ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,259 / 2,518

第1259話 悪魔現る

しおりを挟む
 グリエルから話を聞いて正直あまり見たくないのだが、ここの視察はまだだったので今回はしょうがなく、監視映像で見る事にした。

 ちなみに、ここにいるある魔物は、俺のダンジョンにいるので制御下にあるはずなのだが、男を見ると狂戦士化したように命令を受け付けなくなるのだとか。初めての遭遇の時は、ホモークが何とか間に入って事無きを得たがかなり危なかったそうだ。

 ホモークやホモゴブリンにはまったく興味を示さないのだが、人種の男を見るとバーサーカーになってしまうので、以後の対応は女性が行っている。

 この中にまだ人種の男を入れた事がないのでどうなるか分からないが、下手をしたら先程のホモゴブリンの所より厳しいんじゃないだろうか?

 グリエルやガリアは『今回みたいに、性欲の有り余っている人間にとっては天国なのではないでしょうか?』とか言っていたので、大丈夫だろう。

 しかもこの魔物、聖獣であるダマと同じで人語を理解している上に、魔物自身も話す事ができるのだとか。

 世話をしている女性が聞いた話だが、ダンジョンの中にいるので衝動が抑えられているが、ダンジョンの外にいればおそらく人種の男を探しに彷徨い続ける自信がある! とか言っていたらしい。

 一応、魔法薬タイプの精力剤を準備しているらしいが、この魔物のスキルに初見のスキルがありこれがあれば必要ないのでは? と思わせるスキル名だった。

【催淫パルファム】

 何で漢字と英語? スキル名なのか? と思わなくも無いが、スキル欄に表示されているのでスキルなのだろう。しかもスキルLvもあるので間違いないと思う。

 ある魔物のエリアに入る前に女性兵士が中に入っていって事情を説明する様だ。

 5分後に出て来た。ちょっと疲れた様子をしているが、問題ないとレイリーに報告していた。

 この先は、男子禁制(犯罪者除く)なので、レイリーや他の男性の兵士はその場で待機となった。

 ここに連れてこられた罪人は、聖国から送られて来た半数、約40人が来ている。それに対して、ある魔物は今の所6匹しかいないのだとか。DPで召喚できないので、強制的に増やす事はできない……いや、個人的にはこれ以上増やしたくないな。

 罪人が連れられてエリアの中に入っていく。

 画面が切り替わり、ある魔物の姿が視界に入る。見た目は大きく分けて3種類に分かれていた。神の悪意しか感じない魔物がそこにはいた。

 その魔物の種族名は、【オークレディ】

 ゴブリンと違いオスしかいないと思われていたオークにメスが現れたのだ。そしてこのオークレディは先程も言った通り、人種の男にしか反応しないのだ。

 見た目が3種類に分かれていると言ったが、その3種類は、

・顔が少し細くなったオークの顔に、グラビアアイドルも裸足で逃げ出すようなナイスバディ。

・顔はオークの面影があるのだが人種が好むような美人顔に、オークのようなでっぷりとした体。

・顔が少し細くなったオークの顔に、オークのようにでっぷりとした体。

 いても困るのだがここまで来たら、顔はオークの面影があるのだが人種が好むような美人顔に、グラビアアイドルも裸足で逃げ出すようなナイスバディのオークレディも準備してほしかった。

 もしかしたらいるかもしれないけど、正直遭遇はしたくない、ホモークと初めて遭遇した時みたいに背筋に寒い物が走りそうだ。

 そのオークレディは、目隠しをしていた。視界に入れてしまうと今すぐ暴走してしまうので、罪人の準備が整うまでは目隠しをしてもらうようにお願いしたのだとか。

 ただオークレディは、高ランクの魔物だ。そのおかげで身体能力も五感も鋭いので、人種の男の臭いをかぎ分けており、すでに若干興奮し始めている。

 ダンジョンの中で抑えられていたとはいえ、ここまで1ヶ月程禁欲していた状態なので、鼻息が荒くなっている。

 その場にいないのに、ゾゾゾッとサブイボが!

 拘束するとか言っていたのだが、先程の話し合いの結果、魔力を吸い取るアタッチメント付きの奴隷の首輪以外の拘束具は付けていないようだ。

 後で話し合った女性兵士に聞いたら、逃げる相手を追いかけたいとか言っていたらしい。俺にそんな事を言うのはどうかと思い口ごもっていたが、レイリーの命令により言葉にしたのだ。

 女性兵士がオークレディのエリアから出ると、拡声器を使って目隠しを外していいと宣言すると女性? メス? らしからなぬ奇声を上げて獲物を追いかけ始めた。

 ちなみに、このオークレディのエリアは、花街のようにゴーストタウンの壁の近くにあり、壁を彫り込む形でエリアを拡張している。オークレディが運動できるスペースに、体を鍛えるための専用のダンジョンまで準備されている。

 オークレディの獲物という状況を理解した、このエリアに連れてこられた罪人は、脱兎のごとく逃げ出した。

 騎士団に所属していた罪人はレベルがそれなりに高いので、頑張って逃げているが、領主や文官・司教は、でっぷりと肥えているためすぐに捕まってしまう。

 人種の男を両脇に抱えているのに、視線の先には下種、屑とはいえ鍛えられた体の騎士団に所属していた奴らがいる。

 好物は後にとっておく主義なの! と言っているかのような表情だ。

 ゾゾゾッ

 オークレディには各々に家が準備されており、そこに連れ込まれていく罪人、ドナドナされていく子牛のようにみえた。

 さすがに家の中まで覗く勇気はない。妻たちは特に気にする事も無く見ていた。

 見終わった後に、オークレディの持っている催淫パルファムというスキルの効果を教えてくれた。

 いくら性欲魔獣のこいつらでも、オークレディを目の前にして見た目と恐怖で一物が縮こまってしまっていたが、そのスキルを使ったと思われる直後に、本人の意思とは別に臨戦態勢に強制的に移行されてしまったそうだ。

 両手両足を縛られた状態の罪人に跨り、生気……性気を搾り取っていたのだとか。搾り取ればとる程オークレディは元気になっていき、何とか逃げていた騎士団に所属していた奴らも捕まり、同じ末路を歩いたのだとか。

 後日、様子を聞いた所、罪人の好みの女性の裸を見てもピクリとも反応しなくなったのに、オークレディのスキルで強制的に臨戦態勢にさせて搾り取っているようだ。

 共感してくれる仲間がいないので、自分の中で消化するのに時間がかかってしまった。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...