ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,676 / 2,518

第1676話 またお前らの仕業か!

しおりを挟む
 とりあえず、倒れた騎士たちのステータスを確認するが、特に異常は見られなかった。

 俺はこのときにマップ先生のステータス閲覧機能で、異常を発見できなかったことをもっと深く考えるべきだった。

「原因が分からん! そこの騎士の人、この薬を倒れた人たちに飲ませてくれ。高ランクの万能薬とエリクサーだ。これで治るかもしれない。早く!」

 騎士に取り出したエリクサーと万能薬を押し付け、自分たちのエリアに戻らせる。

 そして俺たちが考えなければいけないのは、これからのことだ。

「レイリー、これが感染するものだと想定する。騎士たちの通り道にいた冒険者と、接触した可能性のある者を南東エリアに、寝静まっている娼婦たちのいる北西エリアはそのままで、状況が分かるまで隔離を。南西エリアは接触疑いのある者、北東エリアは感染していない可能性の高い者で分かてくれ」

「疑いとそうでない者の分け方は、どういたしますか?」

「いった通り、通路を基準に入った者は接触者として、通路には入っていないが付近にいた者を、接触疑いでわけよう。今監視にあたっているものは、すまないが状況が落ち着くまで監視を続行してもらおう。半分を休憩させ半分を監視に、特に通路にいた者は絶対にエリアから出すな」

 これであっているのか分からないが、初動が遅れて感染拡大とかになったら洒落にならん。今はできる範囲で分類して、可能な限り早く分けるべきだ。

 くそう、本当に何が起きてるんだ? イレギュラーの所為か? 王国の奴隷兵の装備していた、マントみたいなのを使ってるのか?

 そんな考えが浮かんだが、マップ先生で発見できなくなるだけで、この訳の分からない状況を作り出すことは不可能だ。

「レイリー、帝国に魔導無線を渡すわけにはいかないが、行き来しないで連絡を取る手段が必要だが、何かないか?」

「何かですか、管を作って地下でも地上でもいいのですが、繋げるのはいかがですか?」

「さすがにこの距離だと、音が吸収されてほとんど聞こえなそうだな。入力する音を大きくすれば問題ないか? ってことは、拡声器をつければ何とかなりそうだな。あ~でも、1本だと混声しそうだから2本通してやればいいか? よし、それを採用だ。ちょっと作ってくる」

「ちょっとお待ちください! ドッペルの体であっても、それは許可できません!」

 レイリーに止められてしまった。

「そうはいうけどさ、俺たちも騎士たちに接触しているから、本来なら隔離の方に行かないといけないんだぞ? というか、この中央エリアは隔離する必要があるんだけどな。それにドッペルってことは、この体は魔物なんだよ。土木組に頼むわけにはいかないから俺がやるしかないんだよ」

 レイリーを何とか説き伏せ、突貫工事で管を2つ作る。試しに話してみるが、しっかりと声が届いたようだ。

 ブラウニーたちは、自分たちのエリアで食事の仕込みをしていたため、外部との接触は全くないのは正直助かる。念のためにダンジョンマスターのスキルを使って、地下にブラウニーたちの空間を作りそこへ移動してもらった。

 食事は大鍋等で作り、各エリアで各々に食事を配膳する事に決めた。多少食事の質が落ちるとはいえ、こういった時に食べられる食事としては、破格の美味さなので我慢してもらおう。

「思いつく限りの対応はして見たものの、根本的な原因が分かっていないからどうにもならないな。冒険者たちの様子はどうだ?」

「今のところ、目立った混乱はありませんね。帝国の方では倒れたのは8人で、追加で倒れている騎士はいないそうです。リーダーと一緒に行ったメンバーが倒れているそうです。それと、万能薬もエリクサーも完治はしなかったそうですが、一時的に改善があったと報告が来てます」

「一時的に改善……HPに影響を与える毒とかか? 毒なら検知できると思うんだけどな。検知できないタイプの継続ダメージか?」

 俺は慌てて倒れた騎士たちのステータスを確認する。

「やっぱり継続ダメージが入ってるみたいだな。誰か、倒れている騎士たちの様子を聞いてくれ。毒に類似しているもので、体に痛みが無く継続ダメージ入るタイプのものは無かったはず。何かしらの痛みがあるはず。痛みがないとなると、呪いの類か?」

 帝国と連絡を取っていた冒険者が、倒れた騎士たちの様子を報告してくれた。

 痛みはなく意識は朦朧としているが、何とか受け答えはできているようだ。そして、体に急に力が入らなくなったと言っている。

「毒や人食い胞子のような痛みを与えるタイプのものではないとなると、呪いやそれに近い何かの可能性が高いか?」

「呪いですか?」

「この世界にあるのか分からないけど、呪術と呼ばれる胡散臭い技術形態がマンガやアニメであるんだ。現実に存在しているかは分からないけど、地球には魔法自体無かったから可能性はゼロとは言えないな。それに、闇魔法で似たようなこともできるし、俺らの知らない技術があってもおかしくないと思う」

「シュウ様、最近呪いという単語を聞いた覚えがあるのですが」

 そう言ってきたのは、キリエだった。

「私たちと戦ってくれた時に、神様がそんなこと言ってませんでしたっけ? お腹を痛くする呪いをかける、みたいなことを……」

「言ってたな。チビ神が呪ってやるとか言ってた気がする。まさか! またどこかのバカ神たちの介入だって言うのか?」

 最悪のシナリオが頭に浮かぶ。現時点で他の人にうつった形跡はない。死んだ後で呪いを吐き出して周囲を汚染する呪いがあれば、防ぐ方法はないんじゃないか? 神の呪いだったら、俺たちの常識が通用しないだろうしな。

 おい、チビ神! 見てんだろ、返事しろ!

『……はっ! にぇてにゃいにょ?』

 さっさと起きろ! お前に聞きたい事があるんだが、神界で怪しい動きをしている神っていなかったか? 一緒にいる騎士の何人かが原因不明で倒れたんだが、何かわからんか?

『調べるなら、ダンジョンマスターの能力で調べられるでしょ。せっかく気持ちよく寝てたのに……ジュル』

 神の仕掛けた呪いだとしたら、ダンジョンマスターのスキルじゃどうにもならんだろ。さっさと調べてくれ。

『しょうがないわね。えっ! これじゃ、あんたには分からないか。それにしても、何で神が関与しているって分かったの?』

 分かってねえよ! 色々潰してったら、神の介入があった可能性が一番高くなったから確認したんだよ。って、その様子だと神が介入してるんだな? どうすればいいんだ?

『呪いなんだけど、対象者が死ぬまで呪いを貯め続けて、死ぬと同時に周囲にまき散らすタイプね。私たちが使える呪いの中で、一番簡単に仕掛けられる呪いよ』

 なんてことだ。本当に周囲にばらまくタイプの呪いとか! それが一番簡単にかけられる呪いって、神ってバカなんじゃねえのか? まじで死ねよ、介入してこないんじゃなかったのかよ!
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

処理中です...