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第1337話 挫折からの代用
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バリスタ自体は、ドワーフが作り方を知っていたので簡単に作ってしまった。まぁ従来の物では飛距離も攻撃力も足りないので、改良する所から始まった。
バリスタの矢を撃ち出す動力として使われているのは、木の板を加工したものでこの部分をクロスボウのように金属へ変えてみる事にした。
「これじゃ無理だな……」
俺位の力があって、実用的な攻撃力に達するのだが、普通の兵士ではさすがに実用は無理か?
ドワーフが作ったバリスタは、弦を引くのに歯車を回して引くのだが、この歯車を回すのにめっちゃ力を使ったのだ。金属やべえ……
「それはそうでしょ。どうして木と同じ厚さの金属を使ったのよ。むしろそれを回せてるあんたがおかしいと思うわ。よく金属が折れなかったわね」
言われて気付いた。改良のたたき台のつもりで、軽く作っていたのが悪かったのだ。木と同じ厚さの金属を使えばそうなってもおかしくないよな。
「金属で作るのは良いと思うでござるが、この際、クリエイトゴーレムをフルに使って作るのはどうでござるか?」
「ん~……それだと生産性が悪くないか? 俺たち以外作れないぞ?」
「矢に魔核を使う時点で生産性は良くないでござるよ。それに、未知の技術で作っておいた方が、もしもの時のためにはいいでござらんか?」
「クリエイトゴーレムなら、確かに構造が分かっても真似は出来ないか。そもそも矢を魔核で作るなら今更か? でも、やっぱり矢に使う魔核以外は、現存の技術で作れた方がいいんだけどな。鹵獲された時の対策をするのであれば、完成品に魔核を仕込んで崩壊させるようにしておけばよくないか?」
あーでもないこーでもないと話し合いをするが、この日はいい解決策が出なかった。
一番の問題はというか、これだけが問題なのだ。クロスボウで言うリムにあたる部分なのだが、元々は木だった部分を金属に変えたのだが、想定している矢の重さを飛ばそうとすると、弦が必要な所まで引けなかったのだ。
「それにしても、ドワーフってよくあの構造を木で作ったよな。あれなら普通木が折れるもんな。それにDPで召喚できるバリスタ見てビビったよ。動力になる部分に縄みたいなのが使われてるのがあるんだな。最新式ってわけじゃないけど、ねじりコイルバネを使っている奴もあったな」
「そうでござるな、バリスタってあんな形をしてたのでござるな」
「私も知らなかったわ。クロスボウを大きくしただけかと思ってたわ。実際、大きくしたままのバリスタもあったけど、そうじゃない方が多かったわね」
今日の開発が終わって、なんか精神的に疲れたので、3人で集まって庭で食事をしながら話している所だ。
バザールも変身すれば食事を食べれるので、こういう時は一緒に食べてくれるのだ。こういう時は、お酒を飲んだりするのだろうが、3人共お酒に強くないので、こういった時に飲む事はまずない。
「ねじりコイルバネを使うか?」
「それでも力が足りなくない?」
「大型の武器って思ったより大変でござるな」
初めの10分位は真面目に話していたのだが、その後は最近読んだ小説や楽しかったゲームの話など、オタクのような話をしていた。
だけど、熱中しすぎて夜遅くになっても外で騒いでいたので、妻たちに怒られてしまった。そこで解散となる。
次の日、
「なぁ坊主、本当にバリスタを改造するんか?」
「そのつもりだけど、何か問題でもあるのか?」
「問題というか、おそらくだが、クリエイトゴーレムを使わないと、想定している威力は出ないと思うぞ。バリスタがこれ以上進化しなかったのは、魔法とかの影響もあったと思うが、威力が確保できなかったからだと思う」
そうか。俺の力があれば、バリスタの威力は何とかなるが、それなら俺が直接壁を攻撃した方が早いよな。攻城兵器と考えると、レベルのあまり高くない兵士が使っても運用できないと意味ないよな。
「ギアみたいに歯車を噛ませて、力が弱くても数多く回せばいいようにしたらどうかな?」
「それも難しいと思うぞ。ワシらクラスのドワーフでないと、ボールベアリングを作れないから、さすがにいくつか歯車を噛ませるとしても、結局かなりの力が必要になるのでは?」
「とりあえず作ってみるか」
俺が気合で回したあのバリスタを改造して、ギアのような物をくっつけてみた。
「回せるようになったでござるが、大半を金属に変えないとすぐに壊れるでござるな。でござるが、金属に置き換えたら、重すぎるでござるよ」
「そうね。持ち運びが悪すぎると思うわ。壁の上に持ち上げるのも一苦労だしね。平地で使うならあまり気にならないかもしれないけど、あんまり現実性がないかな」
思った以上にバリスタは使い勝手が良くなかった。
「バリスタは諦めるか」
「思ったでござるが、投石器……カタパルトの性能はどうでござるか?」
「飛距離はどんなもんだったっけ?」
「そうだな、ワシらが作った奴であれば、1500メートル位は最大で飛ばせたと思うぞ」
「マジで? 投石機ってそんなに飛ぶのか!?」
どうやら異世界補正がかかっていて、生産チートであるドワーフが作った物であれば、地球では大体500メートルと言われていた飛距離が3倍になるようだ。物理法則が違うのか? とか思ったが、そこら辺は全く分からないので考えを放棄する。
「それだけ飛ぶのでござるなら、カタパルトで飛ばす弾に細工して撃ち出すのはどうでござるか?」
「バリスタを改造するよりは、ある物を工夫して使うか。確かにそれがいいかもしれないな」
「ワシらが作った奴でないと、1000メートル位しか飛ばないが大丈夫か?」
「その位なら問題ないだろ。後、少し弾道を高くして、落下速度を加えてみるのはどうかな?」
カタパルトは、多少作るのが大変だと言われたが、山なりの弾道になるのでバリスタより運用が楽な点がよさそうだった。
弾に工夫を加えれば、フレシェット弾のように子弾の雨を降らせられるのではないか? ドワーフの作ってくれたカタパルトを使って、いくつか試作の弾を撃ち出してみた。
バリスタの矢を撃ち出す動力として使われているのは、木の板を加工したものでこの部分をクロスボウのように金属へ変えてみる事にした。
「これじゃ無理だな……」
俺位の力があって、実用的な攻撃力に達するのだが、普通の兵士ではさすがに実用は無理か?
ドワーフが作ったバリスタは、弦を引くのに歯車を回して引くのだが、この歯車を回すのにめっちゃ力を使ったのだ。金属やべえ……
「それはそうでしょ。どうして木と同じ厚さの金属を使ったのよ。むしろそれを回せてるあんたがおかしいと思うわ。よく金属が折れなかったわね」
言われて気付いた。改良のたたき台のつもりで、軽く作っていたのが悪かったのだ。木と同じ厚さの金属を使えばそうなってもおかしくないよな。
「金属で作るのは良いと思うでござるが、この際、クリエイトゴーレムをフルに使って作るのはどうでござるか?」
「ん~……それだと生産性が悪くないか? 俺たち以外作れないぞ?」
「矢に魔核を使う時点で生産性は良くないでござるよ。それに、未知の技術で作っておいた方が、もしもの時のためにはいいでござらんか?」
「クリエイトゴーレムなら、確かに構造が分かっても真似は出来ないか。そもそも矢を魔核で作るなら今更か? でも、やっぱり矢に使う魔核以外は、現存の技術で作れた方がいいんだけどな。鹵獲された時の対策をするのであれば、完成品に魔核を仕込んで崩壊させるようにしておけばよくないか?」
あーでもないこーでもないと話し合いをするが、この日はいい解決策が出なかった。
一番の問題はというか、これだけが問題なのだ。クロスボウで言うリムにあたる部分なのだが、元々は木だった部分を金属に変えたのだが、想定している矢の重さを飛ばそうとすると、弦が必要な所まで引けなかったのだ。
「それにしても、ドワーフってよくあの構造を木で作ったよな。あれなら普通木が折れるもんな。それにDPで召喚できるバリスタ見てビビったよ。動力になる部分に縄みたいなのが使われてるのがあるんだな。最新式ってわけじゃないけど、ねじりコイルバネを使っている奴もあったな」
「そうでござるな、バリスタってあんな形をしてたのでござるな」
「私も知らなかったわ。クロスボウを大きくしただけかと思ってたわ。実際、大きくしたままのバリスタもあったけど、そうじゃない方が多かったわね」
今日の開発が終わって、なんか精神的に疲れたので、3人で集まって庭で食事をしながら話している所だ。
バザールも変身すれば食事を食べれるので、こういう時は一緒に食べてくれるのだ。こういう時は、お酒を飲んだりするのだろうが、3人共お酒に強くないので、こういった時に飲む事はまずない。
「ねじりコイルバネを使うか?」
「それでも力が足りなくない?」
「大型の武器って思ったより大変でござるな」
初めの10分位は真面目に話していたのだが、その後は最近読んだ小説や楽しかったゲームの話など、オタクのような話をしていた。
だけど、熱中しすぎて夜遅くになっても外で騒いでいたので、妻たちに怒られてしまった。そこで解散となる。
次の日、
「なぁ坊主、本当にバリスタを改造するんか?」
「そのつもりだけど、何か問題でもあるのか?」
「問題というか、おそらくだが、クリエイトゴーレムを使わないと、想定している威力は出ないと思うぞ。バリスタがこれ以上進化しなかったのは、魔法とかの影響もあったと思うが、威力が確保できなかったからだと思う」
そうか。俺の力があれば、バリスタの威力は何とかなるが、それなら俺が直接壁を攻撃した方が早いよな。攻城兵器と考えると、レベルのあまり高くない兵士が使っても運用できないと意味ないよな。
「ギアみたいに歯車を噛ませて、力が弱くても数多く回せばいいようにしたらどうかな?」
「それも難しいと思うぞ。ワシらクラスのドワーフでないと、ボールベアリングを作れないから、さすがにいくつか歯車を噛ませるとしても、結局かなりの力が必要になるのでは?」
「とりあえず作ってみるか」
俺が気合で回したあのバリスタを改造して、ギアのような物をくっつけてみた。
「回せるようになったでござるが、大半を金属に変えないとすぐに壊れるでござるな。でござるが、金属に置き換えたら、重すぎるでござるよ」
「そうね。持ち運びが悪すぎると思うわ。壁の上に持ち上げるのも一苦労だしね。平地で使うならあまり気にならないかもしれないけど、あんまり現実性がないかな」
思った以上にバリスタは使い勝手が良くなかった。
「バリスタは諦めるか」
「思ったでござるが、投石器……カタパルトの性能はどうでござるか?」
「飛距離はどんなもんだったっけ?」
「そうだな、ワシらが作った奴であれば、1500メートル位は最大で飛ばせたと思うぞ」
「マジで? 投石機ってそんなに飛ぶのか!?」
どうやら異世界補正がかかっていて、生産チートであるドワーフが作った物であれば、地球では大体500メートルと言われていた飛距離が3倍になるようだ。物理法則が違うのか? とか思ったが、そこら辺は全く分からないので考えを放棄する。
「それだけ飛ぶのでござるなら、カタパルトで飛ばす弾に細工して撃ち出すのはどうでござるか?」
「バリスタを改造するよりは、ある物を工夫して使うか。確かにそれがいいかもしれないな」
「ワシらが作った奴でないと、1000メートル位しか飛ばないが大丈夫か?」
「その位なら問題ないだろ。後、少し弾道を高くして、落下速度を加えてみるのはどうかな?」
カタパルトは、多少作るのが大変だと言われたが、山なりの弾道になるのでバリスタより運用が楽な点がよさそうだった。
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