ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,576 / 2,518

第1576話 忘れてた

しおりを挟む
 あれからしばらく経ったある日、バザールに呼び出された。

 庁舎での仕事を終え昼食を食べて、子ども部屋でプラムたちの様子を見ていたときに、バザールから連絡が入ったのだ。緊急ではないが、時間が空いているなら来てほしいとのことだった。

 子どもたちと遊ぼうかな? って考えていただけで、他にすることも無かった。綾乃と違ってバザールが無意味に呼び出すことは無いので、何かあったのだろう。

 呼び出されたのは、ダンジョン農園にある俺たちがよく集まる部屋だ。

「あ、来たでござるな。少し報告したいことがあるでござるよ。気温は低めに設定して、コタツに入るでござる。ミカンも準備してあるでござるよ。後は、緑茶に煎餅や漬物もあるでござる」

 どこの田舎だよ! と言いたくなるようなラインナップがコタツの上に並べられていた。

 それより、報告ってこいつに何か任せてたっけ?

「その何か任せてたっけ? みたいな顔はやめるでござる。どうせ忘れていたのでござろう? 前回のダンジョンバトルでゲットした武具の確認が終わったでござる。後、条件なしのダンジョンバトル4つでござるが、まとめてダンジョンで勝負したでござる」

「あ~、そういえば全面的に任せたの忘れてたわ。なんか面白いアイテムとかあったん?」

「そうでござるな。ダンジョンバトルの方は簡単に説明するでござる。相手4人のダンマスが結託して攻撃してきたでござるが、10階に配置したS級スケルトンで全員返り討ちにしたでござる」

 S級スケルトン? なんとなくクリエイトアンデッドで作ったスケルトンのことだろうと思っていたら、その通りだった。

 1匹だけでは無いと思ったので、何匹配置したのか聞いてみると、5体小隊を4つとキングっぽく育った奴を1体、合計で21体配置したらしい。

 Sランク相当の魔物21体とかどんな悪夢だよ。しかもアンデッドなのにヒーラー付き、この世界の回復魔法は、アンデッドでも回復するからな。

 でも話を聞くと、それなりに苦戦はしたらしい。

 4人のダンジョンマスターが組んでたこともあり、物量で攻めてきたようだ。スケルトンを使うだろうと予測して、聖属性の効果を付与できるアイテムや、光魔法を覚えさせていたようだが、統率の取れていない物量作戦では、1体のスケルトンを殺すこともできなかったらしい。

 攻めの方は、重武装させた強化外骨格2式をタンク1体に、アラクネタイプの人造ゴーレムに強化外骨格3式を装備させたのを4体でチームを組ませ、同時に4つのダンジョンを攻略したようだ。

 それを聞いて、10階にキングっぽいスケルトンを置いた理由が分かった。バザールの奴、タンクに乗り込ませたアンデッドを操って、人造ゴーレムたちに指示を出していたのだろう。

 話を聞いて分かったのは、相手にすらならなかったということだろう。

「で、武具とかアイテムの検証結果でござるが」

 目玉は、3つ合わせて装備すると強くなる槍とメギンギョルドの2つだ。槍はSランクの下の上相当までステータス強化、メギンギョルドは神器のようで制限なしの運以外のステータス5割増し。複数身に着けても効果は1個分だけだったようだ。

「メギンギョルド、やべえな。ステータス5割増しか……ちなみにどんな物なんだ?」

 メギンギョルドの本体を見せてもらうと、何と言えばいいのか、神話では帯だったと思うが、これはどう見てもリストバンドっぽい。神器と言ってもグレイプニルとは違い、あまり頑丈ではないようで、多少強い武器であれば簡単に破けるそうだ。

 なので、装備するときはメギンギョルドを装備した上に籠手などを装備するのが望ましいようだ。多少の改造なら何の問題も無いようで、アダマンタイト繊維を編み込むのも有効的かもしれないとのことだ。

 とりあえず、妻たち全員に装備するやつと予備に2つ渡しておこう。

 他のダンジョンマスターが聞いていたら、正気を疑う内容だろう。神器はダンジョンバトル上位陣でも、まとめて100個近くとか召喚することは難しいレベルである。それだけ莫大なDPを必要とするのだ。

 合計7つの世界……大陸を掌握している俺であれば、1日で十個分のDPが貯まるのでたいしたことは無い。使うことが無くて増えていくだけなので、久々にまとまった消費をした気がする。

 俺についてきていたダマに、メギンギョルドを試しで装備させてみたら、もともと高かったステータスが、5割増し怪物が化物に変化した!

 ん? 怪物と化物ってどっちが強いんだ?

 比べられる物じゃなかったな。元々化物じみていたのに、更に手が付けられないほど強くなっていた。

 シュリに装備させたら、やばいことになるな。まぁ、死ぬ可能性が少しでも減るなら儲けものだと思っておこう。

 動物型の従魔でも問題なく装備できたので、従魔たちのメギンギョルドを召喚しておいた。思い思いのところに身に着けてもらっている。そう言えば、50個くらい召喚したところで、カラーバリエーションが増えたので、従魔たちには俺が勝手に色を選んでいる。

 スライムは装備できるのか? と思ったが、体内に入れることで効果を発揮するようだ。見事にステータスが5割増し、高速移動型スライム! もともと強く速かったニコの動きがおかしなことになっていた。

「面倒だったけど、あのダンジョンバトルは儲けが大きかったな」

「そうでござるな。今回のダンジョンバトルは条件なしでござったので、勝者にDPの付与だけでござったから、アイテム類は一切得られていないでござる」

 まぁ、そんなもんだよな。ダンジョンバトルによるDPの付与って、どのくらいもらえてるんだろうな?元々の桁が多すぎて意識してみないと分からないんだよな。

「報告はそんなもんか?」

「肝心なのが残っているでござる。次のダンジョンバトルはどうするでござるか?」

「えっと、確かメモってたな、6が時間を決めた侵攻戦、4が時間を決めた防衛線、5が条件付きの相互侵攻戦か。侵攻戦はまとめられるのか?」

「試してみたでござるが、こちらが侵攻していく侵攻戦はまとめられなかったでござる。防衛線に関してはまとめることができたでござる。相互侵攻戦も問題なくまとめられたでござるよ」

「侵攻戦って、守りを考えずに攻めていく奴だよな? そんなに守りに自信があるのかね? 時間制限って言ってるけど、ダンジョンの大きさ・必要移動距離・魔物の強さで時間が決まるから、どっちが有利とかは一概には言えないんだけどな」

「樹海の中心の山のダンジョンを使えば、数年単位のバトル期限でござるよ」

「相手は強そうだったか?」

「たいして強くないと思うでござる」

「じゃぁ、侵攻戦も任せていいか?」

「問題ないでござる。戦闘の順番は勝手に判断するでござるよ」

 これで報告は終わりのようだ。午後なら、空いている時間が多いから、ダンジョンバトルで気になることがあったら連絡してくれ。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...