらは一応、いなかった場合の損害賠償について言及しています。そちらは何をしてくれるのですかな?』
『話にならぬ。お主は交渉の意味を知らぬようだな。こちらは現状、被害を受け続けているのだ。だが、その被害については一切文句を言っていない。すでに譲歩をしている状態なのだよ。敵の軍を街に入れるわけにはいかないから、こちらで探すと言っているのだ。だから大人しく待っていろ』
『お前らは理解しているのか? 理不尽な戦争を仕掛けてきたのは聖国だ。それを返り討ちにして勝者の権利を行使している。そして、交渉のテーブルに着くとは言ったが、お前らの条件を飲む理由がこちらにはない。負けた国らしく、隣街の領主を差し出せばよかったのだ』
レイリーの口調が明らかに変わった。そのあまりにも傍若無人な言い草に、オーク領主は絶句していた。
こちらと向こうの前提条件が間違ってるんだから、話がまとまるわけが無いよな。だって、こっちは戦争に勝ったから勝者として振る舞っているのに対して、オーク領主はイーブンの状態……違うな、被害に対して何も言っていない、だから自分が有利になるように話を進めているのだ。
噛みあうわけないよな。しかも、隣街の領主がいる場所を把握しているはずなのに嘘を付くしな。オーク領主が何やら言っているが、レイリーはすでに聞く耳を持たなくなっていた。
『交渉は決裂した。ここの領主は何やら勘違いをしていたようだ。我々の要求を軽んじている。隣街の領主を差し出すように、という命令を聞き入れるつもりがないらしい。戦闘は忌むべき行為ではあるが、命令を聞き入れないのであれば致し方あるまい。全軍! 戦闘準備!』
目の前にオーク領主と近衛兵がいる状態で、戦闘を開始しようとしていた。
そして、土下座をさせられていたライガは、目を輝かせて早くしろと言わんばかりの状態で、スカルズのメンバーに頭を押さえられている。
交渉の余地がない事をやっと悟ったオーク領主は、慌てて馬車へ駆け込もうとしている。近衛兵は武器をかまえ、戦闘距離まで近付こうとしていた。
それに対しレイリーは、未だに椅子から立つ事もせず、どっしりと座ってその様子を観察していた。
残ったスカルズは既に戦闘態勢に入っている。
一触即発の状況だ。
急に何かが壊れるような爆発音が聞こえて来た。レイリーの前にあった机が粉々になっており、レイリーがゆっくりと立ち上がる。
『全軍、進撃開始!』
穏便に済ませるために兵糧攻めを行う方針だったが、状況が変わりすぎて穏便に済ませられなくなっていた。どうしてこうなったのやら? 一番初めにケチが付いたのは、1人目の使者のせいだろうな。初めから2人目だったら話は違ったかもしれないのにな。
あ~でも、対応が多少穏便になったかもしれないが、最終的にオーク領主が隣街の領主達を差し出さないのであれば、結果は一緒だったか?
そうこう考えている内にもライガは、解き放たれた矢の如く城門へ向かって走っていた。走ってくぐると思われたライガは、城門前で急に跳躍をして城壁に張り付いた。
10メートル程ある城壁をもう少しで飛び越える勢いだった。良く見ると、手とつま先が城壁にめり込んでおり、強引の城壁の上に登っていった。
『武器を持っている奴は敵とみなす。戦う意思が無い者は今すぐ武器を置いて下がれ!』
ライガに与えられた役目は、城壁の上の敵を無力化する事だろうか? こちらの攻撃が届きにくい城壁の上から攻撃されるのは面倒だからな。
ライガの言葉を聞いて8割程の兵士が武器を置き下がった。残った兵士はおよそ40人程だろう。
一番初めに戦いの火蓋が落されたのは城壁の上だと思っていたが、城門にいた近衛兵が既に壊滅していた。
見ていなかったが、50人程いた近衛兵が全員地面に倒れていたのだ。金属でできた鎧を着ていた近衛兵だったが、半数位は鎧の一部または大半が壊れていた。凹んだりするのではなく砕けていたのだ。相当強い力で攻撃されなければ、ああはなるまい。
鎧がほぼ壊れた数名は、半死半生の状態だった。辛うじて死んでいないというべきかな? レイリーの近くにいたスカルズの1人が、死なないように回復魔法をかけている。これで今すぐ死ぬ事は無いだろう。
っと、城門の様子を見ていたら、今度は城壁の上の戦闘が終わっていた。
こちらの様子は、弓や魔法を使う兵士がここにいたためか、城門の近衛兵と比べると防御力が低かったため、手加減した跡が見られる。近衛兵がほとんど気絶しているのに対して、城壁の上は痛みにうめく者の声が聞こえている。
この場合、どっちの方が良かったのだろう?
レイリーは近衛兵を無視して、命令を出しながら街の中へ入っていく。
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