ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,428 / 2,518

第1428話 昨日の苦労は?

しおりを挟む
 次の日の朝、キリエは何とか機嫌を直してくれた。

 昨日の夜に関しては、俺が全力で結界魔法を張ったので、夜中の3時位までパイレーツスケルトンたちに破られる事は無かった。だけど、破られた後の騒音が酷くて一度目が覚めてしまった。だけど、遮音結界を張り直して安眠を得ることに成功した。

「あいつら、まだ叩いてるんだな。遮音結界の中から壁を触ると振動が伝わってくるよ。さすがアンデッドというべきか。スタミナは無限だな。魔力が切れない限りは動き続けるってことだもんな」

 そうか、アンデッドは分類的に魔法生物になるから、体力もあるけど魔力で体を動かしているんだったな。それなら動きを止めてから……動きをとめる?

「あっ!!!」

 俺が突然大きな声を出したことに、近くにいた妻たちが驚いてどうしたのか尋ねてきた。

「今更だけどさ、ある武器を俺たちがもっているのを思い出したんだよ」

「武器ですか?」

「分類にすると、武器って言うジャンルになると思うけど、その効果はどちらかというと、支援系の道具と言うべきかな」

 妻たちは、俺の話を聞いて更に混乱し始めてしまった。

「謎かけみたいなことは止めよう。俺たちはチビ神から召喚出来るようにしてもらったアイテムがあっただろ?」

 そこまで言うと、みんな気づいたようだ。

「すっかり忘れてたけど、グレイプニルがあるじゃないか! レイスみたいたアストラルサイドの魔物じゃなければ拘束出来るだろ? それでも叩いて壊すのは面倒だから、レイスたちの得意技のドレインで魔力を吸いだそう」

 こうすれば、時間はかかるけど苦労せずに倒すことが可能になる。

 俺は久しぶりにグレイプニルを取り出して操ってみる。

 あれ? 前に比べて簡単に扱えるようになっている気がするな。何でだ?

 この時シュウは気づいていなかったが、遊びでとったスキル、鞭術がグレイプニルの鎖にも適用されているようで、簡単に扱えるようになっていた。

 扱いがヘタになっているなら問題だったが、上手くなっているなら問題ないよな。今なら1人で50匹くらいは簡単に拘束できそうだ。前は10匹くらいじゃなかったっけな?

「シュウ様、闇魔法使えるのって、ライム、ジュリエット、レミーの3人だけだよ?」

 年齢の差はあるが、妻たちはお互いをだいたいが呼び捨てしているのかな? っと、シェリルに言われて闇魔法は覚えられても、扱いが難しく扱いきれるメンバーは俺を含めここには4人しかいなかった。

「忘れてた。ちょっと重労働になるけど、ハンマーとか斧をを渡すから、叩いてもらった方がいいかな? あ、自分の武器で良ければそれでもいいけどね」

 そういって、ガテン系の工事でも始めるかのような印象の担ぎ方をして扉の近くに集合する。ヘイトを稼いでいるメンバーもこちらに来ているので、パイレーツスケルトンたちもここに来てしまっていた。

「移動してもらうのも面倒だから、シリウス、今日もあれをお願いするよ。動けなくなったろ頃で俺が拘束するから、水を消してくれ」

 シリウスが小さい体を使って〇を作って了解をしてくれた。

「じゃぁいくよ!」

 俺が扉を開けると、シリウスが口から大量の水を吐いた。これって、一種のウォーターブレスと言って良いのだろうか? 魔法で作りだしているから、普通のブレスとは違うと思うけど、ハクのブレスは魔法を使っているけど、ドラゴンのブレスは魔力を直接変換しているんじゃなかったっけ?

 って、マジでどうでもいいな。シリウスが自分で生み出した水に乗り移動していく。俺たちも外に出ないといけないので、少し離れた位置まで移動して、パイレーツスケルトンたちの動きを止めてくれた。

 俺はベストポジションに位置取りをして、グレイプニルの能力を発動する。俺の意思にそって、パイレーツスケルトンたちを拘束していった。16体を拘束し終わり、俺の前に引きずり出す。

「ほいさ、拘束終了だよ。適当にドッカンドッカンやってくれ。ブラウニーたちは片付けを始めてくれ、ライム、ジュリエット、レミーと俺は、こいつから魔力を吸い上げるよ」

 俺の足元で倒れているキングを踏んで指を指す。

 ガキンガキン音が響いている中で、4人はキングから魔力をドンドン吸い上げていく。パイレーツスケルトンたちは、何とか抜け出そうとしているが、さすがに神器であるグレイプニルからは、逃れることは不可能だった。

 俺もシュリだって、グレイプニルの拘束から逃れることは無理である。この世界で基本的に理不尽なことはないのだが、唯一の例外が神器だろう。あれ? 神器って複数あるから、唯一とは言えないか?

 こんなにのんびりと考えられているのは、グレイプニルのおかげだな。

 ん? 何か忘れている気がするんだけどな……何だったっけな?

 昔、グレイプニルを使った時を思い出す。あの時は、俺が拘束して妻や従魔たちに攻撃させてたっけな。

 そうだ! 昔は、グレイプニルを使っていたら、他の行動がとれなかったはずなんだが、今は普通に行動できているな。よく分からないが、プラスの方向に進化しているから気にする必要もないか。

 それにしてもルーク、お前硬いな。シュリとアリスとクシュリナのダメージディーラーの3人の攻撃を、1時間程一方的に受けているのに、まだ半分くらいしか減っていないのだ。もう片方のルークは、まだ7割以上残っている。

 一方柔らかいのは、ビショップかな? 2人で攻撃しているのにもうそろそろ4割をきっているな。

 まぁ一番ダメージを受けているのは、俺たちの目の前で倒れているキングだろう。一方的に4人で魔力を吸い出しているので、残り1割切っている。といっても、4人で1時間吸い続けて、やっと魔力が尽きる量ってどうなんだろうな。

 それから10分もしない内にキングの動きが止まった。俺たちはそこに止めを刺す。アンデッドの厄介なところは、魔力を回復すると動き出すのだ。なので、ある程度壊しておくしかないのだ。

 キングが死ぬと、他のチェスの駒になぞらえた残りの15体は、能力がダウンしていた。

 そして今更ながらに、人造ゴーレムに攻撃させれば俺たちが疲れる必要は無かったんじゃないか? 本当に1つのことを考えると他のことが頭から抜けるな。

 戦闘開始から2時間半で最後の駒。後に回されていたナイトが沈んだ。

 終わってみたら、かなり余裕をもって倒せたな。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...