ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1473話 2ラウンド目

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 バレルに視察へ行った次の日、俺はまた下の子たちの世話をする事になった。

 妻たちは、俺が予想以上に喜んでお世話をしていたと、一緒に世話をしていたブラウニーに聞いたらしく俺との話し合いの末に、1月に1~2回は世話をみさせてあげるべきではないか? という結論に至ったようで、こうやって世話をすることができるようになった。

 妻たちもブラウニーたちが手伝ってくれるので、食事やオムツ交換などの手間はほとんど感じていない。ぐずった時の判断はケットシーが的確にしてくれるし、泣いてもすぐに対応してくれるため、苦労を感じていないらしい。

 ミリーの母親にも聞いてみたが、ここまで手間のかからないことなんてありえないと思っていたと、言っている。それだけ恵まれた環境ということだろう。

 今日は、前のときと違ってみんなが元気な日だった。

 何日かに1回、こうやって下の子たちが元気な日があるらしい。そういう時は、ウルたちと一緒に遊んでいるとか言っていたな。でも、今日は俺とケットシーにスライムだけなので、お姉ちゃんたちはいないのだ。ちょっと不満な顔をするのは止めてくれ。

 君たちが俺をいじめたりけなしたりするつもりがないのは分かっているけど、分かっているだけに素直な反応をされると傷付くのだよ。

 ハイハイとまではないかないが、ほふく前進をするようになったので、下の子たちは行動範囲が広くなっている。ケガをしないようにソフトフローリングにしてあるが、心配なのは変わりがない。

 それにしても、この時期で子供たちの性格って決まりつつあるのかな? って思ってしまう。

 唯一男の子のシンラだが、いつも姉妹たちに苦労をかけられているのか、若干達観している印象を受ける。今だって、スライムをクッションにしておっさん座り、スコ座りの方がいいかな? そのスコ座りをして姉妹たちの様子を見ている。

 シンラの視線の先は、もちろん姉妹のプラムとシオンの2人がいる。そして、ターゲットになっているのは俺である。

 プラムとシオンの2人に色々な攻撃を受けている。足をペチペチされたり、太腿や腰に頭突きをされたり、抱っこしろと要求して抱っこをしたら蹴られたり、予想以上の暴れん坊になっていた。

 赤ちゃんに何を言っても分からないだろうから、消極的に態度で示す事にしてみた。俺が蹴られたところで大した痛みも感じないのだが、嫌がっているということを分かってもらえれば、暴君に育つことは無いんじゃないか?という考えだ。

 蹴られそうになったら体を遠ざけたり、頭突きをされそうになったら頭を抑えてみたり、叩かれそうになったら手を掴んでみたりしてみた。えっと、遊びか何かと勘違いしたのか、更に動きが活発になってしまった。

 無念なり……後で、妻やウルたちにどうしているか聞いてみるか。

 暴れた時に排便をしてしまったのか、3人とも不快感で泣き出してしまった。さすがに同時に対応するのは無理なので、ブラウニーとスライムたちにも手伝ってもらう事にした。

 お尻に残っている不快感はあるようで眉間にしわを寄せているが、お風呂場に到着すると泣き止んで早くお風呂に入らせろ! みたいな圧力をかけてきた。この歳で、もうお風呂好きなのか?

 部屋の温度より高めに設定されているこのお風呂場は、子どもたちが裸になっても寒くないように配慮されている。ブラウニーたちに子どもたちの服を脱がせてもらっている間に、俺は上着とズボンを脱ぎボクサーパンツ1枚の状態になる。

 服を脱がせてもらったプラムたちは、スライムに乗せて運ばれて来た。このスライムたちって、全く汚れないから凄いよな。表面に菌すら付着することがない、完璧な無菌状態だからな。

 そんなスライムたちに運ばれてキャッキャ言っている3人。

 シャワーを準備すると、その位置に3人を運んでいき、顔にかからないように上手く位置を調整している。手袋をささっとつけて1人ずつ洗っていく。1人洗ったら俺の隣に待機しているスライムに手を突っ込み、キレイにしてもらってから、次の子へ。

 初めは同じ手袋でどうなのか? とか思ったけど、調べてみれば手袋を付け替えるより、清潔な状態で洗えることが分かったので、洗う前にスライムに手を突っ込むことがこの家では常識になっている。

 3人をベビーバスに入れて、寒くならないようにブラウニーたちがシャワーを使っている。体から離すと水滴が飛び散ってしまうので、手でシャワーの先端を軽く押さえて隙間からお湯が出て甲に流れ落ちていくので、甲を3人の体に当てて撫でるような感じでシャワーを浴びさせている。

 3人とも満足そうに目を細めている。お前らは、顎の下をコリコリしてもらっているネコか?

 いつもの流れで着替えを済ませた後は、騒いでお風呂に入った後なので疲れたのか、眠ってしまった。

 今日はこれで世話をするのは終わりみたいだな。

 戻って来た妻とウルたちに今日のことを話してみたら、今までは頭突きや蹴りをしてくることなんてなかったと聞かされて、俺は嫌われているのだろうか? と本気で考えていたら、嫌いだったらあの子たちは泣くわよ、とピーチから言われて一安心。

 何で泣くと知っていたのか聞いてみたら、以前にバザールたちが様子を見に来た時に、骨状態のバザールにも懐いていたのだが、綾乃はシンラにガン泣きされたらしい。何もしていないのに憐れな綾乃だ。

 新しい一面を見ることができたので、良しとしよう。

 明日は、メギドへ行くつもりなので連絡を入れておかないとな。
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