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第1335話 準備
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勇者たちが領地からいなくなって5日目、何事もなく過ぎていた。
勇者がいなくなってからだが、公私混同をしないために、家では仕事をしない事にしていた。
では、何処で仕事をしているかといえば、庁舎にある執務室だ。俺の場合、報告書を読んで気になる事があれば問い合わせる、という形だったのだ。
だけど、家にいる時に報告書を読んでいるとたまに娘たちが突撃してくるのだ。俺的には、ウェルカムなのだが重要な所を読んでいる時に来られると困ってしまう。ちょっと待って欲しいと言っても、娘たちにはただタブレットを見ているだけに見えるのだ。
娘たちの中では、タブレット=遊ぶ物という認識があるため、俺が遊んでいるのにかまってくれない! とミリーたちに泣き付いてしまう事があったのだ。
理解しろという方が無茶な話だ。なので、家では仕事をしない事に決めたのだ。ミリーたちも説明はしてくれるのだが、娘たちには伝わらずこんな事が続くくらいなら、と考えて庁舎に来ている。
ダンジョン農園の監視室でもよかったのだが、あそこはあそこで人が多いからな。急用がない限り1人でいられる庁舎の執務室はちょうどいいのである。近くにグリエルもガリアもいるし、職員も実に優秀なのでサポートも完璧なのだ!
庁舎に行くようになって良かった点がある。それは、職員との雑談の間に必要な情報が多かったりするのだ。特に、急を要するわけでは無いが、比較的重要な案件という物が分かるのだ。
報告書を読んでいるだけでは分からない事でも、職員と話す事によって今注視している案件が簡単に理解できるようになったのだ。
色々が分かるようになってからは、一緒に考えられるようになったと思う。
邪魔をしている可能性も高いが、こうやって動き出すと関わりたくなってしまうのは許してほしい! 頑張って勉強するからさ!
そういえばあまり気にしていなかったのだが、庁舎って実は2つに分かれていたんだよね。いつもグリエルかガリアの所にしか用事が無かったから、他の事をあまり見ていなかった。
この街、ディストピアを管理している市役所的な部署と、俺の領地全体を管理する中央官庁的な部署に分かれていたのだ。
意識していないだけで、知らない事って色々あるんだな。
っと、今日も朝礼後に職員と雑談をした後、執務室で報告書を読んでいたらグリエルが神妙な顔をして執務室に入って来たのだ。
「シュウ様、あまりよろしくない報告があります」
そう前置きをしてグリエルが話し出した。
簡単にまとめると、帝国の内部にあるメギドと近くに作ったバレルの街の近くで、戦争が起こりそうなのだとか。
メギドは、小国群から1つ街を挟んでいるので、戦争に巻き込まれる意味が分からんのだが、小国群にある3つの国がいきなり帝国の外縁部にあたる街を攻めたのだとか。すでに3つの街が占領下にあり、帝国が軍を動かしているらしい。
その3つの街の内2つが、メギドが最寄りの街になる位置にあるのだ。なので、次のターゲットになっているのだとか。
とはいえ、メギドとバレルの領地の外は帝国の領土だからな、打って出るのも面倒である。帝国が俺たちをどうするか分からないが、領内を守るために軍を動かす必要はあるか?
「レイリーは呼んでるか?」
「もちろんです。すでに先遣隊を組んでおり、終わり次第こちらに来るとの事です」
「さすがに動きが早いな。とりあえず、どの位の数を送り出すつもりなんだろうか?」
「そこら辺は聞いてませんが、侵攻している小国の軍ですが10000人近くいるようですね。それが3ヶ国分で30000人程いる事になりますね。壁もありますし、そこまで多く派遣はしないのではないでしょうか?」
「小国で10000人もの兵士を出してきたのか、国の守りは大丈夫なのか?」
「連動して3ヶ国が動いているのですから、何かしらの密約があるのではないでしょうか?」
「それもそうか、帝国はどこを戦場にするつもりだろうな? そういえば、街が攻撃を受けて始めてからどれくらい時間が経っているんだ?」
「えっと、帝国からもらった情報では、街の攻略に約1ヶ月半といった所ですね。乗っ取られてから半月程経っているので、2ヶ月経ったことになりますね」
「今まで情報が無かったのはなんで?」
「帝国からもたらされた情報が昨日だったのです」
「ん~、帝国も何か企んでたりするのか?」
「どうでしょう。実力主義とはいえ、皇帝の意向がすべての領主・貴族に行き届いているか分かりませんからね。何かしらを企んでいる奴がいてもおかしくないかと」
今まで情報が隠されていた事に対して、不信感をつのらせていると執務室のドアが開いた。
「遅くなりました。先遣隊で派遣する1000人、いつでも出陣可能です」
先遣隊はどうやら1000人のようだ。これは工兵のようだ。バレルの街は、魔の領域に隣接しており街の城壁と領地の壁がくっついている。
なので、魔の森から攻められるとこちらから攻撃する手段がほとんどない。森に隠れて街の近くまで来ることが可能なのである。まぁ魔物を倒しながらという前提があるが、それでも無視できる状況ではない。
先遣隊が侵攻軍が来る前にもう1つ城壁を作る予定だ。資材置き場としても使えるように、平地のままにするが、壁を乗り越えて入ってきてもこちらの軍の的になる、といった形だ。
そこから攻められると決まったわけでは無いが、対策をたてる必要はあるという事だ。
「少し気になったのですが、帝国の軍の位置を考えると、メギドとバレルの街を壁にするような位置取りのようにみえますが、帝国からは何か聞いていますか?」
確かに言われてみると、帝国が派遣した軍の位置が、メギドを壁にするような配置になっているように思う。
「言われるとそうですね。後で皇帝に問い合わせてみます」
「多分ですが、もしメギドを壁にする作戦だったとしても、こちらから何か言っても変わりませんよ。自軍の被害を最小限に抑えるのであれば、こちらの軍と戦ってもらうのがベストだと思います。私も同じ作戦をとると思います」
「とりあえず、攻めてきたら叩くしかないか? 一応、帝国の軍に注意しながら対応しようか。基本的にはレイリーと軍に任せるけど、俺は俺で動くよ。従魔たちを連れて行く。蹂躙させるつもりは無いけど、連れていける従魔は全部連れてくぞ」
それを聞いたグリエルとガリアは、顔が引きつっていた。
勇者がいなくなってからだが、公私混同をしないために、家では仕事をしない事にしていた。
では、何処で仕事をしているかといえば、庁舎にある執務室だ。俺の場合、報告書を読んで気になる事があれば問い合わせる、という形だったのだ。
だけど、家にいる時に報告書を読んでいるとたまに娘たちが突撃してくるのだ。俺的には、ウェルカムなのだが重要な所を読んでいる時に来られると困ってしまう。ちょっと待って欲しいと言っても、娘たちにはただタブレットを見ているだけに見えるのだ。
娘たちの中では、タブレット=遊ぶ物という認識があるため、俺が遊んでいるのにかまってくれない! とミリーたちに泣き付いてしまう事があったのだ。
理解しろという方が無茶な話だ。なので、家では仕事をしない事に決めたのだ。ミリーたちも説明はしてくれるのだが、娘たちには伝わらずこんな事が続くくらいなら、と考えて庁舎に来ている。
ダンジョン農園の監視室でもよかったのだが、あそこはあそこで人が多いからな。急用がない限り1人でいられる庁舎の執務室はちょうどいいのである。近くにグリエルもガリアもいるし、職員も実に優秀なのでサポートも完璧なのだ!
庁舎に行くようになって良かった点がある。それは、職員との雑談の間に必要な情報が多かったりするのだ。特に、急を要するわけでは無いが、比較的重要な案件という物が分かるのだ。
報告書を読んでいるだけでは分からない事でも、職員と話す事によって今注視している案件が簡単に理解できるようになったのだ。
色々が分かるようになってからは、一緒に考えられるようになったと思う。
邪魔をしている可能性も高いが、こうやって動き出すと関わりたくなってしまうのは許してほしい! 頑張って勉強するからさ!
そういえばあまり気にしていなかったのだが、庁舎って実は2つに分かれていたんだよね。いつもグリエルかガリアの所にしか用事が無かったから、他の事をあまり見ていなかった。
この街、ディストピアを管理している市役所的な部署と、俺の領地全体を管理する中央官庁的な部署に分かれていたのだ。
意識していないだけで、知らない事って色々あるんだな。
っと、今日も朝礼後に職員と雑談をした後、執務室で報告書を読んでいたらグリエルが神妙な顔をして執務室に入って来たのだ。
「シュウ様、あまりよろしくない報告があります」
そう前置きをしてグリエルが話し出した。
簡単にまとめると、帝国の内部にあるメギドと近くに作ったバレルの街の近くで、戦争が起こりそうなのだとか。
メギドは、小国群から1つ街を挟んでいるので、戦争に巻き込まれる意味が分からんのだが、小国群にある3つの国がいきなり帝国の外縁部にあたる街を攻めたのだとか。すでに3つの街が占領下にあり、帝国が軍を動かしているらしい。
その3つの街の内2つが、メギドが最寄りの街になる位置にあるのだ。なので、次のターゲットになっているのだとか。
とはいえ、メギドとバレルの領地の外は帝国の領土だからな、打って出るのも面倒である。帝国が俺たちをどうするか分からないが、領内を守るために軍を動かす必要はあるか?
「レイリーは呼んでるか?」
「もちろんです。すでに先遣隊を組んでおり、終わり次第こちらに来るとの事です」
「さすがに動きが早いな。とりあえず、どの位の数を送り出すつもりなんだろうか?」
「そこら辺は聞いてませんが、侵攻している小国の軍ですが10000人近くいるようですね。それが3ヶ国分で30000人程いる事になりますね。壁もありますし、そこまで多く派遣はしないのではないでしょうか?」
「小国で10000人もの兵士を出してきたのか、国の守りは大丈夫なのか?」
「連動して3ヶ国が動いているのですから、何かしらの密約があるのではないでしょうか?」
「それもそうか、帝国はどこを戦場にするつもりだろうな? そういえば、街が攻撃を受けて始めてからどれくらい時間が経っているんだ?」
「えっと、帝国からもらった情報では、街の攻略に約1ヶ月半といった所ですね。乗っ取られてから半月程経っているので、2ヶ月経ったことになりますね」
「今まで情報が無かったのはなんで?」
「帝国からもたらされた情報が昨日だったのです」
「ん~、帝国も何か企んでたりするのか?」
「どうでしょう。実力主義とはいえ、皇帝の意向がすべての領主・貴族に行き届いているか分かりませんからね。何かしらを企んでいる奴がいてもおかしくないかと」
今まで情報が隠されていた事に対して、不信感をつのらせていると執務室のドアが開いた。
「遅くなりました。先遣隊で派遣する1000人、いつでも出陣可能です」
先遣隊はどうやら1000人のようだ。これは工兵のようだ。バレルの街は、魔の領域に隣接しており街の城壁と領地の壁がくっついている。
なので、魔の森から攻められるとこちらから攻撃する手段がほとんどない。森に隠れて街の近くまで来ることが可能なのである。まぁ魔物を倒しながらという前提があるが、それでも無視できる状況ではない。
先遣隊が侵攻軍が来る前にもう1つ城壁を作る予定だ。資材置き場としても使えるように、平地のままにするが、壁を乗り越えて入ってきてもこちらの軍の的になる、といった形だ。
そこから攻められると決まったわけでは無いが、対策をたてる必要はあるという事だ。
「少し気になったのですが、帝国の軍の位置を考えると、メギドとバレルの街を壁にするような位置取りのようにみえますが、帝国からは何か聞いていますか?」
確かに言われてみると、帝国が派遣した軍の位置が、メギドを壁にするような配置になっているように思う。
「言われるとそうですね。後で皇帝に問い合わせてみます」
「多分ですが、もしメギドを壁にする作戦だったとしても、こちらから何か言っても変わりませんよ。自軍の被害を最小限に抑えるのであれば、こちらの軍と戦ってもらうのがベストだと思います。私も同じ作戦をとると思います」
「とりあえず、攻めてきたら叩くしかないか? 一応、帝国の軍に注意しながら対応しようか。基本的にはレイリーと軍に任せるけど、俺は俺で動くよ。従魔たちを連れて行く。蹂躙させるつもりは無いけど、連れていける従魔は全部連れてくぞ」
それを聞いたグリエルとガリアは、顔が引きつっていた。
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