ダンマス（異端者）

第1595話 子どもたちの成長？

「……ってな感じで、俺はいつの間にかダンジョンバトルのランカーになってたみたいで、ちょいちょいバトルの申請があるっぽいんだ。できる限り家を空けないようにするけど、しばらく戻ってきても遊んだりできないかもしれないから、すまない」

　チビ神からの説明と、さっそく申請があった事を家族に伝える。

　上位ランカーがどれだけ強いのか分からないが、もしかしたら戻ってこれない可能性だってある。一時の油断もできないような攻め方をしてくる可能性だってあるからな。

「ミリーお母さん！」

　俺が話し終えるとウルがミリーを呼んでいた。なんだろうと思ったが、ミリーの言葉ですぐに解決した。

「シュウ君。この子たちも一緒にその部屋に行くのはダメなのかな？」

「えっと、この前の怪盗騒ぎの犯人を助手に使っているから、あまり合わせたくないかな。それに、ダンジョンバトルはグロイシーンもあるしね。この子たちには早いんじゃないか？」

「準備段階だけでもいいの、それにゲートを繋げてくれたらすぐに行き来できるでしょ。ダメかな？　この子たちもシュウ君の近くにいたいみたいなのよ」

　娘たちが近くにいたいというのは、正直涙がちょちょぎれるほど嬉しいが、どうしたもんだか？

「子どもたちだけで移動ってことは無いよな？」

「そうですね。ここに来るときは、私たち３人の内誰かが絶対に近くにいること、合計で４人以上は私たちの中から一緒に行動するように考えてるわ。それに、ケットシーとスライムを１人１匹ずつと一緒に移動するわ」

「なるほど、出来ることなら止めたいけど、その様子だとミーシャたちが結構ぐずった感じかな？　俺のせいでごめんな。みんな、こっちおいで。一緒にいることは許可するけど、毎日やらなきゃいけないことはきちんとやるって、約束できるかな？」

「「「大丈夫！」」」
「私も手伝う」

　ミーシャたち３人は元気よく返事をして、ウルは３人の後に自分も手伝うからお願いといった感じだ。

「後、あそこでは絶対に言うことを聞くんだよ。それが守れなかったら、この話は無しになるからね。みんなにも迷惑かけるけど、よろしくね。こんな俺だけど支えてほしい」

　妻たちは、全員苦笑している。何故だ？　今、俺ちょっといいこといった！　みたいな感じだと思ったのに、妻たちには苦笑するような内容だったのか！？

　他にも細かいルールを決めてから、娘たちも来れるようにした。

　念のためニコに頼んで、あの部屋に１００匹ほどスライムたちを待機させておくようにお願いしておいた。そういえば、ニコから分裂したスライムたちが、１００００匹になったところで増殖をやめていたことについ最近気が付いた。

　どこにいるか分からないスライムたちなので、どれだけ増えてこれからどれだけ増えるのかと戦々恐々としていたが、これ以上は増えることは無いようだ。っといっても、１００００匹はいるんだけどな。

　後は健司だが、あいつには、着ぐるみでも着せておくか。筋トレが趣味みたいになってて、ムッキムキなんだよね。それ自体が悪いとは言わないが、娘たちに悪い影響が出たら嫌だし、ピッチピチのＴシャツは俺たちもみたくないので今は、ダボっとした服を着せている。

　それにしても、娘たちは一緒にいたいと思っていただけなのだが、実は違ったようだ。俺の役に立ちたいと考えているみたいで、俺の知らないところで四大精霊たちにダンジョンのことや、ダンジョンバトルのことを教えてもらっていたらしい。

　子どもらしい考え方の攻め方や守り方を提案する姿は微笑ましい。けど、君たちはどうしてそんなに脳筋みたいな、ごり押しを提案するんだ？　攻め落とせば勝ちっていうらしい考えは分かるのだが……まぁ、娘たちには娘たちで考えさせておこう。

　面白そうな作戦があったら採用すれば、娘たちも満足してくれるかな？

　ミリーたちも、ミーシャたちは遊び感覚でいろいろしているみたいだから、これはこれで有りのようだ。

　お昼の時間になると、みんなに渡しておいたＤＰ魔改造済み懐中時計からアラームが聞こえてくる。懐中時計にアラームはどうなんだろうか？　と思ったが、娘たちが懐中時計の形を気に入っており、アラームをつけてほしいと言われれば、つけちゃうよね！

「３人とも、ネコちゃんたちに餌をあげないと！」

　ウルはミーシャたち３人を急かして部屋を出ていく。急ぐのは悪くないけど、慌てて転ぶなよ！　そして、お母さんたちを置いていくなよ。追いかけるミリーたちは苦笑していた。俺との約束を守るためとはいえ、母親たちとの約束を忘れちゃだめだぞ。

　初日だからさすがに忘れることは無いと思ってたけど、こういう結果になるとはね。

　昼食が終わって一緒に部屋に戻ってきたが、どうやら寝るみたいでスライムたちがベッドになり、そこに埋もれて寝るみたいだ。気持ちよさそうだ。

　目が覚めるとおやつまで勉強して、時間が来たら走って行ってしまった。忙しいな。

　おやつを食べに行ったかと思ったら、どうやら弟妹たちのもとへ行ったらしい。どうやらおやつの時間は一緒に過ごす約束をしているようで、弟妹たちの面倒をみるという母親たちとの約束もしっかりまもっているようだ。

　娘たちがいなくなったところで、今回の相手について俺たちは話し合うことにした。

　今回の相手は、１０位の相手らしい。戦い方を分析したバザールからの話では、自己顕示欲が強い感じがしたと言っていた。使う魔物は力と耐久性に秀でた魔物で、ダンジョンバトルの定石らしい。

　何でそんなことを知っているかと思ったら、チビ神が新しく作ったダンジョンバトルに関する説明本に書いてあったとか。あいつ、そんなもん作ってたのか？　動画見るときに使っているタブレットＰＣで作ったりしたんかな？

　その中で、耐久性と力の強い魔物を使って戦線を押し上げて、後ろからも攻撃できるようにするのがセオリーらしい。

　そういわれても、結構変則的な攻め手がいたからそれに合わせて、変則的な戦い方をしか記憶しかねえな。

　力で押してくるなら、こちらも力押しで行くかな？　娘たちの作戦に使えるのがあるかもしれない！