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第1523話 難しい問題
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外から見える形で封印をしたが、結局、ディストピアの住人を使って監視することは止めている。
大きな理由としては、いくら常識を捨てたディストピアの住人でも、今回の仮定名セラフは見せるには問題がある。と言う話を、封印したとグリエルに報告した時に注意された。
グリエルが言うには、今回の敵に関しては、上層部だけで対応するのがいいと言う話になり、その中で注目を浴びたのがドワーフたちだ。
ドワーフたちは仕事に関して手を抜くことは無い。そして報酬が好物のお酒とあれば、死ぬ気で仕事をするのだ。ヴローツマインから、老害と呼ばれる老ドワーフたちがたくさん移住してきているので、その物たちに特別報酬を出して、交代で監視してもらうように話を通したらしい。
もう話がついていたのだ。それなら問題ないのかな?
ディストピアとしては、老ドワーフでも移住者が増えれば活気も出るし、いいことなのだがヴローツマインにとっては、老害とはいえいなくなるのは問題なのではないだろうか?
後で、ヴローツマインの技能集団首領をリンドから引き継いだダリアに話を聞いてみた。
「老害の爺共がいなくなって、ヴローツマインは平和になりました。特に朝から晩まで飲んで、仕事もしない邪魔な奴らがいなくなったので、中堅あたりのドワーフたちがノビノビしていますし、若いドワーフたちへの酒の量も増えていいこと尽くしですよ」
と、本当に感謝するような声でお礼を言ってきた。
あのじっちゃんたちって、酒飲んでるだけで仕事してなかったのか。まぁ、酒はいくらでも取り寄せられるし、最近は畑エリアを広げそこで採れた作物を使って酒も造っているので、試し飲みをさせて意見をもらっているらしい。
ドワーフは、大酒のみで大食いだ。食事については酒に合えば何でも食らうが、お酒に関しては水のように飲むくせに、些細な味の違いを察して的確な助言をくれるらしい。
そんな、時間を持て余している老ドワーフたちが結構いるので、そういうドワーフを集めて1~2時間くらいのサイクルで交換して、監視してもらうようだ。
どれだけいるかと思ったら、お酒が報酬で出ると聞いた瞬間に200人以上のドワーフが何処からともなく現れたとか。
そんなこんなで、監視要員は問題なくなったので、一安心だ。その反面、グリエルは苦い顔をしている。
俺から聞いた仮定名セラフの生態というか、特殊性に関して頭を悩ませている。
おそらく、ターゲットは俺だったが、原因はどうであれ街のトップ《複数の都市を所有していることを考えれば、王と言っても間違いではない》が、そんな訳の分からない相手に狙われているのだから、苦悩してもしょうがないことだった。
何もしらないままに、あいつがディストピアに来ていたら、どれだけの被害が出ていたことか。
実質、小細工をしなければ、俺たちでもダメージを与えられたか疑わしい。
「そんなに悩むな。今回のお陰で、マイワールドに隔離出来ることは分かったんだから、四大精霊たちにだって対応可能だよ。能力を貸し出せるブラウニーたちでも対応できるんだから、何の問題も無いさ。監視しているスプリガンのメンバーが対応してくれそうだけどね」
グリエルを安心させるように冗談っぽく言った。
正直なところ、目の前に立ちたい相手ではないが、対応する方法があるのであれば気にする相手でもないかな? 問題は、ダンマスの検索にひっかからないことなんだよね。
今回は、エリア一帯から情報が入ってこなくなり、そのおかげで発見できたが……結局のところ、何の効果でそうなっているか判明していないのだ。その対策ができていないことが心配ではある。
「念のためにですが、シュウ様はマイワールドから、ドッペルを操って生活してほしいですね。ご家族の皆様もですが」
不意に襲われれば、抵抗らしい抵抗が出来ずに殺されてしまう可能性があるので、その危険を減らすための方法として今回のことが提案された。
ドッペルで色々することに反対は無いけど、ディストピアの住人を危険にさらす可能性があるのは。どうにかならないかと。
それをグリエルに聞いた。
その時に帰って来た言葉は、
最悪、俺が生き残っていれば問題ない。街だって作り直すことは容易いし、人だって集めることは可能。住人たちには悪いが、代えの効かない俺だけは何としてでも生き残ってもらう必要があるんだってさ。
どんな反応をすればいいか悩んだが、それがグリエルだけの意見ならともかく、ガリアも庁舎の職員も、ギルドの職員や学校の先生にまで同じことを言われてしまうと、反論できなくなってしまう。
この街の守りのことで駆け付けていたレイリーの話で、守る優先順位としては、俺⇒俺の家族⇒ディストピアの子どもたち⇒その他という順番らしい。そして、その他の中には兵士や冒険者は含まれていないのだとか。
この2つの職種の人間は、進んで命を投げ出すことが求められるのだ。死ぬかもしれない相手を前に逃げるような奴はいない。俺や子どもたちの未来を守るために、命を投げ出す覚悟を何時でもしているんだってさ・・・
俺も、家族のために命懸けってことはあったけど、投げ出すほど不利な状況になれば、どうにかして逃げる事を考えるからな。そう考えると、俺ってこの街の兵士や冒険者たちより、覚悟がないのかもしれないな。
今度、何か差し入れを持って行こう。みんなの喜びそうなものを見繕ってさ。
その後も、いくつか話し合いをして帰宅する。帰ってすぐに、俺たちがこもるマイワールドを作成することにした。
色々実験していたところ、ゲートはある条件を満たすと消すことが出来たのだ。これにより、完璧な隔離空間に引きこもることが出来るようになった。
相変わらず、隔離荒れた空間からドッペルを操作できる原理がいまいち分からないけどな。
ちなみに連絡方法は、ダンジョンの監視システムを使った伝言板みたいなものだ。
俺たちの場合は、ゲートを作って連絡することも可能だが、ドッペルが向こうにいるので特に困ることはない。
問題となったのは、グリエルたち側からこちらに連絡を取る手段がないことだ。連絡用のドッペルでもおいておけば?と言ってみたが、万が一のことを考えて却下され。
相談したいことがあるときは、常時繋げておくスクリーンの画面に書き込むことになった。マイワールドの至るところに、スクリーンの映像を写し出しておいて、すぐに気付けるように配慮している。
それにしても、チビ神からの連絡がねえな、死んだか?
いや、あいつは殺しても死ななそうだな。
『なに好き勝手言ってくれてるのよ! このアンポンタン!』
大きな理由としては、いくら常識を捨てたディストピアの住人でも、今回の仮定名セラフは見せるには問題がある。と言う話を、封印したとグリエルに報告した時に注意された。
グリエルが言うには、今回の敵に関しては、上層部だけで対応するのがいいと言う話になり、その中で注目を浴びたのがドワーフたちだ。
ドワーフたちは仕事に関して手を抜くことは無い。そして報酬が好物のお酒とあれば、死ぬ気で仕事をするのだ。ヴローツマインから、老害と呼ばれる老ドワーフたちがたくさん移住してきているので、その物たちに特別報酬を出して、交代で監視してもらうように話を通したらしい。
もう話がついていたのだ。それなら問題ないのかな?
ディストピアとしては、老ドワーフでも移住者が増えれば活気も出るし、いいことなのだがヴローツマインにとっては、老害とはいえいなくなるのは問題なのではないだろうか?
後で、ヴローツマインの技能集団首領をリンドから引き継いだダリアに話を聞いてみた。
「老害の爺共がいなくなって、ヴローツマインは平和になりました。特に朝から晩まで飲んで、仕事もしない邪魔な奴らがいなくなったので、中堅あたりのドワーフたちがノビノビしていますし、若いドワーフたちへの酒の量も増えていいこと尽くしですよ」
と、本当に感謝するような声でお礼を言ってきた。
あのじっちゃんたちって、酒飲んでるだけで仕事してなかったのか。まぁ、酒はいくらでも取り寄せられるし、最近は畑エリアを広げそこで採れた作物を使って酒も造っているので、試し飲みをさせて意見をもらっているらしい。
ドワーフは、大酒のみで大食いだ。食事については酒に合えば何でも食らうが、お酒に関しては水のように飲むくせに、些細な味の違いを察して的確な助言をくれるらしい。
そんな、時間を持て余している老ドワーフたちが結構いるので、そういうドワーフを集めて1~2時間くらいのサイクルで交換して、監視してもらうようだ。
どれだけいるかと思ったら、お酒が報酬で出ると聞いた瞬間に200人以上のドワーフが何処からともなく現れたとか。
そんなこんなで、監視要員は問題なくなったので、一安心だ。その反面、グリエルは苦い顔をしている。
俺から聞いた仮定名セラフの生態というか、特殊性に関して頭を悩ませている。
おそらく、ターゲットは俺だったが、原因はどうであれ街のトップ《複数の都市を所有していることを考えれば、王と言っても間違いではない》が、そんな訳の分からない相手に狙われているのだから、苦悩してもしょうがないことだった。
何もしらないままに、あいつがディストピアに来ていたら、どれだけの被害が出ていたことか。
実質、小細工をしなければ、俺たちでもダメージを与えられたか疑わしい。
「そんなに悩むな。今回のお陰で、マイワールドに隔離出来ることは分かったんだから、四大精霊たちにだって対応可能だよ。能力を貸し出せるブラウニーたちでも対応できるんだから、何の問題も無いさ。監視しているスプリガンのメンバーが対応してくれそうだけどね」
グリエルを安心させるように冗談っぽく言った。
正直なところ、目の前に立ちたい相手ではないが、対応する方法があるのであれば気にする相手でもないかな? 問題は、ダンマスの検索にひっかからないことなんだよね。
今回は、エリア一帯から情報が入ってこなくなり、そのおかげで発見できたが……結局のところ、何の効果でそうなっているか判明していないのだ。その対策ができていないことが心配ではある。
「念のためにですが、シュウ様はマイワールドから、ドッペルを操って生活してほしいですね。ご家族の皆様もですが」
不意に襲われれば、抵抗らしい抵抗が出来ずに殺されてしまう可能性があるので、その危険を減らすための方法として今回のことが提案された。
ドッペルで色々することに反対は無いけど、ディストピアの住人を危険にさらす可能性があるのは。どうにかならないかと。
それをグリエルに聞いた。
その時に帰って来た言葉は、
最悪、俺が生き残っていれば問題ない。街だって作り直すことは容易いし、人だって集めることは可能。住人たちには悪いが、代えの効かない俺だけは何としてでも生き残ってもらう必要があるんだってさ。
どんな反応をすればいいか悩んだが、それがグリエルだけの意見ならともかく、ガリアも庁舎の職員も、ギルドの職員や学校の先生にまで同じことを言われてしまうと、反論できなくなってしまう。
この街の守りのことで駆け付けていたレイリーの話で、守る優先順位としては、俺⇒俺の家族⇒ディストピアの子どもたち⇒その他という順番らしい。そして、その他の中には兵士や冒険者は含まれていないのだとか。
この2つの職種の人間は、進んで命を投げ出すことが求められるのだ。死ぬかもしれない相手を前に逃げるような奴はいない。俺や子どもたちの未来を守るために、命を投げ出す覚悟を何時でもしているんだってさ・・・
俺も、家族のために命懸けってことはあったけど、投げ出すほど不利な状況になれば、どうにかして逃げる事を考えるからな。そう考えると、俺ってこの街の兵士や冒険者たちより、覚悟がないのかもしれないな。
今度、何か差し入れを持って行こう。みんなの喜びそうなものを見繕ってさ。
その後も、いくつか話し合いをして帰宅する。帰ってすぐに、俺たちがこもるマイワールドを作成することにした。
色々実験していたところ、ゲートはある条件を満たすと消すことが出来たのだ。これにより、完璧な隔離空間に引きこもることが出来るようになった。
相変わらず、隔離荒れた空間からドッペルを操作できる原理がいまいち分からないけどな。
ちなみに連絡方法は、ダンジョンの監視システムを使った伝言板みたいなものだ。
俺たちの場合は、ゲートを作って連絡することも可能だが、ドッペルが向こうにいるので特に困ることはない。
問題となったのは、グリエルたち側からこちらに連絡を取る手段がないことだ。連絡用のドッペルでもおいておけば?と言ってみたが、万が一のことを考えて却下され。
相談したいことがあるときは、常時繋げておくスクリーンの画面に書き込むことになった。マイワールドの至るところに、スクリーンの映像を写し出しておいて、すぐに気付けるように配慮している。
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