1,722 / 2,518
第1722話 ボス戦の前に
しおりを挟む
装備と時間を確認する。
「後2時間で夕食だけど、大丈夫だと思うか?」
「そうですね。34階の訳の分からない魔物でなければ、問題ないと思うのですが……」
「このまま攻略したいところだけど、ここは多数決を取って進むか、明日攻略するか決めるか?」
妻たちも、多数決で決めようという俺の意見に賛成してくれた。俺は明日派になるのだが、多数決には参加しない。俺が参加すると、俺の意見がほぼ通るからな。
俺を抜いた妻たちが軽く話し合い、多数決を取った。
思ったより接戦だったが、明日攻略の方が多かった。
なので、今日は早いが家に戻る事になった。
早く帰ってくると分かった段階で娘たちが行動を始めており、ドッペルへ憑依する時に使っている部屋から出た瞬間に捕まった。
何事かと思ったら、今日の移動中に温泉の話をしていたのを聞いて、娘たちが入りたくなったようなのだ。ミーシャ・スミレ・ブルムの3人に飛びつかれ、3人が俺の体をゆすってくる。
まぁ、簡単にいけるから問題はないけど、シルキーたちに許可とってからじゃないと大変な事になるから、先にあっちを説得してきてくれ。
俺が言ってもよかったのだがそれだと確実に許可が出るし、娘たちが自分たちでつかみ取らないと意味が無いと思ったので、自分たちで説得させることにしたのだ。
従魔たちなら、俺が言うより娘たちが言った方が効果的だが、シルキーたちには娘たちの可愛さも通じない。この家で唯一公平にみんなを見る事ができる存在なのだ。
俺からだと、明らかに無茶苦茶な要求でない限り許可が出やすい。召喚した本人だからな。
色々理屈をこねてみたが、本当は娘たちがどう説得するのかを、こっそりと覗こうと思っているのだ。
娘たちがキッチンへ走っていき、ブラウニーにシルキーを呼んでもらうように話をしている。
しばらくすると、ちょっと威圧感のある雰囲気を出してスカーレットがやってきた。
身振り手振りで説明とお願いをするミーシャたち、少し困った顔でこっちを見てくるスカーレット……いるのはバレてるよな。なので、ミーシャたちの言い分が問題なければ許可を出してくれと、足元にいたダマに念話を送らせる。
ダマの念話を聞くと頷き、改めて娘たちの話を聞き始めた。
細かく話を聞いているようだな。
10分位見守っていると、ミーシャたちが喜び始めた。どうやらスカーレットが許可を出したようだな。
娘たちが俺のところへ走ってきて、予定を説明してくれる。
今から温泉へ行き、普段より1時間遅く夕食を食べる事になったようだ。
普段なら、夕食まで1時間半程しかない。今から準備して移動するとなると、1時間もお風呂に入っていられないだろう。娘たちはそれでもいいかもしれないが、俺は温泉なら休み休みだけど、ゆっくり入りたい派だからな!
娘たちには、準備をしてくるように話をして、下の子たちの準備も手伝うように言いつける。
妻たちも準備をしてもらい、俺はスカーレットから話を聞く事にした。
娘たちは初めのうちは、自分たちが入りたいようなことを言っていたのだが、少し違和感を覚えたスカーレットがウソ無く話しなさいと言った所、たまたま時間ができた事もあるが、俺のために温泉に行こうと言ってくれていたようだ。
なんで俺のため? とか思ったら、娘たちから見ると最近疲れているような印象があったようで、まとまった時間が無いといけない、温泉に行こうと言い出したようだ。娘たちが俺の事を、うぅぅ……
少し涙が出そうになっていたら、
スパーンッ!
ハリセンで頭を叩かれた。
「確かにシュウ様のことを考えていると思いますが、今回は自分たちが入りたいからシュウ様をだしに使っていますよ。私もシュウ様が最近、お疲れ気味のように思えていたので許可を出しました。本来なら許可を出すつもりはなかったんですけどね」
だってさ。娘たちよ! 俺をだしに使ったのか!? 俺の感動を返せ!
と、心の中で叫んで見たものの、娘たちと温泉に行けるならだしに使われても別にいいか、と思った。
準備が整い、いざ温泉へ。
いや~気持ちよかった。夕食がさ、旅館のような夕食で、なんて言っていいのか分からないけど、本当によかったよ。美味かったし、見た目も綺麗だったな。中でも、今日の一番はブリの塩焼きだな。良く分からないけど、本当に美味かった。旅館のような場所で食べたのも良かったのかもな。
昨日もゆっくりしたけど、今日の方が気分的に良かったな。
面白かったのは、シンラが昨日に引き続きスライム乗ってプカプカ浮いていたのだが、その姿がスコティッシュフォールドの座り方のように、おっさんっぽかったのだ。
スコティッシュフォールドは、後ろ足に体重をかけると痛いらしく、苦肉の策で編み出したといってもいい座り方なのだが、なぜお前がその座り方? と思った。
あまりにも可愛かったので写真を撮りたいと思ったのだが、俺の息子の息子がむき出しだからな。
今度、シンラに合わせたスーツっぽい服を着せて、その体勢をしてもらおうかな? 何て考えてしまった。
ちなみに、家猫の1匹がスコティッシュフォールドなんだけど、うちのはたまにスコ座りするんだよな。魔法などで治療をしているので、関節は痛くないはずなのだが、あの体勢は遺伝子に組み込まれた座り方だったりするのかな?
うっし、英気も養ったし明日は頑張るぞ!
「後2時間で夕食だけど、大丈夫だと思うか?」
「そうですね。34階の訳の分からない魔物でなければ、問題ないと思うのですが……」
「このまま攻略したいところだけど、ここは多数決を取って進むか、明日攻略するか決めるか?」
妻たちも、多数決で決めようという俺の意見に賛成してくれた。俺は明日派になるのだが、多数決には参加しない。俺が参加すると、俺の意見がほぼ通るからな。
俺を抜いた妻たちが軽く話し合い、多数決を取った。
思ったより接戦だったが、明日攻略の方が多かった。
なので、今日は早いが家に戻る事になった。
早く帰ってくると分かった段階で娘たちが行動を始めており、ドッペルへ憑依する時に使っている部屋から出た瞬間に捕まった。
何事かと思ったら、今日の移動中に温泉の話をしていたのを聞いて、娘たちが入りたくなったようなのだ。ミーシャ・スミレ・ブルムの3人に飛びつかれ、3人が俺の体をゆすってくる。
まぁ、簡単にいけるから問題はないけど、シルキーたちに許可とってからじゃないと大変な事になるから、先にあっちを説得してきてくれ。
俺が言ってもよかったのだがそれだと確実に許可が出るし、娘たちが自分たちでつかみ取らないと意味が無いと思ったので、自分たちで説得させることにしたのだ。
従魔たちなら、俺が言うより娘たちが言った方が効果的だが、シルキーたちには娘たちの可愛さも通じない。この家で唯一公平にみんなを見る事ができる存在なのだ。
俺からだと、明らかに無茶苦茶な要求でない限り許可が出やすい。召喚した本人だからな。
色々理屈をこねてみたが、本当は娘たちがどう説得するのかを、こっそりと覗こうと思っているのだ。
娘たちがキッチンへ走っていき、ブラウニーにシルキーを呼んでもらうように話をしている。
しばらくすると、ちょっと威圧感のある雰囲気を出してスカーレットがやってきた。
身振り手振りで説明とお願いをするミーシャたち、少し困った顔でこっちを見てくるスカーレット……いるのはバレてるよな。なので、ミーシャたちの言い分が問題なければ許可を出してくれと、足元にいたダマに念話を送らせる。
ダマの念話を聞くと頷き、改めて娘たちの話を聞き始めた。
細かく話を聞いているようだな。
10分位見守っていると、ミーシャたちが喜び始めた。どうやらスカーレットが許可を出したようだな。
娘たちが俺のところへ走ってきて、予定を説明してくれる。
今から温泉へ行き、普段より1時間遅く夕食を食べる事になったようだ。
普段なら、夕食まで1時間半程しかない。今から準備して移動するとなると、1時間もお風呂に入っていられないだろう。娘たちはそれでもいいかもしれないが、俺は温泉なら休み休みだけど、ゆっくり入りたい派だからな!
娘たちには、準備をしてくるように話をして、下の子たちの準備も手伝うように言いつける。
妻たちも準備をしてもらい、俺はスカーレットから話を聞く事にした。
娘たちは初めのうちは、自分たちが入りたいようなことを言っていたのだが、少し違和感を覚えたスカーレットがウソ無く話しなさいと言った所、たまたま時間ができた事もあるが、俺のために温泉に行こうと言ってくれていたようだ。
なんで俺のため? とか思ったら、娘たちから見ると最近疲れているような印象があったようで、まとまった時間が無いといけない、温泉に行こうと言い出したようだ。娘たちが俺の事を、うぅぅ……
少し涙が出そうになっていたら、
スパーンッ!
ハリセンで頭を叩かれた。
「確かにシュウ様のことを考えていると思いますが、今回は自分たちが入りたいからシュウ様をだしに使っていますよ。私もシュウ様が最近、お疲れ気味のように思えていたので許可を出しました。本来なら許可を出すつもりはなかったんですけどね」
だってさ。娘たちよ! 俺をだしに使ったのか!? 俺の感動を返せ!
と、心の中で叫んで見たものの、娘たちと温泉に行けるならだしに使われても別にいいか、と思った。
準備が整い、いざ温泉へ。
いや~気持ちよかった。夕食がさ、旅館のような夕食で、なんて言っていいのか分からないけど、本当によかったよ。美味かったし、見た目も綺麗だったな。中でも、今日の一番はブリの塩焼きだな。良く分からないけど、本当に美味かった。旅館のような場所で食べたのも良かったのかもな。
昨日もゆっくりしたけど、今日の方が気分的に良かったな。
面白かったのは、シンラが昨日に引き続きスライム乗ってプカプカ浮いていたのだが、その姿がスコティッシュフォールドの座り方のように、おっさんっぽかったのだ。
スコティッシュフォールドは、後ろ足に体重をかけると痛いらしく、苦肉の策で編み出したといってもいい座り方なのだが、なぜお前がその座り方? と思った。
あまりにも可愛かったので写真を撮りたいと思ったのだが、俺の息子の息子がむき出しだからな。
今度、シンラに合わせたスーツっぽい服を着せて、その体勢をしてもらおうかな? 何て考えてしまった。
ちなみに、家猫の1匹がスコティッシュフォールドなんだけど、うちのはたまにスコ座りするんだよな。魔法などで治療をしているので、関節は痛くないはずなのだが、あの体勢は遺伝子に組み込まれた座り方だったりするのかな?
うっし、英気も養ったし明日は頑張るぞ!
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ダンジョン作成から始まる最強クラン
山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。
そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。
極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。
そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。
ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。
ただそのダンジョンは特別性であった。
ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる